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土方宏史監督『さよならテレビ』

2020-02-26 05:22:00 | ノンジャンル
 土(これに点が入る漢字なのですが、パソコンのプレートでは見つかりませんでした)方宏史監督の2020年作品『さよならテレビ』を、神奈川県厚木市の「アミューあつぎ」の最上階にある映画館「kiki」で観ました。「東海テレビドキュメンタリー劇場第12弾」として撮られた番組に新たな映像を加えてできた映画です。以下、パンフレットの「STORY」を参考にして、あらすじを書くと、

 2016年11月。東海テレビの報道フロアで、一枚の紙が配られた。「ドキュメンタリー企画書『テレビの今』(仮題)」。ディレクターの土方が、自社の報道の現場にカメラを入れ、取材するというのだ。(中略)ニュースデスクたちの机に仕込まれた小さなワイヤレスマイクが、声を拾う。(中略)取材される側の苛立ちがあらわになったころ、報道部長が土方を呼び出した。
 デスクたちが説明を求めて土方に質す。「そもそも何が撮りたいのかわかんない」「取材というのはお互いの同意の上ですべき」…。(中略)
 2か月間の撮影中断を経て、「取り決め」が結ばれた。
・マイクは机に置かない
・打ち合わせの撮影は許可を取る
・放送前に試写を行う
 夕方のニュース番組「みんなのニュースOne」。張り出された視聴率の各局比較表には、東海テレビ=4位の文字。どうしたら数字が伸びるのか、頭を悩ますデスクたち。ある日、唯一数字が伸びたのは“冷凍品特集”だった。「グルメばっかりにしたら、4位から脱出できるね」「でも、それだとニュース番組ではなくなるね」。(中略)
 4月の番組改編で、番組のメインキャスターに抜擢されることになったのは、入社16年目の福島智之アナウンサー(37)。(中略)番組PRの取材に対して、ニュースをただ読むのではなく、観ている人にきちんと伝えること。自分に嘘をつかずに本当に思ったことを伝えることを心がけていると応えた後、「そうしたいけど、なかなかできない」と微妙な笑顔で本音を漏らす。
 社会科見学で東海テレビを訪れた小学生に、報道部長が「報道の使命」をレクチャーする。
1 事件・事故・政治・災害を知らせる
2 困っている人(弱者)を助ける
3 権力を監視する
(中略)
 福島は、自分自身も参加する祭の取材をしながら悩んでいた。自分の地元の祭なので、手前味噌になりはしないかと、取材の現場でグジュグジュ考えている。「こんなに悩んでるキャスターいないよね?」という土方に、「向いてないんですよ」と福島。
 (中略)労働時間削減のため、東海テレビ報道部でも人員の補充が行われることになった。やってきたのは新人記者の渡邊雅之(24)。制作会社からの派遣社員だ。他のテレビ局で2年働いた経験はあるものの、初々しく、たどたどしく、おぼつかない。(中略)
「みんなのニュースOne」の生放送中に誤った映像が流れた。フロアと副調整室は騒然となる。(中略)放送後の反省会で、総括プロデューサーが「“ぴーかん”の時の教訓が活かされてない」と語気を強めた。“ぴーかん”の時とは、2011年8月4日のこと。ローカルワイド番組「ぴーかんテレビ」の生放送中に、誤ったテロップを流し、番組は即日打ち切りになった。その時のキャスターも福島だった。以降、東海テレビは8月4日に「放送倫理を考える全社集会」を行っている。(中略)
 久しぶりに報道フロアが色めき立った。号外と題された視聴率表には「3位」の文字。低迷していた視聴率が、少しずつだが、上昇の兆しをみせていた。(中略)
 2017年8月4日。「放送倫理を考える全社集会」が行われた。6年前の2011年、生放送中の「ぴーかんテレビ」で岩手県産米の当選者発表の際、当選者情報を「怪しいお米」「セシウムさん」「汚染されたお米」と表示するテロップが放送された。考えられないような不適切な表現で、信頼を失った事件。東海テレビには、「マスゴミ」「死ね」といった批判が浴びせられた。カメラの前で謝罪をした福島への誹謗中傷もあった。
 取材対象者への確認不足で、渡邊が取材していた企画が放送直前に無くなった。なんとか形にしなければというプレッシャーと、自分で考えて仕事ができる楽しさのなかで必要な確認を怠ってしまったと渡邊は肩を落とす。「制作会社の契約だし、成果が出せないと1年後終わっちゃうんじゃないかって…」(中略)
 2018年。「みんなのニュースOne」の視聴率は落ち込んでいた。次のクールでメインキャスターが交代することが決まった。福島は降板。そして、契約の渡邊も、3月末で終了、「卒業」が決まった。(中略)
 新しい春、福島は街の探訪をする番組を担当することになり、渡邊は大阪テレビにその活躍の場を移していた。しかし、福島は土方に「そんなハッピーエンドでいいんですか?」と問うのだった。

 メディアの目的の3つを実現したいと思う一方で、視聴率に左右される報道の現場を描いた、とても優れた映画だと思いました。必見です!!

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