すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1リーグ】「日本仕様」のサッカーで川崎Fが勝つ ~第13節 G大阪 0-2 川崎F

2021-05-09 11:58:16 | Jリーグ
ポゼッション率63%と川崎Fが圧倒した

 川崎フロンターレは、首位決戦となった名古屋グランパスに2連勝しての今節だ。彼らは名古屋戦とはまったく別の顔を見せていた。

 川崎Fは名古屋戦では息詰まるような高いインテンシティを見せた。だがこの試合では、なんともひょうひょうと軽いタッチでショートパスをつなぐ。

 まったく同じチームとは思えない。

 これが彼らの省エネ・モードなのだろうか?

 それでも試合は川崎Fがポゼッション率63%、シュート数17本とガンバ大阪を圧倒した。

 前半41分にはこぼれ球を拾ったレアンドロ・ダミアンが、後半31分には途中出場の三笘薫がドリブルでペナルティエリア内に持ち込み鮮やかにゴール。

 川崎Fが2点を挙げ、開幕から15試合の無敗試合(13勝2分)を達成した。

川崎Fのフォーメーションはいつもの4-1-2-3だ

 川崎Fのフォーメーションは4-1-2-3だ。スタメンはGKがチョン・ソンリョン。最終ラインは右から山根視来、ジェジエウ、車屋紳太郎、旗手怜央である。

 アンカーはジョアン・シミッチ、右インサイドハーフは田中碧、左インサイドハーフは脇坂泰斗。

 3トップは右から家長昭博、レアンドロ・ダミアン、長谷川竜也である。

 彼らは試合の序盤からG大阪を自陣に押し込め、ひたすらボールをつないだ。

 前半3分。長谷川がドリブルでペナルティエリア左へ持ち込み、左足からクロスを放つ。

 これはヘディングでクリアされたが、こぼれ球を拾った家長が左足でシュート。しかしゴール右へ外れた。これがこの日のゴールショーの幕開きだった。

L・ダミアンが早くも今季10点目のゴール

 前半13分。家長がペナルティエリア真ん中へ左足で縦パスを出す。これを田中が受けて右足でシュートを放ったが、近距離で弾かれる。

 続く前半30分には、脇坂が右サイドへ右足で浮き球のパスを送った。そこへ山根が走り込みグラウンダーのクロスを入れたが、クリアされる。

 そして前半41分。カウンターから脇坂がペナルティエリア左へ、右足アウトサイドでスルーパスを送る。これを長谷川がもらい仕掛けたがガンバの右SB佐藤が防ぎボールロストに。

 そのこぼれ球を拾ったレアンドロ・ダミアンが左足でシュートを放ち、川崎Fは先制点を挙げる。

 L・ダミアンは早くも今季10点目だ。15試合目にして、もう2ケタ得点を達成した。

三笘のドリブルが風を切る

 続く2点目は後半31分だった。

 まず途中出場の登里が自陣から左足で浮き球のスルーパスを出す。そこに走り込んだ途中出場からわずか6分の三笘がボールを受け、まるで風を切るように敵DFを抜き去る。

 ペナルティエリア左へ持ち込んだ彼は、右足でグラウンダーのシュートを放ちゴール右へ叩き込んだ。

 これで2点を挙げた川崎Fはガンバの追撃を許さず、2-0でシャットアウト勝ちを演じた。

世界で勝つには高いインテンシティが必要だ

 勝ちまくる川崎F。だがこの日の軽いパスサッカーはあくまで「国内仕様」である。

 手抜きしたとは言わないが、ヨーロッパでこんな風に弱いショートパスばかり繋ごうとするとたちまちフィジカルと組織守備で寸断されてしまう。

 日本のサッカーが海外で勝つためには、あくまで彼らが名古屋戦の初戦で見せたようなインテンシティの高いサッカーでなければならない。

 あのサッカーでなければヨーロッパの第一線では通用しない。

 彼らはそれをくれぐれも自覚しておくことが大切だ。

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【J1リーグ】名古屋がいつものウノゼロで締める 〜第13節 名古屋 1-0 C大阪

2021-05-09 05:03:46 | Jリーグ
連敗のショックはまるでなし

 名古屋グランパスは前節と前々節、川崎フロンターレとの首位決戦になった2試合に連敗したショックが心配された。

 だがこのセレッソ大阪戦、立ち上がりから彼らはまったくそんな気配すら感じさせなかった。

 前節のスタメンからは成瀬と長澤、前田が外れ、森下と柿谷、相馬が入るベストメンバーで臨んだ。

 彼らは持ち前の「大きいサッカー」をした。ピッチを斜めに横切る長いサイドチェンジを交えながら組み立てて行く。

 名古屋のポゼッション率は48%とC大阪を下回ったが、「やられている」わけではない。相手にボールを持たせてカウンターを狙ういつもの定食コースだ。

 前半は両チーム一進一退で無得点のまま終え、そして後半21分。この試合でJ1通算300試合出場を達成した左SBの吉田がうれしいゴールを挙げる。そして名古屋がいつものウノゼロ(1-0)で完勝した。

 今季11回目のクリーンシート(無失点試合)である。いつもの名古屋が帰ってきた。

マテウスがブレ球のミドルシュートを放つ

 名古屋のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKがランゲラック。最終ラインは右から森下龍矢、中谷進之介、丸山祐市、吉田豊である。

 セントラルMFは稲垣祥と米本拓司。2列目は右からマテウス、柿谷曜一朗、相馬勇紀。ワントップは山崎凌吾だ。

 前半8分。名古屋は縦パスに抜け出した柿谷が、ペナルティエリア左からクロスを入れる。これにペナルティエリア真ん中へ走り込んだ米本がジャンプしヘディングシュートを放つが、敵GKキム・ジンヒョンに処理されてしまう。

 立ち上がりに攻めたのはC大阪だったが、こうして時間が経つにつれ名古屋がボールを支配し自分のゲームにして行った。

 前半25分、名古屋はカウンターを放つ。マテウスがスピードに乗ったドリブルで中央突破を狙うが、敵陣の真ん中で敵CBチアゴにボールを奪われる。

 続く前半31分。またもマテウスがペナルティエリア手前右から、左足で強烈なブレ球のミドルシュートを打つ。

 これを敵GKキム・ジンヒョンが弾いたが、そのこぼれ球を稲垣が拾った。彼はペナルティエリアの右から真ん中へ折り返したが、味方に合わずチャンスはフイになった。

名古屋は吉田のうれしいゴールで大団円に

 そして大団円は後半21分に訪れた。名古屋の左SB吉田が途中出場の齋藤学にパスを出し、ペナルティエリア内に走りこんだ。

 そこに齋藤が縦パスを出し、柿谷が触ったボールを敵CBチアゴが左足で掻き出すとこれが左斜め前へ流れる。そしてなんとうまい具合いに、吉田の足元へ届く。

 おそらく神がくれた300試合出場達成記念なのだろう。吉田はこれをゴール左隅に狙いすまして決め、決勝点を挙げた。

 これで名古屋は昨シーズンから先制すれば勝つジンクスを達成。先制時の連勝記録を20連勝とした。

 名古屋は先行逃げ切り型のチームなのである。

 彼らは川崎F戦での連敗から立ち直り、価値ある1勝を挙げた。

 まだまだシーズンは長い。何が起こるかわからない。こうして1勝づつ丁寧に積み重ねた先には、きっと美味しいご褒美が待っているに違いない。

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