すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1神戸 攻略法】こうすれば神戸に勝てる

2023-05-30 06:00:11 | Jリーグ
大迫へのボールを遮断せよ

 今シーズン、大躍進してJ1リーグで首位を走るヴィッセル神戸。彼らから首位を奪還するのは、難攻不落の城を落とすような難しさがある。

 だが神戸には「勝っている理由」が明確にあり、そこを潰せば攻略できるはずだ。

 神戸が勝っている最大の理由。それは最前線で獅子奮迅の活躍をするFW大迫勇也の存在にある。特に最終ラインから彼に届くロングボールは、神戸のビルドアップの大部分を司っている。

 他方、得点ランキングトップの大迫は、チームの得点源でもある。自分でゴールを決めることもできる。また彼がやっているポストプレイは、チームの組み立ての枢要にもなっている。

 一事が万事、大迫なのだ。

 もちろん他の選手の貢献度も高いのは確かだ。だがチームのキモは大迫が握っている。ならば神戸に勝つには大迫を「消せばいい」。

大迫はマンマークでは止められない

 しかし「大迫を消す」といっても、だれでも思いつく大迫へのマンマークなどでは彼は絶対に潰せない。

 強靭な大迫はマーカーを背負っている状態でも、まるでフリーでいるかのようにたやすくポストプレイができる。そんな光景は何度も見かける。

 つまり彼にマークをつけてもムダなのだ。

 しかも短いグラウンダーのボールをもらえばポストプレイは比較的カンタンだが、大迫は最終ラインから届くロングボールを、なんと最前線でワンタッチするだけでスルーパスを出している。

 これがいかに難しいかは、ちょっとサッカー経験のある人ならだれでもわかるだろう。

ハイプレスで「パスの出し手」を潰せ

 ならばやるべきは、大迫へのボールの供給源をなくすことだ。特に神戸のビルドアップの大部分を占める大迫へのロングボールを断つのが先決である。

 だが神戸の常套手段であるロングボールやハイクロスのような浮き球は、いったん出されると途中でパスカットできない。なぜならボールは「空中」にあるからだ。

 そして長いボールを出されてしまえば、その先には超絶的なポストプレイを繰り返す大迫がいる。大迫にボールが渡った時点で1点ものだ。

 とすればロングボールが出る前に、ボールの出し手を潰す一手だ。

 つまりボールを保持する神戸の最終ラインに、時間的猶予を与えず激しくハイプレスをかける。

 こうしてロングボールを蹴る前にプレスで潰す。理想はプレッシングでボールを奪うことだ。またはボールホルダーの体勢を少しでも崩してパスのコースを狂わせる。あるいはバックパスさせる。これで前線の大迫にボールを触らせないのがポイントだ。

 またサイドから大迫に渡るハイクロスも同様だ。クロスの出し手に厳しいプレスをかけ、ボールを刈り取る。またはパス出しを止める。こうしてボールを大迫に渡さない。

まとめ

 神戸のビルドアップは、ほとんどがロングボールを使ったダイレクトなやり方だ。そのロングボールを遮断するということは、神戸のビルドアップを完全に断つことを意味する。つまり彼らの攻め手はなくなる。

 これができれば、神戸を封じることはほぼ実現したも同然だ。

 参考になるのは、J1リーグ・第14節の柏vs神戸戦だ。この試合で柏レイソルのFW細谷真大が、ボールを保持した神戸の左SB本多勇喜にプレスをかけたシーンである。

 プレスを受けた本多はあわててバックパスし、GKが飛び出していた無人の自ゴールにオウンゴールしている。

 こうしたプレッシングが神戸には有効なのだ。

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【U-20W杯 総括】日本はボールを保持してうまく時間を使う術を学べ

2023-05-29 13:12:34 | サッカー日本代表
U-20日本代表の敗退が決定した

 FIFA U-20ワールドカップ・アルゼンチン2023におけるU-20日本代表のグループステージ敗退が決定した。

 同大会はグループステージ全日程が終了。グループ上位2チームだけでなく、6グループの3位チームのうち上位4チームも決勝トーナメントに進出できる規定だった。

 だが日本はグループ3位チーム中、5位以下が確定したため敗退が決まった。

 しかし「だめだった」で終わっていては意味がない。

 そこで日本が今大会でどこを誤ったか? ストロングポイントはどこか? 弱点はどこか? また今後、改善すべき修正点などを総括しておこう。

最大の改善点は敵からの攻撃回避だ

 まず日本がいちばんまずかった点は、試合運びだ。彼らは試合の流れを何も考えず、ただまっすぐ真っ向勝負しているだけだった。

 そのためコロンビア戦とイスラエル戦では、逆転負けして惜しい星を落とした。

 またこの大会での日本は守り切りたいときは、ボールを完全に放棄し、ただディフェンディングサードにベタ引きしているだけだった。

 これではいったん相手の攻めを弾き返しても、二次攻撃、三次攻撃を食らうだけだ。

試合運びを考えよう

 そこで考えたいのは、敵からの攻撃を回避する術。つまり試合運びだ。

 例えば自チームがリードしていて試合は残り20分、というようなケースでは、自分たちが能動的にボールを保持してうまく時間を使いたい。

 無理攻めは控え、うまくポゼッションして時計が進むのを待つのだ。

 これによってマイボールの時間だけがえんえん続く。これなら敵から攻められないし、ゆえに失点するような場面はやってこない。だから今大会のような「逆転負け」なんて絶対しない。

 こういうクロアチアがやるような抜け目のない試合運びは、日本はそもそもA代表ですらできていない。日本サッカー界の大きなテーマだ。

 そこで将来性があり頭が柔軟なU-20日本代表の面々には、こういうクロアチアのような試合運びを先んじて学んでほしい。

個人戦術の改善点は?

