高野秀行さんが'06~'07年に書いた「怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道」を読みました。
この本の題名、実はウソをついていて怪魚ウモッカと著者は格闘などしていません。ただ「インドへの道」というのは正しいのです。その訳は‥‥。
著者は未知の生物を探すのが好きで、自分のブログに「探してほしい生物を募集している」と書いたところ、あるサイトでインドに仮名ウモッカという2mを超える長さで、背中に棘がびっしりと生え、足のようなものが4本生えてる魚を見た人がいる、と話題になってることを知ります。実際に見たという人に会い、その人がスケッチした魚の姿を専門家に見てもらっているうちに著者はこの魚を探すことにのめり込んでいき、最終的に大学時代にコンゴへ謎の恐竜を探しにいった仲間のうちの一人と一緒にインドへ魚を探しに向かいます。
しかし、仲間の方は無事にインドに入国できたものの、著者は以前にビザ無しで国境を越えて強制送還になったことがあることがカルカッタ空港でばれ、何日も空港内に泊まらされた結果、今回もまた日本に強制送還されてしまいます。著者は多くの人にインドに向かうことを言っていた手前、強制送還されたとは言い出せず、自宅に潜んで仲間に魚の捜索をしてもらい、自分も早く再入国しようと試みますが、うまくゆきません。そして最後にはインド入国をあきらめ、ミャンマーとバングラデシュの海岸で仲間と落ち合い、魚を探そうとしますが、仲間がインドを出国しようとしていた時に野犬に咬まれてしまい、狂犬病の疑いもあるので、ワクチンを打つため足留めされ、結局ウモッカが出現すると思われる季節が過ぎてしまい、著者のウモッカ探しの旅は夢に終わるという話です。
したがって、「怪魚ウモッカ格闘記」というのは、正確には「怪魚ウモッカを探すために著者がいろんなものと格闘する記録」という意味であって、著者がウモッカと格闘した記録ではありません。実際にどういうものを相手に格闘したのかは、本を読んで知っていただきたいと思います。
ということで、この本が実はつまらない本か、というと、これが実に面白い訳で、高野さんの他の本と同じように、今どき何の意味もないようなことに夢中になれることの素晴らしさを感じさせてくれる貴重な本なのでありました。ご本人は大変苦労されたようですが、第三者から見れば、それも大変面白く感じられ、楽しい本を探しておられる方にはオススメの本です。文庫本が集英社から出ていますので、是非手に取ってほしいと思います。
この本の題名、実はウソをついていて怪魚ウモッカと著者は格闘などしていません。ただ「インドへの道」というのは正しいのです。その訳は‥‥。
著者は未知の生物を探すのが好きで、自分のブログに「探してほしい生物を募集している」と書いたところ、あるサイトでインドに仮名ウモッカという2mを超える長さで、背中に棘がびっしりと生え、足のようなものが4本生えてる魚を見た人がいる、と話題になってることを知ります。実際に見たという人に会い、その人がスケッチした魚の姿を専門家に見てもらっているうちに著者はこの魚を探すことにのめり込んでいき、最終的に大学時代にコンゴへ謎の恐竜を探しにいった仲間のうちの一人と一緒にインドへ魚を探しに向かいます。
しかし、仲間の方は無事にインドに入国できたものの、著者は以前にビザ無しで国境を越えて強制送還になったことがあることがカルカッタ空港でばれ、何日も空港内に泊まらされた結果、今回もまた日本に強制送還されてしまいます。著者は多くの人にインドに向かうことを言っていた手前、強制送還されたとは言い出せず、自宅に潜んで仲間に魚の捜索をしてもらい、自分も早く再入国しようと試みますが、うまくゆきません。そして最後にはインド入国をあきらめ、ミャンマーとバングラデシュの海岸で仲間と落ち合い、魚を探そうとしますが、仲間がインドを出国しようとしていた時に野犬に咬まれてしまい、狂犬病の疑いもあるので、ワクチンを打つため足留めされ、結局ウモッカが出現すると思われる季節が過ぎてしまい、著者のウモッカ探しの旅は夢に終わるという話です。
したがって、「怪魚ウモッカ格闘記」というのは、正確には「怪魚ウモッカを探すために著者がいろんなものと格闘する記録」という意味であって、著者がウモッカと格闘した記録ではありません。実際にどういうものを相手に格闘したのかは、本を読んで知っていただきたいと思います。
ということで、この本が実はつまらない本か、というと、これが実に面白い訳で、高野さんの他の本と同じように、今どき何の意味もないようなことに夢中になれることの素晴らしさを感じさせてくれる貴重な本なのでありました。ご本人は大変苦労されたようですが、第三者から見れば、それも大変面白く感じられ、楽しい本を探しておられる方にはオススメの本です。文庫本が集英社から出ていますので、是非手に取ってほしいと思います。
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