すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【森保ジャパン】森保監督のみこしを担ぐメディアの「一蓮托生」

2021-12-10 11:32:02 | サッカー日本代表
「人間性」を取り上げ美辞麗句の嵐

 いやはや、読んでいてこっちが恥ずかしくなるような記事を読んでしまった。日刊スポーツの岡崎悠利記者が書いた以下の記事だ。

選手と向き合い関係を…協会幹部が驚いた“何も変わらない”森保監督(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/202112100000072.html

 記事はまずカタールW杯アジア最終予選を戦い、累積警告で次戦を戦えなくなり先に帰国したMF守田英正に焦点を当てる。

 宿舎のロビーにいた森保監督は守田に「ありがとう」と声をかけた。

 午前4時の飛行機に合わせ未明に宿舎を出ることを、森保監督は確認していたのだ。そして気を使わせないよう、「物音がしたから起きてしまったんだ」と笑ってみせたのだという。

 ほかにも記事は、活動を終えクラブに戻る選手を森保監督は必ず見送るのだと持ち上げ、午前1時、2時、4時などバラバラに宿舎を出る選手全員に、「毎回、ねぎらいと感謝を伝えている」と盛り上げる。

 読んでいるこっちが恥ずかしくなる。

 こういうまったく意味のない「いい人」報道にはゲンナリだ。

「いい人」だからワールドカップを勝ち抜けるのか? 冗談じゃない。

 むしろ過去、トルシエやハリルのように「人格的に問題がある」かのように報道された監督ほど、人間的な「おもしろみ」や個性があったし、好成績を収めた。

 サッカーの監督において、「いい人」などという要素はおよそプラスにならない。

批判で問題点をあぶり出さない失格メディア

 また記事は後半部分で、森保監督は「実直に選手と向き合い、関係を作ろうとする」のだと、しきりによいしょする。

 いや、そりゃあ森保監督は、「戦術は選手に丸投げ」なんだから、選手との関係がなければチームはバラバラになるよねぇ。

 ほかにも「試合前の君が代で涙を流した」など、美辞麗句のテンコ盛りである。

 いや筆者の意図はよくわかる。

 アジア最終予選も年末年始の中断期間に入った。苦戦する森保監督への批判は、日に日に激しくなりつつある。

 そこで筆者はこう考えた。

「このへんでいっちょう、提灯記事を書き、サッカーファンをなだめて関係修復をうながしておくか。おれらメディアも、サッカー記事が売れなきゃ、おまんまの食い上げだからなぁ」

 要するに森保監督とメディアは一蓮托生なのだ。

 ジャーナリズムとしての「批判精神」など、カケラもない。

 批判することであえて問題点をあぶり出し、「課題」を提示して改善を促すこともないーー。

 こういう太鼓持ちメディアが大勢であるうちは、日本のサッカーはワールドカップで勝てないだろう。

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立憲の泉健太・新代表はいったい何をやるのか?

2021-12-01 09:25:40 | 政治経済
方向性がまったく見えない立憲民主党の代表戦

 各候補がだれも自分の志向する政治的な方向性を言わない。「国民のための政治をやる」とか「ボトムアップの政治を」などと、候補みんながあいまいで抽象的な文言に終始するーー。

 そんな消化不良な代表戦だった。

 例えば泉健太氏は前回、枝野幸男氏と戦った代表選では、「コロナ禍のなか、インフレ率が2%になるまで消費税減税する」などと、明確な方向性を示していた。

 だが今回、彼は積極財政の「せ」の字も言わなかった。

 まったく何をやりたいのかがわからない。

 一方、小川淳也氏にしても、「消費税を思い切って増税して北欧型の福祉国家を作る」と宣言したのだろうか?

 まだこの両氏はこの程度までは事前に「やりたいこと」がわかっていた。だがその他の両氏に至っては、まったく何をやりたいのかがわからなかった。

まんべんなく票を取るため八方美人になる

 あんまりとんがった政策をぶち上げてしまうと、多くの人からまんべんなく票が取れない。だから焦点はわざとボカしておこうーー。

 そんな意図があるのかもしれない。

 だから連合との距離感について誰も語りたがらないし、野党共闘にも言及しない。

 だがそういうレベルの人は、「自分は日本をどんな国にしたいのか?」ではなく、「ただ党の代表になりたい人」なのだ。単に役職を得て、出世したい人である。

 そんな小物ばかりが4人集まり、いったい何を決めようというのか?

 自分はこういう国にしたい。だから税制や財政政策はこうやって行くーー。

 自分は人権が最優先だから、こういう施策で人権を守るこんな国にしたいーー。

 国には予算がない。だから自己責任で国に頼らず、新自由主義的な国にしたいーー。

 候補者がこうして具体的な国家像を提示して初めて、代表戦が成立すると思うのだがどうだろうか?

 そういう意味では自民党の総裁選のほうがよほど各候補のカラーが出ていた。彼らは自分の政策を具体的に語っていた。

 いや、もちろん泉健太・新代表がこれからリーダーシップを発揮して、明確な方向性を打ち出すのかもしれないが……ひそかにそれに期待しておこう。

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