国の「借金」なんて屁のカッパ、国債が累積しても大丈夫な理由
人々が暮らしやすい世の中にするためには、まず経済をよくしなきゃならない。
これって国の取るべき政策の基本の「キ」だ。
例えば給料が「安く」て逆に買うモノが「高く」感じると、生活するのがとても大変だよね?
だったら反対に「よく儲かって、そのぶんモノが安く感じる状態」を作れば、国民の毎日の暮らしがラクになる。
そんな社会にするためには、景気が良くなるように政府が経済を操って「いい状態」をキープし続ける必要があるよね?
こんなふうに「経済」なんて聞くと、「なんだかむずかしそうだなぁ」って感じるかなぁ。
でも、そんなことはない。原理はとてもカンタンなんだ。だって、さっき言ったように「よく儲かり、モノが安く感じる世界」にし続ければいいだけなんだから。
それにはちょっとしたコツがあり、そんな世の中を実現するのがまさに経済政策なんだよ。
まず経済政策にはザックリ言って「財政政策」と「金融政策」の2つがある。前者の財政政策っていうのは、イメージでいえばとても直接的だ。
もう政府が現ナマを「バーン」とはたく感じさ。すごく体感的で、カラダごとぶつかって行く、みたいなね。
特に「積極財政」って呼ばれる政策は、その名の通り積極的だ。具体的には、まず政府が国債を発行することを前提にして、それで資金を作りいろんな政策を行う。
例えば国が公共事業をやって国民に仕事を作ったり、また工事の関連業界にも広く仕事やお金を流入させる。
一方、消費税を減税または廃止したり、国民に現金を給付したりする。それから学生さんの学費を免除するのも財政政策のひとつさ。
こうしていろんなところに財政出動するんだ。
例えば初年度に200兆円、次の年以降も100兆円くらい積極的に財政支出しても財政破綻なんてしない。
ただし、あとで説明するけど最終的な「ゴール=一定のインフレ率」はある。それが限度さ。
ね? 財政政策はなんだか札束でほっぺたを「バーン」と叩くように大胆でしょう?
一方の金融政策は逆に頭でウンウン理論的に考えて、お金のメカニズムを賢く利用し「トクを稼いで行く」って感じかな。
ただしこっちは説明が長くなるから、あとでまたやるわ。その前に前置きしておきたいことがあるんだ。
政府は自分でお金を作れるのになぜ「国の借金」があるのか?
さて説明に入る前に、2つだけ言っておこう。
世の中には、お金や経済にまつわる「ウソ」や「意味のない慣習」が山ほどある。そういうのがもうイヤになるほどあふれてる。
だからできるだけ頭をカラっぽにして、これを読んで欲しいんだ。
例えば、ひとつだけ例をあげよう。
「国の借金」って言葉をよく聞くよね?
大ざっぱに言えば、あれってウソなんだ。
「国の借金」って言葉を盛んに使ってる人に限って、わざと「政府」と「国民」の2つをごちゃ混ぜにして「国」って呼んでいたりする。
で、「政府には借金がある」けど、「国民に借金なんて全然ない」ケースにまで、「国の借金」っていう魔法の言葉を使い、わざと両者を混同させて国民の頭を混乱させるんだ。
つまり自分たち(財務省やオールド・メディア)に都合のいいようにね。
でも、それはそもそもおかしいよね?
ちょっと考えてみてよ。
そもそも「国」というか、正確にいえば「政府」には、借金なんて概念はないはずなんだよ。だって日本の政府は「自分でお金を作れる」わけじゃない?
だからもし仮にこの「政府クン」がどっかでお金を借りて、かわいい女の子つれて飲みに行ったって、あとで政府クンは自分でお金を作って自分でカンタンに借金を返せるわけでしょ?
だったらこの政府クンには、そもそも実体的には「借金」なんて概念はないはずじゃない?
なのに世の中では、「国債の発行額がもう○兆円を超えたぞ。国民ひとり当たり、△万円の借金だぁ。このままじゃ国がつぶれる。さあ大変だ!」って盛んにやってるオールド・メディアがいるよね?
「国の借金、1317兆円で過去最大 2024年12月末時点」(日本経済新聞)
つまり政府が国債を発行し、形の上では借金して何らか政策をやるための「お金を作った」ってことだからね。
いや、でもまあ百歩譲って便宜上ここでは仮に「借金だ」としようか。でも上にあげた記事の「借金が1317兆円だ」というのは、あくまで日本政府の「借金」だ。
なのになぜ、それを「あなた」や「私」の頭数で割るんだ? だって国民は関係ないわけでしょう?
