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増村保造監督『卍』その2

2021-07-29 02:50:00 | ノンジャンル
 昨日の東京新聞の夕刊において、政治家の江田五月さんの訃報が掲載されていました。江田さんは法相時代に死刑執行を1件も行なわなかった方で、尊敬すべき政治家の一人でした。まだ80歳だったとのこと。あまりにも早い死期を迎えられたことに大いなる悲しみを覚えるとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、昨日の続きです。

 しかし、しつこく狡猾な綿貫は秘密にするはずのその誓約書を孝太郎に見せて、園子と光子の中を裂こうとする。夫に問いただされた園子は秘密を一切合切しゃべる。孝太郎は光子との仲の清算を妻の園子に迫る。園子と光子は二人の真剣な気持ちを孝太郎に理解させるために睡眠薬による狂言自殺を試みる。園子は朦朧とした意識の中、光子が男と絡み合っているのを見る。夫の孝太郎と光子が肉体関係をもってしまったのだ。夫は光子と肉体関係を持ってしまったことを園子に謝るが、夫は光子との過ちをその後も繰り返す。すべては光子の企んだことだった。園子は光子に魅せられる夫の気持ちを理解し、三人で幸福に過ごそうということになるのだった。夫は、悪いのはすべて綿貫一人のことだったことにし、これまでの証拠の品すべてを10万円で買い取る。光子は自分をめぐって園子と夫が言い争いをしているところに現れると、自分がいるのだから夫婦喧嘩のようなことはしないでほしいと怒る。そして園子と夫の二人で夜寝る日には、光子は二人に睡眠薬を飲ませ、自分がいない間二人が関係を持たないようにする。自分だけが眠らされるではないかと疑心暗鬼になる園子と夫。それに対し光子は自分に忠実を誓ったのは嘘だったのかと、ひどく悔しがる。夫は賭けにでようと言い、園子と自分の薬を交換して飲もうと提案し、薬を飲んだ二人が眠るのを確認してから光子はにこやかに去る。そうした間に園子と夫はお互いに疑い合い、嫉妬し合う。なぜ毎日薬を飲まされるのかと問い合う園子と夫は、光子の真意を図りかねる。薬は徐々に強くなっていき、目覚めた後も体がしびれて病人のようになっていく園子と夫は、お互い、光子を太陽のように崇めて生きるようになってきていると言い合い、二人とも綿貫に似てきたと述べ合う。光子が二人を衰弱させようとしているのではないかと言う夫に、その可能性を否定できない園子。光子のためなら死もいとわないと言う夫に、自分と一緒になってしまったと答える園子。
 ある日、自分たちのことが載っている新聞を綿貫から送りつけられた夫は、もう自分たちが社会復帰できなくなったと悟る。いよいよ最後の時が来たと言う園子。同意する夫。訪ねてきた光子も新聞記事を手にしていて「死のう」と言う。うなずく園子と夫。綿貫にやられたけれど、いずれは人に知られることだったと言う光子は、どうしてもあの男から逃れられないとも言う。園子と光子の間に交わされた手紙は、記録を残すために全て園子に預けられる。園子が描いた観音像の前で、三人は線香をあげ、園子は「あの世に行ったら喧嘩せずに、みな仲良く過ごそう」と言う。薬を飲んだ後、白装束で中央の光子と手をつなぎ、横たわる三人。やがて園子は目を覚ますが、その時は既に光子と夫は手をつないだ状態で亡くなっていた。すぐに二人の後を追おうとも思ったが、最後まで二人に騙されていたとも考え、もしそうだったら、あの世でも自分だけがのけ者にされると思い、今まで生きてきたと園子は言う。今でも光子のことを考えると、悔しい、悔しい、恋しい、恋しいと思うと園子は語る。語り終え、涙にくれる園子の姿で、映画は終わる。

 若尾文子さんと岸田今日子さん、それに船越英二さんも加わり、最強のトリオによる最高のドラマを観させてもらいました。

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