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金原ひとみ&綿矢りさ

2015-05-12 09:02:27 | 歌う

            ・・ 金原ひとみ&綿矢りさ ・・

 金原ひとみ新刊 『持たらざるもの』 につづいて綿矢りさ 『しょうがの味は熱い』の新聞広告。あれから10年も経ったのだ。「芥川賞のダブル受賞」、19歳の2人の女の子の小説が騒がれたのは。私は綿矢りさの『蹴りたい背中』の方が好きだった。金原ひとみの『蛇にピアス』は読みながら気持ちが悪かった。前衛のグロテスクな油彩画のような感じがした。優等生の綿矢と教師に反抗する生意気な金原ひとみ。そんなイメージの娘二人のダブル受賞。出版社のマスコミ効果を狙った戦略も絡んでいたのだろうか。

 その後、ふたりの話題は事欠かなかった。不良少女的な金原ひとみのパパが法政大学教授・比較文学で知られているとかで、注目された。金原は某出版社の男と結婚し2人の娘と夫を連れてパリに住む。自身の育児日記をもとにした長編小説『マザーズ』を刊行。

 綿矢りさは優等生的に着実に、地味に活躍し、今年の始めに公務員と結婚した。いかにも彼女らしく、安心したが、1月9日のブログに私は「スペインの闘牛士」と結婚したら綿谷は面白い小説が書けるのになどと書いている。しかし経済的に安定していなければ、作品が荒れレベルが落ちることになりかねないのではないか。特に女性の場合は。

 それぞれが抱える喪失感と虚無感。四者四様の人生が交錯する。『持たざる者』は金原ひとみの新刊長編小説である。~思いがけない事故や事件をきっかけに、平穏だった日常が、不穏な日々にとって変わるとき~。重い内容の小説だ。著者は綿矢ではなく金原ひとみ

 同棲→結婚じゃないの?『しょうがの味は熱い』著者は金原ひとみではなく綿矢りさ 5月の新刊文春文庫、軽い小説なのか。綿矢はいま新婚、子供が生まれたら育児に追われますます軽い作品になるか。でも軽妙洒脱の作品もいい。文庫本は旅行に持って行ける。短編小説は汽車の中でも読める。長編小説は文庫本でNO1NO2 などと分ければいい。

 文芸の賞は、小説の賞は一体いくつあるのか。次々に生まれ、消える賞もあるだろう。著名な賞を受賞すれば文壇へのパスポートを取得したことになる。著名文芸誌に作品を掲載できる。本も刊行できる、芥川賞を19歳で手に入れた金原ひとみ&綿谷りさは、まるでコンビ作家だ。しかも二人はかなりの美人、オシャレも上手だ。小説家は今や芸能人としても通用しなければ生き延びられないかもしれない。

                       5月12日   松井多絵子

                          5月12日  松井多絵子