すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【東京五輪】混迷を極める感染対策 ~コロナを世界にばらまく大会になる

2021-06-28 07:11:31 | 新型コロナ
穴だらけのバブル方式

 ウガンダ選手団の一件は衝撃的だった。

 9人の選手のうち1人が空港検疫で陽性と判明した。すると濃厚接触者である残りの8人は、感染してるかもしれないのにえんえん大阪のホストタウンまでバスで送られた。

「受け入れ先の保健所が濃厚接触者を判定する決まりだからだ」というお役所の理屈だ。

 もしこのとき8人のうち誰かが感染していたら、ウイルスをまき散らしながら移動したことになる。

 さすがにこの穴だらけの対応が非難され、空港に濃厚接触者を判定する人物を待機させ、濃厚接触者とされたら選手団とは別便でホストタウンに送られる決まりになった。

 だが待って欲しい。選手は計1万人、スポンサーや関係者は約9万人、来日するのだ。

 彼ら全員に対し、いちいちこんな細かい対応ができるのだろうか? できるはずがない。批判を浴びたから付け刃で対策を発表しただけだ。

「濃厚接触者」という定義はもう古い

 しかも同じ便に同乗していた80人の乗客たちはまったくの野放しだ。

 いまやコロナはエアロゾル感染することがわかっているのだから、「濃厚接触者」などという定義はもう古い。

 感染者といっしょにそこにいた80人全部を、まとめて隔離する必要がある。

 ここの認識が大会関係者はアップデートできていない。

 明らかに日本の関係者には、感染対策を行う技術も、頭も、実力も欠落している。

 そもそも大会が延期されて1年間の猶予があったわけだが、その間、彼らはいったい何をしていたのだろうか?

 いずれにしろこの穴だらけの体制をみると、今大会は世界中からウイルスを集めて攪拌し、それを世界に放出する大会になることだけはまちがいなさそうだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本経済を沈没させた少子高齢化はなぜ起こったか?

2021-06-23 05:18:10 | 政治経済
緊縮の落とし穴にハマる人たち

「社会保障の財源がない。だから消費税で集めよう」という人たちがいる。ゆえにどんどん増税志向が強まる。

「日本には通貨発行権があり、政府はおカネを作れる。だから財源はある」という知識が、彼らにはない。

 また一方で彼らは、「日本が没落したのは少子高齢化のせいだ。人口減はもう止めようがない。だから、あとは節約=緊縮しかない。脱成長だ」と考える。

 だが実は日本の人口が減少したのは、20年以上におよぶ緊縮財政とその結果としてのデフレ不況のせいだ、という認識がない。

毎月10万円の給付と消費減税を

 日本は30年近くにわたる緊縮財政とデフレ不況のせいで若者におカネがない。もちろん貯金もない。だから彼らは結婚できず、子供を作れない。

 この現象が数世代も続いて日本は人口が減少した。

 ならば人口減を解消するには、国中におカネを行き渡らせる必要がある。

 せめてコロナ禍の収束まで国民全員に毎月10万円の給付をし(財源は国債)、マネーを増やし需要を育てる。

 同時に消費税減税をして消費を伸ばし、国中におカネをぐるぐる回すべきだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【森保ジャパン】オナイウ、ハット。日本に光 〜日本 5-1 キルギス

2021-06-16 05:11:04 | サッカー日本代表
A代表初ゴールからわずか7分でハットトリック

 2016年のリオ五輪予選ではポストになれるだけのひ弱な若者だったが、ずいぶん強さを身につけたものだ。

 6月シリーズの収穫は、オナイウ阿道が「ポスト大迫」に大きな可能性を示したことだろう。

 彼は11日に行われたキリンチャレンジ杯・セルビア戦でA代表デビューを果たし、誤審によるオフサイドでゴールを「盗まれた」ものの、激しく気を吐いた。

 そしてこのキルギス戦では前半27分、敵のハンドで得たPKを左に決め、A代表初ゴールをマークした。

 そしてなんと、それからわずか6分間でハットトリックを達成して見せた。

 試合はタジキスタン戦のメンバーを中心に5点を取って日本が快勝した。

新戦力のチェックに使われたゲーム

 すでにカタールW杯アジア最終予選への進出を決めている日本代表。この試合はアジア2次予選だが、新戦力のチェックに使われた。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが川島永嗣。最終ラインは右から山根視来、中谷進之介、昌子源、小川諒也だ。