 個人別で見た改善点としては、まず最初に上げられるべきはDF高井幸大だろう。

 彼は敵のフィニッシュ時、時に棒立ちになり、1人だけ低い位置に居続けてオフサイドが取れないケースが散見された。これが失点につながった。

 もちろんCBが本職の彼にSBをやらせているのだから、ハンデがあるのは当然だ。
 
 だが自分のせいでオフサイドが取れなかった点は、彼は自覚しているようなので今後は気をつけてほしい。

 ただ守備に関して言えば、このチームは彼に限らず全体でレベルアップして底上げを図る必要がある。今大会のような守備レベルでは、ヨーロッパの一流とは戦えない。

本領を発揮できなかった2人

 攻撃陣に目を移せば、FW熊田直紀とMF北野颯太は、あきらかに本領を発揮できていなかった。

 今大会、私は特に熊田のゴールを楽しみにしていたので残念だった。また得点だけでなく、彼は得意なポストプレイもうまく決まっていなかった。

 一方の北野は、消えている時間が長かった。

 もう少し運動量を増やしてボールにからみたい感じだった。

 もっとも2人とも経験の浅い若い選手だけに、好不調の波はあるだろう。これに懲りずに今後も精進してほしい。

力を出せた選手は?

 逆に活躍した選手といえば、筆頭に上げられるのはやはり松木玖生だろう。

 彼の周りは「空気」がちがう。何か別格の輝きを持っている選手だなと感じた。ここぞの勝負強さと得点力は魅力だ。

 もちろん今大会ではもっと点を取りたかっただろうが、彼は未来のA代表のエース候補だ。今後に期待したい。

 それからCMFの山根陸もよかった。彼は所属の横浜F・マリノスでは本職ではない右SBで使われており、しかも水準以上のプレイをしているので器用な選手だなと感じていたが……本職のCMFでもやっぱり水準をクリアしていた。

チェイス・アンリには驚いた

 またちょっとオーバーな言い方だが、この大会は私にとって「チェイス・アンリに出会えた貴重な大会」だった。

 もちろん噂には聞いていたが、あんなダイナミックなプレイをするとは思わなかった。彼は非常に躍動感があり、バネもある。運動量も豊富だ。CBをまかされ、カバーリングにも大車輪の活躍だった。彼はまだまだ伸びるだろう。

 本当に出会えてよかった。日本の未来を見せてもらった。

 あと目についた選手を挙げるとすると、佐野航大や永長鷹虎、福井太智、坂本一彩、高橋仁胡といったところ。福田師王はもっと長い時間で見たかった。

 いずれにしても、将来のA代表入りが楽しみなチームの面々だった。

 今後もがんばってほしい。

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【J1 第15節】土壇場で鹿島が追いつき痛み分け 〜鳥栖 2-2 鹿島

2023-05-29 05:17:25 | Jリーグ
緊迫した息詰まる展開だった

 J1第15節で、サガン鳥栖と鹿島アントラーズが対戦した。試合は前半に両者が1点ずつを取り合う息詰まる展開になる。後半に入り鳥栖が1点リードしたが、鹿島が後半アディショナルタイムに追いつき劇的な引き分けで終わった。

 鹿島は守備時、4-4-2のミドル〜ロープレスだ。状況に応じて左SHの仲間隼斗(途中で逆サイドの名古新太郎とポジションチェンジ)がプッシュアップし、前3枚になる。最終ラインは高くはなく「安全運行」だ。だが戦況に合わせ、2トップ+両SHの4枚でハイプレスをかけることもある。プレスバックも速い。

 一方、攻撃時は両SBを高く上げ、2CBが開いて2バックになる。割り切ってロングボールを入れるダイレクトなビルドアップをする。2トップの一角であるエースの鈴木優磨がポストプレイでチャンスを作る。

 まずは前半13分。鹿島のCB関川郁万が裏を狙ったボールを入れ、最後はボックス中央でFW垣田裕暉がシュートを放つ。これは右ポストを直撃し「未遂」に終わった。

 だがその後は鳥栖がボールを握り、ポゼッションする展開になる。

 その鳥栖が前半27分に先制弾だ。左サイドからFWの小野裕二がハイクロスを入れ、右SHの長沼洋一が折り返す。最後はトップ下の森谷賢太郎が、ボックス中央から強烈なシュートを突き刺した。

 一方、同33分に鹿島が追い上げる。反攻だ。右サイドからMFディエゴ・ピトゥカが斜めのクロスを入れ、ゴール左で鈴木が頭で折り返す。仕上げはMF名古新太郎のダイビングヘッドで締めた。1-1。同点だ。

 このあと一方のゴールから他方のゴールへとボールが行き交い、目を離せない展開になり前半が終わった。

シーソーゲームは後半も続く

 後半も立ち上がりから鳥栖がボールを保持する。鹿島は受けて立ち、粘り強く守り続ける。こうして機を見て攻めに転じる。これが鹿島のいつものペースだ。

 後半13分、鹿島が仲間に代えてCMF佐野海舟を投入する。これで樋口が右SHに入った。

 同22分、鹿島が垣田と名古を引っ込め、アルトゥール・カイキと土居聖真を投入する。

 そして3分後に試合が動く。鳥栖のMF手塚康平が中央で縦パスを通し、FW小野裕二がシュートした。ボールはゴール右ポストを叩くが、その跳ね返りがちょうどセービングしたGK早川友基に当たりゴールに入る。鳥栖、1点リードだ。

 同32分。鹿島はMFディエゴ・ピトゥカとDF広瀬陸斗に代えて、FW染野唯月とDF常本佳吾を入れる。

 大団円は同46分だ。ボールが鹿島の左サイドに出る。受けたSB安西幸輝が少しドリブルし、低いクロスを入れる。これをボックス中央で千両役者の鈴木がダイビングヘッドでゴール左スミに叩き込んだ。2-2。同点だ。

 緊迫した後半はこれで幕を閉じ、試合は痛み分けの引き分けで終わった。まさに手に汗握るスリリングな激闘だった。

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【U-20W杯】日本、10人のイスラエルに衝撃の逆転負け 〜U-20日本 1-2 U-20イスラエル

2023-05-28 10:22:56 | サッカー日本代表
46分に日本が先制点を取る

 現地時間5月27日、U-20ワールドカップのグループC第3節が行われ、日本とイスラエルが対戦した。日本は46分に先制したが、イスラエルに2点を取られて逆転負けした。

