朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」の中で、青山ブックセンターHMV渋谷店の店員さんが純文学系として推薦していた本谷有希子さんの「生きてるだけで、愛」を読みました。ただし、単行本ではなく、月刊新潮に書き下ろしたものを読んだので、単行本の内容とは少し違う部分もあるかもしれません。
女子高生の時に、学校がかったるいという理由で体毛をすべて剃った経験を持つ25歳の寧子。バイト先の同僚に気安くデートに誘われてから、安く見られてる自分が嫌になり、人生何度目かの鬱になります。バイトは続けていたのですが、その男のことが好きな女の嫌がらせを受けるようになり、その女に啖呵を切ってバイトはクビに。部屋に閉じこもる寧子を、同棲相手の津奈木は心配していません。寧子も成りゆきで彼の家に居着いただけで、彼には何の思い入れもありません。
寧子と津奈木の出会いや、現在の生活ぶり、寧子の家族の話などが語られた後、津奈木の元カノ・安堂が出現し、寧子に津奈木を別れろ、と迫ります。喫茶店での恫喝まがいの脅しの後、夜に玄関のチャイムを連打するようになります。すると今度は、安堂は寧子に自立するためにバイトを始めろと言い出します。
そこで紹介されたのは、元ヤンキー夫婦が営むイタリアンレストランでした。名字が新垣なので「ガッキー」と呼ばれるようになった寧子はアットホームなこの職場にすぐなじみ、鬱も終ったのですが、月に一回の酒を飲みながらのミーティングで、つい飲み過ぎ、駐車場の車の上を飛び歩いて、トイレを破壊してしまいます。そして雪が降る寧子の住むマンションの屋上で寧子は全裸になり、津奈木と語り合うのでした。
というものなのですが、寧子の躁鬱によると思われる行動の突飛さについていけません。また、没個性的な津奈木にもなじめません。ましてや嫉妬の鬼となってる安堂は問題外です。
推薦者の店員さんは、「どこか病んでいる主人公の思考とともに進むストーリーはまさにライブであり、読んでいるうちにそのグルーブにのみ込まれます。」と書いていますが、確かにその通り。しかし、そこには読書の快感は存在していませんでした。少なくとも、私はお勧めできない本なのでした。
女子高生の時に、学校がかったるいという理由で体毛をすべて剃った経験を持つ25歳の寧子。バイト先の同僚に気安くデートに誘われてから、安く見られてる自分が嫌になり、人生何度目かの鬱になります。バイトは続けていたのですが、その男のことが好きな女の嫌がらせを受けるようになり、その女に啖呵を切ってバイトはクビに。部屋に閉じこもる寧子を、同棲相手の津奈木は心配していません。寧子も成りゆきで彼の家に居着いただけで、彼には何の思い入れもありません。
寧子と津奈木の出会いや、現在の生活ぶり、寧子の家族の話などが語られた後、津奈木の元カノ・安堂が出現し、寧子に津奈木を別れろ、と迫ります。喫茶店での恫喝まがいの脅しの後、夜に玄関のチャイムを連打するようになります。すると今度は、安堂は寧子に自立するためにバイトを始めろと言い出します。
そこで紹介されたのは、元ヤンキー夫婦が営むイタリアンレストランでした。名字が新垣なので「ガッキー」と呼ばれるようになった寧子はアットホームなこの職場にすぐなじみ、鬱も終ったのですが、月に一回の酒を飲みながらのミーティングで、つい飲み過ぎ、駐車場の車の上を飛び歩いて、トイレを破壊してしまいます。そして雪が降る寧子の住むマンションの屋上で寧子は全裸になり、津奈木と語り合うのでした。
というものなのですが、寧子の躁鬱によると思われる行動の突飛さについていけません。また、没個性的な津奈木にもなじめません。ましてや嫉妬の鬼となってる安堂は問題外です。
推薦者の店員さんは、「どこか病んでいる主人公の思考とともに進むストーリーはまさにライブであり、読んでいるうちにそのグルーブにのみ込まれます。」と書いていますが、確かにその通り。しかし、そこには読書の快感は存在していませんでした。少なくとも、私はお勧めできない本なのでした。
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