 CMFは川辺駿と守田英正。2列目は右から坂元達裕、原口元気、浅野拓磨。ワントップはオナイウ阿道である。

 キルギスは守備時5-4-1。彼らは俊敏だ。

3点目はヘッドで押し込む

 さて、まずオナイウの1点目はPKだった。

 前半25分に右の山根からの折り返しをオナイウがヘディングしたシュートを、キルギスのアクマトフが手ではたいてPKをゲット。27分、これをオナイウが決めた。

 2点目は31分だった。川辺が坂元とのパス交換から右サイドをドリブルで上がり、グラウンダーのクロスを放つと、オナイウが左足で決めた。

 3点目は33分。小川が入れた左からのセンタリングを、ファーでフリーになっていたオナイウがヘッドで叩き込んでみせた。

フィジカルが強くインテンシティが高い

 オナイウは良い意味でエゴイスティックで非常にいい。日本人離れしている。

 彼はフィジカルが強くインテンシティが高い。なによりしなやかだ。

 下がってボールも持てるしチャンスメイクもできる。自分でも行けるし、ポストにもなれる。

 おそらく横浜FMで爆発しているときのように代表でも連携が上がって来れば、もっと点が取れるだろう。

 日本は念仏のように唱えられた「ポスト大迫」という問題提起に、やっと解を得たのかもしれない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【国際強化試合】なぜ林大地を使わないのか? 〜U-24日本 4-0 ジャマイカ

2021-06-13 06:18:10 | サッカー日本代表
FWは上田当確、前田と林の争いでは?

 ユルユルで強化にも何にもなりはしなかったジャマイカ戦。「なぜ彼らを対戦相手に選んだのか?」という素朴な疑問以上に疑問だったのが、「なぜFW林大地を使わないのか?」である。

 上田綺世をこの試合に使う必要なんてない。彼はとっくに当確だ。

 この試合では前半に前田大然、後半に林大地を使うべきだった。

 今季、横浜F・マリノスとサガン鳥栖の試合なら、全試合、観てきた。

 前田のスプリントは攻守にわたり驚異的だし、林の高いインテンシティとフィジカル、メンタルの強さも魅力的だ。

 できれば3人とも連れて行きたいが、もし2人に絞るなら前田か、林かどちらかを選ぶためにこの試合を使いたかった。

自ゴール前まで戻りタックルして失点を防ぐ

 林大地という選手は、チームが苦しいときに泣きながらでも踏ん張れる選手だ。

 あの強靭なメンタルは驚きに値する。

 今季、第11節のFC東京 vs サガン鳥栖戦。鳥栖が2-1でリードしていた局面だった。

 FC東京はパスを受けたFWディエゴ・オリヴェイラが追撃を狙い、鳥栖陣内をドリブルで長駆、縦走する。

 そのとき林大地が激しくオリヴェイラに並走した。そしてFWの位置から自陣ゴール前まで完全に戻り切った林は、最後に一発、オリヴェイラに強烈なタックルをかます。

 おかげでそのときシュートを打とうとしていたオリヴェイラは、たまらずバーの上へはずした。

 自ゴール前まで全力疾走する林の熱いプレスバックだった。

 あんな壮絶な守備をするフォワードなんていままで一度も見たことがない。

ポストにもなれるし自分でも行ける

 ああいう強いメンタルに裏打ちされた守備での踏ん張りが、当然、攻撃時にも生かされるのが林の特徴だ。

 前線でボールを収め、チャージされてもびくともしない。そこからポストプレイもできるし、自分でも行ける。

 ポストになれるぶんだけ、前田大然より使い勝手がいい。

 チームが苦しいときにこそ生きる。

 あのディエゴ・オリヴェイラにかましたタックルみたいに。

 ジャマイカ戦で林大地を試さないなんて、まったく何を考えているのやら。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【森保ジャパン】オナイウ阿道に見えた新生日本 〜日本 1-0 セルビア

2021-06-12 04:42:24 | サッカー日本代表
収穫があった後半の戦い

 たがいに相手の出方を見ながら膠着して進んだ前半が終わり、山場は後半3分にやってきた。

 右CKから伊東がシュートを決め1-0とする。

 日本はこの日、唯一のこの得点を守ってウノゼロ勝ちだ。

 新戦力のオナイウ阿道も気を吐き、大迫依存から一転、明るい未来も見えてきた。

 セルビアは一部ベストメンバーでなかったにせよ、森保ジャパンの通用するところ、通用しないところがハッキリした試合だった。

 有意義なテストマッチだった。

谷口のフリック、伊東のゴール

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。守備時4-4-2だ。GKは権田修一。最終ラインは右から室屋成、植田直道、谷口彰悟、長友佑都だ。

