すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。MMTと積極財政で社会を変えよう。

【なでしこジャパン】フィニッシュが甘い。 ~日本女子7-0パラグアイ女子

2021-04-09 06:20:39 | サッカー日本代表
フィジカルと球際のデュエルを

 少ないタッチ数でテンポよくボールを回す速いサッカーをめざしていることはよくわかった。バックパスばかり繰り返していた高倉ジャパン立ち上げの頃とは見違えた。日本らしいパスサッカーができていると思う。

 ただ決めるべき決定機を決めていれば、あの倍くらいのスコアになっていたことは自覚すべきだ。フィニッシュが甘い。

 そこを決めないとアメリカやヨーロッパの強豪国相手では、ああはいかない。

 あとは例えば右SBから左SHを狙った長い対角パスやサイドチェンジ、フィジカルと球際のデュエル、競り合いの激しさを身につけてほしい。
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【Jリーグ】名古屋が優勝するには攻撃力が足りない ~第8節 湘南 0-0 名古屋

2021-04-08 08:33:16 | Jリーグ
湘南の術中にハマったグランパス

 前半43分に1人退場になった湘南が、粘りとハードワークで「勝ち点1」をもぎ取った。逆にゲームを支配した名古屋は、攻撃力と決定力の不足を露呈したゲームになった。

 名古屋のフォーメーションは攻撃時4-2-3-1、守備時4-4-2。スタメンはGKがランゲラック。最終ラインは右から成瀬、中谷、丸山、吉田。

 セントラルMFは長澤と稲垣。2列目は右からマテウス、柿谷、相馬。ワントップは山崎だ。

名古屋が終始ゲームを支配したが……

 名古屋はポゼッション率60%と終始ボールを保持した。CMFのどちらかが最終ラインに落ち、3バックを形成してていねいにビルドアップして攻撃する。

 これに対し、湘南が激しい球際でがっつりプレッシングし、カウンターを繰り出す展開である。

 逆に湘南はヘタにうしろからビルドアップしようとするとミスが出る。最終ラインから組み上げる能力は、名古屋とは1段差がある印象だ。

勝負を分けた湘南の退場劇

 ところが湘南は前半43分に1人退場者を出し、これで逆にやることがハッキリした。彼らは最終ラインを5バックに変えてシステムを5-3-1とし、堅く「負けないサッカー」をめざす。

 1人減った湘南が最終ラインを低くしたため、名古屋は敵陣でよくボールが持てるようになったが攻め切れず、フィニッシュがなかなか決まらない。

 逆にいえば名古屋は湘南にボールを「持たされ」て、ワナにはまった。

 これで後半は完全に攻める名古屋、守る湘南という展開になったが名古屋は決め切れず、最後は両者無得点のままタイムアップとなった。

 名古屋とすれば10人の相手に攻めあぐね、引き分けて「勝ち点1」は負けに等しい結果だ。一方、湘南は熱いハードワークで勝ち取った貴重な「勝ち点1」といえるだろう。
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【Jリーグ】一歩も引かないねじり合い ~第7節 名古屋 0-0 FC東京

2021-04-04 04:19:03 | Jリーグ
守備のコクを味わう

 両チーム一歩も譲らず、相手の攻めをどう粉砕するか? という知略のゲームになった。攻撃は6:4でFC東京のほうに分があったが、名古屋の守備がことごとく弾き返し、非常に緊張感のあるいい試合だった。

 名古屋のフォーメーションは攻撃時4-2-3-1、守備時4-4-2。スタメンはGKがランゲラック。最終ラインは右から宮原、中谷、丸山、吉田。

 セントラルMFは稲垣と米本。2列目は右から前田、ガブリエル・シャビエル、マテウス。ワントップは柿谷だ。

敵の攻めを逆用する知力のゲーム

 前半5分にFC東京は2本続けて強烈なシュートを放つが、GKランゲラックがことごとくセーブ。ここから次第にFC東京のペースになって行った。

 名古屋はしきりにサイドを使って攻めるが、肝心のバイタルエリアで攻めの形を作らせてもらえない。

 FC東京は守備が非常によく、中央でクサビを受けた選手を絶対に振り向かせない。

 勝負は後半に入り、12分に名古屋のフィッカデンティ監督が動く。ガブリエル シャビエルに代えて相馬、前田に代えて齋藤学を投入する。

 この攻撃的な交代によりボールが動くようになり、次第に名古屋がペースを握った。相馬とマテウス、齋藤学が再三ペナルティーエリア近辺に侵入したが、それでもFC東京の守備に弾き返される。