それは政府の借金なんだから。
要するにこれは「お前ら」の借金がこんなにかさんでるぞ! って脅しさ。
それ以前にそもそも(繰り返しになるけど)自分でお金を作れる日本政府に借金なんて概念は(実体的には)ないはずだからね。
ただし専門的に言えば、前者の財政政策で国債を発行して大胆に財政支出できるのは「インフレ率が2〜4%になるまで」だ。これが限界なんだわ。
これくらいのパーセンテージが達成された暁には景気が良くなるから、逆に抑制策を取って緩やかなインフレを保つのがセオリーさ。それが正しい政策ってわけ。
まずこれがひとつめの問題提起だ。
「量的緩和」で発行した国債は身内の日銀に渡る
次の大前提は、日本には「円」という安定した強固な自国通貨があるってことだ。そしてこの「自国通貨建て国債」は、財政破綻なんてしない。
だって自国通貨=円は、日本政府自身が作れるわけだからね。
それに日本国債を持ってるのは、ほぼ
国内の資本だ。だから海外資本が急に「おい、借金を返せよ!」なんて言っては来ない。
また詳しくは下のほうで説明するけど、最終的に発行された国債は政府の身内である日本銀行が買い受けて実質的にチャラになる。「はい、おしまい」だ。
なんてことはない。
財務省やオールド・メディアはしきりに危機を煽るが心配ないんだ。まずこれを覚えておいてほしい。
さて政府は何か政策をやるために、予算を確保したい。じゃあどうするか?
(ほかの方法もあるが)例えば1例として、このとき政府は国債を発行し、「これを買ってください」とみなさんにお願いする。
するとそれを民間の銀行なんかが買う。
ここで国債を保有した民間銀行には、当然、国債の「売り時」がある。もし売ったほうが得をする時期になったら、もちろん銀行は売るだろう。
すると次は日本銀行が、ここぞとばかりに登場する。民間の銀行がもってるこの国債を、今度は日銀が買い受けるんだ。これを「買いオペ」って呼ぶ。
すると何が起きるか?
あーら、不思議。
もともと政府は自分が発行した国債と引き換えに、民間の銀行からお金を借りたはずだった。予算を作るために、だ。
ところがいつの間にか今や、「政府は日銀からお金を借りたテイ」になっているじゃないか!
しかもその日銀っていうのは政府の「子会社」みたいなもんだ。
てことは政府のこの借金は、もうチャラ同然だってことさ。だって日銀は身内なんだからね。
日銀に降り積もった国債は総額「500兆円」以上ある こんなふうに日銀が政府から間接的に引き受けた国債は、今やなんと
総額「500兆円」以上だ。それまで政府が発行した国債すべてのうち、半分以上にも達している。
これはいったい何を意味するのか?
つまり日本政府は「借金まみれ」だったはずなのに、親孝行な「子供」の日銀に助けてもらい借金まみれの状態から脱け出してるんだ。
いやはや。
こんなふうに政府が国債を発行し、日銀がその国債を引き受けるまでの一連の流れ=政策を
量的緩和という。
そんな名前のついた「金融政策」なんだ。
ちなみにこのとき国債を買うため民間の銀行に日銀が支払ったお金は、日銀がまったく新しく「自分で作った」お金だ。
つまりお金が新規で「世の中に生み出された」わけだ。そのぶんマーケットにあるお金の総量がふえる。
すると逆に民間の銀行には、日銀から受け取ったお金が山積みになるよね?
で、この民間の銀行にあるお金を、国民や企業が借りて住宅投資や事業の拡大なんかにドンドン使えば、マネーがグングン市場に循環して景気がよくなるんだ。
このときのコツは金利を下げ、国民や企業が民間の銀行からお金を借りやすくすることさ。
お金という名の血液がカラダ中に行き渡り「不況の病」を治す
こんな「金融政策」で人々の資金需要と消費のモチベーションを呼び覚まし、消費をふくらませる。で、お金を日本中、至るところにグルグルと元気に回す。
資金を盛んに循環させる。
するとお金という名の血液がカラダじゅうに行き渡り、まるで血のめぐりが良くなったように消費が活発になり景気がよくなる。
血流が正常になり、動脈硬化が治るみたいに経済が生き返る。
そんな原理さ。
ちなみに民間銀行がお客さんにお金を貸し出すとき、別に「現ナマ」を客にポンと差し出すわけじゃないよ。
お客さんの持ってる銀行通帳に「○円が口座にありますよ」と(電子的に)ただ数字を書き込むだけだ。
こういう流れを専門的には「信用創造」って呼ぶ。
ちなみにこの銀行が貸し出したお金も、上にあげた日銀のケースと同じだ。これはまったく新しく作られたお金さ。
つまりそのぶん日本のお金の総量がまた増えることになる。
こんなふうに、たくさんのお金が国中を盛んにグルグル循環して好況になるサイクルを呼び込む政策だ、ってわけさ。
まとめると、世の中にお金がまったく新しく生まれる瞬間は、(1)国が発行した国債を間接的に日銀が引き受けるとき、(2)上のケースみたいに民間の銀行等がお客さんにお金を貸し出すときーーという2つのパターンなんだよ。
政府の利払い金も「国庫納付金」として日銀から政府へ渡る ただし上にあげた例では、政府はお金を借りてる日銀に「利払い」をしなきゃならない。しかも日銀が持ってる国債は「兆単位」だから、利払だけでもすごい額になる。
だけどこれだって日銀は政府の子会社も同然だから、政府が日銀に利払いした分のほとんどは、なんと
国庫納付金として日銀から政府にまた払い戻されるんだ。
つまり、またチャラ。チャラの二乗さ。
かくて政府はまんまと資金を手に入れた。このお金を予算にし、自分がやりたい政策にあれこれ使える。
だから財務省やオールド・メディアが騒ぐように「日本には予算がない。カネが足りないんだ!」なんてあり得ない。
あんなの真っ赤なウソなんだよ。
じゃあ財務省はなぜ、この事実を肯定しないのか?
