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石井輝男監督『黄線地帯(イエローライン)』その2

2017-01-28 10:05:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 帰宅するユミコを車内で窺2人の外人。2人は目くばせをすると、倉庫に向かうユミコを追い詰め、無理やり車に乗せる。「付き合うから早く帰して」と言ったユミコは、窓から例の百円札を捨てる。それを拾う若者は荷物を持つ大勢の若い女性を従えている。トシオは彼らに新神海運の場所を聞き、そこに向かおうとするが、洋モク売りの老婆から例の百円札で洋モクを買った若者は案内役を洋モク売りの老婆に譲る。洋モク売りからタバコを買い、例の百円札でお釣りをもらうトシオ。
 小型ボートで外国籍の大型船に付けると、外国船の乗組員は若い女性たちを大歓迎し、男女のカップルは次々と個室に向かう。
 トシオは新神海運でユミコの自宅の場所を教えてもらい、すぐにそこへ向かうが、帰宅時間を過ぎているのに、まだ帰ってないと言う。トシオは百円札に書かれたメッセージにやっと気づき、あの洋モク売りの老婆を探すことにする。
 カスバでの老婆。殺し屋は2階の窓から「モーリスを10箱売ってくれ」と言うが、老婆は「今は1つしかないので、残りは今度」と答える。
 エミ「うふっ。ありがと。タバコは吸えないの。男の人の親切は怖いわ。案外いい人だったのね。何もしなかったから。許してくれて」殺し屋「お前が本当に死ぬと分かったからだ。殺し屋だから、死ぬ前の人の目を知ってる。お前の相手は幸せだ。いつまでもそういう女でいろ」「なぜ、こんなことに?」「最初から見込みがなかった。ムショ生まれで、孤児院を15で脱走。娑婆に出て初めて卵焼きを知った。孤児院は3食で62円の予算だ。卵は1つ15円だ」「でも下宿代がタダって素敵じゃない?」「ただ生きていたたけだ。俺には人殺しの血が流れている。父親は3人を戦争で殺し、ピカピカ光る勲章をもらった。俺はもっと殺したが、あいにく兵隊さんじゃなかった。その代わりにパトカーだ。騙した野郎を許さない」。外で喧嘩が始まる。雨が降り始め、不潔な詩人が「私の詩を買ってください」という看板を提げて、雨でびしょびしょになりながら詩を語る。真剣な目でそれを見下す殺し屋とエミ。フェイドアウト。
 フェイドイン。早朝の港。トシオは洋モク売りの老婆はカスバにいると知る。
 鍵穴からエミ。マダムとユウジが覗いている。「なるほど、上玉だ」と言ったユウジは「ひとっ走り行ってくる」とホテルを出る。
 ナイトクラブの「プランタン」の控室。外国人「高松さん、素敵な娘でしょう。3ヶ月もかけて連れてこれましたから。ギャラは?」。プランタンの店主の阿川が数字を示すと、外国人は「冗談じゃない」と言い、阿川が「食ってみないと」と言うと、外国人は「じゃあ、俺たちがまず食う」と言う。すると高松が「ちょっと待て。なかなかいい子じゃないか」と言う。
 マダム「お出かけかい?」殺し屋「チップだ。3号を世話してほしい」「ケイコ! 3号を探してるって」「あたいは0号よ」殺し屋「麻薬の3号の方だ」「知らないよ」。殺し屋はマダムのきんちゃく袋に金を押し入れ、場所を教えてもらう。「エミは絶対に外に出すな」と殺し屋。
 女性に麻薬を次々に注射する男。現れた殺し屋は「マダムの紹介だ。すこしまとめて出してほしい」と言うと、男は中に案内し、仲間に「こいつポリ公らしい」と言う。しかし殺し屋は拳銃を構え、「麻薬のルートを言え」と尋ね、威嚇射撃し、卸元がナイトクラブのプランタンだと教えられる。
 プランタンでの仮面パーティ。売春は入札制だと語る阿川。
 カスバで売春婦に声をかけられたトシオは洋モク売りの老婆の居場所を聞くと、「こっちに来て」と言われるが、男2人の姿を見ると、売春婦はトシオを連れて逃げて隠れる。「悪い奴らに追われて困ってる」と言って、売春婦は殺し屋が滞在しているホテルに入る。一方、マダムはエミに逃げるように説得する。
 トシオは売春婦から情報が得られず、ホテルを出ようとすると、そこにちょうど探していた洋モク売りの老婆が現れる。「例の百円札をどのようにして手に入れたか思い出してくれ」と老婆に迫るトシオ。
 エミを連れ出すマダム。エミにからむ男を軽くかわすエミ。「はぐれないように。空きっ腹に牛肉状態だからね」とマダム。一方、洋モク売りの老婆はやっと例の百円札の出どころを思い出す。
 マダムは「信用できる男に紹介する」と言ってエミを建物の中に導くと、待っていたユウジは「遅かったな」とカンカンに怒っていたが、エミを見ると、すぐににやけ、マダムもにやけ笑いをし、エミは不安になる。
 洋モク売りの老婆からやっとタイラのマサが百円札の出どころだと知ったトシオは、彼が入り浸りだという場所を教えてもらう。(また明日へ続きます……)