 日本は勝つチャンスはいくらもあった。むしろ負ける要素などなかった。だが先制点を取ったことで逆に消極的になる。そして日本は守り切ろうと自陣に引き、ブロック守備を続けた。弱気の虫だ。

 そうではなく、自分たちが能動的にボールを保持してうまく時間を使うべきだった。これはメンタルの問題だ。

 途中でイスラエルに退場者が出て10人になる。だがそれでも日本はブロックを下げた守備を続けた。ボールを持とうとしない。そのため勝勢を生かせなかった。かくて1人少ない相手に最後は逆転負け。結局、日本は負けるべくして負けた。好チームだっただけに残念だ。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが木村凌也。最終ラインは右から高井幸大、チェイス・アンリ、田中隼人、高橋仁胡。CMFは山根陸と佐野航大。2列目は右から松村晃助、松木玖生、安部大晴。ワントップは坂本一彩だ。

前半は完全に日本のゲームだった

 日本は立ち上がり、幾度となく惜しい決定機を迎える。だがなかなか決まらない。5分に松村が豪快なシュートを放つがGKの正面を突く。松木の弾丸シュートもわずかに右へ逸れる。試合の入りは積極的でよかった。

 日本は左SBの高橋を上げ、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップする。あるいは両SBを高く上げ、CBのチェイスと田中が2人でビルドアップするパターンもある。守備時4-4-2。坂本と松木の2トップだ。

 一方、イスラエルは両SBを上げての2CBか、両CB間にアンカーが降りて3バックでビルドアップしてくる。守備時4-4-1-1だ。日本がサイドでボールを持つと、彼らはダブルチームで対応してくる。

 イスラエルは上品にパスをつなぐポゼッション型だが、同じグループCのコロンビアやセネガルのような爆発的な破壊力はない。大人しいチームだ。ゆったり中盤でボールをつないでくるが、アタッキングサードでの鋭さや迫力がない。

 またサイドから入れてくるクロスも正確性がない。結論として彼らにはこわさがなかった。少なくとも前半は。

 両チームともショートパス主体なので、特にミドルサードからアタッキングサードにかけては人が密集する。ボールは両チームを行き来するが、前半は完全に日本のゲームだった。

 そして46分。日本のダイアゴナルなロングボールが入る。ゴール前での混戦から松木がバックヘッドでつなぎ、坂本がヘッドで決めた。待望の先制点だ。

魔の後半、日本に迷いが出る

 だが後半に入ると様相が一変する。日本の消極性ゆえだ。

 51分にイスラエルがGKと1対1のチャンスになるが決まらず。これ以降、日本は守備時5-4-1に変えた。まだ時間はたっぷりあるのに、1点を守り切ろうというのか? だがそんなゲームプランの誤りに気づいたのか、すぐに守備時4-4-2に戻した。

 55分、佐野から坂本にダイアゴナルな良いボールが入るが、守備対応される。後半の日本は左SBの高橋を高く上げ、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップしている。

 そして68分だ。途中出場のラン・ビンヤミンにレッドカードが出て退場になる。日本は1点リードしている上に、1人多い。だがこの圧倒的に有利な態勢ゆえ、逆に「震え」が出たのか、日本はめっきり受けに回る。1人多いチームが受けていては、数的有利は生かせない。

 かくて76分、イスラエルのセットプレイ崩れから、ヘディングシュートを決められる。1-1。同点だ。

10人のイスラエルが逆転ゴール

 後半のイスラエルは3バックでのビルドアップだ。日本は1人多いのに、なぜか弱気にブロックを下げて守備をしている。そのため10人のイスラエルがずっと攻め続けた。日本は何かを恐れながらプレイしている感じだ。

 そして運命の92分がきた。日本のゴール前でワンタッチパスが3本つながり、イスラエルにゴールされる。なんと10人の彼らに逆転されたのだ。で、タイムアップ。日本は勝てるゲームを落とした。1点リードしながら見えない「何か」に怯えた日本に、勝利の女神は微笑まなかった。

 後半の日本はあまりにも消極的すぎた。1点リードした状態で50分過ぎに5バックにするなど、早々に守りに入る気持ちが強かった。受けに回るのが早すぎる。

 しかも5バックをすぐまた4バックに戻すなど、ゲームプランが一貫してなかった。迷いがあった。富樫監督は「マネージメントに悔いがあった」と試合後に語ったが、この言葉が本ゲームをよくあらわしていた。

 これで日本はC組3位でグループリーグを終えた。今大会は各組3位のうち、成績が上位の4チームも決勝トーナメントに出られる。あとは他組の結果待ちだ。だが日本がグループリーグを突破する条件は非常に厳しく、残念ながら絶望的といえる。

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【第2次森保ジャパン】絶好調の大迫勇也を呼ばないのはサッカーに対する冒涜だ

2023-05-28 05:20:53 | サッカー日本代表
超絶的な大迫に敬意を示せ

 いまヴィッセル神戸の大迫勇也は、人生第二の絶頂期にある。

 それほど圧巻のプレイを繰り返している。

 一例をあげれば、第13節の広島戦だ。大迫は敵を背負って前線でロングボールを受け、カラダを回転させながら味方のシュートに繋がる縦への絶妙なスルーパスをワンタッチで出していた。あんな超絶的なポストプレイは大迫にしかできない。

 だから私はこの記事で、大迫を代表候補として推した。

 もちろん大迫の年齢的な問題も考えた。世代交代を進めたほうが代表は活性化するのではないか? という思考も頭のスミをよぎった。

 だが、そういう問題じゃないのだ。

 第一に、「いま一番キレてる選手」を呼ぶのが日本代表である。

 これについては加茂ジャパンのときにも議論になったが、当時の代表監督だった加茂さんは「そのとき好調な選手を選び、現在最強の代表を作るべきだ」と言っていた。

 同感である。

代表選出はリスペクトの裏返しでもある

 大迫の選出を考える場合の第二に、名誉の問題がある。

 私が大迫を推したのは、圧倒的なプレイをする大迫を称え、リスペクトする意味もある。いわば勲章だ。あのスーパーないまの大迫を代表に呼ばないなんて彼に失礼だと思った。そんな気持ちも大きい。

 森保監督は以上、2つの問題をいったいどう考えるのだろうか?

