まっしゅ★たわごと

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ゲルギエフのショスタコービチを聴く

2005年11月29日 23時55分18秒 | 音楽
無性にショスタコービチの交響曲第4番が聴きたくなり、かねてから買おうかどうしようか迷っていたゲルギエフ版を購入。

この曲は、「反社会主義思想である」という政治的な理由から初演のリハーサル中にスコアを撤回して26年間も作曲者自身によって封印されたいわくつきの作品で、もし初演を決行していたならば、後のショスタコービチの名作を聴くことはできなかったであろうという問題作である。(つまり、翌日には政府の手によって粛清かシベリア送りになっていたかもしれないということを意味する)

芸術家が己の生死をかけて命がけで自ら封印した作品・・・。

実は、学生時代にあまりにもグロ過ぎて聴くに耐えない音楽だったので、そのまま聴くのを封印してしまっていたが、先日のヤンソンスによる生5番を聴いてからずっと『ショス4聴きたい』という情念が私の脳裏に渦巻くようになっていたのである。そして、何故か「ショス4買うなら絶対ゲルギエフ」と決めていたので、先の日曜日に購入したという次第である。

で、聴いてみた感想は・・・
予想だにしなかった「健全なショスタコービチ」であった。
病的でヒステリックな楽想がこんなに整理されていて、それなのにショスタコ特有のパッションは失われていない演奏・・・チャンスがあれば生ゲルギエフを聴いてみたいものである。

なんだか、久しぶりにスコアブックを買いたくなってきた。それと、ゲルギエフ版の「レニングラード」も聴いてみたくなった。ボーナスで買うべぇ!

画像はアマゾンのサイトより拝借
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