 CMFは橋本拳人と守田英正。2列目は右から伊東純也、鎌田大地、南野拓実。ワントップは古橋亨梧である。

 一方、セルビアは3-4-2-1。守備時5-4-1だ。

 立ち上がり、ロングボールの入れ合いから次第に落ち着いてからは拮抗した腹の探り合いになった。

 決定的なシーンがないまま前半が終わり、試合は後半の決勝点の場面を迎える。

 後半3分。右CKからクロスが入ると谷口がニアでフリックし頭で角度を変え、落ちぎわを伊東が右足で叩き込んだ。

 日本の先制だ。

名乗りをあげたオナイウ阿道

 後半の頭からオナイウ阿道が途中出場したが、彼は横浜FMでの好調そのまま、随所に片鱗を見せつけた。

 彼はポストワークができ、時間が作れる。フィジカルが強く、日本人離れしたインテンシティの高さでキープ力がある。ボールを奪われない。

 しかも自チームでは10点取っており、得点ランキングの3位、日本人では1位だ。 

 あのオナイウが前線で基点になれば、日本が長年患った「大迫依存」も解消されるのでは? と期待させられた。

 序列としては、彼はデビュー戦でトップ候補の浅野や古橋を追いやったのではないか?

 それほど期待感を抱かせるプレーぶりだった。

速いトランジションからのショートカウンターをめざす

 あとはトランジション(切り替え)の問題だ。前からプレスをかけて奪ったボールを、素早く切り替えてタテにつけられればチャンスになる。

 逆にせっかく奪ったボールを後ろに下げたり、切り替えの遅いプレイをしていると「お休みの時間」になってしまう。敵に守備の態勢を作る時間をプレゼントしてしまう。

 特に前半は横パスやバックパスのような「様子見」が多く、獲物に素早く襲いかかる切り替えの速さが見られなかった。

 前からプレスをかけて奪ったボールを素早くワントップに当てれば、2列目の選手はいっせいに前を向いてプレイできるーー。

 日本はそんな速いトランジションからのショートカウンターをめざしたい。ゆえに切り替えの速さは絶対だ。

 トータルでいえば、その意味では前半はほぼ0点。後半は狙った時には近いサッカーができていた。

 日本は今後、そういう理想のシーンを増やしていかなければならない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【U-24東京五輪】三笘と相馬の左SH争いはどうなる?

2021-06-09 05:15:50 | サッカー日本代表
相馬は守備も得意だ

 U-24日本代表で三笘薫と相馬勇紀の「左SH争い」が話題になっているが、実際、どうなんだろうか?

「スターシステム」が大好きな(というかそれで儲けようとする)マスコミはしきりに「三笘」、「三笘」の大合唱だが、私の見立ては真逆である。

 まず相馬はSBができる。(経験がある)

 ゆえに例えば原口がやっているような、敵の攻撃を受けたらプレスバックしサイドを激しく上下動してSBのカバーをするようなプレーが、相馬はできる。

「第二のSB」として機能する。

 格上と戦う東京五輪で、こうした守備的な貢献ができる点は大きな魅力だ。

 そして彼はインテンシティが高く、競り合いの強さがあるのも特徴である。

 一方、ドリブルはどうか?

 相馬のドリブルは三笘と違い、緩急をつけて「緩」のときにグッと前へ出て敵の態勢を崩させ、「急」に転じて一気に抜き去る。

 うねるような大きなリズムをもつダイナミックなドリブルだ。

三笘のドリブルは海外の一流に通用するか?

 一方、まず三笘は守備の意識が低い。

 またインテンシティも低く、カラダを入れる激しい競り合いになると弱い。

 早い話、三笘のウリは「ドリブルが速い」というだけだ。

 だが三笘のような足元で細かくコネるドリブルは、低レベルな日本でこそ無双できても海外では高度な組織守備の餌食になりやすい。

 現に彼のドリブルはあのU-24アルゼンチン戦でまったく通用しなかった。

 かつ、3流クラスのガーナ相手でも抜けなかった。

 ならば果たしてオリンピックで戦うような、海外の一流に通用するのか? という疑問が残る。

 もし通用しなかったら?