 そういえばもうひとつ、代表メンバー発表の記者会見で森保監督は失礼な発言をしていた。

「記者やファンが自分の推しを挙げるなら、そのかわりに誰を外すのかまで考えた上でやってくれ」みたいな意味の暴言だ。

 え? 大迫を代表に入れる代わりに誰を外すのか、って?

 そんなもの、広島つながりで選ばれている浅野を外せばいいだけじゃないか。

 だいたい、いまの超絶的な大迫を外して速いだけの浅野を呼ぶなんて、森保サン、あなたの目はいったいどこについてるんですか? と言いたい。

 いや、それどころか5月27日現在、わがJ1リーグの得点ランキング上位に入っている選手は1位の大迫(11点)だけじゃなく、2位の鈴木優磨(8点)も浅野雄也(同)も、5位の伊藤涼太郎(7点)も町野修斗(同)も、だれひとり代表に選ばれてない異常事態だ。

 森保監督に言わせれば、これも例の「リーグのレベル」ってヤツなのだろうか?

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【J1 第15節】神戸が先行逃げ切りで首位を守る 〜神戸 3-2 FC東京

2023-05-27 16:57:40 | Jリーグ
神戸が長い浮き球を自在に操る

 J1リーグは5月27日に第15節を行ない、首位のヴィッセル神戸がホームにFC東京を迎えて対戦した。神戸が武藤嘉紀の2ゴールと大迫勇也の1ゴール1アシストで先行し、2点を取って追い上げるFC東京を振り切った。大迫はこれで11ゴール。得点ランキングの1位を守った。

 前半は完全に神戸のゲームだった。ロングボールとハイクロス、サイドチェンジでペースを握った。

 彼らはビルドアップ時に右SBの初瀬亮が高い位置を取り、残りの3バックが右にスライドして組み上げる。対角の長いボールをひんぱんに使う。

 またロングボールによるサイドチェンジも多用し、フィニッシュはサイドからハイクロスを入れる形だ。神戸はミドル〜ロングの浮き球を自在に操りゲームメイクする。

 また彼らは攻撃的な守備をする。ハイプレスでFC東京のビルドアップに立ち向かう。逆に中盤でボールを失うと素早くリトリートし、ブロック守備に移行する。守備はハイプレスと、帰陣してのミドル〜ロープレスの使い分けが的確でうまい。

 神戸のフォーメーションは4-1-2-3。CFの大迫と右WGの武藤が得点源だ。また左WGの汰木康也も突破力があり、よくチャンスメイクする。

前半から神戸が3点リードする

 前半18分。神戸は左CKからボールを下げ、初瀬がダイアゴナルな浮き球のクロスを入れる。マテウス・トゥーレルがヘディングシュートしたが惜しくも決まらず。

 彼らの攻撃は続く。前半20分だった。汰木が左サイドをドリブルしてからクロスを入れ、受けた中央の武藤が右足アウトサイドでボレーを決めた。神戸が先制だ。武藤はよく動いてボールに絡んでいる。

 そして31分。中央のアンカー齊藤未月が右に切り返して強烈なシュートを放つが、GKヤクブ・スウォビィクがセーブする。

 追加点は41分だった。武藤のパスを受け、右サイドから初瀬がクロスを入れる。ゴール前で大迫が右足インサイドを左足の後ろにかき出すようなトリッキーなシュートを決めた。2-0だ。

 続く44分。縦パスを受けた大迫がライン裏にスルーパスを入れ、武藤がゴール右スミにシュートを突き刺す。これで3-0になる。FC東京は攻めがほとんど形にならない。神戸が完全に試合をリードしている。

後半はFC東京のペースになるが追いつけず

 だが後半は一転してFC東京のゲームになる。

 後半12分、FC東京がハンドでPKを獲得する。ディエゴ・オリヴェイラが長めの間を取り、ゴール左スミに叩き込んだ。このあと3対1のままFC東京に試合の流れが来る。

 FC東京のCBエンリケ・トレヴィザンがドリブルで持ち上がり、左足でミドルシュートを放つ。だがゴールのワクの上に逸れる。

 一方、神戸は大迫に代えてジェアン・パトリッキを、佐々木大樹に代えて井出遥也を投入する。残りは約20分だ。押されている神戸はリードを守り切れるか?

 だがなんとFC東京が入れた浮き球をカットしようとした汰木が、ハンドでPKを取られる。これは途中出場のペロッチがゴール右スミに決めた。3-2。1点差だ。

 残り時間がわずかになり、FC東京はロングボールを入れ始める。だがタイムアップ。かくて神戸が逃げ切りに成功した。これで神戸は10勝3分2敗の勝ち点33で首位を維持した。

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【代表メンバー発表】森保監督は「失礼な発言」を撤回せよ

2023-05-27 08:26:02 | サッカー日本代表
「好み」で推してるわけじゃない

 サッカー日本代表の森保監督は、6月シリーズの日本代表メンバーを発表する記者会見で、質問する記者やサッカーファンに対し非常に失礼な発言をした。

 それは、ある記者が「大迫勇也や伊藤涼太郎、町野修斗らは当落線上だったのか?」と聞いた時だ。

 森保監督は、それにこう答えた。

「みなさん、それぞれ自分の好きな選手、応援している選手がいる。自分が推している選手がここにいないとか、外れることもあり得る。我々は広く選手たちを見て、その活動ごとに将来の戦略を持って選手を招集している」

 冗談じゃない。これは非常に失礼な発言だ。

 例えば私の場合、確かにこの記事で、大迫勇也と伊藤涼太郎を代表に入れてはどうかと推薦した。

 だがこれは別に「自分の好きな選手」の名前をただ主観的に挙げたわけじゃない。

 当然、これらの選手が代表に入ればチームはどう機能し、どうチームに寄与するかを客観的に分析した上で推薦している。

 単に自分の好みで「主観的に好きな選手」をおもしろ半分で挙げたわけじゃない。記者のみなさんだってそうだろう。

 森保監督はこの失礼な発言を撤回して頂きたいものだ。

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【U-20W杯】コロンビア戦の日本は「デキが悪かった」か?

2023-05-26 09:54:20 | サッカー日本代表
節穴メディアがコロンビア戦を叩くが……

 U-20日本代表はU-20コロンビア戦に負けたが、私はまったく悲観していない。内容的には、勝利した初戦のU-20セネガル戦よりよかったからだ。

 何もわかってない節穴のメディアがコロンビア戦での日本を叩いているが、まったく気にする必要などない。メディアは単に「負けたから叩いている」だけだからだ。

 勝ったセネガル戦での日本はチームとしてのまとまりや一体感がいまひとつで、コンビネーションもあまりよくなかった。

 これらの欠点が、コロンビア戦ではハッキリ修正されていた。選手別で見ても、CMFで初スタメンを飾った山根陸は機敏なプレイでチームを支えていた。ゴールも取った。期待のMF福井太智も1アシストしている。

日本は一戦ごとにチームとしての総合力が増している

 またCBのチェイス・アンリもプレッシングやカバーリングに獅子奮迅の活躍をしていた。セネガル戦では交代させられたMF永長鷹虎は途中出場して鋭い切り替えしを見せ。彼は非常に突破力があり頼もしい。

 確かに核弾頭になるべきFW熊田直紀とMF北野颯太の影が薄いのは気になる。またMF松木玖生に当たりがなかったのは残念だったが、チームとしてのまとまりやコンビネーションはむしろ勝ったセネガル戦より負けたコロンビア戦のほうがよかった。

 特にバリエーションが豊富な「デザインされたセットプレー」は見ごたえがあったし、チームとしての完成度を感じさせた。

 また前半から飛ばしてきた破壊力のあるコロンビアの攻めを、前半20分頃までで完全に抑え込んだ日本のゲームコントロール力は冴えていた。大人のチームだった。(後半の失点は別の話)

 そもそもコロンビアは日本が属するグループCで「最強」のチームであり、「だから日本は力及ばず惜しくも逆転負けしたのだ」という分析がまっとうといえる。なにより日本はその強いコロンビアから先に1点取っているのだから力はあるのだ。

 この大会、日本はまちがいなく一戦ごとにチームとしての総合力が増している。次のイスラエル戦だって私は何も心配していない。むしろ「この世代は将来すごいチームになるだろうな」という期待感でいっぱいである。

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【U-20W杯】日本、惜しくも逆転負け 〜U-20日本 1-2 U-20コロンビア

2023-05-25 08:52:32 | サッカー日本代表
山根のゴールで先制したが……

 現地時間5月24日、U-20ワールドカップのグループC第2節が行われ、日本とコロンビアが対戦した。山根が先制ゴールを上げたが後半に2点を取られて逆転負けした。だが手応えはあった。日本の戦力は充実している。次戦、中2日でのイスラエル戦に勝てば、文句なしでグループ突破だ。

 この試合、日本は非常に落ち着いていた。立ち上がりから20分まで続いたコロンビアの猛攻を抑え込み、試合を静かにした。大人の試合運びだ。

 そして30分にはCKから山根が貴重な先制点を上げる。日本は随所にデザインされたセットプレーでチャンスを作った。だが後半50分台に立て続けに2点を取られ、逃げ切られた。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが木村凌也、最終ラインは右から高井幸大、チェイス・アンリ、田中隼人、高橋仁胡。CMFは山根陸と福井太智。2列目は右から佐野航大、松木玖生、北野颯太。ワントップは熊田直紀だ。

 一方、コロンビアのフォーメーションも4-2-3-1だ。彼らは両SBを上げ、2バックでビルドアップしてくる。非常に攻撃的で前線に4枚を送り込んでくる。

 そのため前半から日本は押し込まれるが、ゴール前でチェイス・アンリが獅子奮迅のクリアをする。彼が非常に効いており、ピンチの場面もアンリがカバーリングしクリアしている。

後半に2点を取られ突き放される

 先制したのは日本だった。30分に北野のシュートで右CKを獲得する。キッカーは福井だ。ショートコーナーから松木へ当てたリターンを福井がもらい、左へマイナスのボールを入れる。中央から山根がゴール右スミにシュートを決めた。1-0だ。

 日本は1点を取ってからうまく時間を使いながらポゼッションする。コロンビアは自ボールにしても攻めあぐねている。

 38分にコロンビアのアスプリージャにシュートされるがGK木村が正面で止めた。日本は1点取ってからの守備が堅い。競り合いも安心して見ていられる。前半は完全に日本のゲームだった。

 そして試合は運命の後半に入る。

 52分、右サイドの折り返しから、アスプリージャがシュートを決めた。同点だ。続く58分。左サイドをえぐられ、こぼれ球をアンヘルが決めた。これで1-2。逆転だ。そして70分、コロンビアはメンバー交代し守備時、明確な4-4-2に変えてきた。守り切ろうという作戦だろう。

 そして81分、日本はコロンビアのハンドでPKを得る。キッカーは松木だ。だが彼のシュートは惜しくもクロスバーを叩き、得点ならず。試合の大きな転機だった。

 このあと松木は85分にも惜しいヘディングシュートを放つが、わずかにバーへ当たり決まらない。期待を担う熊田の不調も当てが外れた。

 そしてゲームセット。コロンビアは2連勝でグループ通過決定。日本は痛い試合を落としたが、1勝1敗の勝ち点3でグループ2位だ。まだ十分チャンスはある。次は現地時間27日(日本時間28日)のイスラエル戦である。絶対に勝ちたい。

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【J1 第14節】新潟はなぜか下位に弱い ~鳥栖 2-0 新潟

