すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【続】タバコをやめて初めてわかったこと

2007-03-15 06:03:11 | 禁煙・タバコ
 先日書いた禁煙ネタには万単位のアクセスがあり、コメント欄にもたくさんのご意見をいただいた。それらのうち「Aさん」からいただいたコメントに対するレスが長くなりそうなので、新しくエントリを立てることにした。テーマは、「タバコとストレスの関係」だ。これも私が、タバコをやめて初めてわかったことのひとつである。

 まずは「Aさん」からいただいたコメントを再掲しよう。

僕まったく逆でした・・

20代半ばまで
「金払って煙に巻かれるなんてあほか」
な位の煙嫌いでしたが、ストレスから吸ってみる様に・・・

もちろん、吸う様になってから解ったことも在るわけで

喫煙所少ね! 
食後に一服、吸いたくなるわコレ、なるほど

>自分の立場だけを主張
タバコネタのコメント欄は必ずと言っていいほど、喫煙者と嫌煙家の罵り合いになりますな。マナーの問題とタバコの害の問題は別だと思います。
 Aさんがおっしゃる通り、ストレスとタバコには密接な関係がある。精神的なストレスを解消するため、タバコを吸う喫煙者も多いはずだ。実際、私にも覚えがある。そんな喫煙者の心情を代弁すると以下の通りだろうか。

「おれにはストレスがたまっている。そのせいでおかしくなりそうだ。なのにストレス解消に役立つタバコをやめたら、精神的にやられてしまう。だからとうていタバコはやめられないぞ」【論理A】

 こういう論理は、そもそもストレスのない人には体感的に理解できないだろう。またタバコを吸ったことがない非喫煙者にも、こんな理屈はとうてい受け入れ難いはずだ。つまり私が前回の禁煙エントリで、「私は頭ではわかっていたがカラダでは理解していなかった」と書いたのとまったく同じ原理がここでも働いているわけだ。

 喫煙をめぐる議論が、往々にして実りなく終わる原因はここにある。それを実際に体験したことのない人同士=カラダでわかってない人同士が、たがいに相手の実体験をやっきになって否定する──。これじゃあ話はまとまらない。

 ただし上記の【論理A】には、実は2つの欠陥がある。私は喫煙、禁煙をどっちも体験してるからそれがよくわかる。

 1つ目は、喫煙者は【論理A】によって無意識のうちにタバコを吸う自分を正当化していること。2つ目は、タバコがなくても別にストレス解消ができないなんてことはないよ、ってことだ。

 実際、私もタバコを吸っていた頃は、禁煙でストレスまみれになることを恐れていた。だけどやってみるとあら不思議。逆にタバコを吸わないほうがストレス解消になるくらいなのだ。

「自分はいま健康的な生活をしているぞ」

 そんな禁煙の達成感が、人間の精神を高揚させる。この高揚感が、精神的なストレスをふっ飛ばしてくれるのである。このへんの原理も、喫煙、禁煙を両方体験した人じゃなければ、自分のカラダで体感的に理解できない点じゃないだろうか?

 禁煙には、メリットだけがある。あなたが恐れるデメリットは決してない──。

 これが私の結論である。

【関連エントリ】

タバコをやめて初めてわかったこと

喫煙マナーが悪いのはオッサンだけじゃない

ブログを炎上させる感情のメカニズム ~タバコが燃やすコメント欄
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私はいかにして終わった人生を蘇らせたか?

2007-03-13 11:24:29 | エッセイ
 目下、私は健全きわまりない生活をしている。早いときには夜9時に寝て、朝の3時や4時に目覚める。絶えず野菜ジュースを飲み、前回のエントリで書いたようにタバコもやめた。酒だって月に2~3回飲むかどうかである。え? テレビ? そんなもん、もう5年ほどニュース番組以外はほとんど観ないよ。

 で、やってることといえばiPodでリトルフィートを聞きながら、自転車をこいで郊外まで3時間走る、みたいな世界である。

 もちろん家事もせっせとこなしている。曜日と時間を決めて洗濯と掃除をし、炊事と洗い物は毎日やっている。きわめてマメな男ヤモメだ。

 今の私にできないことをあげるとすれば、ブログを毎日更新することぐらいである。

 いや昔の私はこうじゃなかった。30代までの私は、単に仕事をするだけの機械、マシンだった。

 締切が不規則なせいで夜は遅くまで仕事の原稿を書き、寝るのは決まって明け方や翌日の昼になる。だから目が覚めてもボーッとし、なかなか頭が働かない。おまけに原稿を書いてる最中は絶え間なくタバコを吸っているから、翌日起きると最初に感じるのはノドのひどい不快感だった。

 洗濯や掃除はめんどうだから溜めるだけ溜めてからやっていたし、ひどいときにはキッチンの流しに同じ食器が1か月間放置してあった。食器に緑のコケが生えたこともある。もうどうしようもないオッサンである。