 三笘からドリブルを取ったらタダの人である。

 結論としてドリブルの汎用性とインテンシティの高さ、守備での貢献を考えれば「相馬一択」のような気がするのだが。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【森保ジャパン】日本のジャーナリストのどうしようもなさ ~タジキスタン戦

2021-06-08 11:01:36 | サッカー日本代表
取材陣から意味不明のツッコミが

 なんでもタジキスタン戦の試合後の会見で森保監督に対し、日本のジャーナリストから「初の失点を食らった」「メンバーを入れ替えすぎて不利になった」のようなツッコミが入ったらしい。

 本当に日本のジャーナリストというのはどうしようもない。

 彼らは「予選で無失点」のような記録に過剰にこだわり、試合の内容で判断しようとしない。

 また森保監督は長期的視野に立ち、タジキスタン戦を新戦力のテストに使ったのだから、選手を入れ替えるのは当たり前だ。

 ところがそのメンツの入れ替えがジャーナリスト氏から見れば、「それによってタジキスタン戦での戦況がマイナスになった」という視点でしか捉えられないのだ。

 つまり将来の新戦力を発掘してチームを育てる、という長期戦略でなく、「そのせいでタジキスタン戦が有利になったか? 不利になったか?」という目の前の1試合のことしか頭にない。

 例えば元川さんのこのトンチンカンな記事みたいな例である。

 元川さんはタジキスタン戦で使った「新戦力」のデキが悪かった、こんなんで最終予選は大丈夫か? と言ってるわけだが……いままで使ったことがなかった「新戦力」を使ってみたら、鎌田大地と同レベルだった、なんてことがあるはずない。

 新戦力というのは、あくまでこれから育てるものだ。最終予選、あるいはカタールW杯本番に間に合えばそれでいいじゃないか?

 しかも特にスポーツ紙の記者あたりは、どーでもいい「無失点記録が敗れた」みたいなくだらない「記録主義」に異常にこだわる。

(彼らが記録主義にこだわるのは、記録は「見出し」になりやすく、売り上げにつながるからだ)

 まったくこの低級ジャーナリストありて、この日本の低レベルなサッカーあり、という構図である。

 日本のサッカーを育てるのは日本のジャーナリストだ。しっかりお願いしますよ、まったく。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【森保ジャパン】気を吐いた新戦力は? 〜日本 4-1 タジキスタン

2021-06-08 05:56:38 | サッカー日本代表
古橋の攻撃力が目を引いた

 カタールW杯アジア2次予選だが、日本はすでに予選突破を決めているので新戦力発掘のための試合になった。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが権田修一。最終ラインは右から山根視来、中谷進之介、昌子源、佐々木翔だ。

 2CMFは川辺駿と橋本拳人。2列目は右から古橋亨梧、南野拓実、原口元気。ワントップは浅野拓磨である。

 日本のポゼッション率は61%。タジキスタンは守備時5-3-2、時に4-4-2だ。タジキスタンは自陣に守備ブロックを作る前までは最終ラインが高いので、日本はライン裏のスペースを使えた。

 ただしタジキスタンは攻守の切り替えが速い好チームだった。彼らは1点取ってから中を締めて中盤のプレスを厳しくし、特に前半の日本は難しい展開になった。

 タジキスタンはリードされてもアグレッシブに気持ちを落とさず、試合終了まで意欲的にプレイした。

南野の一発で日本がリードする

 日本の先制点は前半6分だ。山根がすばらしいグラウンダーの縦パスをライン裏のスペースへ出し、浅野のシュートがGKに弾かれたリバウンドを古橋が詰めた。

 ところが前半10分だった。タジキスタンが右サイドからのサファロフのクロスに、パンシャンベがヘディングシュートを決めて追いついた。

 この結果、前半は両者とも押したり引いたりの一進一退になった。

 そして前半40分。左に開いた古橋からの難しいクロスを、ニアに詰めた南野が左足で決めた。ついに日本がリードする。

橋本や守田、川辺、坂元らが健闘した

 日本は後半の立ち上がりから原口に代えて坂元達裕を右SHに入れ、南野に代えて鎌田大地を出場させた。これにより古橋は左SHに回った。

 後半6分。橋本がいったん右サイドにボールを振り、右サイドからの山根のグラウンダーのクロスを橋本がダイレクトでゴール左スミに決めた。3点目だ。

 締めは後半25分だった。バックパスを受けた敵GKに鎌田がプレッシャーをかけるとGKの縦パスがミスパスになり、カットした川辺がダイレクトでゴール左スミに決めた。4点目である。

