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斎藤美奈子さんのコラムその126&前川喜平さんのコラムその87

2022-11-06 17:21:25 | 日記
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず10月23日に掲載された「もうあと戻りはできない」と題された前川さんのコラムを全文転載させていただくと、
「17日の衆院予算委員会で岸田首相は「統一教会」に対し宗教法人法の質問権を行使すると言明した。それは、質問権行使の要件である「解散命令の事由に該当する疑い」があるということだ。また岸田氏は質問権行使の根拠として、教団の組織的な不法行為を認めた二つの
民事判決を挙げた。それは民法上の不法行為が解散命令請求の事由になりうるという認識を示すものだった。
 ところが18日には一転して民法上の不法行為は解散命令請求の事由にならないと答弁した。前日の答弁と明らかに矛盾していたが、岸田氏はその矛盾に気づいていないようだった。
 19日の参院予算委員会で岸田氏はまたもや一転し、「考え方を整理」した結果、使用者責任も含め民法上の不法行為が解散命令請求の事由になり得ると答弁した。教団の不法行為責任を認めた判決はすでに三十件近くあるから、この答弁事実上解散命令請求を行う方針を表明したに等しい。判決について今から質問する意味はない。判決は根拠に即刻解散命令請求すべきなのだ。
 もうあと戻りはできないことを岸田氏はどこまで自覚しているのだろう。「統一教会の解散」を求めるネット署名は二十万に近づく勢いだ。「壺(つぼ)議員」たちに押し戻されるようなことがあれば、国民は岸田氏を完全に見放すだろう。」

 また、10月30日に掲載された「毒饅頭を食らう政治家」と題する前川さんのコラム。
「「統一教会」と一体をなす「世界平和連合」と「平和大使協議会」からの「推薦確認書」に署名していた自民党の議員の名前がだんだん分かってきた。国内では大串正樹内閣府副大臣や山田賢司外務副大臣が署名していた。署名議員は数十名に及ぶ可能性があるというから、今後もぼろぼろ名前が出てくるだろう。
 推薦確認書が制定を目指す家庭教育支援法は、教団にとっては一世信者にとっては従順な二世信者を育てる法律だ。青少年健全育成委員会は恋愛を禁じて性の自己決定権を奪い、教団が配偶者をあてがうまで純潔を守らせる法律だ。「LGBT問題」や「同性婚合法化」を「慎重に扱う」のは、現代的な人権観念の欠如を示している。「文化共産主義の攻勢を阻止する」の意味を理解して署名した議員はいるのだろうか。署名議員たちはさらに「基本理念セイナー」への参加まで約束していた。
 自民党の世耕弘成参議院幹事長は「こういう普通のことならサインするというレベルだ」「当たり前のことが書いてある」などと嘯(うそぶ)いたが、こんな文書に署名するのは普通ではなく異常、当り前ではなくあるまじきことだ。しかし彼らにはそれが普通で当たり前なのだろう。選挙に勝って権力を維持するためにはどんな毒饅頭(まんじゅう)も平気で食らうことができるのだ。腹の中は毒饅頭でいっぱいなのだ。」

 そして、11月6日に掲載された「NHK会長候補の弁」と題された前川さんのコラム。
「このたび「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」よりNHK会長候補としてご推薦をいただいた。浅学非才にして放送事業の経験のない僕だが、ぜひとも会長になってほしいとの熱心なご要請があり、ほかに適任者いないのならと決断した次第である。
 とは言え、NHKの会長は放送法に基づき経営委員会が任命するのであり、公募でも推薦制でもない。経営委員会にとって僕は会長候補でも何でもない。場外の雑音のようなものだろう。
 されどこれを茶番劇、ごっこ遊びなどとそしるなかれ。NHKの現状を深く憂える人々の切実な思いから出た行動だ。
 2001年には従軍慰安婦問題を扱った番組が政治の圧力で改変された事件が起きた。14年には財界出身の会長が「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」などと妄言を吐いた。
 17年の加計問題では真っ先に僕を取材した中にNHKの社会部記者がいた。彼らは「総理のご意向」が記された文書も入手していたし、僕の証言映像も撮っていたが、それらは一切ニュースにできなかった。
 放送の公共性とは人々に真実を伝えることであって政府に従うことではない。NHK会長の任務は現場の事由を保障することだ。放送のあるべき姿に向けて一石を投じることができるなら望外の喜びである。」

 どれも一読に値する文章だと思います。


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