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阪本順治監督『北のカナリアたち』その2

2014-03-31 05:52:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 ハルは次に6人のうちの最後の1人、イサム(松田龍平)が島に警官として戻っていることを知り、会いに行きます。イサムらが住んでいた村にはもう誰も住んでいないが、一応見て来いと上司に言われたイサムが村に向かうと、1軒の家の煙突から煙が上がっています。イサムがその家に入ると、ノブが逃げ出し、巨大な煙突に登ります。自分がイサムだと知らせると、ノブは喜んで声を上げますが、その際に腐っていた梯子が取れ、ノブは落ちて後頭部を打ち、意識不明になります。イサムはノブが先生のことを母のように思っていて、「先生は俺たちを見捨てた」と言っていたと言います。ハルもノブから石を投げられた後、船出の時にノブが桟橋に現れて「行かないで!」と大声で懇願していたことを語ります。イサムはユキオが嫌いだったと言い、それはイサムが飼っていた野良犬をユキオが虐待するのを見たからだと言います。イサムは自分たちの歌をハルが密会していた男やユキオに聞かせたかったのでは?と尋ねます。歌を聞いて涙ぐむユキオの回想シーン。
 回想シーン。額の上にあるメガネを探していたユキオは、ハルの話を聞き、バーベキューをしようと言います。最近体調がいいと言うユキオと喜ぶハル。彼らはトラックに向かって歩く警官があやうくトラックに轢かれそうになるのを見ます。夜に自転車で警官に会いに行こうとするハルを必死に止めるハルの父は、ユキオにもハルが警官と密会しているのを知っているんだろう?と言うと、ユキオはハルは苦しんでいると言い、自分はハルに愛されて幸せだと語ります。バーベキューの日、ユキオはハルに、警官が警察を辞め、今日島を出ることを教え、男のところへ行き、決して死ぬなと言って来いとハルを送り出します。
 ノブの意識が戻り、実家に帰ったハルは父に迎えられます。ノブは刑事の前で語り出します。自分が結婚しようとしていたカズミは前の会社の社長の奥さんで、社長のひどいDVに晒され、やっと離婚が成立したこと、しかし社長はカズミの新しい住所を調べ、そこへ乗り込み、逃げ出したカズミは車の前に飛び出して死んだこと、ノブが社長に会いに行くと、社長はカズミのことを「死んで当然の女だ」と侮辱し、それで自分がキレて社長を殺してしまったことを語ります。家庭がただ欲しかっただけだと語るノブ。島に戻った理由を刑事に聞かれ、「死ぬなら島で」とノブが言うと、刑事は「逃亡直前にハル先生から電話があり、先生から言われたのだろう?」と言います。ハルはノブに「最後に出した『歌を忘れたカナリア』の気持ちを考えてくる宿題についての授業をさせて」と言っていたのでした。イサムは上司に刑事に土下座して、本土にノブを送る前に、授業を受けさせてやってほしいと懇願します。警官とともに学校へ向かうノブ。教室に入ろうとすると、ノブは叫び声を上げます。ノブを迎える5人とハル。6人はハルの指揮で『歌を忘れたカナリア』を歌います。ユキオは海で死ぬ直前に、ホッとした表情で手を上げていたとノブが語ると、ハルは涙を流します。ノブは『歌を忘れたカナリア』の気持ちはあの頃も今もよく分からないが、生きてていい?とハルに訊くと、ハルは頷きます。再会を誓うハルとノブ。ノブの船出を歌で送る5人とハル。見守るハルの父。「待っているから」「一人じゃないから」と次々と5人が叫ぶと、ハルは「皆、あなたが好きだから」と大声で言います。
 海を拝むハル。父は「自分を許してあげなさい」と言い、「今年も来ていたよ」と言って、ハガキをハルに渡します。そこには「生きている」とだけ書いてありました。回想シーンで、警官が「生きている」と言うのに対し、「それだけでいい」と言うハル。警官は泣き崩れます。父は彼が今は外国で地雷撤去の仕事をしていると言い、ハルは笑顔になります。そして草原を歌を歌いながら歩いていく6人の少年少女の姿で、映画は終わります。

 北国ならではの素晴らしい“ショット”が数多く見られる映画でした。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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