すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【フランス女子W杯】なでしこのパスワークが冴え渡る ~日本2-1スコットランド

2019-06-15 06:35:48 | 日本サッカー
初戦から一転、積極的な別のチームに

 思った通り、なでしこジャパンは萎縮し消極的になっていた初戦アルゼンチン戦とはまったく別のチームになっていた。動きがよく、積極的だ。彼女たちのデキ不出来は完全にメンタル次第だ。なでしこの敵は相手チームでなく自分自身である。

 日本のフォーメーションは4-4-2。スタメンはGKが山下杏也加。最終ラインは右から清水、熊谷、市瀬、鮫島。右SHは中島、左SHは遠藤。セントラルMFは三浦と杉田。2トップは岩渕と菅澤だ。

 この日のなでしこの積極性は、持ち前のパスワークにはっきり出ていた。パスコースは積極的な縦か斜めが多く、中途半端なバックパスや横パスがない。ボールを決してムダにせず、必ずつないでパスワークを成立させていた。

 また日本の選手はスピードがあり、走り負けせずルーズボールに敵より先に追いつく。だからこぼれ球がみんな日本ボールになる。それだけよく走っているということだ。

波状攻撃で岩渕が先制ゴール

 なでしこの攻撃は単発で終わらず、二の矢、三の矢があとに続く。シュートのリバウンドを拾ってまた攻める、という波状攻撃ができていた。前半23分に1点目を取った岩渕のシュートも、そんな流れから生まれたものだ。

 一方、ボールを奪われてもすぐプレスをかけて敵を自由にさせない。ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)がいい。初戦で目立った守備での当たり負けもなく、フィジカル的にも堂々と渡り合っていた。

 もっともスコットランドはビルドアップと中盤の組み立てはよかったが、肝心のフィニッシュがロングボールの放り込みばかりで日本とすれば守りやすかっただろう。

ミスからの1失点が痛い

 悔やまれるのは、後半35分以降に波状攻撃を食らう中で生まれたミスからの失点だ。ボールを保持したCB市瀬がぼんやりした甘い横パスを敵に奪われ、ゴールされた。

 市瀬は小柄だが球際が強く非常に頼もしい選手だ。ビルドアップの第一歩になるフィードもいい。Jリーガーやなでしこら日本人選手が当たり前のようにやっている緩慢な横パスが、いかに危険か? 市瀬にとってはいい勉強になっただろう。

 それにしてもこの1失点を除けば、なでしこにとってはすばらしいベストゲームだった。攻守に彼女たちのいいところばかりが出た。やはりなでしこの命運を握るのはメンタルだ。早急にメンタルトレーニングの強化を徹底してほしい。
コメント

【フランス女子W杯】初戦引き分け、なでしこの逆襲はあるか?

2019-06-12 09:34:46 | 日本サッカー
メンタルに火がつくのが遅いのはいつものこと

 なでしこジャパンはフランス女子W杯の大会初戦で、格下のアルゼンチン相手に勝ち点3が取れず引き分けに終わったーー。

 さあ大変、と世間では大騒ぎだ。だが結論から先にいえば、私はまったく心配していない。なぜならなでしこにとって、このテの展開はいつものことだからだ。

 例えば2017年末に開かれた東アジアサッカー連盟(EAFF)E-1サッカー選手権でも、なでしこは初戦の韓国戦(レビュー記事)に勝ったがまるでいいところなしだった。だが続く第2戦の中国戦(レビュー記事)では、まったく別のチームに変身した。原因は何か? メンタルだ。

 つまりメンタル起因で大会初戦にデキが悪いのは、何も今に始まった話じゃないのだ。現になでしこジャパンは過去にも今回同様の困難な局面で態勢を立て直し、盛り返してきている。

 さて、では次の試合はどんな展開になるのか?

 第2戦で戦うスコットランドは、初戦のイングランド戦で負けている。つまり彼らにとって日本戦は、絶対に勝ち点3がほしい試合である。とすればスコットランドは自陣にスペースができるのを恐れず、前にかかって攻めてくるはずだ。なでしこジャパンの思うツボである。

 攻撃が得意ななでしこにとって、敵に自陣へ引かれて守りを固められるより、「撃ち合い」になったほうが攻め勝つ可能性が生まれて有利だ。

 前がかりでくるスコットランドは、自陣に必ずスペースができる。なでしこから見れば、ボールさえ奪えばカウンターのチャンスになる。そこで確実に得点できれば、絶対に勝てる。

 次のスコットランド戦に期待しよう。
コメント

【フランス女子W杯】大舞台に萎縮し力を出せず ~日本0-0アルゼンチン

2019-06-11 16:30:30 | 日本サッカー
前半は持ち前のパスワークも鳴りを潜めた

 2019フランス女子W杯が開幕した。なでしこジャパンは、パルク・デ・プランス(パリ)で行われたグループリーグ初戦のアルゼンチン戦を惜しくも0-0で引き分けた。

 なでしこは大舞台での初戦とあって萎縮したのか、特に前半はボールがまったく足に付かない様子で、トラップミスしてはボールを弾いていた。

 それでも後半は持ち前のパスワークで相手ゴールに迫ったが、引いて守って引き分け狙いがミエミエのアルゼンチン相手に得点ならず。特に日本はフィジカルで劣るのが歴然で、ボールの競り合いになると相手にカラダを当てられ吹っ飛ばされていた。

 そこで思い出されるのはこの記事で書いたような、日本人のアジリティを生かした接触プレイすら起こらないようなスピーディーなパスサッカーだ。テクニカルななでしこジャパンが持てる実力さえ発揮できれば十分、実現できるスタイルだと思う。2戦目以降に期待しよう。
コメント

【森保ジャパン】永井と久保が示した「個の力」 ~日本2-0エルサルバドル

2019-06-10 12:10:05 | 日本サッカー
修正された3-4-2-1

 この日、3-4-2-1が2度めのお目見えをしたが、トリニダード・トバゴ戦のときほどの違和感はなかった。同戦とくらべ両ウイングバックのポジショニングが高くなり、敵のDFラインからのビルドアップを制限する「ハメる守備」もできていた。

 例えば4バックのエルサルバドルに対し、1トップの永井と2シャドーの南野、堂安がボールを保持した敵CBにプレスをかけてボールを右サイドに誘導し、右WBの伊東が前に出てボールを刈り取るプレー原則が利いていた。

 この日、右WBに入った伊東純也はスピード、反応ともにすばらしく、ボールを奪い切り込んで折り返すまでの動作に淀みがなかった。

 また右のストッパーを務めた冨安はポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)が速く、ボールを奪ってすぐ彼の1本目の縦パスが味方のカウンター攻撃の第一歩になっていた。逆サイドへと振る長いダイアゴナルなサイドチェンジのボールもすばらしかった。

永井と久保には継続的にチャンスをやるべきだ

 日本のフォーメーションは3-4-2-1(後半に4-2-3-1へ)。スタメンはGKがシュミット・ダニエル。3バックは右から冨安、昌子、畠中。右WBは伊東、左WBは原口。セントラルMFは小林祐希と橋本拳人。2シャドーは堂安と南野。ワントップは永井謙佑だ。

 セントラルMFの橋本は堅実に中盤のスペースを埋め、ボールを前へと配給する。及第点のデキだろう。日本がボールを握ったこの試合では、シュミット以下、守備陣には静かな時間が流れた。ただし冨安は守備とフィードに八面六臂の活躍だったが。

 前述の通り日本はウイングバックのポジショニングが高く、前からの守備と攻撃に利いていた。スピードで圧倒した伊東だけでなく、左の原口もアシストをマークするなどハードワークした。

 そして千両役者はこの日ワントップを務め、2ゴールを上げた永井謙佑である。ライン裏へのボールに反応して見せる裏抜けがシャープで、スピードスターの面目躍如。年齢を考えれば遅咲きだが、しっかり結果を出した以上は今後も使ってやってほしい。

