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1966年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した名作。フランスの植民地だったアルジェリアがFLN(アルジェリア民族解放戦線)の抵抗により独立を勝ち取るまでを描く。
アルジェリア独立戦争に関する映画は『いのちの戦場 アルジェリア1959』を観ています。山岳地域が舞台でフランス軍にも人間的な悩みがあったように思いますが、この映画は敵味方がはっきり分かれていて、シンプルな分ストレートな迫力がありました。舞台もアルジェリアの古い市街地カスバで、フランス人とアルジェリア人の格差が歴然としています。
血気盛んな若者アリはFLNに入り、内通者の処理、そしてフランス軍兵士や警察官の襲撃を始める。街の検問が強化される中、今度は警察がアラブ人居住区に爆弾を仕掛け、報復テロをして大勢の住民が犠牲となった。カスバでアラブ人の大規模デモが起き、カスバを完全封鎖するくらい検問が厳しくなったが、FLNは一般人女性に爆弾を運ばせて、空港やレストラン、カフェなどフランス人が大勢いるところを爆破し、対立は激化する。
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事態を収拾するために、フランスは反ナチのレジスタンスなどを指揮したマチュー中佐率いる空挺師団を投入した。厳しい捜査と訊問でFLNの構成員を着実に逮捕するマチュー中佐の部隊。路地の奥に追い詰められたFLNメンバーは、包囲していた警察を道連れに自爆し、アリも追い詰められて投降か死か、選択を迫られる。。。
モノクロの画面や効果音とでも言ったほうがいい音楽など、粗削りで力強い迫力がありました。その中でも光るのが、アリの鋭い眼光。アラブ人らしくくっきりとした顔立ちにモノクロに光る眼差しは、独立の闘士そのものです。FLNに協力する女性たちも、覚悟を決めた凛々しい表情。カスバの検問を爆弾を持って通り抜ける時には、艶やかにフランス人らしく振る舞い、内心ドキドキしながらも目的地に爆弾入りのバッグを置いていく、男女関係なく独立を戦う闘士ですね。
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敵役のマチュー中佐は生粋の軍人っぽい感じ。課せられた使命にいかに応えるか、という点でプロフェッショナルであり、憎らしいほど徹底的にFLNを追い詰める一方で、本国の指令がなければ関与しなかったんだろうなあと思うと、政府の意思決定が肝要なのだなあと思います。
ヨーロッパ人地区では自動車が通る広い道路が整備されて、2階や3階のバルコニーから外を眺めている姿が、カスバの旧市街の狭い坂道や昔ながらのレンガ造りだろう家屋と対照的で、植民地の現実を痛感しました。
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10/23 新宿K'sシネマ
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