すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【移籍問題】堂安はPSVに残留、中島翔哉はレンタルでポルティモネンセへ

2021-08-31 12:08:27 | その他の欧州サッカー
また代表で2人の絡みが見たい

 東京五輪で久保とともに日本のエンジンになった日本代表の堂安律が、数クラブとの移籍交渉がまとまらず、結局、PSVに残留することになった模様だ。

 記事によれば、要は堂安は「高すぎ」て話がまとまらなかったということ。

 心配なのは、彼はPSVで試合に出られていないため、今後も飼い殺し状態になるのではないかという点だ。

 レンタルでもいいからとにかく出場機会を得て、ぜひ第一線でプレイし続けてほしい。選手はプレイを絶やさないのがいちばんだ。

 一方、一時期代表でコンビを組んでいたポルトの中島翔哉も、すったもんだの末にポルティモネンセへの期限付き移籍が決まったばかり。

 中島も移籍でモメて一時はどうなるかと思ったが、まずはよかった。

 ぜひまた日本代表で2人のコンビネーションが見たいものだ。

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【森保ジャパン】事態は限りなく「ジーコジャパン」に近づきつつある

2021-08-21 06:54:02 | サッカー日本代表
日本サッカー協会のご都合主義

 選手の自主性を重んじ、日本サッカー協会にとって「都合のいい日本人監督」である森保監督を見ていると、あのジーコを思い出す。

 あのときもトルシエという頑固で自分を持っている(だけに選手を縛る)監督を経て、協会にとってものわかりのいいナアナアのジーコが監督についた。

 日本サッカー協会は目障りなトルシエを経験してすっかり懲り、ジーコという協会にとって都合のいい人物を監督に迎えたわけだ。

 そのジーコは森保監督と同じく戦術は選手に丸投げで、よくいえば選手の自主性を重んじた。

 すべてが今回のパターンとまったく同じだ。

 ハリルという頑固で自分を持っている(だけに選手を縛る)監督を経て、選手の個性を尊重する森保氏が監督についた。

 つまり協会は目障りなハリルを経験して外国人監督にすっかり懲り、「ジャパンズ・ウェイ」などと言い出してナアナアで便利な日本人監督と契りを結んだわけだ。

中田英寿はなぜ引退したのか?

 あのときのジーコを取り巻く状況と、いまの森保氏を取り巻く状況は驚くほど似ている。日本サッカー協会はW杯で勝つ監督がほしいのでなく、自分たちに都合のいい人物を監督に据えたいのだ。

 おそらくジーコのときと同様、日本代表はアジア最終予選を難なく通過するだろう。そしてW杯本大会では、あえなくジーコのときと同じ結果に終わるのだろう(いや選手がレベルアップしてるぶんジーコのときよりはマシか)。

 余談だが、ジーコのときは中田英寿という偉大な1人のサッカー選手が、日本サッカー協会のご都合主義とジーコの無能のために選手生活を引退に追いやられた。

 選手の自主性を重んじるジーコのせいで、中田氏は自分の性格に合わない「現場監督」をジーコの代わりに務めざるを得なくなった。そのせいで精神的に擦り減った中田氏は、ドイツW杯敗退とともに引退に追いやられた。

 もしあのとき監督がジーコでなく有能な監督で、中田氏が苦手な「現場監督」などに身を擦り減らすことなくW杯1次リーグを勝っていれば、果たして中田氏は引退していただろうか?

 つまり中田英寿という偉大な選手は、ジーコという横車を押し通した協会のご都合主義のせいで犠牲になり選手生活を閉じざるを得なくなったのではないか?

 日本サッカー協会という団体は、なんと罪深い存在だろうか。


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【検証】もし東京五輪で森保ジャパンがこう戦えば?

2021-08-19 07:45:17 | サッカー日本代表
あえて「たられば」を言う

 歴史に「もし」はない。だがあえて「たられば」を考えることは、その国のサッカー・データベースを増やすことになるのではないか? 未来に同じ局面が訪れたとき、別の選択肢を与えることになる。

 で、東京五輪を戦ったU-24サッカー日本代表について、あえて「たられば」で考えてみた。すると驚くべき彼らのポテンシャルが浮かび上がってきた。

もし三笘ー上田のラインにケガがなければ?

 三笘と上田にケガがなければトップ下に三好か堂安を使い、「林ー相馬・久保・堂安」のセットと2組でローテーションが利いた。

 中2日の試合が続いた過酷な今大会のキーワードはローテーションだったが、三笘と上田にケガがなければ戦力の分担が可能だった。

もし旗手の左SBが機能していれば?

 もし旗手の左SBがもっと機能していれば、左SB要員だった中山をCMFで使い、CMFとして出ずっぱりだった遠藤と田中を休ませられた。

もし冨安にケガやカードの累積がなければ?

 冨安にケガやカードの累積がなければ、板倉をCBでなくCMFで使い遠藤、田中をもっと休ませることができた。

もし瀬古か町田をCBで起用していれば?

 瀬古か町田をCBで起用できていれば、冨安をCMFで使い遠藤、田中を休ませることができたかもしれない。

ニュージーランド戦は延長戦を避けられた?