2023-05-23 06:30:57 | Jリーグ
後半、新潟の猛攻も実らず

 J1第14節で5月20日、アルビレックス新潟とサガン鳥栖が対戦した。後半、新潟が一方的に試合を支配したが、得点できない。追い上げも及ばず2-0で鳥栖が勝った。

 試合が動いたのは前半11分だった。鳥栖の右CKの場面だ。キッカーは左利きのMF手塚康平である。FW小野裕二がニアで反応し、ヘディングシュートを決めた。先制だ。

 一方の新潟は前半29分にチャンスを迎える。

 MF秋山裕紀がボックス右に浮き球を送ると、後ろから飛び込んだDF新井直人のシュートがバーに弾かれる。リバウンドを狙うが、されど「1点」が遠い。

GKと1対1、三戸のシュートは阻まれる

 後半は新潟が敵陣に押し込み続けた。後半17分、敵最終ラインの背後に抜け出したMF三戸舜介は、GK朴一圭と1対1になる。右足でシュートを放つが、GKに阻まれた。

 続く同27分。途中出場のMFダニーロ・ゴメスが敵陣右サイドをドリブルで切れ込み、左足でクロスを入れる。途中出場のMF高木善朗がヘディングしたが、ボールは逸れてしまう。

 一方、鳥栖は後半30分、途中出場のMF藤田直之がCKを蹴る。ニアに入ったDF山崎浩介がヘッドで合わせたが、ボールはバーに当たる。リバウンドを狙った波状攻撃でMF河原創がMF小見洋太に倒され、小見にイエローカードが出て鳥栖がFKを得た。

 ところが直後にVARが入る。オンフィールドレビューの結果、ファウルがあったとして鳥栖にPKが与えられる。PKのキッカーはFW河田篤秀だ。彼は右足でゴール右上へシュートを放ち、見事GKの逆を取って決めた。追加点だ。

 試合はこのまま2-0で終わり、新潟にとっては痛い敗戦となった。

強豪には強いが、なぜか下位に勝てない

 新潟は得点機を作りながらも、第10節からアウェーで3連敗して4勝4分6敗の勝ち点16だ。

 横浜FMや川崎F、広島という強豪相手には勝つ一方、FC東京や横浜FC、鳥栖など下位チームには負ける。新潟はどこか一貫した強さを発揮できないでいる。

 攻守の歯車が噛み合えば連勝できそうなだけに、松橋力蔵監督にはチーム力をもう一度整えてほしいものだ。

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【U-20W杯】松木の一発で初戦を競り勝つ 〜U-20日本 1-0 U-20セネガル

2023-05-22 09:18:04 | サッカー日本代表
日本、15分に決勝点を取る

 アルゼンチンで5月20日、U-20ワールドカップが開幕した。グループCの第1節、U-20日本代表は21日(日本時間22日)にU-20セネガル代表と対戦し、松木玖生のゴールにより1-0で競り勝った。

 前半の日本はよくボールを保持し攻撃した。15分にはボックス手前で永長鷹虎から福井太智、松木玖生へと横パスを通し、最後はキャプテンの松木がゴール右スミに美しいシュートを突き刺した。先制だ。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが木村凌也、最終ラインは右から高井幸大、チェイス・アンリ、田中隼人、高橋仁胡。CMFは福井と佐野航大。2列目は右から永長、松木、北野颯太。ワントップは熊田直紀だ。

 日本は左SBの高橋が高いポジションを取り、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップする。ボールを保持したセネガルの最終ラインに対しては、松木、熊田、北野の3枚で圧をかけた。中盤のプレスも効いている。

 一方、セネガルのフォーメーションも4-2-3-1だ。彼らは両SBを高く上げ、2CBとCMF1枚でビルドアップする。逆に日本の最終ラインがボールを保持すると、前3枚が前からパスコースを規制してくる。ただしハイプレスというほどシビアではなく、アバウトで緩い。

セネガルがゴールもオフサイド

 日本の先制点から約5分後の20分。セネガルの10番でキャプテンを務めるサンバがゴールしたが、オフサイドを取られノーゴールになる。

 以後、「セネガルの時間」ができてボールを回されるが、日本の守備がしっかり対応した。特に最終ラインのアンリと高井は、個がどっしり確立している印象だ。

 後半に入ると立ち上がりから永長が交代し、山根陸が投入された。山根は福井と2CHを組み、佐野が右SHに入った。これで守備時4-4-2にした。

 直後、佐野が右45度から強烈なシュートを放つが、惜しくもGKの正面を突く。続く53分。日本の右CKだ。ショートコーナーから佐野がクロスを入れるが、これはラインアウトする。

 後半はセネガルも身体能力を生かして攻撃してくる。56分にボックス手前でセネガルのFKになる。第一撃は壁が跳ね返したが、波状攻撃を受ける。最後はスルーパスが左ポケットに入りアタッカーがゴール左に侵入したが、ことなきを得た。

 日本のコンビネーションは「まだまだ」と言う感じだが、1点リードしているのが何より大きい。

熊田のバイシクルシュートが空を切る

 64分には左からクロスが入り、熊田がバイシクルシュートを見せるがゴールから逸れる。その1分後には今度はセネガルの攻撃だ。サンバが日本の左ペナ角から鋭いシュートを放つが、わずかに枠を逸れる。助かった。

 後半はセネガルにボールを保持され、守勢に回った。71分。セネガルの最終ラインから日本のゴール前にロングボールが入り、シュートを打たれたがワクの上へ越える。

 続く76分。またセネガルだ。右SBから左に対角の大きなサイドチェンジを入れ、最後はシュートしてきたがワクを外れた。際どいシーンが増えてきた。

 そして80分。北野と熊田が下がり、屋敷優成と福田師王を投入する。福田のワントップだ。セネガルの攻撃が続くなか、1点リードしている日本は守備時4-5-1に変えた。交代した熊田は本領発揮とはいかず、ポストプレイもいまひとつ冴えなかった。

 残り15分ほど、セネガルは盛んにパスを回して攻めてくる。リードしている日本はローブロックを組み「金持ちケンカせず」を決め込む。何度か際どいピンチはあったが、守備陣がよく耐え守り切った。

 かくて日本は初戦に勝利した。

 日本は試合終了前の5分ほど、気持ちが受けに回ってベタ引きし、ディフェンディング・サードでブロック守備をし続けた。だが本来はそうではなく、自分たちがボールを保持してうまく時間を使いたい。今後の課題だ。

 続く24日のコロンビア戦に生かしたい。

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【J1 第14節】鹿島の5戦連続無失点がストップ 〜鹿島 1-1 FC東京

2023-05-21 06:46:02 | Jリーグ
連勝も5で止まった

 J1第14節で5月20日、5戦連続完封勝ちの鹿島アントラーズとFC東京が対戦した。試合は鹿島が垣田のゴールで先制したが、FC東京がPKで追いつき引き分けに終わった。

 鹿島からすれば、1点を盗まれたような試合になった。

 鹿島は前半6分、樋口が左サイドに縦パスを出す。安西はボールを受けると正確なクロスを差し込む。これに垣田がマーカーを剥がしてヘディングシュートをゴール左に決めた。

 これに対しFC東京は前半28分、低い位置からボックス内への浮き球を受けたディエゴ・オリヴェイラが、鹿島の関川に倒されPKを献上。PKはオリヴェイラがGKの動きをよく見て逆を突き、ゴール右下に決めた。

関川の「手」は本当にファウルか?

