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石井輝男監督『黒線地帯』その2

2017-01-31 09:48:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 女の部屋。「サブのことは知らない」「ヒントだけでもいいから」「それよりもこっち来ない? 今晩は帰さないわ」。鍵を閉める女。町田「面白い手品を見せてやろう」。鍵穴に細工して鍵を外す。「なかなかやるわね。ご褒美にサブのいるところを教えるわ。シンガポールよ」。
「シンガポール」が源氏名の女に町田は会う。女は「やばいことがあってしばらく帰れないと言っていた」と言い、そこに鳥居が現れ、町田は去る。町田の使っていたコップをポケットに入れる鳥居。
 「国際港横浜。殺された大沢レイコは、ここの“ブルームーン”でよく踊っていた。それが唯一の手掛かりだ」。
 町田の運転する車の前に立ちはだかる若い女性(三ッ矢歌子)。強引に車に乗ってきた彼女は、自分の名前はミサコだと言い、「すぐだから」と言って日本人形教室の前で車を降りる。
師匠は「頬に手をついている娘とは話がついている」と言い、それを聞いた男はにやつく。
人形の配達を頼まれたミサコは、人形店に町田の車でそれを届け、お礼にと言って小さな人形を町田に贈る。ミサコは今晩ブルームーンに踊りに行こうと町田を誘い、町田は「じゃあ6時に会おう」と約束し、賭場にいた女が店に入るのを目撃する。
町田は女を尾行すると、女は例の洗濯屋に入っていく。警戒の目つきの店主。向かいの建物の屋上からは鳥居が女と町田の様子を見て、にやけている。店を出た女に町田は声をかけ、「ちょっと付き合え。御馳走をたっぷりと」。車に乗った女は人形を見て顔色を変える。町田「人形の中身が麻薬だ。君はもう逃げられない」「この前は自分が逃げたくせに」。笑う女。
 町田の車に鳥居の車が追いつく。町田「僕は犯人じゃない。朝、絞殺された女が寝ていた。これは罠だ」鳥居「しかし証拠がある。君のボタンがないのに気づいていたし、コップの指紋も現場の指紋に一致した。女中のひき逃げの通報の声も君のものだ。裁判では物的証拠がものを言う。弁明は裁判でしろ」「死刑囚になるか、トップ記事を書くジャーナリストになるか勝負だ」「なら48時間だけ待ってやる」。
 ブルームーンに車を乗りつける3人。刑事が現れ、「町田さんですね。ご同行願います」と言い、町田は車で逃げだす。
町田「ミサコは麻薬の運び屋をやらされていたことを知らない。だから人形をくれた。ミサコの話から僕のことを奴らは知り、警察に通報したんだ。ミサコも消される危険がある」。(中略)
足がついた車を捨てて、バスに飛び乗ろうとした2人だったが、女は乗り損ねて頭を打つ。
海岸べりの家に運び込まれた女・マヤは、町田から翌朝まで看病を受ける。
翌朝。「明日の晩までね」「真犯人を捕まえる」「占ってあげる。やった。うまくいきそうよ。私は小さい頃から家族を養うために、いろいろやってきた。そういえば、殺し屋のジョーがこっちに来ているって聞いたわ。~のカヨの所に通いずめだって」。(中略)
オカマの歌手、カヨを訪ねると、ジョーの居場所は知らないと言う。
町田はミサコの先輩であるレイコの許を訪れ、レイコを殴り、マヤのところへ連れていかせ、「ボスは誰か?」と詰問すると、レイコは「サブに言ってホテルに案内させただけ」と言い、苦しみだす。町田「ミサコはどこに?」。
ボス、ミサコに「弁解は無駄だ。今に自分の方から打ってくれと言いだす」。
禁断症状に苦しむレイコは、ブルームーンにボスがいることを告げ、町田はマヤに警察に通報するように言い、自分はブルームーンに向かう。
ブルームーンへ向かう町田。「ミサコは無事か? 踊り子の偽装殺人、麻薬、暴力売春、すべてを操っている奴がいる。許せない」。
ブルームーンの控室に踏み込む町田。ミサコ「町田さん!」ボス「あんたは?」「何かと世話になっている町田だ」「一人で? 勇気がある」「その少女もいただく」「それは困る。あなたも帰れない」。(中略)「張本人はお前だ」とボスを殴り続ける町田。一人の女が拳銃に手を伸ばすが、ミサコが阻止する。ボスは罪をようやく認めるが、そこにサブとジョーが現れ、ジョーはボスを射殺し、自分が麻薬王になると宣言する。ミサコの投げたコンパクトがジョーに当たり、それがきっかけとなって乱闘になり、逃げるジョーを町田が追い、列車上での乱闘、川に落ちて岸に上がってからの乱闘の結果、町田が勝ち、警察もやって来る。鳥居は「自分の負けだ」と言い、マヤは「網走ホテルに行くわ」と言うが、町田は「占うと、君の前途には希望がある」と言う。俯瞰の画面で、マヤが向こうのパトカーへ歩いていき、逮捕されるのを、こちらで町田が見守るところが映し出され、映画は終わる。

ラスト近くのボスと町田の会話シーンの顔のアップの連続が見せ場で、ラストシーンのショットも記憶に残るものでした。