世界の街角

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県立風土記の丘資料館・一支国展(3)

2019-03-15 07:42:16 | 古代と中世

<続き>

〇車出遺跡出土の丹塗り土器

丹塗り土器以外に青銅鏡や貸泉も出土している。また青色のガラス小玉以外に橙色のガラス大玉や側面に切り込まれた切目丸玉も出土している。

(出典:一支国再発見 壱岐市発刊)

注目すべきは後世、柑子口瓶と呼ぶ形状の土器瓶が数多く出土していることである。この形状は朝鮮半島を経由して大陸から伝わったものと思われる。

更に注目すべきは、写真に写っていない瓢箪型土器が展示されていたことである。瓢箪は古来縁起物と云われている。瓢箪に関して大陸から何らかの伝承が伝わっていたのか? それとも形だけを真似たのか? そうであれば、お手本が伝来したのか? 興味は尽きない。

瓢箪と古代ー中世東南アジアとは縁深い。瓢箪から人類が誕生したとの神話や伝承が存在する。先ず中国の瓢箪伝承である。瓢箪は蔓が伸びて果実が鈴なり、風水では末広がりの瓢箪は、気を貯める道具として使われ、財運をもたらすとされる。女媧と伏羲、洪水の時瓢箪の中にのがれ生き残った。つまり女媧と伏羲から人類は始まった。北ラオスのランサーン王国に残る伝承も、瓢箪からラオ族が誕生したとし、佤族の神話では瓢箪を鳥がつつくと、人間の祖先が出現したとある。そのほか多くの少数民族の神話に、瓢箪は登場する。

飛躍した噺であるが、そのような土壌が倭の一支国でも存在した証であろうか?

<続く>