マキペディア(発行人・牧野紀之)

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乳がんを触診する視覚障害女性

2013年02月28日 | ナ行
 ドイツでは毎年約7万4000人の女性が乳がんを発症している。そして、1万7000人以上の人が乳がんで死んでいる。発見の遅いのが一因である。今、目の不自由な女性が極めて小さなシコリでも早目に発見して、この問題の解決に役だっている。

 腫瘍を出来るだけ早く見つけるにはレントゲン造影法など、いくつかの検査法がある。その上、女性は毎月胸の触診を受ける。年に2回、婦人科医はこの診察をする。しかし、医者が触診で分かるのは1,5から2センチ程度の変化だけである。

目の不自由な人の触覚は訓練を受ければ素晴らしく発達する。だから、数ミリのシコリでも触知出来るようになる。これに気付いたデュイスブルクの婦人科医師、フランク・ホフマン博士は、「目の不自由な女性を触診検査官として投入したらどうか」と考えた。2006年、「ディスカバリー・ハンド」という名のグループを立ち上げた。

 触診検査官として一人前に成るためには、9ヶ月間の実習と女性の胸の解剖学や治療法や診断学の勉強が必要である。又女性の胸を4つの部分に分けて理解するための実習もある。かくして変化の起きた場所を特定し、シコリの位置の名を正確に言えるようになる。この触診のための診察には30分から60分かかる。

 これまでの実績では結果は良好である。450人の患者の内56人で胸の中の変化が確認された。普通の婦人科医では気付けなかったであろうようなシコリも見つかった。しかし、この方法は従来のやり方に完全に取って代わることは出来ない。ホフマン博士は、「触診法は特に医療機器の足りない発展途上国に適している。これで目の不自由な女性に新しい職業が生まれることにもなる」と話している。(ドイチェ・ヴェレ、2012年4月24日)

 感想

 日本でもこういう触診医を作ったらどうでしょうか。それとも私が知らないだけで、既に存在しているのでしょうか。
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