 終わってみれば、両者無得点の引き分けという結果になった。

 守備のいいチーム同士の対戦になったが、ただ守っているだけでなく相手の攻めを利用してどう反攻するか? そこを争う知力のゲームになった。ゴールはなかったが非常に見ごたえのある試合だった。
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【名古屋グランパス】優勝に向け爆進するウノゼロ軍団が熱い

2021-04-02 07:35:50 | Jリーグ
1-0で勝つイタリアの美学

 J1開幕からここまで、名古屋グランパスの全試合を丹念に観戦してきた。彼らは実にすばらしい試合を展開している。

 成績は6勝負けなしで堂々の2位。首位の川崎フロンターレとは、1引き分け差で勝ち点1の差だ。

 しかもそのほとんどの試合が完勝といえるデキで、ウノゼロ(1-0)のシャットアウト勝ちが4試合。3-0の試合が1試合ある。要は相手に何もやらせてないのだ。いかにもイタリア人監督が率いるチームである。

攻守の切り替えが素早く帰陣が速い

 名古屋のフォーメーションは攻撃時4-2-3-1、守備時4-4-2だ。彼らはボールを失うと近くのファーストディフェンダーが素早く敵のボールホルダーにディレイをかけ、パスコースをふさぐ。

 で、速いトランジションからリトリートし、ミドルサードに4-4-2のブロックを作る。このボールロストから、ブロック守備に移るまでの切り替えがすばらしく速い。

 つまり相手チームから見ると、「ボールを奪った。さあ攻めよう」となった次の瞬間には、必ずこの難攻不落の守備ブロックを相手にしなければならないわけだ。

 特に敵のポジティブ・トランジション(守→攻への切り替え)に少しでも時間がかかると、サーッと鮮やかにブロックを完成させてしまう。こうして敵にボールを持たせ、「やらせておく」というゲームマネジメントができるチームだ。

 そして名古屋はブロックを作り終えると、2トップが敵のセントラルMFへのパスコースを切りながら、ボールをキープする相手のCBにプレッシャーをかける。

 こうして敵のボールをサイドに追い込み、サイドでボールを刈り取るのだ。

決して守備偏重のチームではない

 こんなふうに名古屋は組織守備が得意なチームだが、決して自陣に引きっぱなしでアバウトなロングボールを放り込むような守備偏重のチームではない。

 彼らはボールを持つと、強くて速いインサイドキックから放たれるグラウンダーのパスでスピーディーにビルドアップし、意図のあるボールを前線に送り込む。

 このとき繰り広げられるのは、次の展開を考えたパスワークだ。まるであらかじめ設計図を描いているかのようである。

「とりあえず隣にいる味方にボールを預けよう」というような、あいまいで意図のないプレイがない。その意味では11人が有機的につながっている。

 パスの種類は、2タッチ以内の速いパスワークが基本だ。

 またなかでも特徴的なのは、ピッチを斜めに横切る長いサイドチェンジを多用する点である。つまり「大きいサッカー」をする。狭いゾーンで必要以上にボールを足元でちまちまコネるようなシーンがない。

 特に得意としているのは速攻だが、なかでも素早い切り替えから繰り出す速いショートカウンターには威力がある。

2CMFと最終ラインは鉄壁だ

 選手別では、セントラルMFの稲垣祥と米本拓司(長澤和輝)が固めるバイタルエリアは鉄壁だ。
 
 また丸山祐市、中谷進之介という不動のCB、吉田豊と宮原和也の両SBによる最終ラインも固い。(吉田がなぜ日本代表に選ばれないのか、まったく不思議だ)

 攻撃陣では運動量が豊富な両SH、相馬勇紀とマテウスが光る。

 さらに最前線ではFWの柿谷曜一朗がポストをこなすなど瞬間的な動きをし、これにトップ下のガブリエル・シャビエル(阿部浩之)、前田直輝らがからむ。

 彼らは高いインテンシティで泥臭く球際のデュエルに挑み、強く激しくファイトする。

 全員が非常に献身的で、特にSHの相馬は相手ボールになれば自陣までこまめにプレスバックして「第2のSB」のような働きをする。

監督の哲学でチームが一体化している

 一方、マテウスは昨季あたりはすぐに倒れてなかなか起き上がらなかったり、攻撃から守備への切り替えが遅いなどトランジションに問題があったが、いまでは見違えるように修正された。

