マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

第31号、(私のしごと館)

2008年09月14日 | ニュース
          2008年09月12日   民主党参議院議員、藤本 祐司

 民主党は、先月初めに『決算・行政監視調査会』を立ち上げた。私は、その事務局長を務めている。閉会中にもかかわらず、お盆明けから毎週会議を積極的に開催している。本調査会は、決算のあり方、公共調達や公会計、さらには会計検査院のあり方を検討するほか、税金の無駄遣いの排除に向けた取り組みを検討することを目的としている。

 さて、今回のホンネは、その3番目の無駄遣いについて徒然なるままに書こう(ちなみに、以下のアイデアはあくまで私見であって、調査会等で議論されているわけではない)。

 茂木行革担当大臣は、厚生労働省所管の独立行政法人の雇用・能力開発機構が設置・運営する「私のしごと館」を廃止する意向を示した。もっとも、福田総理の突然の辞任と新内閣誕生のゴタゴタで頓挫しないことが前提ではある。民主党政権が誕生したら、不要なものは不要だと明確にして、廃止の方向で動くことになろう。

 建設費に581億円をかけ、毎年15億円ほどの運営費交付金を受けている(自己収入は1.4億円)無駄遣いの象徴たる「私のしごと館」。その「私のしごと館」を廃止後、そのまま廃墟の跡とするわけにはいかない。それこそ、無駄遣いになってしまう。廃止することだけを決めるのではなく、今後の具体的な活用策も提示しなければならない。そこで「私のしごと館」をいっそのこと『無駄遣いの殿堂館』に衣替えしては如何だろうか。

 日本人は忘れやすいと言われるので、決して忘れてはならない事象を『無駄遣いの殿堂館』として、歴史的に残そうということである。ワンストップで展示すれば、無駄遣いの全体像をみんながわかる。泡と消えてしまった血税の供養にもなる。税金の無駄遣いを決して許さないために、行政を監視するという意識をみんなが持つようにもなる。

 例えば、無駄遣いがはっきりわかる資料を展示する。天下りリストを公表する。その中には、天下りした官僚と天下り先、それぞれの退職金などを示す。何故、無駄遣いできるのかを解説するコーナーを設けるのも一案だ。無駄遣いに関する大量の資料を見るのに疲れたら、マッサージ・チェアでリラックス。敷地内には、テニスコートやゴルフレンジ(打ちっぱなし)もあって、みんなが楽しめる。

 高級公用車も居酒屋タクシーも、実体験できる。そもそも「私のしごと館」も実際の仕事を体験できる施設だから、高級公用車や居酒屋タクシーの体験なんて簡単だ。道路特定財源を正当化するために5億円かけて企画・制作したミュージカルも親子揃って鑑賞できる。刑務所での生活体験もできる。談合などで逮捕された時の疑似体験だ。至れり尽くせりだ。その結果、なんて実像に近い体験ミュージアムだと全国、いや世界中から注目される。今より入館料収入は、伸びることは間違いない。

 さらに、今後、国会やマスコミから指摘された無駄遣いは、めでたく殿堂入りを果たすことになる。『無駄遣いの殿堂館』に行けば、誰でも無駄遣いを実体験できる。そうすれば、「私のしごと館」の趣旨も活かせるし、施設も無駄にならない。この際、民主党の政権公約(マニフェスト)に載せることを提案してみようかな。(08年9月12日)

 付記(牧野)

 これは藤本さんのブログからの転載です。本人の許可を得ています。
 括弧内の題名は牧野、改行も一部は牧野のものです。

 藤本さんのHPは下記の通りです。

  http://www.fujimoto-yuji.org/
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第30号、(福田総理の辞任表明)

2008年09月03日 | ニュース
     2008年09月02日   民主党参議院議員、藤本 祐司


 福田総理が09月01日、辞任を表明した。昨年も安倍前総理が09月12日に突然辞任した。その09月12日に臨時国会を召集すると決まった時、私は「何もそんな縁起の悪い日にしなくてもいいのに」と思った。その予感が的中した。

 「本日21時30分から総理の緊急記者会見が入りました」。某報道記者からこんなメールが私の携帯電話に入ったのが、20時半少し前。私は「辞任かな?」と思った。案の定だった。私は、政権を唐突に放棄するということはあってはならないとは思うが、決してありえないことではないと思っていた。したがって、正直言ってさほど驚きはしなかった。

 総理を批判することは簡単だし、新聞におおかたの批判の内容は載っている。それゆえ、ことさら私がここで批判することは、1日経った今となってはさほどのメッセージ性はないので控える。ただ、テレビを観ていて、気になったことがあるので少しだけコメントする。

 福田総理辞任表明についての街頭インタビュー。怒りを表す人や痛烈に批判する人のほか「もう少し頑張って欲しかった」とか「仕方がないんじゃないの」と答える方々も相当数いた。福田総理ばりのこの他人事のようなコメントは何だろうか。もちろん、突然マイクを向けられたので、とっさに答えが浮かばなかったという場合もあるだろう。

 しかし、日本のトップ・リーダーである内閣総理大臣が突然辞任を表明したにもかかわらず、他人事というのは、何かおかしい。自分の会社の社長が、前触れなく辞任したら「おいおい、何を考えているんだ」と怒るはずだ。それなのに、総理辞任は他人事というのは何故だろか。

 おそらく、「政治家なんてそんなものさ」と思っているからか、「福田さんには期待していなかったから、ま、いいんじゃない」という意味なのか。あるいは「総理なんて誰がやっても一緒だ」と思っているからだろうか。つまるところ、政治不信あるいは政治家不信が原因なのだろう。

 民主党の議員にも政治家不信を招くような行動があるかもしれないが、1年間に2人の総理が連続して突然責任放棄してしまう日本の政治を見れば、皆が政治に期待できないと考えるのも至極当然のことだ。こんなことが何度も続けば、国際的にも日本の政治の発言力はさらに弱まるだろうし、信頼は薄れる。

 自民党は派手に総裁選挙を実施するだろう。民主党の小沢代表の無投票での3選に対比させて、自民党こそ民主的だということをアピールするに違いない。北京五輪の開会式のような巧妙に意図された偽装総裁選を実施するであろう自民党。パフォーマンスすることが効果的であることをわかっていながらありのままの姿で挑む民主党。はたしてどちらが国民に対して正直か。2005年09月11日の小泉元総理による郵政解散総選挙、2007年09月12日の安倍前総理辞任、そして2008年09月01日の福田総理の辞任表明。「国民を馬鹿にするのもいい加減にしろ」と、皆もっと怒るべきだ。

 付記(牧野)

 これは藤本さんのブログからの転載です。本人の許可を得ています。
括弧内の題名は牧野、改行も一部は牧野のものです。

 藤本さんのHPは下記の通りです。

  http://www.fujimoto-yuji.org/
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教育の広場、第318号、ようやく取り上げられた「犬山の教育」

2008年07月08日 | ニュース
 第 316号で「ジャーナリストの怠慢」を書きました。そこで取り上げました愛知県犬山
市の教育改革について、ルポライターの星徹氏が「犬山の教育」というルポを書きました
。岩波書店発行の雑誌「世界」の8月号に載っています。

 この教育改革の重要性と言うか根源性からみて、まだまだ十分に論じられたとは言えま
せんが、ともかくようやく犬山市の教育改革が取り上げられたのはよかったと思います。
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