 一方、この試合でA代表デビューしたトップ下の久保建英は、ワンプレイ見ただけでモノがちがうのがわかった。縦パスを受けて敵をかわし、シュートを打ったプレイでは、コンパクトな振りとボールの爆発的な球速に目を見張った。ボールを受ける前にもよく周りを見ている。

 結果を出した永井と頭角を現した久保には、今後も継続してチャンスをやるべきだろう。
コメント

【森保ジャパン】このチームは劣化の一途を辿っている ~日本0-0トリニダード・トバゴ

2019-06-06 13:27:51 | 日本サッカー
ぶっつけ本番(?)の3バックが初お目見え

 まるで試合前に全員を集め、「はーい、今日は3バックな」と、ぶっつけ本番で試合をやったような状態だった。森保ジャパンはお披露目のデビュー戦以降、数試合で見せた目の覚めるようなデキから一転、試合を追うごとに劣化している感がある。

 チームを貫く「約束事」のようなものがまるで見えないのだ。

 例えばジャズのライブでいえば、コンサート当日に数合わせで急にメンバーを集め、あとはぶっつけ本番のアドリブだけで演奏しているような有り様だ。「11人でストリートサッカーをやっている」とでもいえばいいだろうか。

ポゼッションだけはできるが……

 日本のフォーメーションは3-4-2-1。スタメンはGKがシュミット・ダニエル。3バックは右から冨安、昌子、畠中。WBは右が酒井、左は長友。セントラルMFは柴崎と守田。2シャドーは堂安と中島。ワントップは大迫だ。

 一方、トリニダード・トバゴは4-3-3で、日本ボールになれば4-3のブロックを作り前の3人が前残りする。そのため日本は前へボールを運びやすく、ポゼッションだけはできた。だがフィニッシュが致命的に甘い。

 ポゼッションできるため日本のシュート本数は25本と、トリニダード・トバゴの5倍に上った。だが完全に崩し切った形は少なく、コースを切られた状態で強引に打ったケースが目立った。

 いちばん目についた修正点はウイングバックの動きだ。3バックならば両WB、特に酒井はもっと攻撃的にプレイしてよかった。例えばサイドで片方のWBとセントラルMFのうちの1枚、シャドーの1枚がワンユニットになるような積極的なコンビネーションの形が見られなかった。

遅攻一辺倒で切り替えが遅い

 また特に前半は後ろ半分で漫然と横パスをゆっくりつなぐ場面が多く、急所を突く鋭くて速い縦パスがなかった。遅攻一辺倒なのだ。例えばクサビのボールを縦に入れ、その落しを受けてパスまたはシュート、のような縦の連携がない。

 ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)も遅く、日本はボールを失った次の瞬間にすぐ敵のボールホルダーにプレッシングする動きが見られなかった。最初の「堤防」となるべき第一プレッシャーラインが日本は機能しなかった。

 特に柴崎は相手ボールに切り替わったらそこでワンテンポ入れてボールを見てしまい、間髪を入れずプレスをかけることができていなかった(柴崎に限った話ではないが)。

 これで今年9月にW杯アジア2次予選が始まったら、一体どうなるんだろうか? そう考えると空恐ろしくなってくる。
コメント

【プレミアリーグ】グアルディオラがサッカーを「つまらなく」している

2019-05-04 15:44:52 | 海外サッカー
やる前から結果がわかっているリーグ

 プレミアリーグは首位のマンチェスター・シティが勝点92、2位のリヴァプールが勝点91で「優勝争いが白熱している」などと騒がれている。だが、私などはすっかりシラケ切っている。

 だってマンC、リヴァプールとも残り試合を全勝し、勝点1差でマンCが優勝するに決まってるんだから。なんとリヴァプールは1敗しかしてないのに、優勝できないのだ。プレミアリーグというのは本当に「異常」な世界である。

 それもこれもすべてはあのグアルディオラのおかげだ。

 そもそもマンCの試合で観る気になるのは、「ビッグ6」内での対戦だけ。マンCと「ビッグ6以外」のチームとの試合は、まったく観る気が起こらない。なぜならどの下位チームも「ゴール前にバスを停めて」自陣に引き込み、守備的に戦うだけだからだ。それでもマンCが勝ってしまうのだからまったく呆れてしまう。

