世界の街角

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県立風土記の丘資料館・一支国展(1)

2019-03-13 07:57:50 | 古代と中世

過日、県立風土記の丘資料館で開催されている一支国展に出掛けた。

写真撮影禁止で展示物も少なく、多少期待外れの感も否めない。しかしながらその少ない展示物中で幾つかの注目すべき品々が目に付いた。写真撮影禁止ながら『一支国再発見』なる冊子が配布され、その中の幾葉かの写真に展示物が掲載されていたので、その冊子からの画像を紹介する。

原の辻遺跡やカラカミ遺跡の出土品、更には古墳時代の遺物が展示されていた。冊子掲載の画像を借用して、目に付いた遺物を紹介する。

先ず人面石である。写真の説明によると、人面石は国内唯一の発見例であり、祖霊を祀る儀式や豊漁・豊作を祈願する祭祀などの場において、シンボル的な祭器として用いられた可能性が考えられる・・・とある。

(桜井市HPより)

写真は、纏向遺跡出土の木製人面である。仮面と云われているが、紐を通す穴が見られないことから、仮面とは断定できないという。

弥生時代は戦乱の時代であったろうと想定され、首狩りの習慣もあったろうと思われる。東南アジアの山岳部少数民族は近年まで同様な習慣があった。この首狩りと儀礼は、やはり豊作祈願であったであろう。少数意見とは思うが、この人面石は人頭の代替として扱われたと考えている。

龍線刻絵画土器が原の辻遺跡から出土した。冊子の説明によると、描かれた線刻絵画は2匹の龍と『×』の字に交差する文様が表現されている。中国に伝わる”龍の神話”を線刻で表現しているのが特徴である。天に昇るように描かれた龍は、春の訪れを告げる象徴であり、丸まった龍は寒い冬を越えるための冬眠の様子を象徴しているとし、2匹の龍の間に描かれた交差する文様は、冬から春への季節の変わり目にある荒れた天候(雷)の象徴と考えられる・・・とある。

確かに”龍の神話”そのものが線刻絵画になっている。原の辻の弥生期に、中国の伝承が記された土器が出土していることは、当時の交易範囲が相当広いものであったことを思わせる。

<続く>