彼らは
均衡予算主義という名の「一種の宗教」に犯されてるからだ。
そんな彼らの宗教は、国の支出と収入は「一会計年度内において一致しているべきだ」「ゆえに国債を発行するなんてもってのほかだ」みたいな古びた考えさ。
この概念は、はるか19世紀の財政学では確かに常識だった。だけどあの有名な「ケインズ経済学」が颯爽と登場するや、完全に下火になった古典的な考えなんだ。
緊縮財政論者が言う通り「日本は財政破綻する」のか? もうひとつ、財務省のウソを暴こう。
「日本は借金だらけだ!」「このままじゃ財政破綻するぞ」って彼らは言う。いわゆる緊縮財政論者の口グセだねぇ。
でも実はこれってオオカミ少年みたいなもんさ。
彼らは「オオカミが来るぞー!」って何度も叫ぶが、結局は来ない。
例えばEURO諸国(欧州連合)では、ごく一部を除きユーロという共通通貨をみんなで使ってる。つまり共有してるんだ。
これだと、あのギリシャみたいに「狼が来る」こともありえる。
でも日本はそんな仕組みじゃない。
EURO諸国とちがって、日本には「円」という名の1国家・固有の独立した自国通貨があるからね。
つまり裏を返せば、日本政府は円を自分で作れるわけさ。EURO諸国、例えばあの破綻したギリシャなんかとは違うんだ。
山積みになった国債は「借り換え」されている
一方、「日本は借金だらけだ」についても論破しよう。
財務省がこう言う意味って、つまり「政府が国債をバンバン発行しまくって借金してる。もう、そんな国の借金が山積みでヤバいぞ」みたいな話だ。
だけど現実には、国債は「借り換え」されてるんだ。
え? それっていったい何だ?
実は国債には「満期」(償還期限)がある。その期限が来れば、政府は国債を持ってる人に元本を返済しなきゃならない。
でもそんな大金をすぐに作れるわけじゃないから、資金を作るためにまた債券を発行する。
過去にいったん発行した国債の「償還資金」(借金を返すためのお金)を作るため、新しくそのぶん債券を発行して補填するわけだ。
これを「借換債」と呼ぶ。
つまりゴールが来たら、「借りてはまた返す」をエンエンと繰り返すわけさ。
なんだか消費者金融にハマり、次から次へとお金を借りる相手を変えて「借りてはまた返す」を繰り返すみたいに見えるけど……これはそういうモンなんだ。
別に異常なことじゃない。だから気にしないでくれ。
ただし政府が借金を返したら、そのぶん世の中から「お金が消える」んだけど……そうは言っても、まさか魔法のように見ている目の前で「パッ」とお金が消えてなくなるわけじゃない。
つまり然るべき時期、例えば国民が納税する時期が来れば、政府が返済した国債の代金(借金)分のお金を、市民の納税によって世の中から間引く。
すなわち結果的に、これで世間から一定のお金が消えるわけだ。
裏を返せば政府は自分が借金することで、せっかく世の中に生まれたお金がなるべく消えないよう、いわば「公共の精神」でカラダを張って国債を償還しないでいた、ともいえるわけだ。
これがよく言われる「政府の借金は、国民の資産だ」って法則さ。
こうして国民を豊かにする一種の手立てなんだ。
日本みたいに「60年ルール」で借金を返す国なんてない で、ここからが日本独特なんだけど……。
日本には「60年間で国債を現金償還しましょう」という国債の「60年償還ルール」がある。
その名の通り、
60年で国債は完済しようって決まりだ。
だけど、こんな奇妙な風習があるのは世界中で
日本だけなんだ。
だって「政府の借金は民間の資産」なんだから、国が率先して人々の資産を消してなくしちゃうなんてバカなマネをする例は日本以外にないんだよ。
もっともこの「60年で国債を完済する」っていうのも実はうわべの形だけで、実際には違うんだけどね。
つまり財務省は「返さなきゃならない政府の借金が山のように降り積もってるんだ!」って叫んでる手前、形だけでも自分たちは「ちゃんと返済してますよ」って風を装わなきゃならないわけだ。
財務省は2002年に「自国通貨建て国債はデフォルトしない」と宣言した
さて上で説明した通り日本政府が国債を発行すれば、それがやがてはお金に化ける。
しかもこの貸し借りの現象は一見、国債発行で「借金」がどんどん積み上がり増えて行くように見えるよね?
実際、日本はとんでもないことになってるんじゃないか? って言う人もいる。よく手元のグラフを見せて、「ほら、こんなにグラフの線が右肩上がりになってるぞ!」と危機感を煽るケースだね。
でもそれって実は、政府の身内である日銀経由でお金が大きくグルグル回ってるだけだから心配することはない。言ってみれば、単なる「通貨発行の履歴の蓄積」みたいなもんだ。
(繰り返しになるけど)日本は「円」という自分の国固有の通貨を持っている。その自国通貨建て国債がデフォルト(破綻)するなんて原理的にあり得ないんだよ。
例えば債券や企業の信用力を評価しランク付けする「格付け会社」っていうのがある。ほら、「ムーディーズ」とか「フィッチ」とか、聞いたことあるでしょう?
実は昔、そういう格付け会社に、日本はひどいランク付けをされたことがある。
そのとき日本の財務省は猛然と彼らに抗議し、「自国通貨建て国債のデフォルトなんてあり得ないッ!」って、2002年5月23日にキッパリと
声明を出してるんだ。
日本国債の信任はそれほど厚く、(また繰り返しになるが)その国債を買ってるのは外国資本なんかじゃない。
だから外国からいきなり「借金を返せ!」なんて言ってくることは決してない。つまり日本国債は極めて安心・安全なんだ。
日本はそのしっかりした国債を背景に、お金が国中をぐるぐる回ってるだけだから心配ない。
人間を粗末にする新自由主義に絶望し若者が自死する
じゃあなんで日本は不況になるのか? それは日本の経済政策のやり方(舵取り)がヘタくそなだけだ。
やるべきときに財政出動しない。国債発行をタブー視するーー。政策がダメダメさ。
これは経済以外の社会問題も同じだ。例えば政府はもう少子高齢化を解決するなんてとっくにあきらめてるし、国の死命を制する食料自給率を上げることも考えてない。
労働環境だってそうだ。
日本は自己責任の残酷な
新自由主義政策をドンドコ進め、雇用の「派遣化・非正規化」をして社会がすっかり不安定になっている。
企業の利益ばかりを優先し、人間を粗末にしてるんだ。
そのせいで生活に行き詰まり、特に都市部では、孤立して将来を悲観した10代後半〜30代の若者たちがどんどん自死してる。
みーんな、片っ端から
ウツ病になっちゃうんだよ。ウツにかかると、モノごとを解釈する脳の「認知のしかた」がすっかりヘンになっちゃう。
で、ふつうの人なら何でもないことなのに、「もう死ぬしかない」って深刻に思い詰めちゃう。
そのせいもあって、日本の自殺死亡率はなんと
G7で1位だ。この対策だって政府はロクに手を打ってない。
そんな環境だから、状況はどんどん悪くなる一方だ。
いわば日本はせっかく素質はあるのに、勉強の仕方が悪くて成績が上がらないダメ学生さんみたいなもんさ。
政府の政策は赤点だ、もう政権交代しかない
そもそも財務省は「国を良くしよう」なんて考えちゃいない。彼らは上に書いたような基礎的な経済理論なら、もちろんみんな知っている。単にやらないだけだ。
じゃあ、なぜやらないのか? それは彼らが国や国民のため(国益)じゃなく、「省益」や「個益」のためにセコセコ働いてるだけだからだ。
いかに自分たちの支配領域を広げてそれを確実なものにし、地域や企業に自らの「権益」が及ぶようにするか?
つまり、もっぱら自分たちの天下り先を確保するためにやってるんだ。
そんな体制を変えるためには、同じように惰性でやってる自公政権じゃムリだ。あいつらも自分たちの「個益」しか考えてない。我欲の固まりだ。
だったらもう自滅的な政策しか出さない今の政権をぶっ倒し、スッキリ政権交代してまともな経済政策が打てる国を作るしかないーー。
これが本日の結論だ。