 プレミアリーグというのは実質「6チーム」で争っているリーグであり、しかもマンC、リヴァプールという2強と、他の上位4チームとの間にさえあきらかに差がある。もっといえば、その2強の一角であるリヴァプールですら、(繰り返しになるが)1敗しかしてないのに優勝できないのだ。

 すべてはグアルディオラのしわざである。

 昨日の記事で書いた通り、バルセロナは今季のチャンピオンズリーグをすっかりつまらなくしたが、かたやグアルディオラはプレミアリーグを観る気がしない死んだリーグにしている。

 本当にグアルディオラ&バルサにはうんざりさせられる。
コメント

【CL準決勝1stレグ】バルサがサッカーを「つまらなく」している

2019-05-03 16:10:51 | 海外サッカー
やる前から結果がわかっている味気なさ

 チャンピオンズリーグの準決勝1stレグ、バルセロナ対リバプールの「3-0」という結果を苦々しい思いで見終えた。

 この試合が事実上の決勝戦だと思っていただけに落胆は大きい。アヤックスがバルサに勝てるわけがないから、今季のチャンピオンズリーグは準決勝の1stレグでもう終わったも同然だ。

 やる前から結果がわかっているサッカーほど、つまらないものはない。

 バルサがサッカーをつまらなくしている。
コメント

【CL準決勝1stレグ】アタッキングサードの差 ~バルセロナ 3-0 リバプール

2019-05-02 08:49:59 | 海外サッカー
決定力で大差がついた

 内容的にはボールを支配したリバプールのほうがよかったくらいだが(特に前半)、アタッキングサードでの決定力とイマジネーションで結果的に大差がついた。

 スアレスの動物的な裏抜けはすばらしかったし、メッシが沈めたフリーキックは芸術以外の何物でもない。

 リバプールは何度も決定機があったが決められず、特にゼロトップとして攻撃の核になるフィルミーノをケガで欠いたのが痛かった。飛車落ちだ。

 いずれにしろ、この結果には大きな衝撃を受けた。

 呆然としている。
コメント

【サッカー戦術論】なぜトランジションが重要なのか?

2019-04-27 08:58:59 | 日本サッカー
誤解されているポゼッション

 速いトランジション(攻守の切り替え)が重視されるようになってきた現代フットボールでは、正確で鋭い縦パスの重要性がますます重みを増してきた。

 ボールを失っても高い位置でゲーゲンプレスし、即時奪回して速いカウンターをめざすゲームモデルの有効性が認められてきたからだ。

 もちろんトランジションの重要性は、高い位置でなくても同じだ。例えば前にかかった敵から首尾よくボールを奪った。攻めに傾いている敵は守備のバランスを崩している。そこで速い攻守の切り替えから、縦への速い仕掛けが決まればビッグチャンスになるーー。

 ショートパスを意味もなく横につなぐグダグダのポゼッションサッカーがよしとされるここ日本では、この点で大きな意識のギャップがある。

 せっかく敵からボールを回収しても、いったんバックパスして一休み。そこからチンタラ横にパスを繋ぎながら、じわじわ全体を押し上げて行く。その間に敵はすっかり守備の態勢を立て直し、ゆえにボールを保持したチームは攻撃をいちからやり直す。

 チャレンジしない横パスが多いため、パスの本数だけはよく繋がる。「これこそがポゼッションサッカーだ」と勘違いしている日本人が本当に多い。

 そんな彼らはチャレンジする縦パスが通らないと、「あのチームは『放り込み』ばかりだ」、「縦ぽんサッカーだな」と皮肉交じりで苦笑する。

 ポゼッション率こそがすべてを決めると考えている彼らにとって、横や後ろへの安全なパスを繰り返すことこそ至上命題であり、トランジションの意味や効力など考えようともしない。

 確かにマイボールにした場合、いったん安全にパスを繋いでしっかりポゼッションを確立させるのはひとつのスタイルだ。だが必然的に遅攻になりがちなそのやり方で、(その間に)守備組織をガッチリ固め終えた格上のチームに日本は勝てるのか?

 これでは強豪揃いのワールドカップで、格下の日本が決勝トーナメントの常連になるなど夢のまた夢だ。意識改革が必要ではないだろうか?
コメント

【神戸・リージョ監督辞任】「バルサ化」という名の無謀

2019-04-19 08:44:22 | 日本サッカー
絵に描いた餅に踊るメディアとオーナー

 ヴィッセル神戸へのイニエスタの劇的な電撃加入から始まり、リージョ監督就任、ビジャ加入、という一連の豪華リレーをずっと冷ややかな目で眺めていたが……今回のリージョ監督辞任である。「やれやれ、やっぱりか」という感じがする。

 Jリーグの1チームを、日本人が三度の飯より大好きなバルセロナに変えようーー。そんな、いかにも電通あたりが考えそうな広告効果の高い無謀なプロジェクトである。いったい実現する可能性なんてあるのだろうか?

 例えばイニエスタの存在ひとつとってもそうだ。

 むろんイニエスタは尊敬すべき偉大な選手である。

 だが例えばJリーグ創成期にアントラーズをチャンピオン・チームにしたジーコや、王者ヴェルディに君臨したビスマルク、ジェフ市原を劇的に変えたリトバルスキーらのようなチームへの多大な貢献を彼が成し遂げたといえるだろうか? せいぜい商売目的でメディアが持ち上げ、ネタにする程度に思える。

 裸の王様・三木谷会長が掲げる「バルサ化」という壮大な絵に描いた餅の行きつく先は、いったいどこなのだろうか? まさか紆余曲折したあげくにクラブ解散、なんてことにならないよう祈りたい。
コメント

【サッカー戦術論】ポゼッションとカウンターはどちらが優れているか?

2019-04-14 06:23:30 | 日本サッカー
サッカーに「絶対」はない

 もし試合中に一度のミスもなくボールをキープし続けられるチームがいるとすれば、ポゼッション全能主義者たちの言が強まる。

「90分間、ボールをポゼッションできれば失点しない。つまり負けることはない」と。

 だがサッカーにミスはつきものだ。で、にわかにカウンター原理主義者たちが勢いづく。

「奴らは自ら守備のバランスを崩して攻めてくる。そこでボールを奪えばカウンター攻撃のチャンスだ。態勢が崩れた相手の守備のスキを突き、少ない手数で得点できる。だから奴らにわざとボールを持たせるのだ」

 守備に重心を置き、相手にボールを持たせてプレッシングすれば必ずチャンスはくるという。だが一度のミスもなく90分間、守備をし続けられるチームはいない。ほころびは必ずやってくる。とすれば、相手にボールを持たせることは逆に自殺行為ではないか?

 ここで再びポゼッション全能主義者たちが盛り返し、そして議論はひと回りして無限ループする。

 それがサッカーである。
コメント

【森保ジャパン】日本にトランジション・フットボール以外の選択肢はない

2019-04-03 09:57:55 | 日本サッカー
「三銃士」を軸にするならコンセプトは自動的に決まる

 キリンチャレンジカップ・コロンビア戦、ボリビア戦について過去何回か書いてきたが、今回は結論めいたものを書こう。

 あの2試合を見ただけでも、日本の軸は中島、堂安、南野の「三銃士」であることは誰の目にも明らかだ。とすれば森保ジャパンは今後も彼らをメインディッシュにした料理を提供し続けるしかない。

 ならばあの3人のプレイスタイルからすれば、森保ジャパンのコンセプトはすなわち、前からプレスをかけて素早い切り替えからショートカウンターを狙うトランジション・フットボール以外にはなり得ない。彼らを主軸に使う限り、必然的にそうなるだろう。

 とすればチームコンセプトは自動的に決まる。ならば代表選手の選考も、このスタイルに合う選手を中心に招集すればいい。そう割り切れば話は非常にわかりやすくなる。強化のコンセプトもはっきりする。

日本のポゼッションサッカーは世界に通用しない

 反対に「日本はポゼッションサッカーで行くべきだ」との声も多いが、現実に代表でポゼッションサッカーをすると、結局、ボリビア戦の前半みたいな停滞したサッカーにしかならない。

 あのボリビア戦の前半では、全員が間受けを狙い突っ立ったままボールを待ち、必然的にパスが足元、足元、になり誰も裏抜けを狙わない沈滞したサッカーになった。日本人がポゼッションを志向するとああなることが非常に多い。パスをつなぐことばかりが自己目的化し、結果、「ゴールを狙わないサッカー」になってしまうのだ。

 森保監督は、めざすサッカーのコンセプトをあまり語らない。だが森保監督が「三銃士」をメインユニットにする限り、必然的にそこで展開されるのは縦に速く仕掛けるトランジション・フットボールになる。まちがっても横につないでタメを作るような、日本的なポゼッションサッカーにはならないだろう。ならば今後の強化もその路線で行くべきだし、森保監督はハッキリと言葉でこのゲームモデルをメディアに語るべきだ。
コメント

【森保ジャパン】香川と「三銃士」はなぜ噛み合わないのか?

2019-03-28 09:06:04 | 日本サッカー
遅攻志向と速攻志向のちがい

 森保ジャパンには世代交代ではなく「融合」が必要だ、との論調がある。つまり香川や乾らロシアW杯組が、中島、堂安、南野ら「三銃士」とそっくり入れ替わるのでなく、両者を融合させて相互補完の関係を作るべきだ、との趣旨である。

 なるほどもっともな意見だ。一理ある。実際、香川や乾の能力は依然高く、代表引退するには早すぎるように感じる。だが両者の融合を考える場合、乗り越えるべき大きな壁がある。それはプレイスタイルのちがいである。

 例えば先日のキリンチャレンジカップ、コロンビア戦で途中出場した香川は、短い時間だったが「三銃士」と共演した。この試合、香川のデキは悪くなかった。だが残念ながら「三銃士」との連携はギクシャクし、とても噛み合っているようには見えなかった。それは主に遅攻志向と速攻志向のちがいからくるものだ。

ポジティブ・トランジションを重視する「三銃士」

 例えば敵チームからボールを奪った場合、「三銃士」はすばやいポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)から、速いタイミングで縦に仕掛けて攻め切ってしまおうとする。つまりボールを失った敵チームがまだ守備の態勢を整える前に、速攻で仕留めようとする発想だ。

 直前までボールを保持し攻めていた敵チームは、自らバランスを崩して攻め込んできている。ならば、敵が守備のバランスを崩しているうちに速い切り替えから速攻を成就しようという狙いである。

 一方、コロンビア戦での香川のスタイルを見ていると、敵からボールを奪ったら、まずパスをつないでポゼッションをしっかり確立させようとする。もちろんこれはこれで、ひとつのスタイルだ。両者は単にスタイルがちがうだけで、どっちがいい悪いの問題ではない。

ならば監督が「プレー原則」を示せ

 だが両者の融合を果たすには、このスタイルのちがいを乗り越え、ある局面では片方がもう片方のリズムに合わせる必要がある。しかし選手にとって、長い選手生活で身についたカラダのリズムを変えるのはそう簡単ではない。

 そこで監督の出番だ。

 もし融合させるとすれば、監督が率先してリーダーシップを取り、「前からプレスをかけて高い位置で相手からボールを奪った局面では、切り替えを速くして速攻を仕掛けよう」などと、局面ごとにチームとしての「プレー原則」を選手に徹底させる必要がある。

 だが、よくいえば選手の自主性を尊重する、悪くいえば選手まかせの森保監督に、最も欠けているのはこのプレー原則の徹底なのだ。さて、果たして森保監督はリーダーシップを発揮し、選手たちにしかるべきプレー原則を植え付けることができるのか? 森保ジャパンの浮沈は、ここにかかっている。
コメント

