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琴奨菊と体幹トレーニング

2016年02月18日 | タ行

 大関・琴奨菊が初優勝しました。日本人力士の優勝は10年ぶりだとか。来場所も良い成績で優勝すれば、日本人の横綱が久々に誕生するわけです。期待したいです。

 大関陥落の危機を何度も経験してきた琴奨菊がなぜ急に強くなったのか、その原因なり背景なりを読んでいますと、昨年結婚した連れ合いの「内助の功」も相当あるらしいですが、それ以上か、それと並んでかは知りませんが、昨年8月から付けている「専属トレーナー」の指導も相当大きいようです。端的な話、そのトレーナーの指導で行っている「体幹トレーニング」が効果を発揮しているようです。この間の場所で負けた日馬富士関も「当たった時の感じが以前と全然違った」という感想を漏らしていたとか。

 サッカーの長友選手も体幹トレーニングの本を出しているくらいですから、それの実践者として有名です。そんなこんなで、「体幹トレーニング」という言葉を好く聞くようになりました。

ところで、私はそれを聞くと自然に歌手などの受けているといわれる「ヴォイストレーニング」を連想します。体幹トレーニングとヴォイストレーニングとにはどういう共通点があるのでしょうか。思うに、正規の伝統的な練習や稽古と違って、身体の一部ではあるが、自分の仕事にとってとても重要な部分を専門のトレーナーの指導を受けて行う、という点だと思います。もちろん「他者の指導」は必ずしも必要ではなく、「自分でやれるならば、やってもいい」のだと思います。

 直ちに連想することは「哲学者にとっての体幹トレーニング」は何か、ということです。私は前々から「形式を読む」とか「文脈の本流と傍流」とか「立体的箇条書き」とか「段落に小見出しを付ける」とか、いろいろな方法を開発してきましたが、それはほとんど「文脈の読み方」の工夫でした。

思うに、これは職人が自分専用の道具を拵えるのに似ていると思います。テレビなどで職人の仕事の遣り方を見ていますと、職人はほとんど皆、自分専用の道具を作って仕事をしています。作っていない職人の方が稀ではないでしょうか。当然だと思います。売っている道具は一般性のあるものだからです。ですから、「こういう所で役立つ道具がほしいな」と思ったら、自分で作るしかない訳です。

 哲学する者にとっては「文脈を読む」ことは非常に大切な事ですから、そのための方法に工夫するのは当然です。それなのに、そのための工夫については余り聞きません。せいぜい「メモノートを作る」位でしょう。そして、そのメモノートを多数の仲間で共有するための工夫から生まれたのが「京大型メモ用紙」というのでしょうか、B6版の少し堅めの用紙です。しかし、これは「文脈を読むための道具」ではありません。

 実際、文脈の読めていないことから来る間違いや誤解を発見することが多いです。もちろん私にも幾つかあるでしょう。しかし、平均よりは少ないと思っています。これは意識的に文脈を読む方法を開発しているからだと思っています。

 皆さんは文脈を読む方法としてどういう努力をしていますか。独自の方法がありましたら教えて下さい。そういうものを発表しあいたいものです。

 もう1つ、哲学する者に取って大切な「体幹トレーニング」があると思います。それはドイツ語の読み方です。そのための方法としてはやはり関口文法以上のものはないと思います。それなのに、どうも「この人は関口文法と格闘したな」と思える人に出会ったことがありません。直弟子の中にもそういう人に会った記憶がありません。そして、関口文法を勉強していたら避けられた間違いを発見することがかなりあります。

私には語学の才能がありませんが、関口文法という体幹トレーニングを、ほんの少しですが、したために何とか強い身体になったようです。今後も続けるつもりです。
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うなぎいも

2016年02月06日 | ア行

浜松産のサツマイモ「うなぎいも」が出世街道を快走中だ。もとは造園会社の農業参入で生まれた地域ブランド。外観の不ぞろいさから菓子材料などに使われてきたが、ファンの声を背に、野菜としての出荷も増え始めた。ブランド誕生から5年目を迎えて生産量は7倍弱に拡大。人気は海を越えるまで成長している。

 「土にうなぎの栄養分を加えて育てたサツマイモ」「ねっとり濃厚な昧は一度食べたら忘れられない」

 JR浜松駅から車で5分ほどの浜松市南区卸本町。雑貨や服飾の店が並ぶ一角にあるアンテナショップ「うなぎいも王国」入り口には、丸々太った自慢のサツマイモが、説明文を添えて山盛りに置かれていた。

 「知名度が上がり、『イモのままでほしい』という消費者の声が増えてきた。期待に応えられるよう、出荷を増やしています」。

 生産者でつくる組合で理事長を務める伊藤拓馬さん(37)は、菓子用の加工向け出荷から始まったうなぎいもの歴史を説明する。

 イモそのものはサツマイモの一品種「べにはるか」。人気の秘密は浜松らしさにこだわったブランド戦略で、捨てられるはずだったウナギの頭や骨を肥料にして栽培するのが特徴だ。

 誕生のきっかけは、伊藤さんが取締役を務める造園会社「コスモグリーン庭好」(浜松市南区安松町)が農業参入で得た苦い経験だった。刈った枝を肥料にする技術を生かして、2009年に南区の耕作放棄地で野菜栽培を始めた。ところが、病気になったり、虫がわいたり、結果はさんざん。トラクターや資材を買うために1千万円以上を投じており、形が不ぞろいでも、唯一、インターネット通販で売れたサツマイモにかけることを決めた。

 「ただのイモならばプロの農家と勝負にならない」と、ペースト状にしたイモでつくるプリンなど加工品に力を入れた。ウナギの頭や骨を肥料に使い始めたのも、消費者に選ばれるための工夫だ。2011年にキャラクターをつくって「うなぎいも」の名前で売り出した。生産者による加工販売を後押しする県の応援で商談会に出すと、菓子材料としての人気が急速に広がった。

 今では約20社が30種以上の「うなぎいも」認定商品をつくる。県西部農林事務所の山崎明さんは「独自のストーリーやキャラなど、売るためのこだわりが成功につながった。全国でも参考になる事例だ」という。

 組合は生産量を増やそうと2013年にできた。建設会社などの「異業種参入組」にも育てやすいようマニュアルを整え、収穫したイモは組合が買い取る。2015年には栽培面積が17haまで拡大。生産量は300トンほどになり、ブランドができた2011年と比べ、面積は6倍弱、生産量は7倍弱まで増えた。

 野菜で出荷した方がもうけは多いため、大きさや形といった基準を満たしたイモは買い取り価格を2倍にする。今では生産の4割弱が野菜として出荷される。

 昨秋からは県の勧めで台湾への輸出も始めた。現地の百貨店で売り出すと、新たなチャンスが見つかった。「もっと小さいものが欲しい」との反応だ。

 これまで100g未満は「商品にならない」と畑に捨てていたが、台湾では50g以上なら売れるとわかった。来季は初年度のl・6倍の10トンを輸出する計画だ。

 地域の子ども向けのイモ堀り体験など、ブランドづくりのあの手この事は、まだまだ続く。「観光や教育ともつながりを持ち、本物のウナギと並ぶ浜松の名物に育てたい」と伊藤さんは夢を膨らませている。
(朝日、2016年02月03日。山本友弘)

感想

 トピア浜松農協は農協に口座を持っている人の誕生日に菓子折をプレゼントしています。先日受け取ったものは「愛知県豊田市」の会社の小倉ようかんでした。私は、「なぜうなぎいもを使ったお菓子にしないのか」と抗議しておきました。
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