 前半10分。もし右サイドのFW林からの速いクロスを遠藤がゴールできていれば、延長・PK戦を戦わずにすんだ。

 また後半36分。交代出場のFW上田がゴール正面での絶対的な決定機を決めていれば、延長・PK戦はなかった。

 とすれば日本は次戦の準決勝スペイン戦を、もっとフレッシュなコンディションで戦えた。

フランス戦はローテーションできた?

 完全なローテーションができる可能戦があったのは、唯一、グループリーグ第3戦のフランス戦だった。フランスはチームが「壊れて」いたからだ。

 この試合、日本は前半に2-0とリードし4-0で勝った。

 だがすでに戦前から勝ち点6を持っていた日本は、もしこの試合をもっと思い切ったメンバー構成でローテーションしていれば、余力を残して次戦のスペイン戦に臨むことができた。

もしメキシコ戦で3点目を取れていれば?

 グループリーグ第2戦のメキシコ戦。

 前半11分で2-0とリードしていた日本は、後半に前田と三笘、上田という3枚の攻め駒を投入した。

 もしこの攻めの選手交代で日本が3点目を取り3-0としていれば、日本は次戦のフランス戦でスタメンをローテーションし余力を持ってスペイン戦に臨めた。

可能性とは恐ろしい

 可能性というものは恐ろしい。これまで見てきた通り、もし日本にローテーションが可能だったとすれば、準決勝のスペイン戦はもっとちがった戦いになっていたかもしれない。

 もちろん「もしあのアセンシオのシュートが決まっていなければ」などと「たられば」を言うつもりはないが、日本のローテーションさえ実現していれば歴史は変わっていたかもしれない。

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【東京五輪・森保ジャパン】日本に「サッカージャーナリズム」なんてない

2021-08-09 05:47:50 | サッカー日本代表
彼らは取材対象とナアナアだ

 代表監督と日本サッカー協会のダメぶりには、前回と前々回の記事ですでに触れた。

 もうひとつ、言っておかなければならないことがある。

 それは日本のサッカージャーナリズムのダメぶりだ。

知識は昔よりレベルアップしているが……

 いや、サッカージャーナリストの「サッカーそのもの」についての技術的・戦術的な知識や蘊蓄は、一般には昔とくらべて今の方がはるかにレベルが高い。

 だが彼らは「批判すべきもの」を、批判しない。

「炭鉱のカナリア」としての機能をまったく果たさない。

 取材対象の選手やチーム、日本サッカー協会とナアナアで、彼らを批判すべき時に批判しない。むしろ彼らはサッカー利権の共同体だ。

「批判なんかして、嫌われてコメントがもらえなくなったら記事が書けなくなる」

 ちょうど日本の菅首相と、官邸ジャーナリストたちの蜜月関係と同じだ。

ツッコミを入れず持ちつ持たれつ

 日本の新聞記者は、菅首相に突っ込むべきことを突っ込まない。

 持ちつ持たれつ。癒着の関係である。それと同じだ。

 まだ私がサッカージャーナリストの端くれだった90年代には、代表監督やサッカー協会に言うべきことを言う気骨のあるジャーナリストはいた気がする。

 彼らは取材仲間と口角泡を飛ばし、代表チームの敗戦についてや修正すべきポイント、その監督の欠けている点について議論していた。

 そして健全な批判を記事に書いた。

 ところがいまや、そんな記事を読むことはめっきり減った。

 いわゆるただの「発表物」みたいな記事が大勢で、よくて「戦術論」だ。読み手を唸らせるような鋭い「分析記事」が少ない。

 結果、正されるべきモノやコトが正されない。世の中が変わらない。

 ゆえにそれら「不正義」な体制は、腐ってただれた膿を垂れ流しながら、これからもサッカー利権とともに延々と続いて行くのだ。

 やれやれである。

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【東京五輪・森保ジャパン】森保監督には「責任感」というものはないのか?

2021-08-08 15:37:46 | サッカー日本代表
「残念だった」で終わり

 この記事を読めばわかるが、森保監督にはまったく責任感が感じられない。

『メダル逃した日本・森保監督「すごく残念」もアジア最終予選へ「質の高いメンバー選考ができる」』(サンスポ)

 ホームアドバンテージが絶大だった東京五輪で惨敗し4位に終わったにもかかわらず、彼の頭の中はもうすでにカタールW杯の最終予選に飛んでいる。

 彼は「自分が責任を問われる」などとは、毛ほども思っていないのだ。

「ラージグループの強化がさらに進んだ。より質の高いメンバー選考ができる」だって?

 敗軍の将の、どの口が言うのか?

