まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

「ムジカ」で紅茶と音楽と読書と秋の夕暮れ

2005年11月02日 20時10分07秒 | おすすめ

かねてから行きたいと思っていた西梅田・堂島にある紅茶専門店「ムジカ」に行ってきた。平日の午後なのに割とたくさんお客さんが来ていて、さすが創業から50年以上続く老舗の貫録を感じた。

     

今回注文したのは、イングリッシュティーセット(740円)で、スリランカティーにスコーンとマフィンが一つずつ付いているセットである。注文を受けてからしばらくすると「ジャム・バター・泡クリーム」がテーブルに出される。一瞬、「なんでコレだけ持ってくるんだろう」と思ったが、セットメニューよりも紅茶の方が先に出てくるので「スコーンとマフィンもじきに持ってきますよ」という伏線なのかなと妙に納得。

     

紅茶専門店で飲むのは神戸のマリアージュ・フレール以降二度目の体験なので、どうしても前回と比べてしまうのだけど、ちょっと濃いかなとも感じた。しばらくして、スコーンとマフィンがやってくる。これらを食べながら、「ムジカはセットメニューが充実しているのでスコーンやケーキと一緒に嗜もうとしたとき、このくらいしっかりとした味の方がいいのかな」と改めて思った。

     

店内で流れている曲はベートーベンの交響曲第七番である。(次の曲もたぶん彼の曲っぽかったけど、この店はベートーベンばかり流しているのかな?)秋の空が見えるカウンター席に座り、美味しい紅茶とマフィンを口に運びながら、佳境に入りつつある三島由紀夫の「春の雪」を読み、第二楽章の葬送行進曲を聴く。今日は、プチ贅沢な午後のひとときを得ることができた。


映画「ルパン」を見に行く

2005年11月02日 19時25分25秒 | フランス
今日は平日休み。なのでけっこう空いているだろうと思って行ったら毎週水曜日はレディースデイらしく私含め数人のオトコを除いて女性客で満杯であった。

映画の中のアルセーヌ・ルパンは、従来の固定化したイメージとして捉えられている「紳士的な謎の怪盗」とは程遠い人間として描かれている。気品に満ちた言動は哀しみでいっぱいの心を隠すためのマスクであり、不幸のうちに母親を失ったトラウマから母に似た年上の女性を愛する孤独な男。

鮮やかな技で盗みを実行するも、成り行きでいとも簡単に危機に陥ってしまう。例の黒ずくめのコスプレを着る事はほとんどなく、普段の表情は野蛮で野性的でエロティックな1人のフランス人。

ストーリー的には、物語の進行と共に謎が謎を呼んでいくのだが、最後の最後まで真相は核心に至ることなく、ただただルパンが不幸に陥っていくアンニュイな映画。

この映画の印象を一言で表すとすれば
「口元のエロっぽい怪盗ルパン、その不幸な人生」
って感じでしょうか・・・

(~11/4 テアトル梅田などで公開中)