すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

「ワールドカップへ行くのが当たり前の国」に日本がなった日

2013-06-04 22:52:27 | サッカー日本代表
 日本がブラジル・ワールドカップ出場を決めた。

 今回のアジア予選は、終わってみればダントツの1位だった。さっき終わったばかりの予選突破を決めたオーストラリア戦は後半に先制されてヒヤリとしたが、予選全体としては危なげない戦いだった。今日は日本が、「ワールドカップへ行くのが当たり前の国」になった記念日だ。

 思えばまだサッカーの取材に走り回っていた8年前の2005年5月、私はこのブログに以下のように書いた。

日本のサッカー界は関係者、サポーターも含めて世界における日本の立ち位置を再確認すべきだ。以前、「次の目標はW杯でベスト8だ」なんて言ってるおめでたい人がたくさんいて「おいおい」と思ったが、とてもそんなレベルじゃないぞ。

 大切なのはくり返しW杯に出続けること。そして「決勝トーナメントの常連」になることだ。

 決勝トーナメントに進むのと、そこからひとつ勝つのとじゃ、えらいちがいだよ。その狭間には深くて険しい谷がある。日本はとてもそこまでいってない。ちょっと前までトラップもロクにできない選手がゴロゴロいたんだからさ、日本代表には。

 とにかくW杯の決勝トーナメントに足跡を刻み続ける。W杯でいいサッカーを見せ続け、世界の脳裏に「日本」を焼きつける。そうすればサッカー・ネイションとの人的交流や、クラブ単位でのつながりも定着するだろう。これって日本サッカーのレベルアップにとっては大きな財産だ。(中略)

 そのためには歴史の蓄積が必要だ。たとえばチェコなんて今でこそ世界の強豪ってことになってるが、世界レベルでは2流国、3流国の時代が長かった。チェコは急に強くなったわけじゃない。ヨーロッパの強国に囲まれて、虐げ続けられた歴史がある。

 日本は決勝トーナメントで何度も叩き潰されるだろう。だけどサッカーには負けなきゃわかんないことって多い。だからタメになるんだ。決勝トーナメントで向こう50年間、負け続ける。そのときやっと我が代表は、「次へのパスポート」を手にするのだ。

【キリンカップサッカー】けたぐりで転ぶガラスの巨人 ~日本0-1ペルー



 当時は日本がワールドカップへ出るのが当たり前になるまでには、50年、100年、ふつうにかかると思っていた。だがなんと、たった8年で日本のサッカーはここまで来た。次なる目標は上に書いた通り。今度は本当に、ワールドカップの「決勝トーナメント常連国入り」を目指す戦いが始まる。

 上の記事を書いたのはすごく昔のことだったと思っていたが、過去ログを調べるとほんの8年前だった。日本はもうワールドカップへ出るのが当たり前なので、今回、出場を決めたときにも上の記事の頃みたいに血管ブチ切れるなんてことはない。「静かにわくわく」している感じだ。

 日本のサッカーはずいぶん変わった。だがそれ以上に当時とくらべ、自分は大きく変わった

 いま、時を越えて不思議な感慨がひたひたと押し寄せている。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする