相米慎二監督の'85年作品『雪の断章―情熱』をスカパーの日本映画専門チャンネルで再見しました。
夜、カメラが移動していくと、雪に覆われた家の窓から楽し気な家族の様子が見え、その家からサチコのジュースを飲んだから替わりのを買って来いと言われた伊織が出てきて、雪の降る夜に「行こか、戻ろか、オーロラの下を♪」と歌いながら川の土手を歩いて行きます。青年の雄一(榎木孝明)は、彼女が7歳の孤児で名場家に養子にもらわれてきたが、メイド扱いを受けていると聞き、取りあえず古いセーターを着せてあげ、自分が彼女を引き取ることにします。朝、歯磨きを一緒にする雄一と伊織。家政婦のカネは、施設に戻すなら今のうちと雄一に言い、それを聞いていた伊織は家を飛び出しますが、雄一は追いかけ、俺は伊織の父だぞと言うと、伊織は雄一に雪を投げ始め、やがて雄一の胸を叩き、泣き出します。
“10年後”の字幕。松田聖子の『夏の扉』を歌いながら、オートバイの後部座席に花だらけの格好で乗る伊織(斉藤由貴)。空港へ雄一を迎えに来た彼女は、近くに名場家の人々がいるのを見つけ、彼らは相変わらず仲がよく、連休はハワイで過ごし、サチコの妹のヒロコは自分と同じ札幌中央高校3年B組にいて、北大を志望していて、家庭教師を3人もつけ、自分たちさえ良ければいいと考えている人達だと言います。雄一はエリートコースである東京の本社への転勤を断ったと言い、伊織は北大に進学する自信はないと言います。
ある日、雄一の住むマンションにヒロコが引越してきます。カネは雄一とその友人の大介(世良公則)が伊織を育てるのに、大切な十年を使ってしまったと言います。
伊織が商店街で買い物をしていると、ヒロコが車の中から声をかけてきて、「男がただで女の子を育てると思ってるの? 雄一に育てられなければ、あそこにいる浮浪者みたいになってたかもしれない。あんなにひがみっぽかった娘がこんなにすこやかに育ったなんて、雄一さんを尊敬するわ。名場家は恩人よ。私たちがいなければ、雄一さんにも会えなかったんだから」と言い、伊織が「必ず出会ってた。運命だから」と言い返すと、ヒロコは「雄一さんが好きなのね。私の歓迎会に雄一さんも大介さんも誘って」と言います。
ヒロコの歓迎会で、舞踏を披露するヒロコ。伊織はそれに感激し、「私は愚かでした。ヒロコのことを頭から悪い人と思い込んじゃってて。踊ってるヒロコは素敵」とヒロコに声をかけます。それに対し、ヒロコは「伊織の目が優しくなってる。誤解しないで。私はブルジョワで傲慢で非情な娘。お前に魅力があるとすれば、初めて覚えた感情が憎しみだということ。だから変に軟弱な目で見ないで」と言います。疲れたと言ってヒロコが自室に下がると、伊織は「私、北大に入ってみせる。ヒロコを蹴落としてでも」と言います。なかなか戻ってこないヒロコの様子を見に伊織が行くと、ヒロコは毒殺されていました。
ヒロコの葬式で焼香しようとする伊織に、サチコは「人殺し!」と言い、灰をかけます。刑事は道路で伊織を待ち伏せ、もう話すことはないと言う伊織に、犯人は歓迎会の出席者の中にいるのだが、動機が分からないと言います。雄一は東京へ出張し、伊織が帰宅すると自室が警察によって家宅捜索され、メチャメチャにされていました。カネは「育てられたら、花を咲かせて報いなきゃ」と言います。伊織はタオル1枚の姿で自分の姿を浴室の鏡で見、雄一から電話がかかってくると、「今裸なの。偽善者!」と言って電話を切ります。
サチコは伊織に風間と寝たと言い、ファザコンで殺人容疑者でキスもさせない女とは付き合いきれないと風間が言っていたと言い、刑事が犯人逮捕も時間の問題だと言っていたとも語ります。上京した伊織は雄一が女性と一緒にいるのを見て逃げ出しますが、追いついた雄一はあの女性は単なる友人だと言い、「電話のことについても誤解があるようだから話し合おう、思い当たることがない」と言いますが、腕を雄一に掴まれた伊織は「離してください」と言って去ります。
「何よ、謝ろうと思ってたのに」と言いながら川を歩く伊織は「雄一は大切な人」と言います。雄一のフィアンセがやって来て、伊織に「雄一さんを私に返して。あなたはもう立派な女性に育ったのだから、飛び立って」と言いますが、伊織は「出ていけってことですか? 雄一さんが言うならそうします」と言います。(明日へ続きます‥‥)
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
