結婚25年を銀婚式、50年を金婚式とよびますが、結婚20周年も区切りのいい数字で陶器婚式と呼ばれています。
陶器婚式に山川課長は あと一歩でたどり着くところでした。
しかし寝耳に水とはこのことでしょう。
ここにいる沢田さんを信じるならば、女房みゆきは結婚する前から浮気をしていたことになるではないか(怒)
…? 結婚する前なら浮気とは呼べないぞ、二日酔いの頭でこの辺りを堂々巡りをしています。
それでも比較的冷静にいられるのは沢田さんのお陰でしょうね♪
彼女の温かい胸の中でくるまるように抱き抱(かか)えられていてお母さんの胎内もこんな感じだったかも知れないと思いました。
沢田さんはみゆきと近い年令なのに何故こんなに甘美な薫を放っているのでしょう♪肌は艶々と張りがあるしさすが独身者ですね。大概40台になると所帯窶(やつ)れが顔や体に現れてくると言います。
ところでみゆきは…一体誰と20年も付き合っているのだろう…
あれこれ思い巡らせてようやく核心に触れてきました。
そうすると怒りも徐々に膨れ上がってきたから可笑しなものです。
普通なら… 直ぐに相手の名前を聞くものでしょう(笑)
それが山川課長に至っては今ごろであります。
ようやく沸々と怒りがこみ上がってきたのを自覚した山川課長はスックと起き上がると沢田さんを睨み付けて言いました。
「黙って聞いていたらいい気になって!」
怒りは爆発寸前まで達していました。
「ち、ちょっと待ってよ」急変に驚いたのは沢田さんだけではありませんでした。
当の本人もあまりに大きい怒声に吃驚(びっくり)していました。 ああなぜこんな悲しいはずが、怒りを露(あらわ)にしていけなきゃあならないんだ! 怒ったり嘆いたりと情緒不安定な今の姿です。
もっと本気で怒れよ!?
山川課長は自分の心理が激しく揺れ動いているのがわかりました。
「大丈夫!?」沢田さんは心配な顔で覗き込みますが、よく考えたら沢田さんが言い出しっぺでしょうが…
なにも知らない俺に今更こんな暴露をしなくてもよかったんじゃあないか!?
しかも挫折している一番凹んでいる時期でしょ…
それを煽(あお)るだけ煽って、大丈夫?はないでしょ!?
山川課長は持って行き場のない怒りを彼女に向けていました。
冷静になれば全ては自分の責任と気がつくのでしょうが…
とにかく、沢田さんは血相の変わった山川課長に驚いていました。 しかし内心は「やれやれようやく本心が出てきたな」
と思いました。
さあ、名前を聞けよ…ここまで来たら浮気相手の名前を知りたいでしょう(苦笑)
「沢田さん!!みゆきが長い間浮気をしていたのは本当なのかい!!」山川課長の言葉がキツくなっていました。
「ほんとうよ!」
何を今更…この甲斐性なしが!!
腹で思った通り言ってやりたいのをじっと沢田さんは押さえました。 ここで内輪喧嘩しても始まらないじゃあないの。
「私は20年間見てきたのよ」
今度ははっきり言います。
「じゅあ誰なんだよ相手は!」
売り言葉に買い言葉とはよく言ったもので、 お互いの押さえていた感情が一気に破裂しました。
この辺りのテンポのいいやり取りがはじめから出来たら話しは済んでいたのに…
カールした髪を揺らして沢田さんはため息をつきました。
言うわ、言うわよ…
ただし名前を聞いて腰を抜かすなよ(笑)
沢田さんのくせでしょうか、栗色の髪をかき揚げて真っ直ぐ山川課長を見ました。
「高辻取締役よ」
言ったわ!!とうとう… ほんとうは私だってこんな形で暴露したくはなかった。 私はみゆきの立場で、高辻取締役の奥さんから叱咤されたかった!
これが私の本音なのよ!
20年来いかにみゆきから彼を(高辻取締役)奪うかと思い悩んできたけれど、とうとう私の根負けね!?
彼は一度だってこちらをチラッとも気にしなかった。
絶対私の方が上に決まっているはずなのに!! なぜか私は不可解な訳のわからない事で阻害されてきたんだゎ
だから…もう諦めたの。
あんなおじいさん、どこがよいのやら(苦笑)「沢田さん、沢田さん!!」
「え!」
我に返ってみると冴えない四十男が目の前にいました。!!
