とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

『井上都講演会』に行きました。

2020-11-17 18:09:48 | 井上ひさし
 井上ひさしさんの長女である井上都さんの講演会に行きました。山形市の井上ひさしさんのゆかりの劇場「東ソーアリーナ」での開催です。さまざまなことを考えさせられる講演会でした。

 井上都さんは井上ひさしさんの長女で、長い間、井上ひさしさんの作品を上演する劇団「こまつ座」の代表をつとめてきました。しかし井上ひさしさんの晩年、原因ははっきりしないのですが、井上ひさしさんから悪人扱いされ、絶縁状態になり、劇団の代表もやめることになります。絶縁のまま井上ひさしさんが亡くなられました。

 都さんは自分には落ち度がなかったと語っています。もしかしたら井上ひさしさん側には別の説明があるのかもしれません。しかし都さんには理不尽に感じられ、都さんはこの10年「怒りの日々」を過ごしてきたと言います。

 家族のいざこざは他人があれこれ言ってはいけないことです。ただし、理不尽に嫌な思いをしてきたと語る人の気持ちはよくわかります。人間だれでも理不尽な思いがあるからです。それはもしかしたら自分に端を発していたことかもしれません。しかしそういうことも含めて、他人を責めて、自分を責めて生きることになります。それはつらいものです。そういう心の重りを抱きながら生きている。多くの人がそうだと思います。そんな人の心が少しでも軽くなることを祈っています。

 井上ひさしさんはとても優れた作家です。どういう事情があろうとその作品は本物です。井上さんの作品がこれからも生きていくために、都さんにはがんばってもらいたいと思います。


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『姉ちゃんの恋人』がおもしろい

2020-11-15 12:52:15 | TV
 前期のドラマがいいものがありすぎて、残念ながら今期は今一つです。その中でフジテレビ系列の『姉ちゃんの恋人』だけは、脚本もいいし、丁寧につくっているし、本当にいいドラマになっています。

 脚本:岡田惠和 
 演出:三宅喜重、本橋圭太、宝来忠昭
 出演:有村架純、林遣都、小池栄子、藤木直人、和久井映見、光石研など

 両親を事故で亡くし、弟3人のために働く有村架純と、過去に何かがあった林遣都の恋愛ストーリーです。ストーリーも展開がすばらしく、しかもセリフがやはりいい。岡田惠和さんの脚本は見事です。

 それだけでなく演出が丁寧です。最近の民放のドラマは雑な演出がおおいのですが、きちんと描いていく演出はとても好感がもてます。第2話の赤い小さな車を二人がそれぞれ思い描くシーンはとても印象的でした。近年のドラマにはない名シーンだったと思います。

 小池栄子さんがいい。小池さんはいまや誰もが使いたくなる名優です。どんな役でも期待以上の演技をしてくれます。

 今後の展開がたのしみな作品です。
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映画『本気のしるし』を見ました。

2020-11-14 04:51:10 | 映画
 話題の映画『本気のしるし』を見ました。4時間近い映画でしたが、飽きることなく見ることができました。とは言え、前半はダラダラした展開で、何でこれが高評価なんだろうと思っていました。しかし最後の30分がすごい。序破急そのものでこの30分のためには前半のダラダラが必要だったことがわかります。評判通りのすごい作品でした。

監督 深田晃司
キャスト 森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉

 人間は他人に流されます。しかもその他人が自分を必要としてくれるならばなおさらです。この映画ではそんな流される人間が戯画化され描かれます。しかしそれは「本当の自分」の生き方ではありません。最後は息が詰まり、自分を見失います。本当の自分にならなければ、本当のパートナーとつながることはできません。

 「つながる」ことが大流行の昨今ですが、つながりすぎて息が詰まります。
 
 踏切のシーンは印象的です。


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第3派

2020-11-11 21:19:59 | 社会
 新型コロナウイルス感染が明らかに広がっている。ヨーロッパでも急激な拡大しているようであり、やはり冬になるにしたがって感染しやすくなるようである。一方では経済を回すために観光振興策を進めているので、歯止めがかけにくくなっている。政府としても対応が難しいだろうが、しっかりと対策をとっていただきたい。

 一番見逃してはいけない視点は医療である。新型コロナウイルスの感染拡大で一番苦労しているのは医療機関であり、医療従事者である。ただでさえ医師不足、看護師不足の状況であるのに、新型コロナウイルスの感染拡大で無理を強いている。しかもそれが長引きつつある。これ以上無理をお願いしないようにしなければならない。

 現在日本で重症者が比較的少なく住んでいる大きな要因は医療がしっかりしているからである。この伝統的な強みを生かすためにも、苦労している人に感謝の心を持ち、今すべきことをしっかりと考える必要がある。

 出口がないわけではない。ワクチンができれば何とか乗り切ることができる。がまんすべきことはがまんしなければならない。
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映画『ある画家の数奇な運命』を見ました

2020-11-08 08:50:08 | 映画
 3時間を超える映画だったので耐えられる自信がなく、ビビッて見るのをやめようかとあきらめかけていたのですが、見てよかった。本当にいい映画です。

監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
キャスト:トム・シリング、セバスチャン・コッホ、パウラ・ベーア、ザスキア・ローゼンダール、オリヴァー・マスッチ、イナ・ヴァイセ

 現代美術界の巨匠、ゲルハルト・リヒターをモデルにした作品。リヒターはまだ現役です。彼が美術家として認めれるまでの半生を描いています。どこまでが事実なのかはわからないのですが、さまざまな出来事が自分を作り上げていくことがじんわりと伝わってきます。

 美術の教授が「自分を評価できるのは自分だけだ。」という内容のことを言います。この言葉が心に残ります。

 自分が自分の人生をいかに悪いものだと思っても、それは自分です。そんな自分でも常に前を向いて生きてきたのです。他人の目で自分を見る必要はありません。自分の目で自分をしっかりと見つめることが大切なのです。

 バスのクラクションを浴びるラストシーンは言葉にならない感動が寄せてきました。

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