 最後は地力の違いが出て3点差になったが、タジキスタンが力強いメンタルを維持し緊迫した試合になった。

 新戦力の開拓という意味では、日本は1ゴール1アシストした古橋の攻撃力が目を引いたほか、中盤の底で橋本や途中出場の守田らが攻守に働いた。また新しい顔ぶれの川辺や坂元、2点に絡んだ山根も戦術眼を見せた。

 選手をごっそり代えたためいつもレベルのクオリティがなく森保監督が叩かれたりしているが、遠藤や吉田、冨安がいるチームとくらべるのは勘違いしているし、新戦力発掘のためのゲームだったことを考えればそれは違うと思う。

 最後にタジキスタンの勇気を讃えたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【森保ジャパン】新戦力の実験場、タジキスタン戦・希望スタメンはこれだ

2021-06-07 04:56:24 | サッカー日本代表
大胆な選手起用を

 森保ジャパンはすでにカタールW杯アジア2次予選突破を決めているため、今夜のタジキスタン戦は消化試合になる。そこで森保監督には、大胆に新戦力を試す選手起用をしてほしい。

 タジキスタン戦は消化試合な上に、相手が弱い。ならば、以下くらい大幅なスタメン変更を希望したい。ただ勝つだけでは意味がない。

FW オナイウ阿道
MF 原口元気 古橋亨梧 坂元達裕
MF 橋本拳人 川辺駿
DF 小川諒也 昌子源 中谷進之介 山根視来
GK 中村航輔

右SB山根には超絶期待

 今季は横浜F・マリノス戦を必ず観るようにしているが、緊急招集されたFWのオナイウ阿道は圧倒的に爆発している。彼はポストプレーもできるので、大迫の代役なら打ってつけだ。

 2列目の中央に入れた古橋はセカンドトップとして。彼はU-24日本代表戦ではインパクトが薄かったが、自チームでは無双しているので代表でもぜひやってほしい。

 一方、原口の実力は実証済みだが、最近、代表からはご無沙汰なので入れた。坂元と川辺はそれぞれ得意なポジションで。橋本も定位置だ。

 左SBの小川には密かに着目していた。かたや昌子はロシアW杯・ベルギー戦の「あのシーン」で、ゴール前まで全力疾走で戻った姿が忘れられない。

 中谷と中村は個人的な注目株だ。最後に、右SBの山根には非常に期待している。彼はハーフスペースの魔術師である。

 森保監督の采配は保守的なのでここまで大胆な組み換えは行わないだろうが、タジキスタン戦はこれくらいやらなければ意味がない試合だと思う。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【国際親善試合】レベルの違いを見せた 〜U-24日本 6-0 U-24ガーナ

2021-06-06 06:58:22 | サッカー日本代表
ガーナは格落ちもいいところだ

 ガーナのメンバーの多くはU-20世代で、しかも主力ではない。相手のレベルが低く、試合はあたかも日本のシュート練習のような様相を呈した。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。守備時4-4-2だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、中山雄太だ。

 2CMFは遠藤航と田中碧。2列目は堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは上田綺世である。

 一方、ガーナは4-2-3-1。守備時4-4-2。ビルドアップは両SBを上げ、2CBが開いて組み上げる。あるいはCMFが2CB間に下りて3バックでビルドアップすることもある。

前半16分、堂安が先制点を取る

 試合開始から、堂安と久保がしきりにポジションチェンジし敵を撹乱する。この日、堂安は日本の攻撃陣にとって大きな力になった。

 ガーナは攻撃時、最終ラインとCMFの間が空く。押し上げが利いてない。日本はボールを奪ったらカウンターのチャンスだ。

 前半16分。ポジションチェンジを繰り返していた久保のシュートのリバウンドを、堂安がダイレクトでシュートし決めた。先制だ。堂安はこの日、1ゴール1アシストの活躍を見せた。

 一方、久保はシュートを外した後ガックリしたポーズを必ず取るが、現代のフットボールにそんなヒマはない。トランジション(切り替え)の意識が甘い。

 彼はいつもワンプレー終わったら、いったん気持ちを切ってしまう。切り替えが遅い。久保はミスしたときに感情を表しすぎだ。いちいちガックリした様子を見せなくていい。すぐ次のプレイに切り替えるべきだ。

 前半32分。上田の落としから久保が3タッチ目にシュート。汚名挽回。2-0だ。ただしあのシーン、ボールに3タッチもする必要はなかった。久保はどうもプレイに迷いがある感じがする。