しっかりしなさいよ。 「それってマジ?」
黙って首を立てに振りました。
「ほんとうかよ」
山川課長は絶句しました
陶器婚式に山川課長は あと一歩でたどり着くところでした。
しかし寝耳に水とはこのことでしょう。
ここにいる沢田さんを信じるならば、女房みゆきは結婚する前から浮気をしていたことになるではないか(怒)
…? 結婚する前なら浮気とは呼べないぞ、二日酔いの頭でこの辺りを堂々巡りをしています。
それでも比較的冷静にいられるのは沢田さんのお陰でしょうね♪
彼女の温かい胸の中でくるまるように抱き抱(かか)えられていてお母さんの胎内もこんな感じだったかも知れないと思いました。
沢田さんはみゆきと近い年令なのに何故こんなに甘美な薫を放っているのでしょう♪肌は艶々と張りがあるしさすが独身者ですね。大概40台になると所帯窶(やつ)れが顔や体に現れてくると言います。
ところでみゆきは…一体誰と20年も付き合っているのだろう…
あれこれ思い巡らせてようやく核心に触れてきました。
そうすると怒りも徐々に膨れ上がってきたから可笑しなものです。
普通なら… 直ぐに相手の名前を聞くものでしょう(笑)
それが山川課長に至っては今ごろであります。
ようやく沸々と怒りがこみ上がってきたのを自覚した山川課長はスックと起き上がると沢田さんを睨み付けて言いました。
「黙って聞いていたらいい気になって!」
怒りは爆発寸前まで達していました。
「ち、ちょっと待ってよ」急変に驚いたのは沢田さんだけではありませんでした。
当の本人もあまりに大きい怒声に吃驚(びっくり)していました。 ああなぜこんな悲しいはずが、怒りを露(あらわ)にしていけなきゃあならないんだ! 怒ったり嘆いたりと情緒不安定な今の姿です。
もっと本気で怒れよ!?
山川課長は自分の心理が激しく揺れ動いているのがわかりました。
「大丈夫!?」沢田さんは心配な顔で覗き込みますが、よく考えたら沢田さんが言い出しっぺでしょうが…
なにも知らない俺に今更こんな暴露をしなくてもよかったんじゃあないか!?
しかも挫折している一番凹んでいる時期でしょ…
それを煽(あお)るだけ煽って、大丈夫?はないでしょ!?
山川課長は持って行き場のない怒りを彼女に向けていました。
冷静になれば全ては自分の責任と気がつくのでしょうが…
とにかく、沢田さんは血相の変わった山川課長に驚いていました。 しかし内心は「やれやれようやく本心が出てきたな」
と思いました。
さあ、名前を聞けよ…ここまで来たら浮気相手の名前を知りたいでしょう(苦笑)
「沢田さん!!みゆきが長い間浮気をしていたのは本当なのかい!!」山川課長の言葉がキツくなっていました。
「ほんとうよ!」
何を今更…この甲斐性なしが!!
腹で思った通り言ってやりたいのをじっと沢田さんは押さえました。 ここで内輪喧嘩しても始まらないじゃあないの。
「私は20年間見てきたのよ」
今度ははっきり言います。
「じゅあ誰なんだよ相手は!」
売り言葉に買い言葉とはよく言ったもので、 お互いの押さえていた感情が一気に破裂しました。
この辺りのテンポのいいやり取りがはじめから出来たら話しは済んでいたのに…
カールした髪を揺らして沢田さんはため息をつきました。
言うわ、言うわよ…
ただし名前を聞いて腰を抜かすなよ(笑)
沢田さんのくせでしょうか、栗色の髪をかき揚げて真っ直ぐ山川課長を見ました。
「高辻取締役よ」
言ったわ!!とうとう… ほんとうは私だってこんな形で暴露したくはなかった。 私はみゆきの立場で、高辻取締役の奥さんから叱咤されたかった!
これが私の本音なのよ!
20年来いかにみゆきから彼を(高辻取締役)奪うかと思い悩んできたけれど、とうとう私の根負けね!?
彼は一度だってこちらをチラッとも気にしなかった。
絶対私の方が上に決まっているはずなのに!! なぜか私は不可解な訳のわからない事で阻害されてきたんだゎ
だから…もう諦めたの。
あんなおじいさん、どこがよいのやら(苦笑)「沢田さん、沢田さん!!」
「え!」
我に返ってみると冴えない四十男が目の前にいました。!!
しっかりしなさいよ。 「それってマジ?」
黙って首を立てに振りました。
「ほんとうかよ」
山川課長は絶句しました