【森保ジャパン】「戦術=大迫」に加えて深刻な「中島依存」へ 日本1-0ボリビア

2019-03-27 08:46:06 | 日本サッカー
初スタメン組は収穫もあった

 コロンビア戦からスタメンを総入れ替えして臨んだキリン杯・ボリビア戦は、新戦力発掘のためのテストになった。

 だがこの日のスタメン組は、足元につなぐばかりでウラを狙う動きがない。安全にポゼッションするだけで遅攻一辺倒の日本は前半、ボリビア守備陣をほとんど崩せなかった。スタメン出場した香川と乾、宇佐美のロシアW杯組は落第だろう。

 だが一方、若い新規参入組には、興味深い選手が何人かいた。まずCBの畠中槙之輔はフィードがいい。すばらしい長い縦パスをもっている。CBにはこの日スタメンだった三浦もいるし、ふだんのスタメン組には吉田、昌子、冨安もいる。日本のCB陣は豊作だ。

 またオーバーラップに鋭さを見せた左SBの安西幸輝は、周囲とのコンビネーションさえ合えば攻撃の重要なコマになる。攻から守への切り替えも速い。あとは周りの選手との連携を磨き、どこまでスムーズにプレイできるかどうかだろう。特にSHとのコンビネーションがカギだ。

 待望のスタメン出場したGKのシュミット・ダニエルは、前にいる味方ボールホルダーから自分のところへ落ちてきたボールをほとんどダイレクトで前のSBに足でフィードしていた。足元の技術が確かで、ビルドアップの第一歩として非常に魅力的な選手だ。もし私が監督なら彼をスタメン固定するだろう。

 一方、ボランチの橋本拳人は粘っこい守備で対人プレイの強さを見せた。球際の粘りには見るべきものがある。自分が後ろにステイしてバイタルを埋めながら全体のバランスを取る「長谷部スタイル」のプレイができれば、スタメンに近づきそうだ。

途中出場の中島がチームを変えた

 さて前半はゾーンのギャップでボールを待つ間受けばかりで前への推進力がなかった日本だが、後半16分以降に中島翔哉と堂安律、南野拓実が途中出場するとまったく別のチームになった。この若い2列目の3人はよく連動し、同じ絵を描ける。

 彼らのキーワードは縦への速い仕掛けとシュートへの強い意識だ。現状、森保ジャパンは、彼ら若いユニットの力を借りなければ敵を食い破る形にならない。

 特に中島はボールを保持して攻撃の起点になれるだけでなく自分でも行け、縦への推進力という意味では日本のなかで傑出している。

 前で時間を作るFW大迫のポストワークの大きさから「戦術は大迫頼み」と言われ続けてきた森保ジャパンだが、ここへきて深刻な「中島依存」が加わった。森保ジャパンは病気が増えるばかりでなかなかスッキリしない。
コメント

【森保ジャパン】若い選手を大胆に起用する積極采配を 日本0-1コロンビア

2019-03-23 11:24:00 | 日本サッカー
もっと見たい選手がたくさんいる

 森保ジャパンはチーム立ち上げから昨年のキリンチャレンジカップで勝ちまくり、ところがそのあとのアジアカップでは内容のない苦戦続きで優勝もできなかった。ホームで行われるラクな親善試合のキリンチャレンジカップでいくら勝っても意味はないのだ。勝敗に意味はない。

 それよりこのコロンビア戦の最大のポイントは、途中出場した香川にメドが立ったことだろう。まだ彼特有のキレの鋭さは見えなかったが、大きく展開する5本のパスがすばらしかった。

 同じトップ下でも点の取れるセカンドトップ的な南野に対し、香川はパスで試合を大きく展開させ、また自分も前へ飛び込めるというよさが出ていた。

 このほか個人的には、ビルドアップの第一歩になれるGKのシュミット・ダニエルを試合に出し、大きく育ててほしい。ビッグセーブのある中村航輔も使ってほしい。また安西は短時間での出場だったが、もっと見たい気にさせられる選手だった。小林祐希ももっと見たい。

 繰り返すが、ホームでラクなキリンチャレンジカップでいくら勝っても意味はない。森保監督にキリン杯で求めたいのは勝つための采配ではなく、若い選手を大胆に使って大きく育てる選手起用だ。
コメント