 試合はこのまま引き分けで終わったが、収まらないのは鹿島の側だ。

 PKを取られた場面。確かに関川の手は軽く触れていたが、相手の体勢を崩すようなものではなく、オリヴェイラは自分から倒れたように見えた。

 試合後、鹿島の岩政大樹監督は「あれでファウルを取るから、ああいう倒れ方をする選手が横行する」と厳しい見方をしていた。「相手は倒れてPKをもらえるのはおいしいプレー。個人的には、ああいうプレーがなくなるようにしてほしい」と苦言を呈した。

 このPKによる失点で鹿島の連勝は5でストップ、5試合連続無失点も途切れた。鹿島としては、勝てた試合で勝ち点「2」を失ったような格好だった。

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【第2次森保ジャパン】いま絶好調の選手で代表を組むと?

2023-05-19 12:20:56 | サッカー日本代表
特に3人の推しメンを推薦します

 いよいよ5月25日に日本代表選手の発表があるが、試しにいま自リーグで「絶好調な」選手だけでメンバーを組んでみた(以下)。するとすごいチームができるのだが、どうだろう?


      〇大迫勇也

〇三笘薫  〇伊藤涼太郎  〇久保建英

    〇守田英正 〇鎌田大地

〇バングーナガンデ佳史扶  〇菅原由勢

    〇伊藤洋輝 〇板倉滉

       〇小島亨介


Jで絶好調のCF大迫勇也

 両SHに入れた三笘と久保の絶好調ぶりは、遠く日本にも届くほどだ。いまさら説明の必要はないだろう。

 続くセンターの2人はJリーグ組だ。まずCF大迫勇也は、いま人生第二の絶頂期にある。所属のヴィッセル神戸はJリーグで首位を走っており、彼のメンタルの充実度はハンパない。その神戸でいま大迫がやっているポストプレイはもはや芸術の域にあり、「超絶的」という言葉がふさわしい。

 たとえば第13節の広島戦では、大迫は敵を背負ってロングボールを受け、カラダを回転させながら味方のシュートに繋がる縦への絶妙なスルーパスをワンタッチで出していた。断言するが、あんな超絶的なポストプレイはぜったい大迫にしかできない。

 そんな大迫の時間を作る動きは、後ろからビルドアップするのが特徴の第2次森保ジャパンに貴重な「タメ」を作ってくれるだろう。

得点ランク2位のMF伊藤涼太郎

 さてトップ下に入れたのは、アルビレックス新潟の伊藤涼太郎だ。日本人のサッカー好きで、いま彼を知らない人はモグリだと断定していい。

 伊藤はトップ下でありながら、FWばかりが居並ぶJ1の得点ランキングで、現在1位の大迫に続く2位にいる。彼は7ゴール2アシストしている。

 伊藤はプレースピードとボールスピードがすごく速く、そのぶん厳しいプレスをかいくぐれる。速いカウンターも打てる。人も使えて自分でも得点できる超攻撃的なトップ下だ。ボールを2タッチ以内でスピーディーに処理し、味方に絶妙なスルーパスを出せる。

 伊藤がトップ下にいれば、大迫とあわせチームの得点力は倍増まちがいなし。同様にテクニカルな三笘、久保との相性もいいはずだ。

ビルドアップ自在のGK小島亨介

 GKに選んだ小島亨介は、伊藤と同じアルビレックス新潟の選手だ。彼は足元がよく、ビルドアップの第一歩になるパスを足で出せる。イメージ的に近いのは、浦和レッズのGK西川周作みたいなタイプである。

 小島のキックは万能で、ロングボールはもちろん、ヒザくらいの低い弾道の中距離パスも足で思った場所へ自在に落とせる。いうまでもなくセービングもよく、直近・第13節の横浜FM戦では前半40分までに絶対絶命のピンチを4回、セーブしていた。

 彼ならビルドアップを重視する第2次森保ジャパンにぴったりだろう。

 さて、特に推しのメンバーは上にあげた大迫、伊藤、小島の3人だ。あとのメンバーは森保監督の意向に近いだろう。森保さん、この3人、ぜひ選出お願いします。

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【J1 第13節】鹿島、5試合連続で無失点勝利を収める 〜鹿島 2-0 名古屋

2023-05-17 09:53:48 | Jリーグ
鈴木優磨が執念のヘッドで先制する

 J1リーグは5月14日に第13節を行ない、「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」として国立競技場で鹿島アントラーズと名古屋グランパスが対戦した。試合はCKからの鈴木のヘッドと、途中出場した知念慶のゴールで鹿島が2-0で勝利した。これで鹿島は5試合続けて無失点勝利をもぎ取った。見てくれになどまるで構わない、鹿島の男臭い気迫が圧倒的だった。

 このカードは連敗の泥沼から脱し4試合連続無失点勝ちを収めている鹿島と、9戦負けなしで乗り込んできた名古屋との対戦である。首位争いでこそないが、まさに昇り竜同士の対戦といっても過言ではない。だがそんな試合は、鹿島の泥臭くしぶとい強さをひたすら見せつける展開になった。

 まず激戦の呼び水になったのは鹿島の前半12分のプレイだった。右CKの場面でキッカーのMF樋口雄太が蹴ったボールを、鈴木が頭で叩いて見事ゴールに収めた。だがVARで得点は取り消しになる。事前のポジション争いで鈴木が稲垣祥を倒したファウルが認められたのだ。

