すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【ガーナ戦&ロシアW杯メンバー発表】チャンスをふいにする遅攻のオンパレード 〜日本0-2ガーナ

2018-05-31 16:21:46 | 日本サッカー
つまらないミスから2失点

 負けたが結果は関係ない。この西野ジャパンという急造チームに超短期間で3バックを作りガーナに勝て、というのは罰ゲームに等しい。とはいえ日本が点を取れないことはこれでよくわかっただろう。より守備を重視して極力失点しない慎重な試合運びをすべきだ。でないと本番では「勝ち点1」すら取れない。一方、31日に発表されたロシアW杯メンバー32名からは井手口と浅野、三竿が落選した。

 結論から先に言えば、ガーナ戦の日本はつまらないミスから2失点して負けた。1失点目は前半8分、槙野のファウルによるFKを決められたもの。槙野はなぜあんなゴール近くで意味のないファウルをするのか? 彼はハリルに仕込まれて無駄なファウルは減ったはずだが……試合を壊した失点だった。

 2失点目は後半6分。ガーナのゴールキックから中盤で競ってこぼれたボールが日本のライン間にいたガーナの選手に間受けの形で渡り、そこから日本のライン裏に浮き玉のラストパスを出された。

 あわてたGK川島がこれに飛び込みPKを取られたが、川島はまったく飛び込む必要などなかった。また間受けしたガーナの選手には大島が下がってついておくか、長友が中に絞ってマークしておけば防げた失点だった。

 こういうムダな失点をひとつひとつ無くして行く。粘り強く守る。いまの日本がロシアW杯で一定の成績を収めるためには、それしかない。

新ネタの3バックは形になったか?

 急造の3バックは思ったよりマシだった(もっと酷いと思っていた)。ただ日本のビルドアップの場面では、ガーナはワントップなのだから日本のCBは2人でよかった。ならばリベロの長谷部は一時的に一列前に上がるなど、「後ろは3枚」という固定観念にとらわれず相手の対応を見て臨機応変にポジショニングしてほしかった。また3バック自体にしても、ビルドアップのときには両側の2CBがもっとサイドに開いてパスコースを作るべきだ。3人の距離が近すぎた。

 一方、ガーナによる最終ラインからのビルドアップに対しては、ワントップの大迫がミドルサードの敵陣側にポジショニングしてタテを切った。そしてダブルボランチと2シャドーが横一列になり、同様にタテへのパスコースを消していた。

 一方、敵に押し込まれると自陣に5-4のブロックを作る時間帯があったが、ライン設定が低すぎるシーンもあった。また事前合宿での情報では「極力5バックにならないようにする」という話だったが、方針変更したのだろうか? よくわからない。個人的には5-4のブロックを作ることには賛成だが、よく意思統一しておいてほしい。

 またこの日は前半の3-4-2-1のほかに3-4-1-2や4-4-2などのフォーメーションを試したが、2トップに変えれば前への推進力が増すことがわかった程度で、どれも「形になった」とまではいえない。とはいえ2トップは攻撃だけでなく、守備における前からのプレッシングの意味でも捨てがたいオプションといえる。3バックだけでなく、2トップもさらに熟成させてほしい。

ショートパスをこね回す遅攻ふたたび

 総評すれば、「また昔のショートパスをこね回す遅攻のチームに戻ったな」という印象だ。それを「日本らしい」というなら、もはや皮肉にしか聞こえない。特にゴールへ向かう強い求心力がなく、ボックス外だがそこで短くドリブルしてシュートを打ってほしい局面なのにパスしてしまう。「自分で」「前へ」の積極性がない。

 日本はせっかく速いカウンターのチャンスなのに、いったんバックパスして攻めをスローダウンさせてしまう。で、完全な遅攻オンリーと化す。そのうちにせっかくあったスペースを埋められ、2〜3メートルの弱いショートパスを足元につなぐことしかできなくなる。「劣化バルセロナ現象」である。この繰り返しで攻めに変化がなくリズムがまったく同じ。緩急がない。あれでは日本の遅攻にすっかり目が慣れた敵の陣形を崩せない。

 後半にともに途中出場したFW岡崎がウラのスペースへ鋭く走り込み、柴崎がそこへ速いスルーパスを出すシーンはあったが、全体としてそんなタテへの速さは数えるほど。特に本田はえらく動きが鈍重で、フラフラとよく倒れる。敵にボールを奪われるだけの鈍いドリブルと、攻めを遅らせるバックパス、横パスを繰り返してばかりいた。西野監督は本気であのコンディションの本田をW杯へ連れて行く気なのだろうか?

 それとは対照的に途中起用されたFWの武藤はキレのよさとアグレッシブさ、鬼プレスが目を引いた。ハリルジャパン時代には速攻カウンターの起点として、前に張った大迫に奪ったボールをまず預ける速い縦パスがチームの「攻めのスイッチだ」という共通理解があった。だがカウンターをやめた西野ジャパンではその機能がなくなり、大迫は前線で孤立気味になり位置づけが曖昧になっている。であれば、よりゴールに迫る個の力がある武藤の起用(1トップか2トップでの)も考えていいのではないか?

ロシアW杯メンバー23名の最終発表があったが……

 このほか選手別では、ボランチの大島はいい縦パスを出していたが、ボールの競り合いになるとデュエルが弱くインテンシティが低い。そこが彼の大きな課題だろう。一方、途中出場したボランチの柴崎はセンスがピカイチで局面を打開する魅力にあふれていた。

 左ウイングバックを務めた長友はキレキレでコンディション、メンタルともに上デキ。ひょっとしたらキャリア最高値ではないか? 彼を生かしたい。対照的に酒井高徳のボールを持ったときのあわてぶりは目も当てられないが、DFは人数の関係で彼もW杯メンバーに選ばれている。

 レギュラー確定と見られていた山口蛍は、何度もリスキーな横パスとバックパスを繰り返して狙われていた。非常に不安定だ。またコンディションが心配された若手の井手口は最終メンバーから外れた。彼は致命的なバックパスをした以外はボール奪取力、組み立てともに見るべきものがあり、落選は果たしてどうだろうか?

 一方、途中出場した香川と岡崎は「気持ち」は感じられたがコンディションがどうか? 香川は冴えたサイドチェンジとプレッシングで「おっ」と思わせたが、そのうちに試合から消えてしまった。かたや岡崎はウラへの飛び出しが光ったが……。とはいえベテランの経験重視な西野監督のこと、両者ともW杯メンバーに選ばれた。

 3年間かけてハリルが進めた若手への世代交代だったが、今度の新監督は日本人らしい保守性と無難さで時計の針をまた一気に巻き戻した。たとえ満足な結果は残せなくとも、せめて「未来」に向けた光のあるロシアW杯にしたかったが……。
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【ロシアW杯】策士・西野監督に見るメンタルコントロールの妙

2018-05-29 05:42:06 | 日本サッカー
沈滞ムードを吹き飛ばした3バック

 ほんの十数日前、日本代表には重い沈滞ムードが垂れ込めていた。

 ハリルが解任され、さまざまな陰謀説がメディアを賑わせる。暗い話題ばかりが世間を覆い、しかも本番であるロシアW杯まではもう間がない。

「万事休すか?」

 そんな重苦しい空気が日本中に満ちていた。

 そこに西野監督が持ち出した飛び道具が、3バックだった。

 馴染みのない、新鮮な「素材」を世間に提供することで、人々の興味を惹く。それって何だ? いったいどんな戦い方をするんだろう? 日本は勝てるのか? 3バックとシャドーを含む新システムの採用で目先を変え、世の中の流れをすっかり変えた。

 暗い要素にばかり反応しがちだった人々のアンテナにはたちまちエネルギーが宿り、新戦術に好奇心をかき立てられた。また再び勝つための意欲が日本中に満ちてきた。

 これだけ短期間で地に落ちた多くの人々のメンタルをプラス方向に誘導した例は、歴史上でも珍しいのではないか? メディア・コントロールがうまかった点も含め、危機管理的な視点から西野監督を見ればまさに天才的な策士といえる。

 おそらくシャドーの採用も、愛弟子・宇佐美のもつ攻撃力を最大限引き出すためだ。西野監督に引き立てられた宇佐美も、心中、胸に期するものがあるだろう。「よし、やってやろう」とメンタルが躍り上がる。これで当の宇佐美が点を取りまくって日本が勝てば、西野監督は稀代の名将として歴史に名を刻むことになる。

 今後はガーナ戦、スイス戦、パラグアイ戦という強化試合が控えているが、すべては本番のための単なるテストにすぎない。仮にこの3戦で悪い結果が出たとしても、「本番前に日本の課題がしっかり把握できた」「これで欠点をキッチリ修正できる」と喜ぶべきだ。練習試合でいくら負けようが、W杯本番で勝てばだれも文句は言わない。

 運命のロシア・ワールドカップまでは、もうすぐそこだ。
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【西野ジャパン】本田&宇佐美の2シャドーに守備の不安はないか?

2018-05-27 08:58:25 | 日本サッカー
宇佐美はどこまで守備をするか

 ロシアW杯をめざす西野ジャパンは26日、初のフォーメーション練習を行った。ベールを脱いだ形は、長谷部をリベロに据えた3バックを採用する1トップ2シャドーの3-4-2-1だ。大迫と岡崎が交代で1トップに入り、本田と宇佐美がレギュラー組の2シャドーを務めた。全体図は以下の通りだ。


               ◯大迫(岡崎)

         ◯宇佐美          ◯本田


      ◯長友   ◯山口蛍   ◯柴崎    ◯原口



          ◯槙野  ◯長谷部  ◯吉田


 なるほど攻撃に関してはわかりやすい。チームでいちばんシュートがうまい本田、宇佐美ら3人が決定的な仕事をするんだな、と察しがつく。だが問題は守備だ。

 いま日本がボールを失った。で、敵CBがボールを保持してビルドアップしようとしている場面をイメージしてみよう。

 このとき日本のワントップは、ミドルサードの敵陣側からプレッシングを始める設定だとする。この場合、敵の2人のCBが横パスをつなぐのは勝手にやらせておく。ただし日本のワントップは縦のパスコースを切り、相手のボランチを日本のシャドーかボランチが見て絶対に縦パスを通させないようにする。

 すると問題はサイドにボールが出た場合だ。

 そのときは日本の同サイドのウイングバックとシャドーがボールに圧力をかける。WBが縦を潰し、シャドーが横を切る。ワントップもプレスバックして後ろから囲い込む。せっかく敵のボールをサイドに誘導したのだから、サイドでボールを奪いたい。

 さてここで、(日本ボールのときでさえ)オフ・ザ・ボールの動きがダメな宇佐美が、足を止めずに守備のタスクをきっちりこなせるかどうか? 宇佐美のサイドから「水が漏れる」のでは守備が破綻し失点のリスクが高まる。対戦する3ヵ国すべてが格上であることを考えれば、日本が先に失点してしまっては苦しくなる。

岡崎がシャドーなら守備は万全だが

 一方、もしシャドーが岡崎なら、守備の仕事は完璧にこなせるだろう。とはいえ攻撃力なら宇佐美のほうが上回る。ならば宇佐美を使うことによる攻撃と守備のメリット・デメリットを秤にかけた場合、トータルでの収支決算をどう判断するか? だろう。つまり西野監督の決断は攻撃的なのだ。

 だが対戦相手との力関係から守備を重視せざるを得ない日本の立場を考えれば、スタメンは(宇佐美でなく)守備の得意な岡崎をシャドーで使い、まず守備から入って悪くても引き分けを視野に入れるというシナリオもありえる。

 そしてもし日本が先に失点してしまい、どうしても点がほしい局面になれば宇佐美を途中投入する、という考え方もできる。(宇佐美の守備がリスキーだと考える私が監督ならそうする)。というか、もし私が監督ならそもそも宇佐美は使わず、頭から武藤嘉紀を使う。

 このへんはガンバ大阪つながりな西野監督の「宇佐美愛」が強いのだろうが……さてこれが吉と出るか凶と出るか? いや、とはいえケガの乾が目下、別メニュー調整中で全体練習には加わってないので、まだ暫定的な人選なのだろうが。

 なお、このほか同日のフォーメーション練習から推察すれば、ボランチはまず山口蛍が当確。で、彼の相方は柴崎と大島の争いであることがわかる。ここのスタメン競争も非常に興味深い。
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【西野ジャパン】カギはハードワーク、キーマンは岡崎と長谷部だ

2018-05-26 09:43:43 | 日本サッカー
泥のように粘り強い11人による守備を

 ケガ人続出でスクランブル体制の西野ジャパンである。こうなったら火事場のバカ力を発揮するしかない。求められるのは泥のように粘り強い守備をベースにした11人によるハードワークだ。

 格上ばかりの対戦相手との力関係を考えれば、日本は1人の選手が1.5人分の働きをする必要がある。ならば2人で相手の3人分、4人で6人分、8人で12人分の総合力を発揮できる。いや笑い事じゃなく、岡崎みたいに前線から中盤にかけ3人分の守備をする選手が何人もいれば必ず試合に勝てる。だってこっちのほうが人数が多いんだから。

 1人1人が1.5人分づつの働きをし、苦しい中でも足をもう一歩踏み出す。ギリギリのところで敵のボールをクリアし、倒れこみながら味方のボールをゴールにねじ込む。そんな魂のこもったハードワークで敵に競り勝つ。

 前線でスイッチを入れ、守備の開始点を決めるのは岡崎だ。例えば敵のCBがボールを保持したビルドアップの局面。ミドルサードの敵陣側で岡崎が相手MFへのパスコースを切りながらCBにプレスをかける。これで中を切って敵をサイドに呼び込み、最後は狭いゾーンに囲い込んでボールを刈り取る。

長谷部をフル活用した可変システム

 もうひとつのカギは、長谷部を中心とする可変システムである。例えば最終ラインからのビルドアップの局面ではアンカーの長谷部が1列下りて吉田、槙野と3バックを形成し、両ウイングバックを高く張り出させる。

 これにより長友と酒井(宏)のサイドからの攻撃力をフルに生かすと同時に、ハリルジャパン時代とは異なりCBからボランチ経由の中央からのビルドアップも行う。すると組み立てはサイドとセンター、複数のルートができる。

 こうしてボールを前に引き出したあとは、長谷部が1列上がって中盤の組み立てに参加してもいい。逆に攻め込まれれば長友と酒井が引いて5バックになり、自陣に5-4のブロックを敷いて守備対応する。また場合によっては敵のビルドアップの際、両ウイングバックを押し上げてFW、MFと連携し前からハイプレスをかけることもできる。

 こんなふうに長谷部をフル活用した可変システムを取れば、攻守ともにあらゆる局面に対応できる。日本人の勤勉さと組織力を生かし、非常に柔軟性のある戦い方ができる。

 この戦術で粘りに粘って極力失点を避け、あとは1点をめぐる攻防に持ち込み敵に競り勝つ。逆境に負けない強靭なメンタルとハードワークを武器にすれば、大丈夫、西野ジャパンに勝機は十分ある。
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【次期代表監督】日本人監督には断固反対だ

2018-05-25 08:10:32 | 日本サッカー
ナアナアでやりたいサッカー協会

 日本サッカー協会は5月23日に技術委員会を開き、「次期日本代表監督は日本人で」「日本のよさを引き出す人を」てな内向きの話になったようだ。とんでもない話である。日本はまだまだ海外から学ぶべきことが山のようにある。100年早い。断固反対だ。

 協会は、異文化を撒き散らすハリルでホトホト懲りたのだろう。空気を読み、われわれの意向を忖度してくれるナアナアの日本人監督がいい、というわけだ。そうくるだろうとは想像していたが、本当に困ったものである。

 そもそも「日本人のよさ」なんて、いったいどこにあるのか? せいぜい勤勉さとか、敏捷さ、組織性とか、そんな程度だろう。だが「組織性」などというなら、フランス人やスペイン人のゾーンディフェンスを見たことがあるのだろうか? まるで見えない糸で選手が繋がれているかのような組織性だ。日本人の「ゾーンもどき」なんてまったくお話になってない。

 つまり議論が逆立ちしているのだ。

「日本人のよさを出す」とか「日本の長所を生かせ」などと言ってる御仁は、要は日本人の欠点がなるべく覆い隠されるやり方をしろ、というだけの話なのだ。ヨーロッパのレベルに追いつけず、小さくまとまりガラパゴス化した「日本人らしいサッカー」をしろ、と彼らは言っているにすぎない。

 私の考えはまったく正反対だ。監督を呼ぶなら、できるだけ日本人の欠点=課題がハッキリ暴露されるやり方をする人を呼ぶ。そしてギクシャクしながらも根気よく課題を修正して行くべきだと考える。で、1日も早くヨーロッパのレベルに追いつくことをめざす。

 日本人の欠点なんて、すでにハッキリしているのだ。フィジカル、デュエル、1対1・個の弱さ、ロングレンジのパスを蹴る・止めるのが苦手、ファーストタッチが荒い、インテンシティの低さーー。だったら代表チームでは、長期計画でこれらをひとつひとつ修正して行くしかない(本来なら育成年代でやるべきだが)

 課題から逃げているばかりでは、日本はいつまでたってもお山の大将だ。せいぜいアジアで優勝するレベルで終わる。W杯本大会で決勝トーナメントの常連をめざすなら、「ガラパゴス化した日本らしいサッカー」では100年たっても無理な話だ。
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【ロシアW杯】誤解が多かった「タテへの速さ」

2018-05-24 08:00:14 | 日本サッカー
長いスルーパスを出せ

 パスをつなぐことがプライオリティの最上位にある多くの日本人にとって、ロングボールほど評判の悪いものはない。「ロングボールを入れろ!」といえば、目をつぶって前方へアバウトな長いボールを放り込むことだと考えている。

 だがこれは単なる表現の問題である。ロングボールでなく「タテに長いスルーパスを入れろ」といえば、パスが大好きな日本人にたちまち受け入れられるのではないだろうか?

 攻守の切り替えが激しい世界レベルでは、縦に速いのはもはや当たり前だ。敵の最終ラインの裏にスペースがあれば瞬時にFWが走り込み、そこへ裏を突く長いスルーパスを出すのは常識である。

 ゆえに縦に速いのは第一選択。もしそれができなければポゼッションして揺さぶりをかける。この使い分けができなければ世界で勝てない。速攻か? 遅攻か? の二元論でなく、状況に応じた両者の使い分けが重要だ。

自分の頭で考える

 同様に、真ん中を攻略できればいちばんゴールに近い。ゆえに中央が第一選択。もしそれができなければ外を使って陽動作戦を取る。マーカーを引き連れてわざと真ん中を使い、サイドにスペースを作って外へ。あるいは逆に外を使い、真ん中にスペースを作って中央経由でゴールをめざす。

 監督に「サイドを使え」と言われたら、真ん中が空いているのに愚直にボールをサイドへ運ぶ。そんな指示待ちタイプの典型的な日本人ではダメだ。

 そうではなく「自分の頭」で考えて、状況に合わせたプレイをする。第一選択が無理なら、第二選択。それがダメなら第三選択。シチュエーションに応じ、柔軟にプレイできなければ世界に勝てない。
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【西野ジャパン】ケガ人続出、中島翔哉の追加招集はあるか?

2018-05-23 07:12:58 | 日本サッカー
4つのポジションをこなす中島はポリバレントだ

 西野監督がポルティモネンセの中島翔哉を選手選考から外したときのコメントは、「彼はポリバレントではない」だった。その後、批判を受けてか「(左サイドの選手が多いので)選択肢の中で選べなかった」と発言を修正している。なんとも不可解だ。

 まずポリバレントうんぬんに関しては、中島はポルティモネンセで左サイド、トップ下など4つのポジションでプレーしている。しかもそのプレイスタイルで10得点を上げた。かたやアシスト数に至ってはチームトップで、リーグ全体でも4番目に当たる12アシストだ。

 この通り彼は複数のポジションをこなすだけでなく、ゴール数を上回る頻度のアシスト・プレーを行っている。十分にポリバレントな選手といえるだろう。

 さらに彼にはパリ・サンジェルマンやベンフィカ、ポルト、スポルティング、ガラタサライ、シャフタールの6つのクラブから正式オファーが届いている。このほか興味を示しているクラブは10以上に上る。

 世界屈指のメガクラブであるパリ・サンジェルマンならば、ポルティモネンセが設定している2000万ユーロ(約26億円)の違約金も支払えるだろう。

 このように中島はポリバレント性をクリアしているだけでなく、実績面でもまったく申し分ない選手である。

日本代表のチーム事情も追い風に?

 一方、日本代表で中島と同じ左サイドの乾はケガをしており、代表合宿には参加しているものの宿舎にこもって別メニュー調整している状態だ。しかも左サイドが本職の宇佐美は今シーズン、所属チームでずっと右サイドをやっていた。

 その代表の右サイドは、シーズンが4月に終わりすでに1ヶ月も公式戦から離れている本田と、所属チームで試合に出られてなかった浅野だ。つまり2人ともコンディションがベストとはいえない。ならば宇佐美をその右サイドに回したっていい。そうすれば(乾がもしケガの回復が間に合わなければ)左サイドの候補は原口1人になる。

 さらには代表に呼ばれている4人のFWのうち、岡崎はケガで代表合宿の全体練習に加われておらず復帰の見通しは立ってない。かたやFWが本職の浅野は上記の通りの状態だ。だったら中島をFWとして加え、ウクライナ戦で務めたセカンドトップあたりをやらせてもいい。

 こんなふうにケガ人続出で野戦病院と化している日本代表では、中島が追加招集される条件は十分に整っている。そもそも代表選考は、選手のコンディション重視で行うべきだ。ならば西野監督は、今後の状況次第で思い切った決断をしてもいいのではないか?

 エゴイスティックにドリブルからシュートへ行くプレイが最も得意な中島は、ぶっちゃけ決定力不足の日本代表にあってダントツでゴールの匂いのする選手だ。そもそも点の取れる選手は、元来エゴイスティックなものと相場は決まっている。もし追加招集されれば、強力な切り札になるだろう。西野監督の英断を祈らざるをえない。
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【西野ジャパン】守備をやらない選手は外せ

2018-05-22 08:55:34 | 日本サッカー
攻撃陣の守備参加が勝利を呼ぶ

 ガーナ戦に向け、サッカー日本代表の国内合宿が始まった。だが集まったガーナ戦用の27名はあくまで「仮決め」であり、ここからロシアW杯本戦メンバー23名に絞り込まれる。

 では何を基準に当落を決めるのか? もちろん選手同士のポジションの兼ね合いやコンディションなども重要だが、いちばん重視してほしいのが「守備をやらない選手は外せ」という鉄則だ。

 例えば相手チームがボールを保持して攻めようとしている局面で、いまどきプレッシングもせず相手に自由にやらせるチームなどありえない。DFが守備をやるのは当たり前だが、それだけでなく最前線のFWも含めた攻撃の選手の守備参加が欠かせない。

 具体的には敵のボール保持者に対し、中のパスコースを切りながらプレスをかけて敵をサイドに誘導する。で、最後は狭いスペースに追い込みボールを刈り取る。いわゆる「ハメる」というやつだが、こうしたプレーにはFWやMFのプレスバックやコースの限定が必須だ。

 ましてや日本はW杯ではいちばん格下の最弱国。ならば、まず守備から入ってなるべく失点しない戦い方が求められる。

 であれば、自分がボールを失ったらその場で足を止めて悔しがるだけで、守備に参加する意識のない選手は真っ先にメンバーから外すべきだ。西野監督には、まずそこを基準にしてほしい。

死命を制する攻守の切り替え

 サッカーには、4つの局面しかない。まず自分たちがボールを保持した(1)攻撃の局面だ。そこから(2)ボールを失い守備に移ろうとする攻守の切り替え、つまりネガティブ・トランジションの局面。

 そして次に来るのが(3)しっかり守備隊形を作って組織的なプレッシングをする守備の局面。次いで首尾よく敵からボールを奪い返し、今度は(4)攻撃に移ろうとする守から攻への切り替え、すなわちポジティブ・トランジションの局面ーーを迎える。

 サッカーでは、以上の4つの局面が順番に無限ループしている。

 特に攻守の切り替えが速い現代サッカーでは、ボールを失った直後は速いカウンターを食らう可能性が高い。ゆえに上記(2)の攻から守への切り替えの場面で「攻撃の選手が」プレッシングやプレスバックをサボったり、リトリート(帰陣)対応せずその場で足を止めてしまうなどというのは論外だ。

 具体的には宇佐美や香川あたりが怪しいが、27人から23人に絞る段階ではそこをよく見るべきだ(逆に岡崎などは真逆にあたる貢献度の高い選手である)。

 現代サッカーでは、守備をやらないFWやMFに用はない。その点をチームで意思統一し、強く自覚してほしい。
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【ロシアW杯】幻の中島ー堂安ジャパン、見参!

2018-05-21 07:13:40 | 日本サッカー
骨董ビッグ3なんていらない


                 ◯武藤嘉紀

                 ◯中島翔哉

      ◯伊藤達哉                  ◯堂安律

             ◯大島僚太     ◯柴崎岳

      ◯酒井宏樹                  ◯遠藤航

             ◯植田直通     ◯昌子源

                 ◯中村航輔


思わず応援に力が入る

 西野ジャパンで外された中島翔哉と堂安律が軸になるヤングジャパンって、どんなかなぁ? と思ってちょっと作ってみた。

 フォーメーションは中島をセカンドトップに据えた4-4-1-1。中島は武藤の周りを衛星的に動き、武藤は前線でポストにもなれるので、彼が落としたボールを中島がズバッと決める。こりゃ思わず応援に力が入るでしょう。

 武藤と柴崎、酒井、昌子あたりは西野ジャパンからトレードし、あとは超若手ばかりで要所を押さえる。堂安と伊藤が両サイドを切り裂き、柴崎と大島がスルーパスを連発して武藤&中島が打ちまくる。熱いぜー。

 これなら2022年カタールW杯への新鮮な布石にもなるし、将来に向けて明るい希望が持てる。なにより骨董ビッグ3が仕切って自分たちだけが気持ちいい「自分たちのサッカー」を繰り広げるより、はるかに生産的だ。

 テーマは若い日本の「個の力」がどこまで通用するか? おもしろそうだなぁ。
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【代表メンバー発表】視聴率重視の「電通ジャパン」が発進

2018-05-19 06:27:31 | 日本サッカー
なぜ中島が外されるのか?

 5月30日のガーナ戦に向けた代表メンバーが発表された。予想通り本田、香川、岡崎のビッグ3が入閣。いかにも日本人監督らしい年功序列のナアナア人事だ。テレビの視聴率を気にしてでもいるのだろうか。オフ・ザ・ボールと守備がダメな宇佐美が入ったのも心外だ。(MF青山敏弘が選ばれたのは納得だが)

 それにしても若手ながら実績があり将来性豊かな中島翔哉がなぜ外されるのか? 現有戦力で最もゴールの匂いがする選手だ。「左サイドはもう満員だから」というなら、セカンドトップ枠ででも入れるべきだった。これで日本は飛び道具を失った。ロシアW杯最大の楽しみが消えた。

 逆にハリル時代は冷遇されていたFW武藤嘉紀が復活したのは朗報だ。日本の得点源は彼にかかっている。大迫との2トップは鉄板だろう。ただし岡崎はコンディションさえよければ「守備的FW」として試合展開などに応じて絡んでくるだろう。

 一方、大島僚太の選出にも光を感じた。彼はひ弱で線が細くいまいち信用していなかったがマリ戦で見方を変えた。ただ川崎フロンターレのユルいサッカーに慣れているせいで香川と並びインテンシティが低く、ハリルジャパンのような強靭なフィジカルが要求されるような試合展開にはついていけずにケガを連発した。そこが彼の今後の課題だろう。

 総評としては、西野監督はベテランの経験重視で手堅い選考になった。また複数のスタイルでプレイできるポリバレント性を強調している。逆にいえばハリルが選手交代でやっていた、特定の時間帯やシチュエーションに特化したスペシャリストを切り札に使うような試合運びは減りそうだ。

 選出された日本代表メンバーは以下の通り。

【GK】
川島永嗣(メス)
中村航輔(柏レイソル)
東口順昭(ガンバ大阪)

【DF】
酒井宏樹(マルセイユ)
長友佑都(ガラタサライ)
吉田麻也(サウサンプトン)
遠藤航(浦和レッズ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
槙野智章(浦和レッズ)
酒井高徳(ハンブルク)

【MF】
長谷部誠(フランクフルト)
本田圭佑(パチューカ)
香川真司(ドルトムント)
青山敏弘(サンフレッチェ広島)
乾貴士(エイバル)
山口蛍(セレッソ大阪)
三竿健斗(鹿島アントラーズ)
柴崎岳(ヘタフェ)
大島僚太(川崎フロンターレ)
井手口陽介(レオネサ)
宇佐美貴史(デュッセルドルフ)
原口元気(デュッセルドルフ)

【FW】
大迫勇也(ブレーメン)
岡崎慎司(レスター)
武藤嘉紀(マインツ)
浅野拓磨(シュツットガルト)
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【ロシアW杯】日本人選手の「素の力」が試される

2018-05-18 06:47:11 | 日本サッカー
日本の現在地を確認する大会だ

 本番直前に突如ハリルホジッチ前監督が解任され、とってつけたように西野監督が就任したサッカー日本代表である。

 本番まで間がなく、監督が選手に戦術を落とし込む時間などない。ゆえに「これが日本のサッカーだ」と世界に問うべき看板もない。急場しのぎで選手同士の連係もない。そもそもそんな日本が大会に参加する意義などない。ないない尽くしで臨む前代未聞の大会である。

 だがせっかく出場するのだから、なんとか参加することの意味を見出したい。で、ない頭を振り絞って考えたがひとつだけあった。

 戦術というある種の「ごまかし」がない今回の日本代表が迎えるロシアW杯では、日本人選手の「素の力」がハッキリ出る。海外との技術の差や、選手個人が備える個人戦術の力量差が明確に示される。とすれば悲惨な結果になることが予想されるが、決して結果から目をそらしてはいけない。

 なぜならロシアW杯に出る日本にとっての唯一の意義は、日本人の地力をあえて晒して再確認し、日本に足りないものは何か? を自己認識することだからだ。

 たとえグループリーグ3連敗に終わったとしても、そこから教訓と未来への指針を学ばなければならない。そうしない限り、日本にとってロシアW杯に参加する意義などない。
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【ポゼッション信仰】ボール保持率が上がれば本当に失点の確率は減るのか?

2018-05-16 08:53:41 | 日本サッカー
ボールを持ってる限り失点しないのウソ

 サッカーでは、「ボールを保持している限り失点しない」とジョークまじりによく言われる。だが本当にそうだろうか? むしろ逆にポゼッションしているチームは、常にカウンターを受ける危険と隣り合わせにいる。サッカーに「絶対」なんてありえない。

 攻撃に必要なのは幅と奥行きだ。ゆえにボールを奪取し攻撃に移ったチームの選手は、ピッチいっぱいに広がり前がかりになる。これを守備側の選手から見れば、スペースがたっぷりできた状態に映る。特にライン裏にはおいしい空間が広がっている。トランジションの重要性が言われるのはそれゆえだ。

 すなわちサッカーにおける攻撃とは、いかに自らバランスを崩して攻めるか? 逆に守備とはいかにバランスを保って守るか? そのせめぎ合いである。

 とすれば攻めている状態というのは、刀を構えている敵の前に首をさらし「どうぞカウンター攻撃をしてください」と言ってるのと同じだ。

 ヨーロッパや南米の強豪国でさえそうなのだから、こと日本式パスサッカーの場合はなおさらである。

 長いパスを蹴る・止めるのが苦手な日本人は、狭いエリアに複数の選手が集まってショートパスを交換する。裏を返せばボールを奪われカウンターを受ければ、さっきまでボールに群がっていた3〜4人の日本人選手はまとめて置き去りにされる。つまりガラパゴス化した日本のパスサッカーは、強豪国と比べとりわけカウンターに弱いのだ。

 ワールドカップで日本が「ボールをつなぐサッカー」を志向する限り、カウンターの危険はついて回る。それを防ぐには日本人が長いパスをコントロールする技術を身につけるか、日本ならではの特殊なカウンター対策をひねり出すか。ふたつにひとつしかない。

 こと日本に限っては、「ボールを保持する限り失点しない」なんてジョークでは笑えないのである。
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【ロシアW杯】西野ジャパンの3バックを深読みする

2018-05-15 06:52:58 | 日本サッカー
1人余らせ後方からビルドアップする

 西野ジャパンは長谷部をリベロに据えた3バックを採用するのではないか? というウワサが飛んでいる。そこで今回は、そうなった場合の機能や人選を深読みしてみよう。

 まず最終ラインの顔ぶれは変わらないだろう。長谷部と吉田、槙野は所属チームで3バックの経験があり、習熟度に問題はない。両ウイングバックの長友と酒井(宏)も守備的にやるならポジショニングにそう変わりはない。逆に両ウイングバックを上げて3-1-4-2に変化すれば、ハイプレスもかけられる。

 一方、西野監督の就任会見での発言によれば、ボールをつなぐサッカーをしそうだ。とすればハリルジャパンとちがい、最終ラインからていねいにビルドアップする必要があるが、例えば相手チームが2トップでプレッシングをかけてきた場合も、3バックなら1人余らせてボールを回すことができる。これでウイングバックがサイドに高く張り出し、CBからパスを受ける角度を作る。そして最終ラインからのビルドアップができれば、今度は長谷部が1列上がって中盤の組み立てにも参加できる。

 ただし仮に最終ラインの前にアンカーを置き、2枚のMFと組ませる場合、人選が悩ましい。ハリルジャパン時代にはバイタルエリアが空いてしまう問題を抱えていたからだ。思わずアンカーに長谷部がもう1人ほしくなってしまう。


          ◯大迫    ◯岡崎(武藤嘉紀)

          ◯乾(原口) ◯柴崎(本田、大島)

   ◯長友        ◯青山(山口蛍)     ◯酒井(宏)
        
          ◯槙野 ◯長谷部 ◯吉田

              ◯川島


 となればアンカーの第一候補はベテランの青山か(注/青山はその後ケガで離脱)。ひょっとしたら西野監督は長谷部を一列下げてリベロに使うことを想定し、新アンカー候補として青山を呼んだのかもしれない。あるいは、人について行きバイタルを開けてしまう山口蛍を「真ん中から動くなよ」と洗脳した上でアンカーに据えるテもある。で、その前の2MFに攻撃的な乾や柴崎、原口、本田、大島あたりを選ぶ。

 2トップは、まず守備から入るなら大迫と岡崎だ。岡崎は中間ポジションを取り、敵MFへのパスコースを切りながら相手CBに有効なプレッシングをかけるのがうまい。中盤に下がって献身的な守備もできる貴重な存在だ(ただし彼の起用はコンディション次第だが)。ロシアW杯での対戦相手との力関係を考えれば、日本はどうしても守備重視にならざるをえない。岡崎のケガからの復帰に期待したい。

 一方、攻撃的に行くなら大迫とマインツの武藤(嘉)で決まりだろう。前監督のハリルは、なぜ武藤をほとんど呼ばなかったのかまったく謎だ。武藤はインテンシティが高くハードワークもできるし、自分で点を取るだけでなくポストプレイもこなせる。ゆえにハリル時代とちがい、武藤が落として大迫がシュートに行くこともできる。そして逆に相手ボールになれば、2トップの片方が下がって自陣に5-4のブロックを作り守備対応する。

 急場しのぎの日本に失うものは何もない。思い切ってやってほしい。
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【サッカー日本代表】日本化したサッカーで世界に勝てるか?

2018-05-12 08:08:44 | 日本サッカー
「自分らしさ」をはき違えるな

「なんでも外国のマネをすればいいわけじゃない。もっと自分達らしさを出すべきだ」

 オシムが語った「サッカーを日本化する」というコンセプトには知的興奮を覚えたし、傾聴に価する部分もあった。自信をもっていいんだ、と勇気づけられもした。だが暗黒面もある。

「なーんだ。オレ達、ありのままでいいんじゃないか」

 日本が世界で勝てない方向へと堕落する、いわゆる日本サッカーのガラパゴス化に免罪符を与えてしまった一面があると思う。

 例えばいま、左のSBがボールを保持している。と、逆サイドで右前に開いた味方のWGがフリーで裏のスペースに走り込んだ。そこへフィールドを斜めに横切るロングパスを出し、ピンポイントでサイドチェンジすれば大チャンスになる。

 だが日本人は長いボールを蹴ったり止めたりするのが苦手だ。技術的にむずかしい。で、左SBはフィールドの真ん中にいる味方をいったん経由し、サイドチェンジしようと試みる。だがもちろん、それでは遅い。たちまち敵にポジショニングを修正され、右WGが裏を狙ったチャレンジは水泡と化すーー。

 つまりフィールドの真ん中にいる味方にいったんパスを出し、彼を経由して逆サイドにサイドを変えようという2段式の日本的サイドチェンジは効力が薄いわけだ。

 これに類する日本式プレイは山のようにある。例えばペナルティエリアに入らなければシュートを打たない、などというのもそれだ。このテの日本人が抱える修正すべき課題に対し、「サッカーを日本化する」論は「ありのままでいいんだ」というまちがった肯定感を与えてしまった。

「自分らしくあっていい」「個性を生かせばいい」「長所を伸ばそう」

 とても魅惑的な言葉だが、ことサッカーにおいては当てはまらない場合もある。

 そういうことである。
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【サッカー日本代表】「見たい」サッカーと「すべき」サッカーはちがう

2018-05-10 06:04:03 | 日本サッカー
個人的願望とめざすべきスタイルを混同するな

 日本が世界で勝つにはどんなサッカーをやるべきか? そんなお題で熱く論じる人のうち、けっこう多くの人が「日本人の長所を生かしたサッカーをすべきだ」という。で、それってどんなサッカーなの? とさらに聞いているとこう言う。

「日本人の足元の技術の高さや敏捷性、組織性を生かし、グラウンダーのショートパスを使ってワンツーやダイレクトプレーを織り交ぜポゼッションし、主導権を握るサッカーをしたい。前が詰まったら何度でもバックパスしてやり直し、最終ラインから丁寧にビルドアップすべきだ」

 え? でもそれって一時のバルセロナじゃん、みたいな。

 つまりその人はバルセロナ教の信者であり、そんなスタイルを見たいと強く願ってる。で、日本代表にもそういうサッカーをやれと主張する。「長所を生かすべきだ」なんて論拠は単なる刺身のつまで、要は「俺はこういうサッカーが見たい。だからやれ」。そういう話なのだ。

 この場合、自分が「見たいサッカー」と、日本代表が「やるべきサッカー」がごっちゃになっている。前者は単なる個人の主観(好み)だが、後者はきちんと客観性のある論拠がベースにあるべきだ。つまり主観と客観を区別できてない。

 日本人は何かについて言及するとき、つい感情(主観)に引きずられて論理性(客観性)に欠けた主張をしてしまうことがよくある。なぜかこのテの人は「長所を生かせ」論の人に多く、その実、「自分の好みを言ってるだけ」だったりする。なんだか議論の仕方がおかしい。

欠点を長所で覆い隠せば勝てる?

 日本が世界で勝つにはどんなサッカーをやるべきか? を論じる以上、そのサッカーをすれば日本が世界で勝てる客観的な論拠を添えるべきだ。「俺はバルセロナが好きだからそういうサッカーが見たい」というのは、論拠にならない。

「長所を生かせば勝てる」というなら、「でも短所を突かれたらどうするの?」と強く思う。このテの論者は決まって「日本人はフィジカルがなく1対1や個が弱い。そこで勝負すると負ける。だから日本人の長所である組織性や敏捷性を武器にすべきだ」という。

 つまり欠点には目をつぶって放置し、短所を長所で覆い隠せば勝てるんだ、というわけ。いやストロングポイントで勝負するのは当然だけど、1対1や個の強さ、フィジカルなんてプロとして当然そなえておくべきだ。そこが弱いなら強くすべきだろう。

 長所を生かすのは当たり前だが、同時に欠点があれば修正すべきだ。なぜこういう議論にならないのか不思議でしようがない。要はこのテの論者は「フィジカルや個で勝つサッカーは好きじゃない。だから見たくない」というだけなのだ。ここでも個人的な好み(主観)と、やるべきサッカー(客観)を混同してしまっている。

 日本が世界で勝つにはどんなサッカーをすべきか? それを論じるなら、主観と客観をしっかり区別するべきだ。でないと「どんなサッカーを見たいのか?」という、単なる人気投票になってしまう。
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