まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

二重生活 浮城謎事

2015-03-09 21:37:01 | 中国映画(あ~な行)

婁ロウ・イエ監督が現代中国の社会矛盾を切り取った作品。

激しい雷雨の中、交通事故で映画は始まる。可愛い一人娘のアンアンを育てるため、夫(秦昊チン・ハオ)に会社を任せ幼稚園の送迎や家事にいそしむ妻(郝蕾ハオ・レイ)。ある日、アンアンが通う幼稚園で同級生の男の子ユイハンの母親サンチー(斉溪チー・シー)と知り合い、「夫が浮気しているかも」と相談を受ける。その時、カフェの窓から目にしたのは自分の夫が若い娘とホテルへ入っていく姿だった。夫の浮気を知った妻は、相手の女の後を尾ける。

その後、密かに夫の行動を探り続け、別の若い女と遊ぶところも目撃して後をつけたところ、夫が入っていったのはサンチーの部屋だった。一回きりの遊びだけでなく、子供がいて面倒まで見ている浮気相手がいた。妻はアンアンと一緒にユイハンを幼稚園から連れ出し、ひとしきり遊んだあとサンチーの家へ連れていく。このときはユイハンを殺すんじゃないかっていうくらい緊張が走るけどさすがにそこまでの暴発はなく、却って肝が据わったのかサンチーと2人で夫の帰りを待つ。無邪気に遊ぶアンアンとユイハンだけが違う空気を吸っているかのよう。そして2人のいるサンチーの部屋にのこのこと帰ってくる夫。どちらを選ぶか選択を迫られてサンチーを選んだのは、子供が男の子だからだったのか。そういえば中国って子供を産むのにも結婚証明書とかが必要なんじゃなかったかしら。金を積んだのか戸籍の無い子供なのか、真相は藪の中。

離婚とともに会社もマンションも追い出され、サンチーとユイハンと慎ましい生活を送る男。サンチーには冒頭の交通事故に関係する重大な秘密があり、それを目撃していた乞食から口止め料として金をせびられ続けていた。ある大雨の夜、男とサンチーはケリをつけて後顧の憂いをなくすべく乞食を始末する。

冒頭の交通事故は加害者が金持ちのボンボンで、慰謝料を遺族に払って示談となり決着がついた。しかし刑事の友人で死んだ女の元彼氏が調べると、現場の山には元妻のキーケースが落ちていた。遺体は車に轢かれる前に石のようなもので頭部を殴られた跡があり、刑事は元妻に迫る。。。

まず思うのは、どうしようもない男が多いなあ、というもの。2人の妻がいた夫もそうだし、交通事故を起こしたボンボンもそう。サンチーは「子供ができなければ」と言っていたけれど、まだ中国で中絶はハードルが高いのか、それともアンアンが女の子だから男の子が産まれるほうに望みをかけたのか、古い因習と共産党政府の政策の双方から、色々な制約を受けていそうです。

それに加えて、女の気持ちもよく分かりません。サンチーが妻に近づいたのは、正妻への嫉妬から?明らかに愛人と分かる貧乏暮しでも必死でしがみつくのは、不倫相手の子供がいるシングルマザーが中国で生きていくことは、日本などよりはるかに難しいという側面があるんだろう。また、結局夫がサンチーを選んだことからも、自分の方が愛されているという自信があったのかもしれない。

サンチー役のは斉溪すっきりとした顔立ちで好みです。これがスクリーンデビューのようだけど、これからたくさん映画に出てもらいたいなあ。

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