 まったくあきれてモノが言えない。

JFAもロクに分析などしない

 森保監督とともにサッカー利権を貪る日本サッカー協会にしろ、東京五輪の敗戦などロクに分析もしないだろう。

 彼らの頭もすでに、次の利権のターゲットであるカタールW杯のことでいっぱいだ。

 日本サッカー協会にとっては、監督が自分らと同じ日本人であり「自分たちの言うことをよく聞くナアナアの人物」であればそれでいいのだ。

 その監督が「サッカー的」に有能か? 無能か? など関係ない。

 自分たちがコントロールできる「イエスマンかどうか?」こそが彼らの関心のまとだ。

 よって協会は東京五輪の経緯と敗因などロクに分析もせず、形だけで終わらせてカタールW杯に舌なめずりする。

 監督にせよ、協会にせよ、こんな無責任体制のままではサッカーの強化などできるはずがない。

 いつまでたっても選手に丸投げ、選手まかせのままだ。

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【東京五輪・森保ジャパン】ホームでメダルを取れない監督は解任せよ

2021-08-08 03:45:12 | サッカー日本代表
戦術を振るう「策士」を呼べ

 森保監督は「金メダルを取る」と大々的に宣言し、だが色の違うメダルすら取れなかった。

 これは自ら設定したノルマを達成できなかったことを意味する。

 ならば責任を取って潔くA代表監督を辞任すべきだ。本人が辞めないなら協会は即刻、解任せよ。

 A代表に今回の五輪代表を合流させれば、チームの骨格はもうできている。

 あとは「策士」が策を振るうだけだ。その大任は無能な森保監督にはとうてい無理である。

戦術は選手に丸投げ

 東京五輪でも森保監督は選手に戦術を丸投げし、同じ選手をずっと使い続けた。

 職場放棄だ。

 その結果、チームのエンジンだった久保と堂安はすっかり研究されて抑えられた。あの3位決定戦でメキシコは、彼らを右サイドに封じ込めて左足を使わせないようにしてきた。

 森保監督のままでは、この負けパターンを何度も繰り返すだけだ。

 例えば5レーン理論を操るカタールに完敗した、あのアジアカップUAE 2019決勝を思い出せ。

 あのときも相手のシステムとの噛み合わせの悪さを森保監督は放置し、選手まかせにして負けた。

 あの繰り返しだ。本来ならあそこで解任しておくべきだった。 

「自分たちのサッカー」では限界がある

 自分たちの「武器」はハッキリ持ちながら、それだけでなく対戦相手を研究し、敵の弱点を突く。敵のストロングポイントを消す。そんな「策士」の外国人監督を招聘すべきだ。

 このまま戦術を選手に丸投げし、「自分たちのサッカー」をやっているだけでは限界がある。

 このままでは相手が格上のときは、スペイン戦みたいにただゾーンを下げて守りのサッカーをする一辺倒になってしまう。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、そんな戦い方でカタール・ワールドカップの決勝トーナメントを戦うつもりなのか? それではハッキリ限界がある。

メジャーな割に弱い日本サッカーのお寒い事情

 たとえば東京五輪で日本の野球は、あのアメリカを破って堂々、金メダルを取った。

 だが日本のサッカーはといえば、「え? サッカーなんてあるの?」と陰口をたたかれるあのニュージーランドにPK戦にまで持ち込まれながら、4位になるのがやっとである。

 しかもまったく点が取れない。監督が選手に丸投げだからだ。

 メディアに取り上げられサッカー選手のテレビCMまで流れる割には、サッカーはお寒い限りである。

 なんたる後進性だろうか? 甘やかされすぎている。

 大事なことだから繰り返す。

 ホームでメダルを取れない監督など即刻、解任せよ。

【ネットの世論】(解任が圧倒的だ)

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f3708ce4eb18face2aea1f71953d2f2811aeba7/comments

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【東京五輪・森保ジャパン】シュートを決め切る力のちがい 〜U-24日本 1-3 U-24メキシコ

2021-08-07 05:30:57 | サッカー日本代表
メキシコと「平手」の勝負をする

 メキシコとの銅メダルを決める一戦だ。

 日本はスペイン戦よりゾーンを上げ、メキシコと対等に戦った。守備に回るとミドルプレスだ。

 ただし試合の入りが悪く、前半13分に遠藤がPKを与えて先制される。

 続く前半22分にはメキシコのコルドバがFKを蹴り、バスケスが頭で合わせて2点目を奪取。

 後半13分。今度はメキシコは左CKからベガがヘディングシュートを決めた。

 日本も後半33分に、途中出場の三笘薫が深い切り返しからドリブルでゴール前まで鋭く迫り、GKオチョアの頭上をぶち抜くシュートを放った。

 だが日本の反撃はここまでだ。

 この試合も「シュートを決め切る力のちがい」という、日本が抱える大きな宿題を残して終わった。

ゾーンを上げると失点してしまう?

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、中山雄太だ。

 CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは林大地である。

 やはり日本はゾーンを上げると失点してしまうのか?