 本来、マテウスやムラっ気な柿谷あたりは献身性の薄い選手のはずだ。それが熱く献身的なプレイをこなしているのだから、明らかにこれは監督の力だろう。

 おそらく、あのイタリア人のおっさん(マッシモ・フィッカデンティ監督)がうるさく言うのだ(笑)

 またこのチームはリードして終盤になるとDFの木本恭生を投入し、5バックにしたり、3センターの4-1-4-1にするなど守備を固めるシステム変更を行い試合を終わらせる。

 いかにも守備にこだわるイタリア人監督がやりそうな手堅いゲームプランだなぁ、と思わずクスッと笑ってしまう。

 名古屋グランパスにはそんな、「この監督を信頼すれば勝てる」という一体感がある。そういう熱い息吹が観ている観客にひしひしと伝わってくる。

 なにを隠そう、私なんかは前世がイタリア人なので、ウノゼロで名古屋が辛い勝ち方をするたんびに超絶興奮して全身の血が沸騰してしまう。そんな日は早めに風呂に入って気持ちを静めることにしている。

 これでもし名古屋が優勝なんぞしたら、はてさていったいどうなることやら。

 いまから先が思いやられる。

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【国際親善試合】1戦目の欠点をキッチリ修正した勝利 U-24日本 3-0 U-24アルゼンチン

2021-03-31 07:49:31 | サッカー日本代表
インテンシティがはっきり改善された

 2戦目の試合には、この記事で指摘した通り1戦目に欠けていたインテンシティの高さや球際のデュエル、激しさ、強さがあったことが大きな勝因のひとつだろう。

 やはりサッカーにはこれらの要素が不可欠であり、2戦目ではそこをうまく修正できたと思う。

 もっとも得点は久保の個人技によるCKだったりしたが、このチームはくれぐれも上に書いたような泥臭い要素を忘れないでほしい。サッカーの基本だ。

 なおモンゴルから14点を取ったA代表の試合については何も言うことはない。力が離れていればサッカーではそういうことになる。

 もっともその相手にスタメンをフルメンバーで組む意味があったのか?(スタメンから控え選手を試したほうがいいのでは?等) という疑問は残るが、まあそのへんは議論が分かれる問題だろう。

 例えば名古屋グランパスの稲垣と中谷は非常にいい選手なので、もっと競った試合で試してみたかった。まあ今後もまた観る機会はあるだろうが。
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【国際親善試合】スコア以上の大きな差がある ~U-24日本 0-1 U-24アルゼンチン

2021-03-27 05:32:58 | サッカー日本代表
「ボールプレイヤー」ばかりの2列目

 この日、4-2-3-1のシステムを取ったU-24日本の2列目には、左から三笘薫、久保建英、三好康児が布陣した。

 だが三笘や久保のような、オフ・ザ・ボールがダメなボールプレイヤーは日本でこそ「うまい、うまい」と持て囃されるが、海外では通用しないのではないか?

 プレスの強度や高度な組織守備など、海外は日本とくらべ守備のレベルが格段に違うのでつぶされてしまうのだ。

足元でばかりボールを欲しがる

 三好も含め、三笘、久保という2列目に入った3人は、スペースでなく足元でばかりボールを欲しがるタイプだ。

 彼らはボールを持つと、自分で何かをやってから(自分で一芸を披露してから)ボールを放そうとする。その間に守備でつぶされる。ひとことでいえば球離れが悪い。

 日本で「うまい」と持て囃されるのは、決まってこのテのオン・ザ・ボールなボールプレイヤーばかりだ。彼らは自分がボールを持っているときは走るのに、オフ・ザ・ボールで走るのをイヤがる。

ずっと同じリズムでプレイしている

 そういう選手が2列目にそろっているので、必然的にサッカーが小さくなる。例えばピッチを横切るダイアゴナルな長いサイドチェンジを入れるなど、大きい展開がまったくない。まるでフットサルを見ているかのようだった。

 トランジションのよさを生かした速いショートカウンターのような機動的な攻めがまったくないし、足元、足元と、ずっと同じリズムでプレイしている。

 これでは敵の守備者は目が慣れて守備しやすい。対策も容易だ。

 また総じて彼らは球際のデュエルがダメで、インテンシティが低い。上品なお嬢さんたちが何かやってるな、という感じ。

 私の目には、三笘などよりも相馬勇紀のほうがぜんぜんいい選手に映る。爆発的で、機動力がある。

 というわけでこの日の2列目をそろえたようなチームでは、日本は海外では勝てないのではないか? と強く感じた。
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【日韓戦】不出来な韓国との「デキレース」 ~日本3ー0韓国

2021-03-26 08:13:20 | サッカー日本代表
これがあの韓国か?

 韓国は驚くほど緩かった。レベルが低い。システムはMFイ・ガンインのゼロトップだったが機能せず、至る所で日本にスペースを与え、アシストしてくれた。

 彼らは汚いファウルチャージこそ多かったが有効なプレッシングがまるでなく、皮肉なことに日本のいいところを存分に「引き出した」。

 日本はポゼッション率こそ45%だったが、シュート数は22本で韓国の倍以上と圧倒した。韓国は日本を脅かすような攻めがほとんどなく、日本はまったく危なげなかった。

コンパクトな陣形とバランスのよさ

 この日の日本は前が開けば積極的にシュートを撃ち、随所に見せるダイレクトプレイも鮮やかだった。得点シーンもDF山根視来の1点目、MF鎌田大地の2点目、MF遠藤航の3点目とどれも完璧なゴールだった。

 全体にトランジションもよく、韓国にまったく付け入るスキを与えなかった。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。GKは権田。最終ラインは右から山根視来、吉田麻也、冨安健洋、佐々木翔。セントラルMFは遠藤航と守田英正。2列目は右から伊東純也、鎌田大地、南野拓実。ワントップは大迫勇也だ。

 日本は陣形がコンパクトで間延びせず、全体のバランスが非常によかった。

 また前の4人もいいコンビネーションで、左の南野が中へ入ってくれば鎌田が左に開き、そして大迫だけでなく鎌田もポストプレーをこなした。右の伊東も相変わらず縦に速い韋駄天ぶりを示した。

セントラルMFの守田に注目した

 中央を締める守田と遠藤航の連携も完璧だった。守田は遠藤より攻撃的に、逆に遠藤はアンカー的にうまくバランスを取っていた。

 遠藤がいいのはもちろんわかっていたが、積極的にシュートを放った守田は守りだけでなく攻めでも魅せ、これでレギュラー取りに大きく近づいたのではないか。柴崎岳がこのところ不調なだけに朗報だ。

 最終ラインも危なげなく、吉田と冨安が組む真ん中は鉄壁。佐々木も幅を取りよく攻めにからんだ。

 驚かされたのはこの日代表デビューになった右SBの山根だ。思い切りよくインナーラップすると大迫のヒールキックに呼応して鋭くライン裏に飛び出し、豪快にこの日1点目のゴールを決めた。

 ボールがゴールに突き刺さるのを見届けると山根は大きくガッツポーズ。あの激しい動きに象徴されるファイトがこの日の日本をあらわしていた。

 ただし繰り返しになるが相手はユルユルの不出来な韓国だった。日本はこの日の快勝に慢心することなく、自分との戦いを続けてほしい。
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【ラ・リーガ】潰し合いで得た勝ち点1 ~2020-21/第21節 ヘタフェ0-0アラベス

2021-02-01 09:17:43 | 海外サッカー
久保が生きない展開に

 放り込みと潰し合いの割り切った試合展開で勝ち点1。まあチームとしては悪くない取引だったかもしれない。ただ対戦相手がリーグ18位のアラベスだっただけに、欲を言えば勝ち点3がほしい試合だった。

 ヘタフェのフォーメーションは3-4-2-1。久保建英とアレニャはそれぞれ左右のシャドー、ククレジャは左のWBでの出場だった。

 久保とアレニャを生かすには、最終ラインからのていねいなビルドアップが必要になる。そのビルドアップをするためには、最終ラインから中盤を経由して前線にクリーンなボールを供給できるDFが必要になる。

 この試合ではその役者がおらず、よって久保とアレニャが生きない粗い放り込み合戦になってしまった。

消えないククレジャ

 それにしてもおもしろいのは、同じバルサのカンテラ出身である久保とククレジャとの対比だ。

 運動量が豊富でインテンシティが高くファイトするタイプのククレジャの場合は、試合展開がこのゲームのように雑になっても決して消えない。カラダをぶつけ、激しく競り合い、身を投げ出してチームに貢献する。

 一方、お上品な久保の場合は、まったくゲームから消えてしまう。

 久保にとって最低限必要なのは、クリーンなビルドアップとクリーンなパスワークだ。彼にとってこれらは酸素のようなもので、彼はこれらの酸素がなければ酸欠になり試合からいなくなる。

次節以降の3連戦もこのゲームモデルで臨む?

