読書感想文4

2006-09-22 10:25:36 | 

読書覚書第4弾です。
今回は東野圭吾氏の『どちらかが彼女を殺した』です。この作品、だいっきらいなんです。東野さんの作品は一時ハマっていたこともあって、かなりの数を読みました。記憶に残っているものはやはり皆さんも同じようで『変身』とか『宿命』はドラマや映画になっていますね。
それほど氏の作品が好きな僕が、この作品だけはどうして嫌いなのか。
主な登場人物は5人です。被害者の女性と被害者の兄と容疑者2人とこの事件を捜査する刑事。10年くらい前に読んだので殺人の動機やら忘れてしまったのですが、自殺に見せかけた殺人でその自殺と見せかける細工を容疑者2人のうちどちらが仕掛けたか、つまりどちらが殺したかということを突き詰めていくストーリーです。んで、最終的に小説の中ではどちらが殺したのかを明言していません。たくさんのヒントを散りばめてあとは読者に推理させるのです。なんちゅー意地悪な小説でしょう!僕はそんな力ありません。だからどちらが犯人なのかわかりません。消化不良で小説が終了し、ムキーッ!と怒っていると、なんと袋とじ(別冊やったかな?)のいかにもどちらが犯人かを明かしてそうなページが付録でついているのです。やったー!ってな調子で、なんのためらいもなく開きました。ほんとに推理小説が好きな人はそんなことせず、再度読み直すとかして答えを自力で出そうとするのでしょうけど、僕にはそんな気は毛頭ありませんしプライドもありません。嬉々としてビリビリと引き裂くと読み始めました。
ん?えらい長い文章やな。ん?ここでもヒントを山ほど出してるな。もーええねん、ヒントなんていらんしはよどっちかゆーてくれ。え!?えーーーっ!!・・・そうなんです。結局この冊子でもより詳細なヒントが書いてあるだけで、殺したのはこいつですって答えは一言たりとも書いてなかったのです。うーーー。。。うーーー。。。ちょっとうつむき加減でうらめしく小冊子をにらむしかありませんでした。
で、10年以上経過した今も、どちらが彼女を殺したのか、さっぱりわかりません。でも今から教えてもらってもほとんど内容を忘れていますので“へー”で終わってしまいます。
こんなわけで、僕はこの小説が大嫌いです。この小説は差別小説です。超鈍感な人間を切り捨てるやり方です。恐らくこうやって切り捨てられたのはこの小説の読者の中で2%くらいはいるでしょう。いや、いてほしい。僕だけはイヤ。
これ以降、同様の試みをした小説を東野氏は書いておられないんじゃないかなと推測します。きっと、こんな不親切な小説はけしからんと読者からの批判が集中して、止めざるを得なくなったのでしょう。そうや、そうに決まってる。ざまぁミロ。

では。