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島津法樹『秘境アジア骨董仕入れ旅』

2009-01-06 16:49:03 | ノンジャンル
 お正月も明けて、またミスチル三昧の日々を送っています。今は「Atomic Heart」と「深海」と「SUPERMAKET FANTASY」を順番に聞いています。

 さて、島津法樹さんが'04年に出した「秘境アジア骨董仕入れ旅」を読みました。骨董品の仲買人をしている島津さんが、東南アジアから南アジアにかけての国々を骨董品の掘り出し物を探していて出会ったエピソードについて書いた本です。
 インドのボンベイ(現在のムンバイ)で、異常に気意の高いマハラジャの未亡人から、20万ドルで売れる白磁の壷を1500ドルで買った話、ネパールのカトマンズで、迷路のような路地と家を案内された上、薬湯だと言って飲まされた睡眠薬で眠らされ、身ぐるみはがされた話、ディーラーにまだ荒らされていないスリランカのコロンボに行き、江戸初期の大名茶人も収集に一苦労した、17世紀頃のオランダ、デルフト製の煙草葉水指を100ドルで仕入れ、博物館に飾ってあったのと同じ、青手古九谷の大皿を手強い骨董屋から買った話、タイ東部のカンボジアとの国境付近で、堀り屋が掘り出した古代の遺物を買った話、タイの北部で日本人の陶工を使って、専門家でも見分けのつかない偽物を作り、土に埋めて骨董と騙して売る商人の話、フィリピンのスル諸島で、スペインの植民地時代の大砲を売って生活している島民たちの話、インドネシアの地図にもないような小さな島であるサンギヘ島で、まだディーラーの手の及んでいない、見た事もないような見事な骨董品がざくざく出て来た話、ミャンマー東部のタイとの国境付近のアヘン密売地帯で、見事な翡翠の仏像を安く買えた話、まだ荒らされていないラオスのルアン・プラバンで、茶の湯で使われている高価な水指を300ドルで手に入れた話、パキスタン北部の山岳地帯に、最近評価が高まっているガンダーラ仏を探しに行った話、パキスタンのカラチで、0.5平方メートルで5万4千ドルもする、アフガン貴族が来ていた服を、1500ドルで買った話、イエメンのサナアで、1グラム2千円もする乳香を安く買い漁った話、イエメンのマーリブに、紀元前のシバの女王時代の遺物を買いに行った話からなっています。
 パキスタンの山岳地帯では、断崖絶壁にある細い道や丸太の上を歩いたり、美しい女性が天使の輪をつけていると思ったら、蠅の集団だったり、イエメンでは、砂漠の中の町の異常な暑さに閉口したりと、安い骨董を探すだけではなく、様々な体験をしている著者は、半端な骨董仲買人ではありません。実際、攻めて(著者は「値切る」ことをこう言います)安く仕入れた物でとんでもなく儲けることだけでなく、こうした様々な体験をすることが、著者にサラリーマン生活を40にして捨てさせた大きな動機になっているように思います。
 一気に読める本です。オススメです。

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