 さて興味があるのは、セビージャ、レアル・ソシエダ、レアル・ベティスと格上の強敵が続く次節以降の試合に臨むゲームモデルだ。

 果たしてストーミングから方針転換したポゼッション・スタイルで行くのか? それともこの試合のような名より実を取るやり方で臨むのか? 

 強敵との連戦が続くため、ボルダラス監督は割り切って後者を選択する可能性が高い。

 観戦するファンとしては、難行苦行を強いられる3連戦になるかもしれない。
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【プレミアリーグ】高度な戦術がぶつかる極上の上位対決 2020-21/第19節 ~トッテナム1-3リバプール

2021-01-31 07:43:39 | 海外サッカー
リバプールの3トップが大爆発

 プレミアリーグの第19節は、ともに上位をうかがうトッテナムとリバプールの対戦になった。

 フォーメーションが3-4-3のトッテナムは、相手ボールになるとディフェンディングサードまでリトリートして5-3-2のブロックを作る。必然的にそのぶん4-3-3のリバプールは前がかりになり2-5-3に変化する。

 トッテナムが守備時5-3-2なのは、いかにも守備的なモウリーニョ監督らしい。他方、トッテナムはビルドアップ後は3-2-5になって攻める。

プレミアらしい長いボールが芸術的だ

 両チームとも基本2タッチでボールをつなぐが、ショートパスだけでなくダイアゴナルな長いサイドチェンジのボールや、敵のライン裏に測ったように落とすロングボールが非常に正確だ。

 見ていてワクワクする。

 トッテナムはハリー・ケインのポストプレイとソン・フンミンの裏抜けの合わせ技で突破を図る。

 一方、リバプールは偽9番であるフィルミーノの下りる動きが効果的にチャンスを作り、アレクサンダー・アーノルドとマネが大活躍した。

最後に笑うのはマンCか? リバプールか?

 大爆発したリバプールの3点は、まず前半49分。左のマネがライン裏にスルーパスを出し、フィルミーノがこれを決めた。

 続く後半2分にはマネが左45度からシュートし、GKが弾いたリバウンドをアレクサンダー・アーノルドが押し込んだ。

 大団円の3点目は後半20分。右サイドのアレクサンダー・アーノルドからの長いアーリークロスを、左のマネがダイレクトで叩き込んだ。

 リバプールのサラーにはVARでハンドになって消えた幻のゴールもあり、このところ沈黙していたリバプールの3トップが完全復活した。

 こう書くとハデさばかりが強調されるが、その裏で戦術的なコクと駆け引きがいっぱいの濃厚なゲームだった。

 順位表の上位を見ると、今季好調なマンチェスター・ユナイテッドは戦術でなく個の力だけで上位争いをしている。長いシーズン、個人の好不調は必ず出てくる。ゆえにマンUはシーズン終了まで好調を維持するのはむずかしいと見る。

 となれば結局最後に笑うのは、例によってマンチェスターシティかリバプールになるのではないだろうか?

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【久保はなぜ勝てるのか?】ヘタフェとマンUが証明するメンタルの重要性

2021-01-24 08:47:10 | 海外サッカー
この2チームに唯一共通するのは?

 目が覚めたかのように勝ちまくるヘタフェとマンチェスター・ユナイテッド。彼らの間に共通するのは、はち切れんばかりの躍動感だ。それを引き出すモトになるのがメンタルの爆発である。

 つまりこの2チームに一点だけ共通した勝因は、煮えたぎったアグレッシブなメンタルなのだ。

「よっしゃー! ぶちかまそうぜ!」

 サッカー経験のある人にはよくわかるだろうが、メンタルというのはびっくりするほどカラダを動かす要因になる。

 例えば疲れ切ってヘタへたになり「もうダメだ」と思っていても、その瞬間にベンチから「〇〇さん、そこで踏ん張れー!」などと激しい檄が飛ぶと、途端にビックリするほどカラダが動くようになる。

久保とアレニャが起爆剤になったヘタフェ

 もちろんヘタフェとマンUの勝因は、戦術的に分析しようと思えばいくらでも説明できる(最下段の【関連記事】参照)。だが実は最大の勝因がメンタルなのだ。

 新しく久保建英とアレニャがチームに加わったスペイン、ラ・リーガのヘタフェは、「百人力だ! あいつらがいるから勝てるぞ。頑張ろう!」という意気にチーム全体があふれている。

 いったい、何連勝するのかわからないようなアグレッシブさだ。

 一方、英プレミアリーグで快進撃を続けるマンUも、チームの面々は凶暴な野獣性とでもいえるかのようなアグレッシブさに満ちている。一例として、ポグバのカラダからはほとばしるような熱気が発し湯気が出ている。

 中位のヘタフェはともかく、目下、首位を走るマンUのほうは、このまま活気づくメンタルが続けばそれだけで優勝しそうな勢いである。

 サッカーでは監督があれこれ知恵を絞って戦術を組み立てて勝とうとするが、結局、理屈抜きでチームを勝たせるのがメンタルの力なのだ。これに恵まれたチームは強い。

 いったいヘタフェとマンUは、シーズンが終わればどんな順位にいるのか? 今からワクワクして楽しみでならない。

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【ラ・リーガ】ポゼッション・スタイルへの転換点 2020-21/第19節 〜ヘタフェ1-0ウエスカ

【ラ・リーガ】久保がヘタフェで輝く3つの理由

【プレミアリーグ】幻の首位攻防戦 2020−21/第19節 〜リバプール0−0マンU
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【ラ・リーガ】ポゼッション・スタイルへの転換点 2020-21/第19節 〜ヘタフェ1-0ウエスカ

2021-01-21 06:10:11 | 海外サッカー
久保は70点のデキだった

 久保建英のヘタフェ移籍2戦目は、右サイドでの先発になった。前半はウエスカと五分五分の勝負、後半は完全にヘタフェのゲームになり、1-0でヘタフェが堂々シャットアウトした。

 チームとしてはこれまでのストーミングから、ポゼッション・スタイルへの転換点になる記念すべきゲームだった。

 この試合、ヘタフェはフォーメーションを今までの4‐4‐2から4-2-3-1に変えてきた。このへん戦術変更の匂いがする。スタメンはGKがヤニェス。最終ラインは右からスアレス、ジェネ、エチェイタ、ニョムだ。

 セントラルMFはマクシモビッチとアランバッリ。2列目は右から久保、アレニャ、ククレジャ。ワントップはマタである。これで守備時はトップ下のアレニャが前へ出て、4‐4‐2のブロックを作りプレスする。

ビルドアップ&ポゼッションへの挑戦

 前半の立ち上がり。この記事この記事でも事前分析したが、予想通りヘタフェは最終ラインからていねいにビルドアップしようとする。最終ラインがボールを持つと、セントラルMFのアランバッリが2CBの間に下りたり、CBとSBの間に下りたりする。

 これでグラウンダーのボールを前につけ、パスをつなぐのがベースである。唯一、CBのジェネだけはボールをもつと大きく前へ蹴り込むが、それ以外では基本ビルドアップ志向だった。

 これまでヘタフェはボールを握ると前線へ大きく放り込み、前でゲーゲンプレスして攻めるストーミングを志向していた。

 そのチームがバルセロナのカンテラ出身で技巧的な久保、アレニャの加入と同時に、ポゼッション・スタイルに戦術を転換したのだ。おそらく「クライフ主義者」を自称するボルダラス監督としても、本来やりたいサッカーに近づいたのではないだろうか?

70分にアランバッリが決勝点を上げる

 後半、ゲームはややヘタフェが支配した形になり、58分にアランバッリがこぼれ球をシュートしたが惜しくも入らず。ウエスカは5-4-1のブロックを作り懸命に守る。

 続いて70分には、中央のアレニャからのダイアゴナルなパスを右サイドで受けたセントラルMFのアランバッリが豪快にシュート。GKの股を抜いて見事に決めた。

 この虎の子の1点をあげたヘタフェは終盤に久保ほか3人の選手を下げて守備固めし、危なげなくゲームを締めた。ポゼッション・スタイルに転換したヘタフェにとっては、今シーズンを占う大きな1勝になった。

 選手別では、ククレジャは運動量とインテンシティの高さがあるすばらしい選手だ。ワンアシストのアレニャ、久保も及第点のデキだった。

 また得点したセントラルMFのアランバッリも含め、最終ラインの守備は固くウエスカに付け入るスキを与えなかった。

久保はトランジションが甘い

 さて、久保のプレイスタイルだ。彼は中に絞ってライン間でボールを受けたり、サイドで基点になりクロスやスルーパスを入れるなど、明らかに自分のスタイルで伸び伸びプレイしていた。

 キープ力も非常に高く、敵3人に囲まれてもボールをしっかり保持できる。

 また守備になればチェイシングやプレスバックもする。ただ守備時のインテンシティがそう高くないのは今後の課題だろう。

 一方、明らかに修正すべきなのはオフ・ザ・ボールの動き、特にトランジションへの対応だ。この試合ではポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)の甘さが見えた。

 例えば逆サイドにボールが入ると(自分には関係ないなと)途端に足を止めてしまう。また敵ボールを味方が鋭くカットした瞬間、せっかくの速いショートカウンターのチャンスなのに足が完全に止まっていたりする。

 もちろん選手には武器もあれば欠点もある。それは今後、おいおい詰めて行けばいい。むしろこのゲームではそれよりチームとしてビルドアップ&ポゼッションという新しいゲームモデルに挑み、リフォームに成功したことが大きい。

 今季のヘタフェはおもしろくなりそうだ。

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【ラ・リーガ】バルサ化するヘタフェ、久保は伸び伸び自分を出せる


【ラ・リーガ】久保がヘタフェで輝く3つの理由
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【極私的J1見どころ】今年はJリーグを観るぞ!

2021-01-20 05:55:30 | Jリーグ
話題沸騰のおいしい観戦ポイントだらけ

 今年は個人的に話題沸騰のJリーグを集中的に観ることにした。いや、なにしろとても気になるポイントがたくさんあるのだ。

 ザッと思いつくツボをあげると……。

「超絶補強をした名古屋は優勝できるか?」

「横浜FMは『ハイライン裏』問題にどう挑むか?」

「鹿島の上田綺世は何点取り、どこまで成長するか?」

「ロティ―ナ監督は清水をどう変えるか?」

「昨年最終節を見て『いいな』と感じた下平監督の横浜FCはどうか?」

「徳島を昇格させたリカルド・ロドリゲス監督の浦和はどこまでやるか?」

「昇格組の徳島はJ1に定着できるか?」

 どれもワクワクもんの見どころばかりだ。

 なお徳島ヴォルティスは、新型コロナの影響で来日のメドが立っていないスペインのダニエル・ポヤトス新監督が心配される。早期に解決することを祈りたい。
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【ラ・リーガ】バルサ化するヘタフェ、久保は伸び伸び自分を出せる

2021-01-19 05:58:26 | 海外サッカー
監督「自分のスタイルでやれ」

 ヘタフェに加入した久保建英が18日にオンラインで入団会見を行った。注目すべきは先日のエルチェ戦前にボルダラス監督から指示された内容だ。

 久保は「監督とはあまり話せませんでしたが、自分の知っていることをやりなさいと言われました」という。

 この記事でも指摘したが、やはり久保は「自分のスタイルでやれ」と言われていたのだ。続けて久保は言う。「ククレジャともアレニャともプレーしたことはなかったが、彼らとは最初から理解し合えた」

 明らかに監督はチームの戦術を変えようとしている。ククレジャとアレニャ、久保というバルセロナのカンテラ(下部組織)育ちの選手が生きるように、だ。

 ヘタフェは過去、ストーミングをゲームモデルにしていた。前線にとにかくロングボールを放り込み、そのボールに群がってマイボールにし高い位置から攻撃するスタイルだ。

 となれば必然的に、敵にボールを持たせてカウンターを狙うコンセプトだった。

 それがいま180度転換しようとしている。自陣からていねいにビルドアップし、バルサ仕様のボールをつないでポゼッションするスタイルにおそらく転換するのだろう。

 つまり久保が伸び伸び自分を出せるチームに変わろうとしている。もともと「クライフ主義者」のボルダラス監督としても、自分の本来やりたいサッカーに回帰しようとしているのだろう。

 とすればヘタフェは、実際にはどんなサッカーを見せてくれるのか? そして久保はそのなかで持ち味を出し切ってプレイできるのか?

 今季のヘタフェは見物である。
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【プレミアリーグ】幻の首位攻防戦 2020−21/第19節 〜リバプール0−0マンU

2021-01-18 19:09:12 | 海外サッカー
マンUが暫定首位を守る

 低レベルな混戦になっている今季のプレミアリーグ。第19節の首位攻防戦は押したり引いたりで両者無得点の引き分けに終わった。

 マンチェスター・ユナイテッドとすれば、強豪相手に引き分けで首位を守れてニンマリ。かたやリバプールとしても、怪我人がいるなか最小限の被害で済んで痛み分けだろう。

 負傷者続出の上に得点力不足のリバプール、ピリッとしないシティとチェルシー、という突出する者のいない構図の中で、マンUはスルスルと「個の力」だけで危うく首位をキープしている。

 さて、この脆い均衡はいつ崩れるのか? 

 また崩れるとすればその要因は何か?

 マンUは変に失点するようになったりすれば危ういが、案外このまま行けば精神的なまとまりやモチベーションが出てズルズル行くかもしれない。

 いやはや。
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【ラ・リーガ】久保がヘタフェで輝く3つの理由

2021-01-15 07:48:55 | 海外サッカー
ボルダラス監督は意外に柔軟だ

 スペイン1部のヘタフェへ移籍したばかりの久保建英が11日、エルチェ戦に途中出場して2得点に絡み、3-1の勝利をもたらした。そんな久保は果たして、ヘタフェで輝けるのだろうか?

 ヘタフェはアグレッシブな守備が特徴のチームだ。敵の選手を体ごと根こそぎ持っていくような激しい(ファウルまがいの)デュエルが特徴である。いわば「肉体労働者」のチームといえる。

 で、移籍前から「ヘタフェは久保に合わないのでは?」との見方が一般的だった。だがデビュー戦でその憶測は見事に覆された。これには理由がある。監督のタイプだ。

セレクター型の監督は選手の特徴を生かす

 サッカーの監督には2種類いる。フィロソフィ型とセレクター型だ。

 前者のフィロソフィ型は自分の哲学(フィロソフィ)をもっており、それを頑なに実現しようとする。つまり自分の理想とする戦術やシステムがまず先にあり、集めた選手をその鋳型にハメ込むようにしてチームを作る。「俺の言うことを聞け」というわけだ。

 一方のセレクター型は、まず優秀な選手たちを選び、集めた選手それぞれの特徴やスタイルに合うポジションを考え、その結果として「うちのチームはこういう戦術とシステムで戦うのがベストだ」と結論を出すタイプの監督だ。

ボルダラス監督は臨機応変な理想主義者だ

 ではヘタフェのボルダラス監督はどちらのタイプか? 事前情報ではガチガチに守備的でフィジカル勝負のスタイルだとされていたので、てっきり頑迷なフィロソフィ型だと思っていた。

 ところが実際に久保のデビュー戦を見て、予想は覆された。ボルダラス監督はフィジカルがなく線が細い久保に、「敵の選手を体ごと持っていくような激しいデュエル」などは求めてない。つまり柔軟なセレクター型の監督だ。

 その証拠にボルダラス監督は、本職がサイドバックのマルク・ククレジャを、運動量やアグレッシブさを買ってMFで使っている。また同じくサイドバックのアラン・ニョムを、そのスピードとフィジカルを見込んでウィンガーとして起用している。

 おまけにボルダラス監督は、実はクライフ主義者である。つまり理想(フィロソフィ)はそこだ。だが一方、ヘタフェの戦力や順位、選手のタイプを考え合わせ、勝つために理想とはまったく別の「デュエルで勝負するカウンターサッカー」という現実路線を取っているわけだ。非常に臨機応変な監督である。

久保は個性に合うプレイを求められるはず

 ところがそこに、バルサのカンテラ(下部組織)出身の技巧的な選手が2人も降ってわいた(移籍してきたアレニャと久保)。しかも、もとからいるバルサ・カンテラ出身のククレジャを合わせて3人だ。

 とすれば、戦力に合わせた戦術を考えるクライフ主義者のボルダラス監督としては、ある程度の軌道修正を行うのではないか? もちろん優美で華やかなサッカーに切り替えるなどということはないだろうが、選手の個性に合わせた微調整はするはずだ。

 例えば現有戦力を8割の「肉体労働者」と2割の「貴族」に分け、点を取る仕事をする貴族の久保には他の選手にさせているようなファウルまがいのデュエルまでは求めない可能性がある。

 とすれば久保は、自分の持ち味に合ったスタイルでプレイできるのではないか?

 アグレッシブなデュエルとカウンターサッカーという泥臭い花壇の上に、久保が鮮やかな大輪の花を咲かせるかどうか? 見物である。
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