田中碧のダイアゴナルなフィードがすばらしい

 前半35分。上田のポストプレーから遠藤航がボールを受け、遠藤がゴール右スミを狙って惜しいシュートを放つ。GKにぎりぎりセービングされた。

 遠藤はディフェンスラインのカバーリングから、中盤でのデュエル、組み立てのパス出しまでプレイの幅が広い。

 一方、CMFの相方の田中は視野が広く逆サイドまで見えている。「ここ」というところにパスを出す。彼のダイアゴナルな長いフィードはすばらしい。

 ただ2CMFのバランス的には、田中はアンカー的な仕事は遠藤にまかせ、もっと前に出た方がいいのではないか? その方が田中の攻撃センスを生かせる。

 そして彼らの背後に控えるCBの吉田も、グラウンダーの長い縦パスが非常によかった。利いている。

 ガーナはゾーンが間延びしておりゆるい。最終ラインと前の間にスペースがある。彼らは守備面でも攻撃面でも連携した動きが少ない。個の寄せ集めだ。いいチームじゃない。

 前半44分。酒井がライン裏に飛び出してボールを受けて折り返す。これに敵DFが触ってオウンゴールになる。日本の3点目が入った。ほとんど酒井のゴールである。

後半3分、相馬が余裕で4点目をゲット

 後半に入ると、ガーナは前半とは打って変わってずいぶんコンパクトになった。監督の指示だろう。

 後半3分。吉田の縦パスを堂安が受け、相馬にスルーパスを出す。半身になって受けた相馬は、余裕を持ってインサイドで右スミに叩き込んだ。4-0だ。

 相馬は攻撃だけでなくプレスバックを含めた守備もいい。彼は押し込まれたらリトリートし「第2のSB」的なプレイもできる。そんな相馬も含め日本の中盤はプレスが利いている。

 後半11分。今度は久保から相馬、中山と次々にボールが渡り、オーバーラップした中山のクロスに上田がヘッドで合わせた。5点目だ。上田はこれで堂安と並び、1ゴール1アシストである。

三笘がゴール右スミに6点目を沈める

 後半13分。相馬に代えて三笘薫、冨安に代えて板倉滉が交代出場する。

 三笘は相馬にくらべて切り替えが遅い。守備の意識も低い。ただし攻撃になると力を出す。

 もっともこの日、彼のドリブルは通用しなかった。ドリブルで勝負したいなら、この程度のレベルの相手なら完全に抜き切れないとダメだろう。

 続く後半21分。上田に代えて前田大然、堂安に代えて食野亮太郎が交代出場する。

 前田の激しいプレスバックは徹底している。爆発的だ。すばらしい。

 後半27分。田中が危険なファウルをされ、吉田が敵のユニフォームを掴んで激しく抗議する。キャプテンシーを見せつけた。

 そして後半44分のゴールはワザありだった。ワンツーが入ってダイレクトパスが4本もつながり、最後は三笘にボールが出て1人かわしてシュート。彼は右足でゴール右スミに沈めた。これで6-0。本日は終了だ。

 総評としては酒井が攻守ともに非常によかった。吉田、冨安ともOAは安定していた。やはりOAが入ると違う。

 日本はほとんどゴールを脅かされるシーンはなく、いいところばかりが出た。守備に回っても4-4のブロックがコンパクトだった。攻撃陣もまんべんなく点が取れた。ただし、もっと強い相手とやらなければチーム力の判断は難しいだろう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【森保ジャパン】OA入りのU-24が観たかった 〜強化試合 日本 3-0 U-24日本

2021-06-04 05:13:33 | サッカー日本代表
球際のデュエルとインテンシティが低い

 ひとことで言ってオールスター紅白対抗歌合戦みたいなゲームである。

 テレビのアナウンサーはしきりに「締まった試合だ」という方向でまとめたがっていた。

 だが全体に球際のデュエル、インテンシティが物足りず本気の実戦とくらべ見ごたえが低かった。

 特に日本代表(A代表)は橋本拳人が一発でゴールを決めたのに対し、U-24代表はFWの田川亨介がいきなりGKとの1対1を外し、観戦者のモチベーションをガタ落ちさせた。