夜、カメラが移動していくと、雪に覆われた家の窓から楽し気な家族の様子が見え、その家からサチコのジュースを飲んだから替わりのを買って来いと言われた伊織が出てきて、雪の降る夜に「行こか、戻ろか、オーロラの下を♪」と歌いながら川の土手を歩いて行きます。青年の雄一(榎木孝明)は、彼女が7歳の孤児で名場家に養子にもらわれてきたが、メイド扱いを受けていると聞き、取りあえず古いセーターを着せてあげ、自分が彼女を引き取ることにします。朝、歯磨きを一緒にする雄一と伊織。家政婦のカネは、施設に戻すなら今のうちと雄一に言い、それを聞いていた伊織は家を飛び出しますが、雄一は追いかけ、俺は伊織の父だぞと言うと、伊織は雄一に雪を投げ始め、やがて雄一の胸を叩き、泣き出します。
“10年後”の字幕。松田聖子の『夏の扉』を歌いながら、オートバイの後部座席に花だらけの格好で乗る伊織(斉藤由貴)。空港へ雄一を迎えに来た彼女は、近くに名場家の人々がいるのを見つけ、彼らは相変わらず仲がよく、連休はハワイで過ごし、サチコの妹のヒロコは自分と同じ札幌中央高校3年B組にいて、北大を志望していて、家庭教師を3人もつけ、自分たちさえ良ければいいと考えている人達だと言います。雄一はエリートコースである東京の本社への転勤を断ったと言い、伊織は北大に進学する自信はないと言います。
ある日、雄一の住むマンションにヒロコが引越してきます。カネは雄一とその友人の大介(世良公則)が伊織を育てるのに、大切な十年を使ってしまったと言います。
伊織が商店街で買い物をしていると、ヒロコが車の中から声をかけてきて、「男がただで女の子を育てると思ってるの? 雄一に育てられなければ、あそこにいる浮浪者みたいになってたかもしれない。あんなにひがみっぽかった娘がこんなにすこやかに育ったなんて、雄一さんを尊敬するわ。名場家は恩人よ。私たちがいなければ、雄一さんにも会えなかったんだから」と言い、伊織が「必ず出会ってた。運命だから」と言い返すと、ヒロコは「雄一さんが好きなのね。私の歓迎会に雄一さんも大介さんも誘って」と言います。
ヒロコの歓迎会で、舞踏を披露するヒロコ。伊織はそれに感激し、「私は愚かでした。ヒロコのことを頭から悪い人と思い込んじゃってて。踊ってるヒロコは素敵」とヒロコに声をかけます。それに対し、ヒロコは「伊織の目が優しくなってる。誤解しないで。私はブルジョワで傲慢で非情な娘。お前に魅力があるとすれば、初めて覚えた感情が憎しみだということ。だから変に軟弱な目で見ないで」と言います。疲れたと言ってヒロコが自室に下がると、伊織は「私、北大に入ってみせる。ヒロコを蹴落としてでも」と言います。なかなか戻ってこないヒロコの様子を見に伊織が行くと、ヒロコは毒殺されていました。
ヒロコの葬式で焼香しようとする伊織に、サチコは「人殺し!」と言い、灰をかけます。刑事は道路で伊織を待ち伏せ、もう話すことはないと言う伊織に、犯人は歓迎会の出席者の中にいるのだが、動機が分からないと言います。雄一は東京へ出張し、伊織が帰宅すると自室が警察によって家宅捜索され、メチャメチャにされていました。カネは「育てられたら、花を咲かせて報いなきゃ」と言います。伊織はタオル1枚の姿で自分の姿を浴室の鏡で見、雄一から電話がかかってくると、「今裸なの。偽善者!」と言って電話を切ります。
サチコは伊織に風間と寝たと言い、ファザコンで殺人容疑者でキスもさせない女とは付き合いきれないと風間が言っていたと言い、刑事が犯人逮捕も時間の問題だと言っていたとも語ります。上京した伊織は雄一が女性と一緒にいるのを見て逃げ出しますが、追いついた雄一はあの女性は単なる友人だと言い、「電話のことについても誤解があるようだから話し合おう、思い当たることがない」と言いますが、腕を雄一に掴まれた伊織は「離してください」と言って去ります。
「何よ、謝ろうと思ってたのに」と言いながら川を歩く伊織は「雄一は大切な人」と言います。雄一のフィアンセがやって来て、伊織に「雄一さんを私に返して。あなたはもう立派な女性に育ったのだから、飛び立って」と言いますが、伊織は「出ていけってことですか? 雄一さんが言うならそうします」と言います。(明日へ続きます‥‥)
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
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