 収まらないのは鈴木のハラの虫だ。

 続く同29分。鹿島がさっきとまったく同じ形で、同じ樋口が蹴る右CKからの鈴木のヘディングシュートを決めて見せた。劇的なゴールに感情を爆発させた鈴木は、「どうだ?」とばかりに主審にアピールする。チームメイトたちはゴールを祝いながらも、あわてて鈴木を主審から引き離した。まるでプロレスのような光景で笑ってしまった。

集団プレスで知念が落とし前をつける

 鹿島のスタメンはGKが早川友基。最終ラインは左から安西幸輝、関川郁万、植田直通、広瀬陸斗。中盤は左から仲間隼斗、ディエゴ・ピトゥカ、樋口、名古新太郎。2トップは鈴木と垣田裕暉だ。

 鹿島はディフェンディング・サードでブロック守備をするときは4-4-2だが、ボールを持つ敵ディフェンスラインにハイプレスをかけるときには前3枚になる。そしてマイボールになると4-2-4のような形で攻撃に出る。また中盤でボールを奪われると非常に帰陣が速い。

 名古屋は反撃しようと試みるが、鹿島の守備にあい思うようにパスが繋がらない。名古屋はカウンターのチームだが、要所で鹿島にボールを持たされ、苦手なビルドアップを強要されている。そして中盤でボールを刈り取られる。その繰り返しだ。攻撃の核であるユンカーもマテウスも、冴えが見られない。

 一方、鹿島もボールを奪って攻めに出ても、名古屋の守備が堅くなかなかフィニッシュまで到達しない。パスが繋がらない。両チーム、攻めては奪われてのせめぎ合いで、「美しい」などというような種類のゲームではない。だが選手の気迫はひしひしと伝わってくる。特に鹿島の選手は熱い。ボールへの執着心がハンパじゃない。

 そんな後半39分。鹿島のGK早川からのロングボールを、知念がヘディングで途中出場のアルトゥール・カイキにつなぐ。カイキはライン裏のスペースにボールを出し、知念がそこに飛び込んでシュートを放つ。これはGKランゲラックが弾き、いったんは名古屋ボールになる。

 だがこの前線のボールを鹿島が3人がかりのプレスで奪い、最後は知念がボールをゴールに叩き込んだ。決勝点だ。試合はこのまま終了し、鹿島は実に5試合連続での無失点勝利を収めた。「リーグ終盤は神戸と鹿島の一騎打ちになるのでは?」と思わされた迫力ある一戦だった。

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【J1 第13節】三戸のJ1初ゴールで新潟が逆転勝ち 〜新潟 2-1 横浜FM

2023-05-15 06:01:45 | Jリーグ
新潟が変化をつけて工夫を凝らした

 J1リーグは、5月14日に第13節を行なった。4試合勝ちがないアルビレックス新潟は、6戦無敗の難敵・横浜F・マリノスをホームに迎えて対戦した。ボールを保持するチーム同士の対戦だ。

 新潟は前半、横浜FMに抑え込まれて先制されたが、後半によく攻め2点を取って逆転勝ちした。押し込まれていた前半を1失点でしのいだのが、後半での逆転劇を呼んだ。

 人とボールがよく動くおもしろい試合だった。新潟の特徴であるプレースピードとボールスピードの速さが、よく生かされていた。彼らはこの2つのスピードが遅いと苦戦する。これらが遅いと、敵のプレス網をかいくぐれないからだ。また強くて速いグラウンダーのボールを2タッチ以内でつなぐスタイルはいつも通りだったが、若干、修正されていた。

 この日の新潟はいつものようにグラウンダーのボールを速いテンポでつなぐだけでなく、浮き球やサイドチェンジを使ったり、また敵のパスコースを遮断する守り方をするなど変化をつけてきた。高い位置からプレスをかけ、ボールを奪うショートカウンターも狙っていた。工夫を凝らした試合だった。

 新潟の新しい取り組みはプレス回避だ。これまでの彼らはチームの売り物であるグラウンダーのパスをプレスで引っかけられ、ボールを奪われるケースがあった。ここが課題だった。

 そこでこの日の新潟は、横浜FMが厳しいプレスをかけてくればサイドチェンジしたり、浮き球を使ったりしてプレスを無力化していた。そこがこれまでの「勝てなかった新潟」とはちがった。大きな勝因だろう。

勝ち点16で12位に上がる

 新潟のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが小島亨介。最終ラインは右から藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、千葉和彦、堀米悠斗。CMFは島田譲と高宇洋。2列目は右から三戸舜介、伊藤涼太郎、小見洋太。ワントップは鈴木孝司だ。

 前半の新潟は横浜FMに押し込まれ、苦戦した。ディフェンディング・サードでブロック守備するシーンも頻出した。前半40分までに、新潟のGK小島は絶体絶命のピンチを4回もセーブしている。

 そんな新潟が先制されたのは、前半46分だった。横浜FMはCMFの渡辺皓太がボックスの手前で右サイドのヤン・マテウスにボールを展開し、マテウスが敵陣深くの右サイドからワンタッチでクロスを入れる。受けたCMFの藤田譲瑠チマが、鮮やかなヘディングシュートをゴール右に決めた。

 これに対し新潟が追いついたのは、後半13分だった。

 横浜FMのビルドアップに対し新潟がハイプレスをかけ、右サイドでボールを奪う。間髪入れず、縦にボールをつけた。ショートカウンターだ。そして鈴木がボックス中央に縦パスを入れる。受けた伊藤涼太郎はファーストタッチで飛び出してきたGK一森純をかわし、ゴールした。同点だ。

 新潟待望の逆転弾は後半22分だった。敵のパスをカットした途中出場の秋山裕紀が、右の三戸にパスを出す。三戸は少しドリブルしてプレスが来ないことを確認し、ボックス手前からゴール左に豪快な弾丸シュートを叩き込んだ。彼はJ1初ゴールだ。

 かくて新潟は逆転勝ち。4勝4分け5敗の勝ち点16として、12位に上がった。勝負はこれからだ。

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【J1新潟/プレス対策】サイドチェンジで敵のプレスを回避せよ

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