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ニコラス・ウィンディング・レフン監督『ドライヴ』その2

2016-05-08 05:26:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 部屋。キッド「あの2人は?」アイリーンの夫「強引に“仕事”を依頼してきた」「“仕事”って?」「質屋を襲うヤマだ」「なぜ君に?」「ムショで用心棒代に2千ドルを借りた。出たら5千ドルにしやがった。1万になり2万になり明日は幾らになるか」「どうする?」「家族まで襲われる」キッド、ベニシオに「それは何? あの連中が君に?」「なくすなって」「預かってもいい?」。弾丸。
 ウェイトレスのアイリーンに会う。「ベニシオ元気?」「どうしたの?」「ご主人のスタンダードがケガしてた。何があった?」「殴られたの」「なぜ?」「酔った不良に。うちに来て、彼に会って」。
 スタンダード「ママとどうやって知り合ったか聞きたいか? パーティ会場でママは19」「17よ」「違法な交際だな。『やあ、彼女、名前教えて』って言ったが、黙ってたから『俺はスタンダード・ガブリエル』って言ったんだ。君はなんて答えたんだっけ?」「『デラックスなガブリエルは?』よ」「すごいだろ。ママは頭がいい。叶わないよ。1年後にはお前が誕生。幸せの絶頂だった」。キッドも聞いている。
 キッド、鍵を開け、車を盗む。
 「俺が運転する。襲う場所と逃げる先を教えろ。“仕事”は5分で。銃は持たない。運転だけだ」「気難しそうな奴だな」「理解し合えればいい」「何を?」スタンダード「もう1人要る」「ブランチとだ」「冗談をよせ」「美人だぞ、見ろ。文句あんのか? どこか行け」。スタンダードとブランチ去る。「決めとこう。これが女の報酬。これが借金を引いた奴の報酬。これがお前の報酬だ」。“くたばれ!”の仕草。「まだ組むか? よし、質問は?」「これで借金をチャラにして、彼には構うな。家族にも近づくな」。
 スタンダード、アイリーンとベニシオとキッドに「大事な家族と友人と未来に乾杯」。
 「5分以内だぞ」スタンダード「4分で戻る」。スタンダードとブランチ、質屋に入る。車が来る。ブランチ、鞄を持って車に戻る。スタンダード、出て来るが店主に撃たれる。急発進。車が追ってくる。カーチェイス。追ってきた車はキッドの車に体当たりを繰り返す。キッドは全速力でバックし、ドリフトでUターン。相手の車横転。
鞄に大金。キッド「奪う金額をクックは?」ブランチ「4万ドル」「ここにいろ」。電話をかける音。
 「ご主人と会ったのは?」。アイリーン無言。
 呼び出し音。「ベニシオ、君か? ママは?」「警察の人と話してる」「かけ直すと伝えてくれ」。
 テレビのニュース「流血の強盗未遂事件です。質店の店主が発砲。強盗犯は現場で死亡。名前はスタンダード・ガブリエル。店主の話によると、単独犯で実害はなし」。キッド。ブランチに「君が金を奪い車に乗るのを店主が見てたら『実害なし』は変だ。別の車が来ることは聞いてたか?」「もう全部話した」。キッド、ブランチを殴り、ベッドに押さえつける。「少年の父を死なせて、俺たちも危険な目に会った。それでも嘘を? これから君が言う言葉は全て真実だ。さもないと痛めつける。クックは何と?」「『別の車が金を奪う』と。でも大金の話は何も。死人が出るという話も」「ハメたんだな? 奴の本名は?」「クリス。私は『クック』と」「奴のところへ今すぐ連れてけ」。ブランチ、浴室へ。携帯の鳴る音。回るノブ。キッド、マットレスを立てる。ブランチ、ショットガンで撃たれる。キッド、その男を殴り倒し、カーテンレールで刺す。2人目の男も射殺。キッド、顔面血だらけ。静寂。
 キッド、弾丸を腕から抜いてもらう。シャノン「金はどうした? クックの本名は?」「クリス」「知ってるかバーニーに聞いてみる。人妻と浮気する男は多いが、夫の借金を返そうと盗む男は珍しい。俺が何とかする」。
 キッド「クックは?」女「楽屋に」。手には金づち。部屋に入ると、クックの左手をいきなり潰す。弾丸を頭に押し付け、「誰の金だ?」「取りに現れる」。金づちを振りかぶる。「やめろ!」「連絡しろ」「ニーノに電話しろ!」「覚えてるか?」。喉に弾丸を突っ込む。キッド、携帯を渡される。「ニーノか?」「違う」「閉店だからかけ直せ。奴を出した方が利口だぞ」「要件は?」「奴のものを俺が。百万ドルだ」「今替わる……。俺のものを持ってる?」「そのようだ」「なぜ電話してきた? 買い戻せと?」「売らない。取りに来い」「狙いは?」「取りに来させるだけだ」「相棒も喜ぶ?」「いない」「この事を誰かに話したか?」「あんただけだ」「てめえ素人だな」。キッド、電話を切る。ニーノ「誰なのか調べろ」。(また明日へ続きます……)

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