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県立風土記の丘資料館・一支国展(4)

2019-03-18 07:45:34 | 古代と中世

<続き>

以下、古墳時代の展示物から2点紹介する。いずれも朝鮮半島や中国との交易を示す品々である。

〇北斉製二彩陶器

双六古墳から出土した連珠文を施した二彩陶器は、中国では河北省や山西省などにある6世紀代の墳墓内から、朝鮮半島では慶州の新羅王朝内の宮殿・雁鴨池遺跡から発見されている。搬入経路は特定できないとしているが、中国との直接交易ではなく、新羅経由かと思われる。6世紀後半の焼造と記している。

日本では8世紀の奈良時代に唐三彩を真似て奈良三彩が作陶されたが、差の先触れを示す二彩陶器である。壱岐国にそれなりの勢力を誇る首長がいた証であろう。

(出典:一大国再発見・壱岐市刊)

〇新羅陶器

壱岐市刊行の『一大国再発見』には緑釉とあるが、鉄分を含む灰釉である。これは壱岐の対馬塚古墳と笹塚古墳の石室かっら発見された。この陶器は新羅の王都・慶州とその周辺でしか発見されていないという。壱岐と新羅の交易を示している。

(出典:一大国再発見・壱岐市刊)

ビックリしたのは、写真の三角形状の鋸歯文である。この鋸歯文は中世の東南アジアの陶磁器文様に、顏を出す文様である。古代から中世にかけ汎アジア的文様であったと思われる。

<了>