えくぼ

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小佐野弾という新人賞歌人

2018-08-09 10:33:21 | 歌う
今年の短歌研究新人賞の発表が近づいて来た。まず気になるのは男性か女性か、昨年は30代なかばの男性の「無垢な日本で」、受賞した小佐野弾はすぐに第1歌集を刊行し未来8月号「今月の歌」に紹介されている。

🔘 ママレモン香る朝焼け性別は柑橘類としておく いまは

🔘獣肉を男同士で喰ふことの罪/そののちのあひみての罪

🔘君という果実をひとつ運ぶためハンドル握る北部海岸

🔘しあはせな家族の塑像しあはせな国にあふれて明日は立春

🔘むらさきの性もてあます僕たから次は蝸牛として生まれたい

小佐野弾歌集『メタリック』より

この5首は岡崎裕美子が選出し、次のような解説を書いている。「無垢な日本で」の一連により2017年の「短歌研究新人賞」を受賞した作者による第1歌集。帯に「オ一プンリ一ゲイとして生きる自分」とあるように性的マイノリティを隠すどころか、むしろそれを武器にするごとき歌が並ぶ。

もしこの作品がケィの歌でなかったら新人賞を受賞したであろうか などと私は思ってしまう。表現は完成度が高く新人賞にはむしろ不利ではないか。しかし作者がゲイ、自分をもてあます、罪の意識の迫力が新人賞受賞になったような気がする。

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