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諏訪哲史『アサッテの人』

2008-01-04 18:25:16 | ノンジャンル
 朝日新聞の年末特集「2007年 心に残る一冊」の対談で言及されていた諏訪哲史氏の「アサッテの人」を読みました。芥川賞受賞作だそうです。
 半年前から行方不明になっている叔父の部屋があるアパートが取り壊されることになり、代理人として私が叔父の荷物を整理しに行きます。そこには、叔父の日記と伯母の日記が発見されました。そしてそれらを引用しながら、私は叔父についての小説を書いて行きます。
 新婚当時の叔父が突然「ポンパ」と大声で叫んだこと、意味不明の言葉を発する叔父の歴史、それが叔父の少年期のどもりと関係しているらしいこと、仕事でエレベーター内の関しをしていて、自分と同じように奇行を演じる「アサッテ男」を見つけたこと、通常のものを避けたいとする反骨精神が自分を「アサッテ男」にしたらしいこと、叔父の好きな言葉、嫌いな言葉、意味のない言葉を発する狂人の話、モンゴル人が悪魔にさらわれないために子供に変な名前をつけていること、妻の死後、偽りのアサッテへと崩壊していく叔父、などなどが叔父の日記や伯母の日記という形で語られていきます。そして最後に至っては判読不能な文章が書かれ始め、ついていけなくなります。

 この小説を読んだ方、面白かったですか? 私にとっての鬼門である芥川賞受賞作であることもありますが、何が言いたいのか、さっぱり分かりませんでした。前半で、叔父が奇声をあげる理由は何となく分かりましたが、日常と非日常、という命題自体がもうあまり興味がありません。ということで、訳の分からない小説を読みたい方にはオススメです。

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