 あそこで田川がゴールを決め、1-1の同点としていればその後の展開は変わったはずだ。

 キャラの立った選手はアグレッシブなFW林大地くらいしかいなかったし、U-24代表はこれで本気で金メダルを狙っているのか? という感じがした。

 ただしエクスキューズはある。

U-24はガーナ戦を控えるため仕方ない面も

 U-24代表は中1日でガーナと試合があるためこの日はターンオーバーで、当落線上の選手がスタメンで出たため「選手のテスト会」のような様相になってしまった。

 つまり森保監督としては試合に出して「現状をチェックしたい」というレベルの選手が多かった。

 ただ選手のテストならテストで一般公開して興行としてやるモンでもないと思うし、その意味では試合の位置付け的に疑問を感じた。

 例えばU-24代表にOAと主力選手がスタメンで出ていれば、まったく違った試合になっていただろう。

 現に後半、U-24代表は遠藤航が出ただけで別のチームに変わった。

 それだけにU-24代表にOAと主力選手が入ったガチンコの試合が観たかった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【J1リーグ】横浜FMの猛攻に清水もよく反攻したが…… 〜第17節 横浜FM 2-1 清水

2021-06-02 05:58:22 | Jリーグ
たがいに撃ち合う好ゲームだった

 横浜F・マリノスはいつものハイライン・ハイプレスだ。

 やはり横浜FMの攻撃力はハンパない。前半4分でいきなり先制だ。

 早い得点でどうなることかと思ったが、その後、清水エスパルスも盛り返した。
 
 印象的だったのは、清水のパスワークがはっきりロジカルになった点だ。明らかにロティーナ効果だろう。

 その清水が前半41分にサイドチェンジを絡めたすばらしいゴールを決め同点。

 だが最終的には後半44分に、横浜FMのレオセアラが決勝弾を放ち試合が決まった。

 両チームとも、アグレッシブに攻め合った好ゲームだった。

横浜FM4-2-1-3、清水は守備時5-3-2で粘る

 横浜FMのフォーメーションは4-2-1-3だ。スタメンはGKが高丘陽平。最終ラインは右から小池龍太、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトンだ。

 2CMFは岩田智輝と渡辺皓太。トップ下はマルコス・ジュニオール。3トップは右からエウベル、オナイウ阿道、前田大然である。

 今日は喜田拓也と天野純の2CMFは控えだ。

 一方、清水は3-1-4-2、守備時5-3-2である。

清水がサイドチェンジを絡めて同点に

 前半4分。ティーラトンが前縦にスルーパスを出す。これ一発でライン裏に抜け出した前田大然が折り返し、エウベルがファーから右足で叩き込んだ。

 一方、清水は前半41分。左SBから右WGまで長くすばらしい対角線のサイドチェンジが入る。

 エウシーニョがボールを収めて右サイドをドリブルで疾走する。

 彼は右サイドの敵陣深くからクロスを入れ、ゴール前でチアゴ・サンタナがGKのセーブに遭いながらもこぼれ球を詰めた。すばらしい組み立てからの得点だ。

 清水のGK権田が奇跡的なセーブを連発し、均衡が保たれている。

横浜FM、エウベルがシュートも枠を外す

 後半2分。清水のカルリーニョス・ジュニオが中盤からドリブルで上がる。

 C・ジュニオはペナルティエリアの手前から右足でシュートを放つが、枠から外れる。

 一方、後半5分だ。横浜FMは右サイドの渡辺がスルーパスを出し、それに呼応しオナイウが抜け出す。

 彼はゴールライン際からヒールキックを入れた。

 それを受けたエウベルがペナルティエリア右からシュートを放つが、枠から外れた。

 この後も横浜FMの波状攻撃が続く。

横浜FM、後半44分にレオセアラが決勝弾を決める

 そして後半44分だった。

 途中出場の仲川が敵陣中央をドリブルで上がり、右へパス。最終的に途中出場の水沼にボールが渡る。

 彼は右サイドの敵陣深くからペナルティエリア右へ入り込み、右足で低いクロスを入れる。

 これに途中出場のレオセアラがゴール前で体を入れて押し込んだ。

 決勝点である。

 さて敗れはしたが、清水はめざすゲームモデルが目に見えて実現できるようになっている。

 シーズン後半の彼らの巻き返しが期待できそうだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【J1リーグ】川崎F、勝者の論理 〜第17節 川崎F 2-1 鹿島

2021-06-01 04:31:58 | Jリーグ
前半の鹿島は消極的だった

 前半の鹿島アントラーズは慎重に守備ブロックを自陣に組んだ。

 川崎フロンターレが一方的に攻めて鹿島の「守備練習」化する。

 だが川崎Fのレアンドロ・ダミアンに先制され1-0とされた後半、鹿島はゾーンを上げて勝負に出た。

 結果、上田綺世がライン裏に抜けて同点ゴール。

 だがアディショナル・タイムに劇的なゴールが待っていた。

 川崎Fの小林悠が交代出場からたった1分で決勝点をあげ、激闘の幕が降りた。

川崎F4-1-2-3、鹿島4-2-3-1だ

 川崎Fのフォーメーションは4-1-2-3だ。スタメンはGKがチョン・ソンリョン。最終ラインは右から山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟、登里享平だ。