 そんな煩悶が付きまとった試合だった。

 CMFの遠藤と田中が、連戦の疲労のせいかキレがなかったのが痛かった。

 だが、この日の選手はよく戦った。

 前半18分には林のヒールキックの落としから、遠藤がゴール前に飛び込むがGKオチョアにセーブされる。

 また前半30分には、林がボールを受けるとうまくターンし、低いシュートを放ったがGKオチョアに防がれる。

 相馬はよく幅を取りサイドでボールをもらうが、なかなか突破までは行かない。

 思い切って勝負した時には彼は十分通用しているのだが、この辺りはメンタルの問題だろうか。

三笘のドリブルはハッキリ通用していた

 やはり日本はシュートを決め切る力が足りない。

 日本はメキシコと同じようにボールはつないでいても、そこがメキシコと決定的にちがう点だ。

 ただし後半33分には、途中出場の三笘が切り返しからドリブルし、GKの頭上を打ち抜くド派手なシュートを決めた。すばらしい一撃だった。

 三笘はこのほかにも後半31分。ペナルティエリア中央から意表を突くタイミングで左足のシュートを放った。GKオチョアがかろうじて弾く惜しい一発だった。

 三笘の鋭いドリブルは、メキシコ相手に明らかに通用していた。

 三笘のまわりの空間だけが、まるで異空間であるかのようにメキシコに打撃を与え続けていた。

上田綺世はコースを狙え

 後半17分に途中出場した上田綺世も、後半23分。三笘が敵陣中央から縦にすばらしいスルーパスを出し、受けた上田はシュートしたがGKオチョアに防がれた。

 あれはきわどいコースに飛ばし、決めなければいけない一撃だった。

 上田はほかにも後半23分。三笘の絶妙なスルーパスを受けて右足を振ったが、GKオチョアが立ちはだかった。

 上田はシュートがうまく枠には飛ぶが、コースが甘くて防がれる。今後の課題だろう。

 ただしこの日、三笘と上田のコンビネーションは「何か」を起こす予感に満ちあふれていた。

森保監督の凡庸な一夜漬け采配

 さてこのあとは気が重いが、森保監督の凡庸な選手交代に触れておかなければならない。

 後半の頭から、サイドでいちばん効いていた相馬を旗手に代えた。

「前半は相馬で行き、後半は旗手だ」

 森保監督は例によって、前日の夜から一夜漬けであらかじめ考えてあったのだろう。

「目の前で起こっている現象」に対応するのでなく、まるで菅首相が用意していたメモを凝視しながら答弁するかのような、あらかじめ考えてきた交代策だ。

 後半17分に林大地を上田に代えた交代策も、シナリオ通りなのだろう。

 同じ後半17分の左SB中山と三笘の交代も、後半の頭に左SHに入れておいた旗手を左SBに下げ、三笘をその左SHに入れている。

 いかにも旗手のユーティリティ性を生かした妙采配に見えるが、これも考えてきた一案だ(グループリーグでも同じことをやっていた)

 例えばハリルのように相手チームを研究し、敵の弱点を突いたり、敵のストロングポイントを消すような采配をまったくしない。いつも判で押したように同じやり方ばかり。

 そして極め付けは試合終了間際、吉田を前線に残してのパワープレイだ。

 もうやめませんか? そういうカビの生えたやり方は。

 森保監督の采配には、まったくうんざりさせられた。

久保の号泣にもらい泣きした

 逆にこの日、救いになったのは、試合後の久保建英の号泣だった。

 この若者は、「負けたこと」が本当に悔しくてたまらず泣いている。

 そのあくまで勝負にかける究極のストイック性が強く胸を打った。

 森保監督の采配には胸焼けしたが、久保の号泣には救われた。

 この試合最大のハイライトだった。

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【メキシコ戦スタメン案&展望】林はゴールを取る仕事もできる

2021-08-06 11:51:29 | サッカー日本代表
スペイン戦のスタメンがベースだ

 まずスタメン案だが、冨安以外はスペイン戦の予想のときに書いたスタメンとまったく同じだ。

 何度考えても、これ以外にない。

 林大地は所属チームのサガン鳥栖では、前線での守備やポストワークだけでなく、裏抜けしたり自分でシュートも決めている。

 今大会の彼しか見てない人は得点力が不満に思うだろうが、おそらく林は久保と堂安の得点力を生かすため、今回は黒子(落とし役)に徹することに決めているのだと思う。

 もちろんチャンスが来ればゴールが取れる選手なので、期待したい。もしメキシコ戦で1点取れれば、ギャラリーの不満は吹き飛ぶだろう。

【スタメン案】

FW 林大地
MF 相馬勇紀 久保建英 堂安律
MF 田中碧 遠藤航
DF 中山雄太 冨安健洋 吉田麻也 酒井宏樹
GK 谷晃生

GK谷に当たりまくってほしい

 左SHは、スペイン戦を見ればわかる通り明らかに相馬のドリブルとクロスがよかった。

 そのほか久保と堂安はチームのエンジンだし、2CMFも動かしようがない。

 田中、遠藤が疲れたら板倉と交代するぐらいだろう。

 左SBの中山は最初信用していなかったが、今大会のゲームを追うごとに彼には納得した。

 最終ラインは冨安が戻って万全だろう。GKの谷も非常にいい。

スペイン戦より攻撃的にやってみては?

 さて、肝心のどう戦うか? だ。

 銅メダルがかかる一戦でしかも最終戦となれば、慎重になってまたスペイン戦同様、最終ラインを下げて守備的にやるような雰囲気が漂うが……。

 最後のメキシコ戦はスペイン戦よりゾーンを前に押し出し、もっと攻撃的にやってみたらどうだろうか?

 それでどこまでできるのか? を試すのも、今後の肥やしになる気がする。

 そのぶんリスクを背負う可能性はあるが。

 なお、もちろん交代策も重要だ。森保監督には熟考を求めたい。

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【東京五輪・森保ジャパン】3位で「銅」でもコロナ・パンデミックがくる

2021-08-06 08:57:04 | サッカー日本代表
東京の感染者数は2週間後に1万人か?

 今回の東京五輪は中止にすべき大会だった。

 世界中からウイルスを集めて攪拌し、新たな変異株「東京型」を生むだろう大会だからだ。

 仮にサッカーの森保ジャパンが今夜のメキシコ戦に勝ち、3位で「銅」を取ったとしても、コロナ禍のなか日本には遠大なホームアドバンテージがあったことを考えると「そんなものか」という感じだ。

 これから本格的に日本を襲うだろう、東京五輪を震源とする巨大なコロナ・パンデミックを考えればとうてい割りに合わない。

 2週間後。東京の感染者数は1万人ともいわれているが、今後、本格的な「東京五輪パンデミック」が襲ってくればむろんそんなスケールではすまないだろう。

 いわゆる「バブル」は穴だらけで、外国人選手が平気で秋葉原をうろついていたり、選手村では夜な夜な「飲めや歌え」の乱痴気騒ぎが行われていた。

 そのツケをこれから襲来するコロナ・パンデミックの形で日本人が払わされることを考えれば、暗澹たる気分になる。

 医療崩壊が起こる確率は高いし、入院できず自宅で亡くなる人も続々出るだろう。

 そういう意味では今回の東京五輪は、パンドラの箱を開けた「呪われた大会」として後世語り継がれることになるかもしれない。

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【東京五輪・スペイン戦総括】堂安と林の交代には疑問が残った

2021-08-04 06:20:03 | サッカー日本代表
交代策が「機械的」で有効じゃない

 東京五輪のスペインとの準決勝。

 後半20分に日本はFW林大地に代え、上田綺世を送り出した。

 そして延長戦の冒頭から久保と堂安を引っ込め、三好と前田を投入した。

 この2つの交代策には疑問が残った。

 まず前者の交代策では、ポストをこなしていた林を下げたことにより、日本は前線での基点を失った。

 代わって入った上田はまったく機能せず、シュートチャンスが驚くほどこない。彼は林のような粘りのポストワークもまるでできず、これで日本は最前線の基地を失った状態になる。

堂安交代への大きな疑問

 また久保と堂安をセットで下げた、後者の交代策も疑問だった。

 おそらく森保監督は「2列目の久保と堂安はワンセットだ」という先入観に囚われていた。で、バテバテだった久保と一緒に、堂安もいっぺんに代えてしまったのだろう。

 だがバテていた久保と違い、堂安は非常によく効いていたし、まだ動けた。

 堂安は久保とちがい、攻撃だけでなく守備でも効いていた。激しくデュエルを挑んでいた。

 その堂安が下がったことで、日本は中盤の重要な「要」を失った。

 これは痛かった。

 こんなふうに森保監督の交代策はいつも、「前日から考えてあった」ようなものが多い。

「久保と堂安はセットだから一緒に代えよう」

 それだけだ。機械的で実際的じゃない。

「いま目の前で起こっている現象」に対応するのでなく、前夜に一夜漬けで考えてきたような交代策を振るうことが多い。

 だから森保監督には、こういう戦術変更や作戦の策定ができない。

 これは致命的な問題だ。

ゾーンの設定は誰のアイディアか?

 もうひとつ、気になるのはスペイン戦での戦い方だ。

 日本はゾーンを下げて敵を呼び込みカウンターを狙ったが、あの戦い方は果たして「森保監督の指示」だったのか?

 それとも例によって「選手たちだけ」で話し合って決めた戦術なのか?

 もし前者ならば納得するが、後者なら「じゃあ監督はいらないよね」という話になる。

 森保監督をめぐっては常にこうした「選手の自主性」か? それとも「監督の指導力か?」という問題が浮かび上がる。

 もちろんサッカーは個々の局面では選手の判断でプレイするものだが、それよりもっと大きなワク組、つまり「ゲームモデル」は監督が策定するものだ。

 ゲームモデルなしではチーム内でのケースごとの意思統一や、作戦の有効性、反復性が失われてしまう。

日本人監督の限界を感じた

 確かに今回のスペイン戦では、延長までひたむきに死闘を繰り広げた選手たちの姿に胸が熱くなった。

 選手たちは良く戦った。

 だが戦い方のコンセプトワークや交代策を考えると、ハッキリ「日本人監督の限界」を感じた。

 サッカー日本代表は、果たしてこのままでいいのだろうか?

【関連記事】

【東京五輪・森保ジャパン】日本、準決勝の延長後半115分に散る 〜U-24日本 0-1 U-24スペイン

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【東京五輪・森保ジャパン】日本、準決勝の延長後半115分に散る 〜U-24日本 0-1 U-24スペイン

2021-08-04 05:16:57 | サッカー日本代表
あと5分でPK戦だった

 サッカーU-24日本代表は8月3日、東京オリンピック準決勝でU-24スペイン代表と戦い、延長戦の末0-1で負けた。

 試合開始からスペインがポゼッションして攻め込み、日本が最終ラインを低くして待ち受ける形が続いた。

 日本のブロック守備は機能し、スペインのポゼッション率は66%と相手に譲ったが、ある意味、日本がゲームをコントロールした。

 何度かあった敵の決定機を跳ね返しながら粘ったが、延長戦終了寸前5分前にスペインのアセンシオにゴール左スミにシュートを決められ日本の冒険は終わった。

 スペインのシュートとパスの精度は、明らかに日本を上回っていた。明確な差があった。日本の守備的戦術によって結果的に接戦にはなったが、勝利にふさわしいのはやはりスペインだった。

日本のワントップは林大地だ

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、板倉滉、中山雄太だ。

 CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、旗手怜央。ワントップは林大地である。

 一方、スペインは4-1-2-3だ。

 日本は立ち上がり、ハイプレスで入った。プレスは効いていた。

 ブロック守備に移るとやや最終ラインが低かったが、時折マイボールにして少ないながらもチャンスは作った。

 久保は敵のアンカー、マルティン・スビメンディをマークしながら互いが互いを消しあっている。

 堂安も板倉もよく守備をしており、非常に効いていた。

 前半30分頃から、日本の時間になった。日本はポゼッションして攻撃。2本のシュートを放った。久保と堂安のコンビは機能し、攻めに効いている。

 前半39分、スペインはラファ・ミルが抜け出しGK谷と1対1になりシュートを打ったが、絶体絶命のピンチを谷がファインセーブした。

 日本はこのまま粘り強く戦えば必ずチャンスはくる。ガマン比べだ。

後半、日本のデキが良くなりチャンスを作る

 後半の立ち上がり、日本は速いトランジションからチャンスを作った。こうしたワンチャンスは必ずくる。

 日本は明らかに前半よりいい。ボールは敵に持たせているが、チャンスは作っている。

 後半7分。自陣からのロングボールを旗手が抜け出して受け、最後は林がペナルティアーク内でシュートを放つが枠の右へ外れた。

 後半11分。ククレジャが左サイドからクロスを入れ、メリノが中央で受けて仕掛けると吉田と接触し倒れる。

 ファウルの判定でPKが宣されたが、VARチェックの結果、ファウルもPKも取り消しになった。助かった。

GK谷が立て続けにファインセーブする

 日本は前半より明らかに守備が良くなった。おそらくスペインは「なかなか点が取れない」と考えているだろう。

 後半20分。日本は林に代えて上田、旗手に代えて相馬を投入する。相馬投入は良いが、林はまだ動けた。作戦ミスだ。

 投入された上田はなかなか試合に入れず、シュートチャンスもまったく来ない。日本は林が消えたせいで自ら前線の基点を放棄した形になった。これは痛い。

 疑問の残る交代だった。

 ただし旗手と代わって入った相馬は非常によく、彼はうまく幅を取りドリブルから鋭いクロスを入れた。  

 日本のネガティブ・トランジションは効いている。

 後半31分。ラファミルがこぼれ球に反応してシュートに持ち込んだが、GK谷がナイスセーブでシュートを防いだ。谷は非常にいい。

 後半43分。ラファミルがペナルティエリア右からシュートを放つ。だが続けてGK谷がすばらしい反応でセーブした。
 
 おそらくスペインは焦っているだろう。

 日本の攻守がボディブローのように効いてきている。

延長後半、この試合唯一の完全な決定機をスペインに決められる

 試合は延長戦に入り、日本は頭から久保に代えて三好をトップ下に、堂安に代えて前田大然を右SHに投入した。まだ動けた堂安の交代には疑問が残った。

 延長前半12分。中山が左サイドからクロスを入れ、前田がゴール前へ飛び込んでDF2人と競りながらヘディングシュート。だがわずか枠の右へ外れた。

 延長戦も後半に入った。

 どちらかにワンチャンスが来れば試合は終わる展開だ。

 だが幸運の女神はスペインに微笑んだ。

 延長後半10分。オヤルサバルが日本のペナルティエリア右へパスを送り、日本は一瞬、アセンシオをフリーにしてしまった。

 受けたアセンシオはターンし左足を振り抜く。

 シュートが美しい軌道を描いてゴール左スミに突き刺さった。

 日本の冒険は終わった。ただしオリンピックがW杯と違うところは、準決勝で負けてもまだ「銅メダル」がある点だ。

 メキシコとの3位決定戦は、8月6日(金)の20:00に行われる。

 日本はこのラストチャンスに賭けたい。

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【スペイン戦スタメン案】林と相馬の先発起用が最重要だ

2021-08-03 18:04:08 | サッカー日本代表
2列目コンビと2CMFは動かせない

 以下のスタメン案は「奇手」ではなく「ありがち」だが、ベストな形だ。

 チームのエンジンである2列目の久保建英と堂安律は外せない。

 また田中碧と遠藤航の2CMFも同じだ。

 一方、左SBには守備力を重視して中山雄太を置く。

 イエローカードの累積で出られない冨安健洋の代役は、もちろん板倉滉以外にありえない。

【スタメン案】

FW 林大地
MF 相馬勇紀 久保建英 堂安律
MF 田中碧 遠藤航
DF 中山雄太 板倉滉 吉田麻也 酒井宏樹
GK 谷晃生

林を先発させる意味は?

 林大地と相馬勇紀は先発で使ってこそ意味がある。彼らを先発させ、その守備力で試合の均衡を保ちながらじっくりチャンスを待つ。

 もし林の落としで久保と堂安の2列目が点を取れなければ、そのときは初めて上田綺世を途中投入して点を取りに行けばいい。

 この順序が逆になり、例えば上田を先発させてもし点が取れなければ、途中投入すべき切り札がなくなる。林を途中で入れても「追い上げ」としては意味がないからだ。

 ここは「試合の進め方」の問題だから重要である。

前田の使い方が悩ましい

 前田大然は能力を考えれば「秘密兵器」になりうる。

 ただし過去に現U-24代表のテストマッチで使ったときには、まったく機能しなかった。もしかしたら彼は横浜FMでしか機能しないのかもしれない。

 だとすれば現代表で使う意味はない。

旗手を使う意味がわからない

 旗手は守備が危なっかしい。

 パスミスも多く、彼を使う意味がわからない。

 一方、三笘薫も、持てる能力をフルに発揮できれば切り札になりえる。ただし今大会の彼のプレイを見ていると、コンディションの優れなさもあり力を出せてない。

 またメンタル的にもあまりいい状態だとは思えない。

 だとすれば今大会は「パス」だろうか?

 以上、このスタメンでしっかり決勝進出を勝ち取ってほしい。

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【東京五輪・森保ジャパン】今夜のスペイン戦は「戦術的な試合」にならない

2021-08-03 05:17:54 | サッカー日本代表
戦い方は日本次第だ

 サッカーU-24日本代表の次なる戦いは、今夜行われる準決勝のスペイン戦である。

 いったいこの試合は、どんなゲーム内容になるのだろうか?

 まずスペインは格下の日本に合わせた試合などしないだろう。

 彼らはふつうにポゼッションし、「自分たちのサッカー」をやってくるはずだ。

 とすればこの試合がどんな内容になるのかは、日本次第だということになる。

日本は「戦術的な試合」はしない

 ところが日本も相手がスペインだからといって、彼らと噛み合う「戦術的な試合」などはしないだろう。なぜなら監督が森保氏だからだ。

 具体的には4-4のブロック守備を敷き引き気味でカウンターを狙おうとか、スペインの誰それと誰それにマンマークをつけようとか、そういう戦術的な「意図のある戦い」にはならないということだ。
 
 なぜなら選手に特定の戦い方を「強制すること」は、民主主義者である森保監督のポリシーに反するからだ。

 とすれば日本は選手同士が話し合って「立ち上がりだけはハイプレスで入ろう」などと部分的に恣意的な戦いをするかもしれないが、基本的には日本もふつうに自分を出し、「自分たちのサッカー」をやるだろう。

 つまり準決勝のスペイン戦だから「こういう戦い方をしよう」というような試合にはならない。

 まさに「自分たちのサッカー」対「自分たちのサッカー」になる。

久保は「火事場のバカ力」が出せるか?

 とすればスペインのポゼッションに押され、日本が守備に奔走する試合展開も考えられる。

 ならばキーマンは、メンタルが強く守備でも力強く泥のように粘れるFW林大地とMF相馬勇紀になると読む。

 もうひとつ、大きくカギを握るのが久保建英の動向だ。

 久保にとってはレアル・マドリードに戻れるかどうか? の試合である。相手がスペインであることを激しく意識した試合になる。

 ではそのとき久保は肩に力が入り、独善的な小さいプレイに陥ってしまうのか?

 それとも逆に「火事場のバカ力」が出て、伸び伸び実力以上に120%の力を出して爆発するのか?

 ここは日本にとって大きなポイントだ。

三笘薫よ、ぶちかませ!

 他方、もうひとりの隠れたキーマンがいる。三笘薫である。

 三笘は今大会、コンディションが悪いのかあまり出場も活躍もしておらず、自然に「秘密兵器」状態になっている点がおもしろい。

 案外、スペインから見てノーマークの三笘が途中出場し、ドリブルで5人抜きして決勝点を上げ大爆発! なんてことになったらまさに痛快だ。
 
 メディアのみなさんも見出しに困らず共存共栄である。

 また上田綺世が途中で起用されたら、彼がゴールを取るかもしれない。

 さて、いったいどんな試合になるのか? 非常に楽しみだ。

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【東京五輪・森保ジャパン】日本人はサッカーの「コク」を味わえない

2021-08-02 05:06:31 | サッカー日本代表
森保政権が続く限りは……

 2020年11月のオーストリア遠征2戦目。

 メキシコ代表のヘラルド・マルティーノ監督は日本代表のやり方を見て後半に修正をかけてきた

 システムを4-3-3から4-2-3-1に替え、セントラルMFを2人置いてバイタルエリアを埋める補修を行った。

 このため前半は中盤を制圧していた日本代表は制空権を失い、プレスも利きにくくなった。後半はいいようにやられた。

 2021年7月の東京五輪。

 U-24ニュージーランド代表のダニー・ヘイ監督は、日本戦のために5-3-2を用意してきた。

 これによりインサイドハーフの2人が日本の2CMFを見て、アンカーが日本のトップ下につくマンマーク策を取った。

 結果、日本代表はPK戦にまで引きずり込まれた

「金メダルだ」、「日本は金を取るぞ」と騒がしい今日このごろ。

 サッカー日本代表の監督が森保氏である限り、日本人にはこういうサッカーの「コク」を味わう機会はないんだな、と考えると複雑な気分になる。

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【東京五輪・森保ジャパン】自分から「王手飛車」にハマりに行く 〜U-24日本 0-0(PK4-2) U-24ニュージーランド

2021-08-01 05:27:06 | サッカー日本代表
延長&PK戦の末にやっと辛勝

 今大会でいちばんデキの悪い試合だった。

 あんなにリズムが悪い日本は今回 、初めてだ。

 メディアは「死闘」などと煽っているが、特に後半の日本は完全に足が止まり拙攻の連続だった。

 5-3-2を敷きカラダで守る相手の守備もあり、思うようにポゼッションできない。将棋でいえば、日本は「自分から王手飛車にかかりに行く」ような戦い方をした。

 日本はニュージーランドにやられてPK戦にもつれ込んだというより、「自分に負けた」のだ。

 例えばニュージーランドは往年のイングランド・スタイルみたいなチームなのに、日本は蛾が灯りに吸い込まれるようにハイクロスを入れたりした(敵はそういう戦い方が得意なのに)

 ほかにも相手が攻撃時、3バックになるところを狙い、ボールを奪ったら速攻をかければいいのだ。なのに日本はわざわざバックパスして敵に守備の態勢を整える時間をやり、相手が5バックに変化するのを待ってやったりしていた。トランジションが悪い。

 やれやれである。

前半10分に絶対的な決定機をはずす

 日本のフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から橋岡大樹、吉田麻也、冨安健洋、旗手怜央だ。

 CMFは遠藤航と田中碧。2列目は右から堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは林大地である。

 一方、ニュージーランドは守備時5-3-2だ。インサイドハーフの2人が日本の2CMFを見て、アンカーが日本のトップ下につく。ガチガチの対策だ。

 そしてマイボールになると、3バックでビルドアップする。3-1-4-2のような形である。彼らは積極的にロングボールを縦に入れてくる。

 また後半になると、彼らはフォーメーションを4-3-1-2に変えてきた。中盤の「3」枚で遠藤と田中、久保を抑える狙いである。

 前半10分。FWの林が縦パスをワントラップしながら瞬間的にゴールの方へ向き直り、ペナルティエリア右から目にも止まらぬ低くて速いクロスを入れた。

 だがボールが速すぎたため、受けた遠藤はゴールの枠の上にドカンとシュートを外してしまった。

 球速が速いからインサイドで軽く当てるだけでいいのに、遠藤は力んで足を大きく振りに行ってふかしてしまった。外す方が難しいような絶対的な形だった。

 あれさえ決めていれば、日本は何もPK戦など戦わずにすんだのだ。

 ほかにも後半36分、交代出場のFW上田綺世も絶対的な決定機を外している。

 他方、ニュージーランドにはそんな決定機はまったくなかった。

 つまり2-0で日本が勝つべき試合だったのだ(が、そうならないのがサッカーである)。

速攻すべき局面で遅攻にする

 ニュージーランドのフォーメーションは守備時5-3-2だが、日本の最終ラインがボールを保持しているとき、彼らは前からプレスをかけてくる。南アフリカみたいにベタ引きじゃない。

 ということは、日本は相手の第一プレッシャーラインを越えれば敵の後ろは薄いということだ。

 ゆえにボールを奪ったら速く攻めたいのだが、日本はマイボールになると横パスやバックパスをして遅攻にしてしまう。

 で、わざわざ敵の後ろに守備ゴマが5枚揃うのを待ってやってから攻めている。

 駆け引きがヘタだ。

 ニュージーランドは大柄で敏捷性はないし、細かい技術があるわけじゃない。鋭さもない。精度も高くない。楽勝なはずだが、なぜか日本は攻めあぐねている。自分からドツボにハマりに行っているのだ。

 例えば橋岡がサイドから盛んにクロスを入れるが、相手は往年のイングランド・スタイルみたいなチームなんだからそういうクロスを防ぐのは得意だ。

 そんなハイボールじゃなく、例えばグラウンダーの速いダイレクトパスでワンツーを絡めるなどして機敏に崩したい。

 そうやって日本らしいアジリティで勝負すれば、大男ぞろいで鈍重なニュージーランドの選手はついて来られない(はずなのだが、日本はそうしない。敵の思うツボだ)

 日本は難敵メキシコやフランス相手にあんな鋭い試合をしたのに、こんな大まかなチームを相手に、大まかに攻めあぐねている。敵のペースに乗ってしまい、「自分」を見失っている感じだ。

 結局、両者無得点のまま試合は延長戦にまでもつれ込み、PK戦になり日本が競り勝った。

 内容はよくなかった。

 ただPK戦に勝ち、抱き合って子供のように喜ぶ彼らは、ひとつになっている感じがした。

スペイン戦のスタメンは?

 さて、次は準決勝のスペイン戦である。

 累積イエローカード2枚で冨安が出られないのは痛いが、しかたない。板倉がやってくれるだろう。

 ところで森保監督は、スペイン戦にどんな陣容で臨むのだろうか?

 個人的には、ニュージーランド戦で途中出場させたFWの上田とMF三笘は頭から使っておき、逆に守備機会が多くなるはずのスペイン戦でこそ、力強く守備で粘れるFW林大地とMF相馬勇紀をスタメンで使いたかったのだが……さて、森保監督はどう考えるのだろうか?

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