すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】Jリーグ開幕、国内組の追い上げは大歓迎だ

2017-02-26 08:13:34 | サッカー日本代表
小林悠と斉藤学が気を吐いた

 国内組では本ブログいち押しの2人、小林悠(川崎)と斉藤学(横浜FM)がJリーグ開幕戦で活躍した。

 小林は日本人トップタイの4年連続開幕ゴール、斎藤は決勝弾に絡む2アシストだ。Jリーグに上から目線のハリルをグウの根も出ないようにさせるには、国内組はこういう目に見える結果を積み上げていく必要がある。

 ハリルジャパンは小林のように点の取れるFWを渇望している。また海外移籍を封印した斎藤は移籍の話などスッパリ忘れ、持ち場のJリーグで気を吐いてほしい。

 所属チームで試合に出てもいない名ばかりの海外組が我が物顔の日本代表にとって、イキのいい国内組の追い上げは必須だ。今季、小林と斉藤はハリルの度肝を抜いてほしい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【サッカー日本代表】本田の偽9番はおもしろい

2017-02-22 09:48:14 | サッカー日本代表
中盤に下がる動きでゾーンにギャップを作る

 考えれば考えるほど、本田は偽9番にぴったりだ。なぜなら彼は展開力と得点力を同時に兼ね備える代表でも珍しいタイプの選手だからである。

 本田はいつのまにか「右サイドの選手だ」ということになっている。だが適性からいえばどう考えてもセンターの選手だ。

 現状、彼は右サイドから真ん中に入り込み、CFやトップ下とポジショニングが被って交通渋滞を起こしがちだ。その意味で本田の偽9番は、彼の起用法における最適解になるかもしれない。すなわち最初っから、彼を真ん中に置いておけば問題ないわけだ。

 状況に応じ偽9番の彼が中盤に下がってゲームメイクし、マーカーの敵CBを前におびき出せば、相手最終ラインにゾーンのギャップができる。そこに後ろの選手が飛び込んでフィニッシュに行ける。また本田の中盤へ下がる動きに敵がライン全体を押し上げれば、スピードのある武藤嘉紀や小林悠、浅野らがライン裏のスペースを狙える。

 逆に敵CBが本田の下がる動きについてこなければ、本田は中盤でフリーになれる。そして彼はゾーンとゾーンの「間」のわずかなスペースさえあれば決定的な仕事ができる選手である。

 彼は決定機にもパニックにならない強いメンタルと、強靭で正確なシュート能力をもっている。もし今後、本田のコンディションが上向くことがあったなら、彼の偽9番は大いにありうる選択肢だろう。(もっとも、ミランで飼い殺しにされている現状では望むべくもないが)

 いずれにしろミランにいるまま試合に出られない状況では、本田は厳しい。プロは試合に出てナンボ。このままではフィジカル・コンディションとゲーム体力がどんどん衰えていく。

 だが彼は老け込むにはまだ早い。別にミランでなくたっていいじゃないか。「ミラン」ブランドなんて関係ない。ほかのクラブで躍動する彼の姿がぜひ見たい。とっととミランに三行半を叩きつけ、新天地でまた牙を磨いてほしい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画の見方】強制予約録画のすすめ

2017-02-20 09:53:50 | 映画
知らない映画でも片っぱしから録画すべし

 夜中にテレビで知らない映画をよくやっているが、ああいうのをテキトーに予約録画しておくのはおすすめだ。

 人間は恣意的に選んで映画を観ると、自分の知ってる範囲で好きな映画しか観ないようになる。するとどうしても世界が狭くなる。

 ゆえに知らない映画だろうが片っぱしから強制的にテレビで予約録画し、無理やり観るようにすると思わぬ発見をする。自分は知らない(が才能のある)監督や俳優をザクザク見つけることができる。結果、自分が大きくなる。未知の金脈はまだまだ地中深く眠っているわけだ。

 例えば私の場合、完全な洋画志向だ。だから邦画に関しては致命的に無知である。そこで私はテレビでやっている邦画を手当たり次第に予約録画することにしている。すると、どんどん世界が広がって行く。

 例えば『ウォーターボーイズ』(2001)というタイトル名はもちろん知っていた。だがなんと矢口史靖監督の名前は知らなかった。なぜならあの映画が封切当時は、猫も杓子も話題騒然のバカ騒ぎだったからだ。するとヘソまがりな私は「そんな軽薄な映画なんか、絶対に意地でも観るか」と完全スルーしてしまう。いけないとわかっていながらそうなっちゃう。で、せっかくの重要な新人監督や俳優さんを知らないまま見逃してしまうのだ。

 ところがつい先日たまたまテレビで、夜中に矢口監督の『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』(2014)をやっていたので、何の気なしに予約録画して寝た。で、翌日起きて観てみると、なんと冒頭の30分間を観ただけでとんでもない傑作であることを直感した。

 だがあいにくその日は、どうしても出かけなきゃならない用事がある。しかたなく冒頭の30分を観ただけであわてて外出し、用事を済ませるや帰りに速攻でビデオレンタル屋へ直行した。そして矢口監督の『スウィングガールズ』(2004)、『ハッピーフライト』(2008)の2本をレンタルしてきた。

 なぜって作品冒頭の30分間を観ただけで、「この監督は絶対にハズさない監督だ」ってことが充分確信できたからだ。で、試しに『ハッピーフライト』を観てみると案の定、傑作だった。これでまたひとつ、私の頭の中の「優秀監督リスト」が充実したわけだ。

 こんなふうに人生は勉強の連続である。

 恥ずかしいことに、邦画オンチな私はかたや行定勲監督の傑作『今度は愛妻家』(2010)もまったく知らなかった。これもたまたま夜中にテレビでやっていたのを偶然、予約録画したのだ。そして翌日観てみたら感動しまくり。ワアワア泣いた。

 で、また速攻でビデオレンタル屋へ走り、さみだれ式に行定監督の『ロックンロールミシン』(2002)、『世界の中心で、愛を叫ぶ』(2004、おい、こんな大ヒット作も観てなかったのか?)、『北の零年』(2005)、『クローズド・ノート』(2007)、『ショコラの見た世界』(2007)、『パレード』(2010)など一連の作品をレンタルしてきたのは言うまでもない。これでまたひとつ、賢くなれた。やれやれ。

 てなわけでテレビでやってる知らない映画の強制予約録画、ぜひおすすめします。

【関連記事】

【映画評】矢口史靖監督が仕掛ける『ハッピーフライト』(2008)のからくり

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画評】矢口史靖監督が仕掛ける『ハッピーフライト』(2008)のからくり

2017-02-17 17:03:59 | 映画

畳み掛けるギャグ、空港での裏方仕事を精緻に描く

 ミュージシャンズ・ミュージシャンという言葉がある。同業者であるミュージシャンから支持されるミュージシャン、という意味だ。

 彼らは一般消費者からのウケは必ずしもよいとは限らないが、同業の音楽専門家から高く評価される。この映画はちょうどそんな作品である。映画監督と同じように、物語を作る作家など何らかの物作りに従事するプロが「うまいな」と心酔しそうな映画だ。

 シンクロナイズド・スイミングに挑む男子生徒達を描いた青春ドラマ『ウォーターボーイズ』(2001)で一世を風靡し、今2月11日からは最新作『サバイバルファミリー』が劇場公開中の矢口史靖監督の手による2008年作品である。出演は田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、ほか。

 この作品は日本からホノルルへと飛び立ちアクシデントに見舞われる飛行機の機内を軸に、その周辺で働く空港管制塔の職員たちや気象予測担当者、整備士など各分野のプロフェッショナルたちが織りなす人間模様を描く。彼らが「たったひとつの目標」を目指し、一致団結して知恵を出し合いゴールのテープを切る。

 とはいえ、よくあるパニック映画などのようにド派手な大事故や出来事が続々起こるわけじゃない。そういうあざとさで勝負する映画ではない。

 ここで描かれる物語はある意味、えらく地味だ。例えば空港には飛行機の写真を撮るマニアたちが張っていたり、鳥が飛行機にぶつかる事故を防ぐ専門職員がいたり。これらの地味な小ストーリー群がモザイク画のように組み合わさり、ため息が出るほど巧妙な仕掛け時計が回って空港の時が刻まれて行く。

 しかも何がすごいってこの映画、事前に空港業務のあれやこれやをものすごく丹念に取材している。で、われわれ一般人がふだん何気なく利用している飛行機の旅の背後には、こんなにもたくさんの裏方さんがいろんな専門業務をこなしてるんですよ、と人間ドラマをまじえて教えてくれる。「ほぉー、空港ってこんな仕組みになってるんだ」と思わず感心させられる。絶え間なく笑いを挟みながら。

 そしてほとほと参るのは、彼らが行う仕事の見せ方がきわめて精緻でディテールが細かいところだ。とんでもなく緻密に計算されたシナリオをもとに、物語の歯車がガッチリかみ合い、テンポよくギャグも絡めて空港業務が演出されて行く。

「この監督、ウマいなぁ」「緻密に計算してやがるなぁ」

 やっかみ半分、そう無意識のうちに唸らされる。

 ゆえにこの映画は物語を作るような仕事をしている人か、それに準じる何らかのモノ作りをするプロへの訴求度が高いはずだ。映画版「ミュージシャンズ・ミュージシャン」というのはそういう意味だ。ネタばれになるから細かくは触れないが、ぶっちゃけ私はこんなにウマく作られた映画を観たのは生まれて初めてである。いやはや。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【サッカー日本代表】決定力不足が生むポゼッション依存

2017-02-08 07:54:02 | サッカー日本代表
長くボールを保持してシュート機会をふやす?

 どうせシュートなんか入らないから、できるだけボール保持する時間を長くし、そのぶんシュートをたくさん打とうーー。これが従来の日本人の考え方だった。

 つまりシュートはどうせ入らない → ならばシュート機会を増やして確率を高めよう、てな数打ちゃ当たるよ方式である。

 だが一方、現代表監督のハリルはポゼッションにこだわらない。とすれば必然的にシュートの決定率を上げる必要がある。つまり「シュートなら2本に1本は入るから、俺らは別にボールを持たなくていいぜ」てなスタイルに変える必要がある。

 となればハリルのサッカーは、日本人がいちばん苦手なシュート決定率の向上を日本人に要求してくる。逆にいえばそこが変わらなければ、ハリルのサッカーは成立しない。

 さていったい、日本人はハリルの要求に応えられるのかか? もし応えられないとすれば、ハリルの考えるサッカーで日本は勝てるのか? いま、国民みんなが固唾を飲んで見守っている。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【サッカー移籍】スペイン2部を選んだ柴崎岳と「何も選ばなかった」斎藤学

2017-02-01 12:36:18 | サッカー日本代表
まず底辺から始めてステップアップを狙え

 この1月31日で冬の移籍市場の門が閉まり、全体情勢がハッキリした。鮮やかなのは、スペイン2部のテネリフェを選んだ柴崎岳と、海外志向したものの「何も選ばず」横浜Mに留まった斎藤学の対比だろう。若い彼らの海外移籍には期待していたが、斎藤にはがっかりだ。

 スペイン2部からスタートする柴崎は本当の意味での挑戦だ。テネリフェが1部に上がれる保証などどこにもないし、今後もっと上のクラブへ移籍できる確証ももちろんない。彼は完全に下から叩き上げて行く覚悟だ。1部に昇格すれば契約延長のオプションがあり、契約期間は6月30日まで。だとすれば時間もチャンスも限られている。

 即戦力を求められる冬の移籍市場で動くのは不利だ、などいろんな考え方はある。だがいずれにしろ柴崎が自らの強い意志で「選んだ」のに対し、何も選ばなかった斎藤はさびしい限りだ。

 斎藤はドイツ2部やオランダ、ベルギー(のほかクロアチアやスペイン)から話があったともいわれるが、希望のクラブ(条件)ではなかった、とされている。噂をもとに判断するのはよくないが、彼は自分を少し高く見積もりすぎではないか?

 昨季J1で10点取ったとかベストイレブンに選出された等、「たかが日本」でのそんな実績など取るに足らない。あれだけシュートを大きくふかす選手がスペインやイングランドの1部ですぐにプレーできるわけがない。フットボールはそんな甘い世界じゃない。(私は彼を叩いているのではなく、すごく期待しているがゆえにこう書いている)

 サッカー4流国の日本からヨーロッパに挑戦する場合、まずベルギーやオランダ、スイスなど(表現は悪いが)2流国、3流国からスタートするのがふつうだ。いきなり希望のクラブでなくても、とにかくヨーロッパへ渡ってしまえばスカウトの目が張り巡らされているし、日本にいるより発掘されるチャンスが高まる。そうやって1歩1歩、階段を上がって行くものだ。

 そう考えると叩き上げの道を選んだ柴崎と、なんだか甘えた日本のお坊ちゃんがわがままを通したような斎藤という対比に見えてしまう。返す返すも残念だ。

 このほか清武はセビージャから古巣セレッソ大阪に戻った。話があったといわれるドイツ行きのテはなかったか? と落胆させられたが、セビージャでベンチを温め続けるよりはいい。

 一方の本田は契約が切れる6月までミランで飼い殺しになる。彼も斎藤と同じく高望みし、プレミアのハル・シティの正式オファーを蹴った。本田があのフィジカル・コンディションのまま、もし日本代表の試合に先発することがあったら私は暴動を起こすつもりだ。

 いずれにしろ1流になる選手と2流で終わる選手との対比が鮮やかな移籍劇だった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする