先日WOWOWで放送したトム・ハワード監督の'05年作品「シンデレラマン」を見ました。実在のプロボクサー、ジェームズ・ブラドックのノンフィクション・ドラマです。
あらすじは以下のようなものです。
1928年、ラッセル・クロウ演じるブラドックはニューヨークで10戦10KOという成績をあげ、ニュージャージー州生まれのホープでした。その後も21戦無敗16KO勝ちまで戦績を伸ばしますが、大恐慌に入って4年後の1933年には戦績もさえず、並みのプロボクサーに成り下がり、妻と3人の子供をかかえて、生活は貧しくなっています。試合も80戦を超え、試合のない日は日雇い人夫をして、何とか家族を養っていますが、ある日、ファイティングマネーほしさに右手が骨折したまま試合に臨み、試合は無効試合となり、愛想をつかしたプロモーターにライセンスをはく奪されてしまいます。電気も止められ、生活に窮したブラドックは、子供達を親戚に預け、ボクシング業界の人間の集まる酒場で物乞いまでします。日雇い人夫として働く彼のところへ、元のマネージャーが訪ねてきて、大きな試合で急にケガをして出られない選手が出たので、替わりに出てみないか、と言ってきます。強い相手なので、すぐに替わりが見つからず、KO負けのないブラドックが初めてKO負けをする、ということで、相手にはくがつけられるというのです。試合に出たブラドックは予想に反して壮絶な試合の結果勝ち、マネージャーはプロモーターを説得し、ブラドックにライセンスを再交付させることに成功します。次の試合にも勝ち、いよいよ無敵のチャンピオンとの対戦が組まれます。ブラドッグは前の試合でろっ骨を傷め、チャンピオンは過去にリング上で2人を殺したことがある怪物。そうした不利な条件の中で、ブラドックは勝ち、伝説の人となるのでした。
という話なのですが、肝心のボクシング・シーンの迫力が、例えば阪本順治監督の「どついたるねん」などに比べても、欠けます。監督は、夫の体を思い、ボクシングに反対する妻と主人公の夫婦愛、あるいは主人公と子供との間の親子愛、あるいは世界恐慌下の人々の生活の苦しさ、こうしたものを描きたかったのかもしれませんが、どれもステレオタイプで心を揺さぶるところまではいっていないように思いました。
トム・ハワード監督は私の好きな監督で、はずれはないと思っていただけに、初めてのはずれでした。見どころはラッセル・クロウの存在感(というかあの目つき)でしょうか?
あらすじは以下のようなものです。
1928年、ラッセル・クロウ演じるブラドックはニューヨークで10戦10KOという成績をあげ、ニュージャージー州生まれのホープでした。その後も21戦無敗16KO勝ちまで戦績を伸ばしますが、大恐慌に入って4年後の1933年には戦績もさえず、並みのプロボクサーに成り下がり、妻と3人の子供をかかえて、生活は貧しくなっています。試合も80戦を超え、試合のない日は日雇い人夫をして、何とか家族を養っていますが、ある日、ファイティングマネーほしさに右手が骨折したまま試合に臨み、試合は無効試合となり、愛想をつかしたプロモーターにライセンスをはく奪されてしまいます。電気も止められ、生活に窮したブラドックは、子供達を親戚に預け、ボクシング業界の人間の集まる酒場で物乞いまでします。日雇い人夫として働く彼のところへ、元のマネージャーが訪ねてきて、大きな試合で急にケガをして出られない選手が出たので、替わりに出てみないか、と言ってきます。強い相手なので、すぐに替わりが見つからず、KO負けのないブラドックが初めてKO負けをする、ということで、相手にはくがつけられるというのです。試合に出たブラドックは予想に反して壮絶な試合の結果勝ち、マネージャーはプロモーターを説得し、ブラドックにライセンスを再交付させることに成功します。次の試合にも勝ち、いよいよ無敵のチャンピオンとの対戦が組まれます。ブラドッグは前の試合でろっ骨を傷め、チャンピオンは過去にリング上で2人を殺したことがある怪物。そうした不利な条件の中で、ブラドックは勝ち、伝説の人となるのでした。
という話なのですが、肝心のボクシング・シーンの迫力が、例えば阪本順治監督の「どついたるねん」などに比べても、欠けます。監督は、夫の体を思い、ボクシングに反対する妻と主人公の夫婦愛、あるいは主人公と子供との間の親子愛、あるいは世界恐慌下の人々の生活の苦しさ、こうしたものを描きたかったのかもしれませんが、どれもステレオタイプで心を揺さぶるところまではいっていないように思いました。
トム・ハワード監督は私の好きな監督で、はずれはないと思っていただけに、初めてのはずれでした。見どころはラッセル・クロウの存在感(というかあの目つき)でしょうか?