 じゃあ、なぜ私はいまの健全生活を始めたのか? やってみると案外気持ちいいことに気づいたからだ。たとえば早寝早起きの例で説明しよう。

「早寝早起きって健康にいいよ」

 そんなセリフは耳タコだ。「ああそうだろうね」、「んなこた、百も承知だよ」。で、右から左に聞き流してしまう。馬の耳に念仏である。

 だけどある日突然、なぜか気が向いて1週間だけ早寝早起きをしてみようと考えたのだ。で、実行したらばすごい快感だった。まるっきり世界が変わり、それ以来すっかり病みつきである。

 なんでも人間の脳的には、最も疲れが取れる睡眠の時間帯は夜10時から夜中の2時にかけてらしい。で、その時間にきっちり寝て、早朝の5時や6時に起きる。すると昨日の疲れがきれいさっぱり取れてるのがわかるのだ。しかも朝日を拝んで荘厳な気分にもなれるぞ。

「さあ、今日もやるぞ」

 仕事や人生に対するモチベーションがイヤが上にも高まり、体全体にエネルギーがみなぎる感じがする。最高である。

 いや別にあやしい宗教の勧誘でも何でもない。ナチュラル・ヘルシーライフのすすめである。30代までの私は不摂生の固まりだったが、健康生活のおかげでこんなにエネルギッシュになれました──そんな体験レポートだ。

 みなさんも騙されたと思って、1週間だけ早寝早起きをしてみてはどうだろうか? 案外、人生変わるかもしれませんよ?

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タバコをやめて初めてわかったこと

2007-03-12 10:48:56 | 禁煙・タバコ
 タバコをやめて、もう9か月になる。高校1年から悪事に手を染め、1日にせっせと3箱吸っていた私がタバコをやめるくらいだから、もう何が起こってもおかしくはない。民主党の河村たかし氏が首相になる日も近いだろう。

 私はいままで2回禁煙したことがある。1回目は大学受験のとき。2回目は30代の前半だった。

 理由はなぜか? 1回目については……大学受験の試験会場ではタバコが吸えないからだ。大事な試験の最中に、もしも禁断症状が出たら? まともに頭が回らなくなったら不利である。で、タバコをやめた。ゆえに当然ながら大学に入った瞬間に、タバコをやめるのをやめたのは言うまでもない。

 2回目はご多分にもれず、健康を気遣ったからだ。こっちは特別ネタにするほどおもしろい話じゃない。このときの禁煙は1年間続いたが、あるとき原稿がはかどらず、イライラした瞬間に吸ってしまった。で、ジ・エンドである。

 ちなみにアメリカの著名作家、マーク・トウェインは、禁煙についてこんな名言を残している。

「タバコをやめるなんて簡単だよ。私は100回以上も禁煙しているさ」(※1)

 さて今回の禁煙で、いままでわからなかったこと、見えなかったことがいろいろと見えてきた。人生は勉強の連続である。

 まず体調について言えば、非常に快調だ。こんなことなら初めから吸わなきゃよかったと思うほど、爽快である。何年もずっと悩まされていた喉の痛みなんてふっ飛んだし、なによりメシがうまい。おかげで10キロも太ってしまった。

 次に発見したのは、吸わない人の迷惑についてだ(今さら気づくな)。いや迷惑だってことは、もちろん今までだって頭ではわかっていた。だが今回の禁煙で思い知ったのは、私は頭じゃわかっていたけど決してカラダでわかってなかったってことだ。

 たとえばタバコをやめると、煙の臭いにものすごく敏感になる。かなり広いレストランのいちばん遠い席でタバコを吸い始めた客がいても、その瞬間にわかるほどだ。すぐにスッ飛んで行ってぶん殴りたくなる。嗅覚が犬化したようなもんである。

 翻ってタバコを吸っていた時代の私は、いかに無知だったか? 「顔をそむけて煙をそっぽに吐き出せば、相手は煙たくないだろう」などと、マジメに考えていた。繰り返しになるが、カラダでわかってなかったのである。

 かといって私は世の禁煙推進派みたいに、自分自身の嫌煙権を声高に主張する気など毛頭ない。なにしろ私は今までさんざん、人前でスパスパやってきたのだ。そんな私が嫌煙権なんぞを言い始めたら、ゴメンですんだら警察いらないぞ状態になってしまう。

 ゆえに今日も私は町の定食屋で食後の一服をやる客を見るたび、「ぬっ殺すぞこの野郎。人の迷惑も考えやがれ!」と心の中で小さくつぶやく毎日である。

【関連エントリ】

親父が肺ガンで死ぬらしい

【続】タバコをやめて初めてわかったこと

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ブログを炎上させる感情のメカニズム ~タバコが燃やすコメント欄

[追記] ※1 私のオリジナル原稿ではアーウィン・ショーとしていたが、禁煙について名言を残したのはマーク・トウェインだと判明した。したがって該当箇所を訂正し、周辺の文章を削った。書いたあとで調べるんなら、書く前に調べろ。やはり人生は勉強の連続である(2007 3/13)。
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