 アンカーはジョアン・シミッチ、右インサイドハーフは田中碧、左インサイドハーフは旗手怜央。3トップは右から家長昭博、レアンドロ・ダミアン、三笘薫である。

 一方、鹿島のフォーメーションは4-2-3-1。守備時4-4-2だ。スタメンはGKが沖悠哉。最終ラインは右から常本佳吾、犬飼智也、町田浩樹、永戸勝也だ。

 2CMFはレオ・シルバとディエゴ・ピトゥカ。2列目は右から土居聖真、小泉慶、荒木遼太郎。ワントップは上田綺世である。

レアンドロ・ダミアンが先制点

 前半19分。山根が右サイドからダイアゴナルなグラウンダーのクロスを入れ、レアンドロ・ダミアンがライン裏に走り込みGKの股下を抜いてゴールを決める。絵に描いたようなゴールだ。

 川崎Fのビルドアップは両SBを高く上げ、2CBで行う。鹿島がずっとディフェンディングサードに守備ブロックを作りっぱなしなので、川崎Fの2CBはえんえんセンターサークル付近にいる。まるで鹿島の守備練習である。

 鹿島がたまに攻めてロストボールすると、川崎Fはものすごく素早い切り替えからカウンターをかける。

 そのせいか鹿島はボールを奪っても、ポジティブ・トランジション(守から攻への切り替え)が遅い。「このまま前に人数をかけて大丈夫なのか?」という杞憂が頭をよぎるからだろうか?

 鹿島は切り替えの速さが信条だが、前半はそれがあまり発揮されてない。

鹿島がゾーンを上げて反攻へ

 川崎Fに先制されたので、鹿島はこのまま自陣に守備ブロックを置き続けているだけでは勝てない。どこかでボールを奪った瞬間、爆発的な勢いで選手が前へ飛び出していかなければカウンターは成就しない。

 前半30分ごろから、そんな場面が出始めた。

 鹿島は前でもっと上田綺世がボールを収め(大迫化し)時間を作れれば、なんとかなるのだが。

 川崎Fによるライン裏を狙ったボールに対し、鹿島のGK沖がピューッと飛び出してスイーパー化する。反応がいい。

 鹿島がこわがらず前からプレスをかけたときライン裏にスペースができる。そのスペースを狙われたときはGKがスイープできるかどうかが死命を制する。

上田綺世がライン裏に飛び出し同点弾

 後半開始と同時に鹿島が小泉に代えて白崎凌兵を投入する。

 後半になると鹿島が思い出したように攻め始めた。ゾーンを上げ、圧迫をかけ始める。

 後半16分。荒木遼太郎が軽いタッチで裏をつくボールを出し、上田綺世がライン裏に飛び出しボールをもらってきれいなゴール。レアンドロ・ダミアンのゴールと同様、まるで絵に描いたようだ。

 鹿島が前からプレスをかけるようになり展開が変わった。

 こうなれば「やるかやられるか?」だ。

投入1分、小林悠の信じられない一撃で大団円

 後半25分頃、川崎Fはシステムを変え、田中碧を一列下げてジョアン・シミッチと組ませて2CMFとし、家長をトップ下に、旗手を右WGにした。

 次第に残り時間は約10分になる。

 このまま引き分けを念頭に置くのか? それとも逆転を狙い思い切ってゾーンを上げるのか? 鹿島としては悩ましいが、どうやら勝ち点「3」をめざすようだ。

 後半42分。川崎FがDF車屋紳太郎とFW知念慶を投入、エースのレアンドロ・ダミアンを下げた。一方、鹿島はピトゥカに代えて永木亮太を投入。

 後半48分。川崎Fは旗手に代えて小林悠を投入。

 後半49分。川崎F、左サイドから長谷川が斜めのクロスを入れ、小林悠が胸トラップから矢のようなシュートを叩き込んだ。2-1。決勝点だ。

 交代出場からたった1分で結果を出してしまう小林悠。見事というしかない。勝負師だ。

 かくて川崎Fvs鹿島の激しい戦いは、小林の信じられないミラクルゴールによって劇的に終幕を告げた。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする