gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

陳凱歌(チェン・カイコー)監督『運命の子』

2013-01-05 08:59:00 | ノンジャンル
 陳凱歌(チェン・カイコー)監督の'10年作品『運命の子』をWOWOWシネマで見ました。
 趙朔将軍は妊娠中の美しい荘姫夫人を伴い、戦に出るため、帝の前に出ます。彼に嫉妬する屠岸賈元帥は、呪術師の操る虫を使って、趙朔の味方である宰相・趙盾が贈った酒を帝が飲んだ瞬間に帝を殺し、白兵戦となる中、屠岸賈はその場で宰相を殺します。医者の程嬰は荘姫から産んだばかりの赤子を預り、公孫氏の屋敷へ抜け道を使って届けるように言われますが、そこに現われた屠岸賈の部下・韓厥が立ちはだかります。荘姫は自分に欺かれたことにすればいいと韓厥を説得し、腹に詰め物をしたまま自決します。しかし趙氏一族を皆殺しにした後に、そこに現われた屠岸賈は、すぐに荘姫の嘘を見抜き、韓厥の片目を切りつけます。
 城門は閉められ、趙氏の赤子を探し出すために、城内の全ての赤子が集められますが、程嬰は自分自身の赤子を抱く妻の元へ、預かった趙氏の赤子に乳をやりに一旦寄ります。家に趙氏の赤子を置いたまま、公孫の家を訪ねた程嬰でしたが、その留守中に趙氏の赤子は兵士によって連れていかれてしまいます。程嬰は訪ねてきた公孫に自分の妻と自らの赤子を預け、屠岸賈の元に向かいます。程嬰の妻は本当のことを公孫に告げますが、公孫は屠岸賈が念の為に2人の赤子とも殺すだろうと言います。寅の刻までに趙氏の子を盗んだ者が現われなければ百人の赤子を殺すと告げる屠岸賈。寅の刻になると、屠岸賈は程嬰を呼び出し、先程の点呼の時にいなかったことの説明を求め、これが趙氏の子だろうと言いますが、程嬰は趙氏の子は公孫に預けたと言います。屠岸賈が公孫を訪ねると、公孫はもう赤子はいないと言いますが、屠岸賈は大きな音をたてて、赤子を泣かせ、隠れていた程嬰の妻子を見つけます。自分の子だと言う程嬰に対し、屠岸賈は赤子の顔だけ見せてくれと言って、赤子を程嬰からもらうと、赤子を地面に叩きつけて殺し、程嬰の妻も殺します。
 程嬰は趙氏の子・勃を返してもらい、1人で育て、成長した暁には真実を勃に話し、趙氏の仇を討たせようと考えます。屠岸賈の家臣に志願する程嬰。やがて勃は屠岸賈を父と慕って成長し、剣法も彼から学びます。韓厥と密会する程嬰の姿を盗み見る勃。立派な若者に成長した勃は、父の趙朔にうり二つで、屠岸賈は一目見て真実を見抜きます。程嬰も真実を勃に打ち明けますが、勃は信じようとはせず、初めての戦に出向きます。森の中の騎馬戦で勃の戦いぶりを見ていた屠岸賈は、勃が窮地に陥ったのを見ても、そのまま帰ろうとしますが、勃が「父上、助けて!」と叫ぶのを聞くと、とって返し、勃を助け出します。勝利の後、屠岸賈の背中に刺さる矢。解毒剤を取りに来た勃に、程嬰は「一緒に逃げて、静かに暮らそう」と言いますが、勃は「それなら父と一緒に死ぬ」と言い張り、結局程嬰から解毒剤を手に入れ、屠岸賈を助けます。心の中で「とうとう見つけた、趙氏の息子を」と言う屠岸賈。
 程嬰は自分に息子がいた証拠を、封印してあった扉を打ち壊して勃に見せると、程嬰と勃は抱き合います。程嬰は屠岸賈に、矢を放ったのは自分とともに15年間暗殺の機をうかがっていた韓厥だったと教え、全てを打ち明けます。程嬰が自分の子を差し出すはずがないので、殺したのは趙氏の子だと思ったと言う屠岸賈は、程嬰と勃に「行くがよい」と言いますが、勃は復讐が終っていないと言って、剣を取り屠岸賈に斬りかかります。死闘を繰り広げる2人。その間に程嬰が割って入り、屠岸賈に「わしを殺すがいい」と言って屠岸賈に近づくと、屠岸賈は思わず程嬰を剣で貫きますが、その瞬間に勃も屠岸賈を剣で貫きます。横たわり「もう2度と泣くな」と勃に言って死ぬ程嬰。妙に明るい町の門を勃に支えられながらくぐった、傷ついた程嬰は、赤子を抱く妻に出会いますが、妻は笑顔で振り返りながら去っていきます。後ろにいる勃を見ながら、程嬰は倒れていき、映画は終ります。

 アクションシーンが多いにもかかわらず、音楽の使い方も、ショットの連鎖も中途半端なストーリー上の“メロドラマ”に奉仕している感じがして、今一つノレませんでした。文芸坐で見た陳凱歌監督の最初の作品『大閲兵』の感動が懐かしく感じられてしまう、そんな作品でした。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto