すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ラ・リーガ 22/23 第23節】なぜ久保は消えたのか? ~バレンシア 1-0 レアル・ソシエダ

2023-02-28 05:00:00 | その他の欧州サッカー
久保にはマーカーが2枚ついた

 久保建英が所属するレアル・ソシエダは現地時間2月25日、ラ・リーガ第23節でバレンシアと敵地で戦い、0-1で敗れた。期待の久保は降格圏の19位に落ちていたバレンシアを相手にほとんど試合から消え、まったく輝けなかった。

 このゲームでソシエダのイマノル・アルグアシル監督は4-3-3のフォーメーションを採用し、久保はその右ウイングに入った。

 一方、この試合、バレンシアはある対策を用意してきた。それは「久保にボールが入ればマーカーを2枚つける」というものだった。

 このため久保はボールを保持しても自由にプレーできなかった。で、彼はマークを嫌がり、逆サイドの左へポジション・チェンジしたり、センターに移動したりした。だが、思うように行かない。

 かくて前半40分、それでもポゼッション率60%だったソシエダは相手のカウンターを浴び、敵のクロスをクリアしようとしたDFイゴール・スベルディアのオウンゴールで失点した。

 この難局を打開しようとソシエダのアルグアシル監督は、後半に入るとフォーメーションを中盤ダイヤモンド型の4-4-2に変え、久保をトップ下にもってきた。

 だが結局これもうまく行かず、久保は消えたまま。彼は後半28分に交代となり、試合も落としてしまった。

オフ・ザ・ボールがダメな久保の欠点が出た

 ではなぜ、久保は輝けなかったのか? それは持ち前の欠点が出てしまったからだ。

 久保はもともとオフ・ザ・ボールの動きがダメで、ボールのないところでは「我関せず」だった。ボールを持ってこそ輝く、典型的なボールプレイヤーなのだ。

 当然、守備の意識にも乏しく、相手ボールになったら歩いているような選手だった。

 また自分にしつこいマークがつくととたんにプレーがイヤになり、ちょっとチャージされるとプレーをやめてしまう。で、大げさに倒れてファウルをアピールしたりしていた。

 レアル・ソシエダに来るまでの久保は、こんなふうだった。

「天才」というものは、気まぐれなものなのだ。

カタールW杯がバネになり生まれ変わった

 ところが久保はあのカタールW杯で思ったように出場できず、くやしい思いをした。それが大きなバネになり、W杯後はまったく別人のように変わった。いい意味でガムシャラにプレーするようになったのだ。

 例えば味方がボールを保持すると、絶えず自分にボールを呼び込むオフ・ザ・ボールの動きをする。止まらず、献身的に走る。また相手ボールになれば懸命に守備もした。

 これにより彼はカタールW杯後、自リーグで生まれ変わったように活躍した。このあたりの変遷は、この記事でも分析した通りだ。

 だがこのバレンシア戦、ボールをもった久保には2枚のしつこいマークがつき、またぞろ彼の病気が出た。要所でプレーをやめてしまったのだ。

 これは最近、対策されて封じられることが多くなったプレミアリーグ・ブライトンの三笘薫にもいえることだが……本当に優れた選手というものは、策を講じられてこそそれを乗り越え活躍するものだ。

 その意味では対策されるようになった久保は、やっと一人前。これからが勝負である。

 久保はどうやってマーカーをかいくぐり、「自分を出す」のか?

 しっかりと見届けさせてもらおう。

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【プレミアリーグ 22/23 第25節】アーセナルが重苦しいゲームを制す ~レスター 0-1 アーセナル

2023-02-27 05:00:00 | イングランド・プレミアリーグ
相手の守備に苦しみながらもワンチャン勝ち

 現地時間25日にプレミアリーグの第25節が行われた。冨安健洋が所属する首位アーセナルが、14位に低迷するレスターに1-0で辛勝した。

 アーセナルの攻撃時、レスターはミドルプレス~ロープレスで粘り強い守備を見せた。アーセナルは中を締めるレスターの集中守備に合い、攻撃がうまく行かず苦しんだ。

 アーセナルのフォーメーションは4-3-3。スタメンはGKがアーロン・ラムスデール。最終ラインは右からベン・ホワイト、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ、オレクサンドル・ジンチェンコ。

 中盤はマルティン・ウーデゴール、ジョルジーニョ、グラニト・ジャカ。3トップは右からブカヨ・サカ、ガブリエル・マルティネリ、レアンドロ・トロサールだ。

 一方、レスターのフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKがダニー・ウォード。最終ラインは右からティモシー・カスターニュ、ハリー・サウター、バウト・ファエス、ヴィクトル・クリスティアンセン。

 2CMFはカーナン・デューズバリー・ホールとウィルフレッド・ヌディディ。2列目は右からテテ、デニス・プラート、ハーベイ・バーンズ。ワントップはケレチ・イヘアナチョだ。

マルティネリが先制ゴールを上げる

 試合は序盤からアーセナルがボールを握って押し込むが、レスターの守備に合いパスワークが心なしかたどたどしい。

 そんな重苦しい空気を吹き飛ばしたのが、前半26分だ。

 アーセナルのCK崩れから、トロサールが落ち着いてゴールを決めた。だがその直前にアーセナルの右SBベン・ホワイトがレスターのGKダニー・ウォードの腕を掴み込んでいたことが発覚し、結局、ノーゴールに終わった。

 一方のレスターは31分。テテのスルーパスで裏抜けしたケレチ・イヘアナチョが鮮やかにゴールを決める。だがこれはオフサイドで取り消された。

 かくて両者は痛み分けの無得点同士で前半を折り返すと、後半1分だ。トロサールが又抜きの絶妙なパスをマルティネリに出す。すると、それを受けたマルティネリが右足でファーにボールをうまく流し込んだ。

 このあとアーセナルはジンチェンコのミドルシュート、FKからのガブリエウのヘディングシュートと畳み込むようにゴールマウスを狙うが、GKウォードの好セーブに阻まれスコアは動かず。

 勝ち切りたいアーセナルは後半アディショナルタイムに冨安を投入、辛くも逃げ切った。アーセナルはアウェイで苦しみながら貴重な勝ち点3を手にした。

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【J1 第2節】相手の色に合わせた横浜FMが完勝する 〜横浜FM 2-0 浦和

2023-02-26 05:00:00 | Jリーグ
両軍、開幕戦と同じスタメンで臨む

 開幕戦で川崎フロンターレに2-1で勝った横浜F・マリノスが、浦和レッズをホームに迎えた一戦だ。

 両チームとも開幕戦と同じスタメンで臨んだ。試合は2-0で横浜FMの勝利。開幕2連勝だ。前半18分にFWアンデルソン・ロペスが先制ゴールを上げ、続く後半44分にはFWヤン・マテウスが2点目を取った。

 横浜FMは持ち前のハイライン・ハイプレス色をさほど出さず、相手のやり方に合わせてボールを繋いでよく攻めた。自分たち本来のリズムではなかったものの、流れに応じてうまく試合を運んだ。対する浦和は前からプレスをかけようとするが、なかなかハマらず。攻勢に転じることができない。

 かくて前半にバタついた浦和は、後半の立ち上がりから興梠慎三が途中交代で入ると流れを引き寄せた。しかしなかなか決め手を欠き、試合をひっくり返すまでには至らなかった。

 横浜FMのフォーメーションは4-2-1-3。スタメンはGKがオビ・パウエル・オビンナ。最終ラインは右から松原健、畠中槙之輔、角田涼太朗、永戸勝也。CMFは渡辺皓太と喜田拓也。トップ下に西村拓真。3トップは右から水沼宏太、アンデルソン・ロペス、エウベルだ。

アンデルソン・ロペスが先制点を取る

 横浜FMの先制点は前半18分だった。中盤に降りたアンデルソン・ロペスがボールを収めて縦パスを入れる。これをエウベルが中央で落とし、ロペスが大きく左に振った。

 ボールを受けた永戸は、ペナルティエリア手前左から逆サイドに展開。右にいた西村がこれを折り返し、アンデルソン・ロペスがヘッドで決めた。

 続く横浜FMの2点目は後半44分だ。マルコス・ジュニオールがフリックして西村が受ける。西村はペナルティエリア内で左のヤン・マテウスに送り、ボールをもらったマテウスが左足でゴールを決めた。

 これで横浜FMは開幕から2連勝と好調なスタートを切った。一方の浦和はマチェイ・スコルジャ新監督のもと、手痛い2連敗になった。さあこれから山あり谷ありのシーズンの始まりだ。

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サッカーメディアは三笘と久保の「ベタ褒め」をやめろ

2023-02-25 05:00:00 | その他の欧州サッカー
歯が浮くようなお世辞ばかり

 さすがにもう、うんざりしてきた。

 何がって、ネット上で連日くり返されている、サッカーメディアの三笘や久保への絶賛ぶりが、だ。

 だいたいパターンは同じ。

 客観性などない、ベタベタな褒め方が多い。

 たとえば海外の地元紙をそっくり引用し「イングランドのあの名将も三笘をこう礼賛している」みたいなパターンばかりだ。

 読むと褒め方がどれも抽象的で、どーでもいいお世辞みたいな内容がズラリ。突っ込んだ具体的なプレイの分析があるわけじゃなし。「ジャーナリズム」などとはまるでかけ離れている。「これは広告じゃないのか?」と思うような書き方が八割方である。

 まったくうんざりする。

 ひょっとしてメディアが選手についてるスポンサーと結託し、絶賛報道することで三笘や久保の「株価」を釣り上げようとしてるんじゃないか? などと思わず疑ってしまうほどだ。

 まあ、アクセスが取れるからやってるんだろうけど……。

 おかげでタイトルに「三笘」または「久保」と入ってる記事は、サッサと読み飛ばすようになってしまった。

 やれやれ。

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【ブンデスリーガ 22/23 第20節】トランジションがすべてを決める ~ケルン 3-0 フランクフルト

2023-02-24 03:35:02 | その他の欧州サッカー
息もつかせぬ切り替えの速さ

 少し時間がたつが、とんでもなくおもしろい試合だったので取り上げよう。ドイツ・ブンデスリーガのケルンが、カウンターとセットプレーで強豪フランクフルトを3-0で下した第20節のゲームである。

 この試合、何がおもしろいってトランジション(攻守の切り替え)とボールスピード、そしてプレイスピードがハンパなく速くて息もつかせぬ展開だった。試合が終われば思わずぐったり。心地よい疲れ、ってこういうのを言うのだろう。

 さてケルンのフォーメーションは4-2-3-1だ。スタメンはGKがマルビン・シュバーベ。4バックは右からベンノ・シュミッツ、ティモ・ヒューバース、ユリアン・シャボ、ヨナス・ヘクター。

 CMFはエリス・スキリとエリック・マルテル。2列目は右からリントン・マイナ、デニス・フセインバシッチ、フロリアン・カインツ。ワントップはシュテフェン・ティゲスだ。

 一方、フランクフルトのフォーメーションは3-4-2-1。GKはケビン・トラップ。3バックは右からトゥタ、長谷部誠、エバン・ヌディカ。

 CMFは鎌田大地とジブリル・ソウ。右WBはアウレリオ・ブタ、左WBはフィリップ・マックス。2シャドーはイェスパー・リンドストロームとマリオ・ゲッツェ。ワントップはランダル・コロ・ムアニである。

敵CKからロングカウンターを決める

 まずケルンの1点目は後半4分、左CKから。ショートコーナーでキッカーのカインツはマイナとワンツーし、ゴールに向かう強くて速いプラスのクロスを送る。これをヒューバースがヘッドで沈めた。

 続く2点目は後半26分だ。フランクフルトの左CKを弾き返したケルンが、ボールを収めてロングカウンターをかける。マイナが横パスし、途中出場のサルギス・アダミヤンがシュート。これはフランクフルトのGKトラップに防がれたが、こぼれ球をスキリがヘッドで押し込んだ。

 このカウンターは、まるでロシアW杯で日本がベルギーに食らった素早いロングカウンターそっくりでおもしろかった。

 さて最後の3点目は後半41分。左サイドから入れたアーリークロスがクリアされたが、ペナルティエリア内にいたスキリがワンタッチで右足でのシュートを決めた。これでスキリは「ドッペルパック」(ドイツのサッカー用語で「2得点すること」)だ。

 この試合、今シーズン好調のフランクフルトが前半に2度の大きなチャンスを得たが、決めらなかった。すると絵に描いたように流れがケルンに傾き、速いカウンターと2度のCKがらみで3点を取り見事に勝利した。

 ケルンはリズムが非常に歯切れよく、スピーディでクイック。運動量が多くハードワークする。テンションが高くて血管ブチ切れそうだった。特に相手の力を利用したロングカウンターには目を見張った。とても12位にいるチームには見えない。いっぺんでファンになりました。ハイ。

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【J1リーグ・2023】優勝争いは横浜FM-川崎Fの変わらぬ構図だ

2023-02-23 06:29:11 | Jリーグ
横浜FMの開幕戦以外、おもしろい試合がない

 J1リーグの第1節を全試合、見た。だが優勝しそうに思える力を持ったチームは、先陣を切った開幕戦の横浜FMと川崎F以外にない感じだ。

 サッカージャーナリストや解説者などの予想ではC大阪や広島あたりの名前が挙がっているが、「いったいどこに目をつけているのか?」というありさまだった。

 そんななかで唯一「おもしろい」と思ったのは、アルビレックス新潟のサッカーだった。グラウンダーの強くて速いパスを2タッチ以内でリズミカルに繋ぐことにあくまでこだわり、ポゼッションを高めて局面を打開していく。彼らはマイボールを大事にし、パスが次々に繋がるから見ていておもしろい。

 つくづく「専門家」の見どころ予想とか優勝予想はあてにならないな、と感じた。

 まあ新潟はあのスタイルだとプレッシングとカウンターに弱そうだから、優勝までは無理だと思うが。

 ほかに(優勝は別にして)まあまあ「いい」と思ったのは、湘南と鹿島、名古屋、柏あたりだった。

「専門家」の見立てとはあまりにかけ離れていておもしろい。 

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【J1リーグ】炸裂する横浜FMのショートカウンター ~川崎F 1-2 横浜FM

2023-02-18 07:32:09 | Jリーグ
王者の貫禄を見せた横浜FM

 J1リーグの開幕戦が17日、等々力競技場で行われた。連覇を目ざす昨季王者の横浜F・マリノスが、川崎フロンターレを2-1で下した。ポゼッション率37%の横浜が、持ち前のショートカウンターで川崎を粉砕した。

 試合はハイライン&ハイプレスの横浜と、ショートパスをつなぐポゼッションサッカーの川崎との激しいつばぜり合いになった。フォーメーションは横浜が4-2-1-3、川崎が4-1-2-3。川崎は右SBの山根視来が偽SB化してアンカー脇を埋めた。これにより3-2-5に可変し、ビルドアップ及び被カウンターに備える新機軸を見せた。

 前からしきりにハイプレスをかける横浜は前半4分。川崎のGKチョン・ソンリョンのフィードを至近距離で横浜のエウベルが頭でカットし、トップ下の西村拓真が余裕をもってコースを狙い右足で先制点を挙げた。好調の西村は日本代表への招集もあるのではないか?

 横浜はチームコンセプト通りの、ハイプレスからのショートカウンターが痛快に決まった形だ。

「ボールをもつ側が勝つとは限らない」

 そして横浜の2点目は前半38分だった。

 横浜の左SB永戸勝也が左CKからゴール前へクロスを入れると、FWアンデルソン・ロペスが頭で落とし、それをエウベルが倒れ込みながらオーバーヘッド気味のシュートを叩き込んだ。

 これに対し川崎は試合終了間際の後半46分、左SBの佐々木旭がこぼれ球を拾って縦に持ち運び、ペナルティエリア左から中央へ横パスを出す。それに走り込んだアンカーの橘田健人が右足で合わせ、1点を返すのがやっとだった。

 川崎は後半に盛り返しさかんにポゼッションしたが、横浜の守備にあいゴールが遠かった。負けた川崎のポゼッション率は63%。横浜がカウンターの威力を見せ、「ボールをもった側が勝つとは限らない」というサッカーの一面の真理を立証した試合だった。

 横浜FMは今年も暴れそうだ。

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【日本人】「バックパス癖」という日本人の国民病を超えろ

2023-02-17 08:22:20 | サッカー戦術論
安易にバックパスに逃げる日本人

 現地時間15日に行われたプレミアリーグ第12節(延期分)のアーセナル対マンチェスター・シティー戦。

 アーセナルの冨安が不用意なバックパスをシティのデ・ブライネにかっさらわれて失点するのを見て、思わず柴崎岳の例のバックパスを思い出してしまった。

 そう、カタールW杯アジア最終予選のサウジ戦で、柴崎のバックパスがさらわれゴールされて1-0で負けたあの試合だ。

 しかもマンチェスター・シティーの名将ペップは、日本人の「バックパス癖」を見抜いていたような観すらあるーー。

 日本人のバックパス癖については過去記事「バックパス症候群という病」でも書いたが、どうも日本人はバックパスに対する抵抗感がないような気がする。

 いや、というよりむしろバックパスを「よいプレー」のように考えているフシがある。

 いざとなったらバックパスに逃げればいいーー。

 バックパスは楽だから頼ればいいーー。

 日本人はこういう意識で、安易なプレー(バックパス)をしているように思えるのだ。かくて日本人のバックパスは「国民病」となり、深く根を下ろしているような気がする。

 国民的な啓蒙と、意識改革が必要だろう。

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【プレミアリーグ 22/23 第12節】首位攻防の天王山をシティが制す 〜アーセナル 1-3 マンチェスター・シティ

2023-02-16 07:50:21 | イングランド・プレミアリーグ
シティがついに首位に立つ

 延期されていたプレミアリーグの第12節が行われ、黄金のカードが実現した。首位アーセナルは勝ち点51。他方、1試合消化数が多い2位のマンチェスター・シティは勝ち点48で追いかける2位。まさに天王山の戦いだ。

 試合はシティがデ・ブライネのゴールで1点先攻し、アーセナルが追いつくシーソーゲームになったが、最後はシティが2点を連取して試合を決めた。

 アーセナルのフォーメーションは4-3-3。シティは3-2-4-1。両チームとも最終ラインからグラウンダーのボールを丁寧につないでビルドアップする。

 アーセナルが最終ラインでボールを保持時、シティはミドルプレスだ。そう前から行かない。アーセナルの左SBジンチェンコは偽SB化している。一方、シティのビルドアップ時には、アーセナルは激しくハイプレスをかける。

 前半24分。富安のバックパスをデ・ブライネがかっさらい、前に出たGKラムスデールの頭上を抜くシュートを決める。試合が動いた。シティが先制。冨安は致命的なミスだった。

 一方、前半42分。シティのGKエデルソンがエンケティアとぶつかりPKを取られる。ブカヨ・サカがPKを決め、これで1-1の同点になる。

ハーランドがダメ押しの3点目を決める

 後半から、シティはアーセナルがボール保持時、ハイプレスをかけ始めた。

 後半16分。シティはマフレズに代えてアカンジを投入。システムを4-2-3-1に変えた。

 後半27分。アーセナルのガブリエウがバックパスをカットされ、ボールはシティへ渡る。ハーランドからギュンドアン、グリーリッシュと渡って最後はグリーリッシュが鮮やかにゴールを決めた。2点目だ。

 後半31分、アーセナルがガブリエル・マルティネリに代えてトロサールを投入。一方、後半32分にシティはグリーリッシュに代えてフォーデンを入れる。

 そして後半37分。最前線でギュンドアンが前縦のデ・ブライネにパス。デ・ブライネがハーランドにマイナスのパスを送り、ハーランドがきっちり決めた。ダメ押しの3点目だ。

 この結果、勝ち点51で並んだ両者は、得失点差でマンチェスター・シティがとうとう首位に立った。このあとのプレミアリーグはますます見逃せなくなりそうだ。

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【ラ・リーガ 22/23 第21節】久保建英が1ゴール&敵OG誘発 〜エスパニョール 2-3 レアル・ソシエダ

2023-02-15 09:26:12 | その他の欧州サッカー
ソシエダが3点先取し突き放す

 現地時間13日に開催されたラ・リーガ第21節で、久保建英のレアル・ソシエダがエスパニョールと敵地で対戦した。4-3-3の右WGでプレーした久保は先制ゴールを上げたほか、クロスで敵のオウンゴールを誘発する活躍をした。

 エスパニョールは割り切って後方からロングボールやアーリークロスを入れてくる。それをレアル・ソシエダが拾って攻める、という展開になった。

 ソシエダはグラウンダーのボールで丁寧にビルドアップするほか、サイドへの放射状の浮き球も使って組み立てる。それに対しエスパニョールは4-4-2で守備をしている。

久保が左足で弾丸シュートを放つ

 すると前半23分。左サイドからイジャラメンディが入れたクロスにFWスルロットが頭で触ったボールを、久保がペナルティエリア内右でワントラップ。ワンバウンドさせたボールに左足を一閃。矢のような弾丸シュートがニアサイドに突き刺さった。今シーズン4点目だ。

 続く36分には、久保の中央からのドリブル&パスがペナルティエリア内左にいたオヤルサバルに渡る。オヤルサバルはスルロットにパスしてスルロットがシュートするが惜しくも右に外れる。

 そして後半6分。左サイドのオヤルサバルからのクロスをスルロットが右足でシュートし、ソシエダが2点目を取る。

 一方、後半18分。久保が右サイドから左足でクロスを入れると、これにヘディングで対応しようとしたカブレラのオウンゴールを誘発する。3-0だ。

 このあとエスパニョールがいい展開を見せ、2点をあげて追撃するがそこまで。レアル・ソシエダが貴重な1勝を上げた。

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【プレミアリーグ 22/23 第23節】「三笘マジック」不発に終わる 〜クリスタル・パレス 1-1 ブライトン

2023-02-12 11:14:01 | イングランド・プレミアリーグ
ブライトンが押し込むが手痛い引き分け

 互いのホームタウンを結ぶ高速道路の名前を取り「M23ダービー」と呼ばれてきたブライトンとクリスタル・パレスの対戦は、両者負けられない状況のなか、1-1の引き分けに終わった。

 ブライトンのポゼッション率は75%ーー。

 この数字が試合内容を物語る。クリスタル・パレスは試合の冒頭から自陣に分厚い4-4のブロックを敷き、ブライトンの攻撃を跳ね返す「穴熊」戦法を取った。

 ブライトンのパスワークは主にセンターライン、もしくは右サイドで展開され、三笘にはあまりボールが回ってこなかった。

 ブライトンのフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKがロベルト・サンチェス。最終ラインは右からヨエル・フェルトマン、アダム・ウェブスター、ルイス・ダンク、ペルビス・エストゥピニャン。

 CMFはパスカル・グロスとモイセス・カイセド。2列目は右からソリー・マーチ、アレクシス・マクアリスター、三笘薫。ワントップはデニス・ウンダブだ。

 一方、クリスタル・パレスのフォーメーションも4-2-3-1である。

敵を引きつけて背後を突く

 ブライトンが最終ラインから丁寧にビルドアップするのに対し、クリスタル・パレスは前の3枚がセンターサークル付近からプレスをかけた。ワントップのジャン・フィリップ・マテタと右SHのジョルダン・アイェウが背中でブライトンの2CMFを消すのが約束事だ。またトップ下のマイケル・オリズも前からのプレスに参加していた。

 かたやブライトンはこうして敵の前3枚を引きつけておき、それを縫って中盤にパスを通して敵のプレッシングを空振りさせるゲームモデルである。

 一方、クリスタル・パレスはパスワークによるビルドアップにはそうこだわらず、状況によってはダイレクトに前線へロングボールを入れてくる。

 前半17分に大チャンスが来た。ブライトンのCMFパスカル・グロスが、最前線にいたFWデニス・ウンダブに縦パスを当てる。彼はワンタッチで脇にいたソリー・マーチにボールをはたき、マーチがダイレクトでアレクシス・マクアリスターに落とす。瞬時にマクアリスターは強烈なシュートを放つが、これはパレスのGKビセンテ・ガイタが横っ飛びで見事にクリアした。

 ブライトンの続くチャンスは前半31分だ。最前線でパスカル・グロスからのパスを受け、エストゥピニャンが左足でループシュートを決めた、かに見えたがオフサイド。幻のゴールとなった。

 さて先制点はブライトンだった。後半18分だ。エストゥピニャンが左サイドからクロスを入れ、ファーから走り込んだマーチが決めた。

 一方、後半24分には、クリスタル・パレスが同点に追いつく。パレスのセットプレー時、ブライトンのGKロベルト・サンチェスがボールをファンブルし、パレスはジェームズ・トムキンスが押し込んだ。

 試合はそのまま1-1で終了。ブライトンとしては上位争いが激化するなか、手痛い勝ち点1になった。

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【富士フイルム・スーパー杯】日本サッカーの高いレベルを示した一戦 ~横浜FM 2-1 甲府

2023-02-11 16:56:30 | Jリーグ
横浜の速いパスワークが光る

 クオリティの高い、いいゲームだった。

 Jリーグの開幕を告げる富士フイルム・スーパー杯が11日、国立競技場で行われた。昨シーズンのJリーグ覇者・横浜F・マリノスが、天皇杯を制したJ2のヴァンフォーレ甲府を破り、初優勝した。

 まず横浜のFWエウベルが前半30分に先制ゴールを上げたが、甲府は前半44分にFWピーター・ウタカが追いすがる同点弾。だが後半16分、横浜のトップ下、西村拓真が決勝ゴールを叩き込んで押し切った。

 横浜のフォーメーションは4-2-1-3だ。スタメンはGKがオビ・パウエル・オビンナ。最終ラインは左から上島拓巳、畠中槙之輔、角田涼太朗、永戸勝也。CMFは渡辺皓太と喜田拓也。トップ下には西村拓真が入り、最前線は左からエウベル、アンデルソン・ロペス、水沼宏太だ。

 一方、甲府のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが河田晃兵。最終ラインは左から須貝英大、山本英臣、エドゥアルド・マンシャ、三浦颯太。CMFは松本凪生と佐藤和弘。2列目は左から水野颯太、長谷川元希、鳥海芳樹。1トップはピーター・ウタカだ。

横浜の強くて速いボールスピードが目を引いた

 試合が動いたのは前半30分だった。横浜の水沼宏太がアンデルソン・ロペスへ縦パス。ロペスがダイレクトでこれを折り返し、ペナルティエリア左のエウベルがフリーでゴールした。

 かたや甲府は44分。エドゥアルド・マンシャが縦パスを入れ、長谷川元希に当たったボールを鳥海芳樹が受けて横のピーター・ウタカにパス。ウタカは無人のゴールに流し込んだ。

 そして決勝点は後半16分だ。横浜の角田涼太朗が自陣からボールを持ち出し、ロペスにスルーパスを入れる。反応したロペスはシュートしたが惜しくもポストを直撃。その跳ね返りを西村拓真が押し込んだ。まるでゴールポストとワンツーしたようなおもしろいゴールだった。

 横浜は2タッチ以内で回す機敏なパスワークと、強くて速いボールスピードが光った。インテンシティの高さも目を引いた。一方の甲府もよく粘って健闘したが、惜しくも後半に入ってパワーダウンした。

 日本のサッカーが逞しく雄たけびを上げるような、レベルの高い一戦だった。

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【第2次森保ジャパン】森保監督が欧州視察、現地で選手とサッカー談義 ~日本はどんなサッカーをすべきか?

2023-02-09 09:44:53 | サッカー日本代表
いろんな戦い方ができるように

 選手の自主性を生かす「森保流」は相変わらずだ。

 ヨーロッパを視察している森保監督が、8日、視察先で報道陣のオンライン取材に応じた。森保監督によると、これまで会った選手は吉田麻也、遠藤航、原口元気ら10人だ。

「選手とはサッカー談義をしながら質問を投げ、カタールW杯の振り返りや、2026年北中米W杯に向け、日本はどんなサッカーをするべきか?」を聞き取り調査しているという。

 選手たちからは「ドイツ、スペイン、コスタリカ、クロアチアと対戦相手によって戦い方が変わる中、いろんな戦い方ができたほうがいい、オプションを増やし、強化していくべきだ」という反応が返ってきているという。

 いやはや、選手にこんな聞き取り調査をするとは、いかにも森保監督らしい。

 ひとことで要約すると日本がやるべきは、あのクロアチア代表のように試合の流れや相手に応じて戦い方を機敏に変える抜け目のないサッカー、ということになるだろうか?

 今回はそのうちの選択肢のひとつとして、「能動的なポゼッションサッカー」という大きなテーマもある。

 果たして日本代表はポゼッションとカウンターを使い分けられるようになるのだろうか? 注目したい。

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【ラ・リーガ 22/23】久保建英はソシエダで自分を磨け

2023-02-08 07:47:02 | その他の欧州サッカー
久保がマドリーに行く?

 国王杯準々決勝のバルセロナ戦と、ラ・リーガ第19節のレアル・マドリー戦でレアル・ソシエダの久保建英が健闘し、「マドリーは久保を呼び戻すのでは?」などという憶測記事がさかんに乱れ飛んでいる。

 だが私はまったく反対だ。

 苦しい移籍を繰り返した久保は、やっとソシエダという自分にぴったりの帰るべき故郷を得たのだ。彼は少なくともしばらくは、ソシエダで自分をレベルアップさせるべきだ。

久保が生きるソシエダのスタイル

 ソシエダは2月7日現在、リーガにおいて勝ち点39で堂々の3位。おまけにダビド・シルバという「先生」までいる。久保にとっては自分を磨ける格好の環境だといえる。

 しかも久保はソシエダのスタイルや戦術にぴったりフィットしている。

 ソシエダのフォーメーションは多くは4-4-2、4-3-3だ。ときに彼らは敵のビルドアップに対し、マンツーマンでハイプレスを敢行する。そしてボールを奪えば素早いポジティブ・トランジションから相手ゴールに殺到する。

 とはいえ彼らの最大の持ち味は、最終ラインから丁寧にボールをつなぐビルドアップから生まれる。アンカーが下がってボールを受け、インテリオールと前線の選手がオフ・ザ・ボールの動きでパスコースを作る。

 こうして演出される彼らの小気味よいポゼッションサッカーに、久保は永久(とわ)の棲み家を得たかのような活躍をしている。

欠点が修正された久保

 ソシエダ以前の久保はオフ・ザ・ボールに対する意識が低く、ボールがない所では「我関せず」だった。典型的な「ボールプレーヤー」だった。

 敵の守備を受けるとオーバーに倒れて両手を広げ、プレイをやめてしまいファウルをアピールしてばかりいた。なんとそれがいまや素早いネガティブ・トランジションから、相手ボールへさかんにプレッシングしているのだ。

 チームのパスワークの核は久保であり、もちろんゴールを取る動きもする。彼の欠点だったオフ・ザ・ボールの動きのなさや守備意識の低さはすっかり修正された(インテンシティが高くないのは相変わらずだが)。献身性を身につけた彼は、今やチームが描く絵にぴったりマッチしている。

 そんなせっかくおいしい時期の久保が、レアル・マドリーに移籍してベンチを温めるなど絶対に反対だ。マドリーにいるのはアセンシオやビニシウス、ベンゼマといった「化け物」ばかりであり、久保がポジションを争うには時期尚早だ。

 久保はソシエダという身の丈に合った「天の恵み」を生かし、グンと成長してほしい。

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ネットとTVの融合がライフスタイルを変える。

2023-02-05 05:21:35 | メディア論
スマートテレビは宝の箱だ

 我が家のライフスタイルが激変したのは、スマートテレビでネットコンテンツを見るようになってからだ。

 パソコンに向かい前傾姿勢になり、YouTubeを長時間観るのはツライ。そこへいくとスマートテレビなら、リビングのソファーにドッカとめり込みラクな姿勢で楽しめるので天と地の差だ。

 またアマゾンプライムビデオで映画やドイツサッカーもソファでラクラク楽しめるし、アベマプライムのイングランドサッカーほか膨大なコンテンツもテレビで観られる。

 あとダゾーンも契約しているが、パソコンで観たことはまったくない。すべてソファに座ってテレビで観る。

 そのほか余談だが「ラジオ体操」をテレビ上で検索し、それをテレビで観ながら毎朝ラジオ体操をしている。

 おかげですっかり我が家のライフスタイルは豹変した。

 まずパソコンをいじる時間が圧倒的に減った。

 そしてほとんどのコンテンツが「ソファでラクラク」化してしまった。

 非常にありがたい。

テレビのハードは今後の進化に期待

 ところが世の中そういいことばかりはない。

 例えばネットコンテンツの何かの設定を変えるとき、テレビの文字キーで文字を打つのは非常に苦痛だ。打ちづらい。

 ゆえに仕方ないので、そんなときにはパソコン上で文字を打って設定を変えている。

 テレビの文字キーはまだまだ原始時代みたいに遅れており、今後、大幅な改良が必要だろう。

 ただ、単に検索するだけなら、テレビのリモコンに向かって喋りかければいいだけなので楽チンだが。

 てなわけでテレビの仕様は今後、ネット対応向けにどんどん進化するものと思われるので大いに期待したい。

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