とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『たった一つを変えるだけ』(新評論社)

2018-09-17 13:47:24 | 教育
 副題「クラスも教師も自立する『質問づくり』」
 著者:ダン・ロススタイン、ルース・サンタナ
 訳者:吉田新一郎

 先日、野矢茂樹さんの小論文の講演に行った。その時野矢さんが紹介していたので、さっそく購入して読んでみた。とてもおもしろい本である。

 従来の教育は、教師が答えのある問題を質問して生徒はその答えを求めていた。それは発展性に乏しい。生徒は結局は教師の「正解」を待つことになるし、教師も指導書通りの結論に満足してしまう。教師にしてみれば答えがわからないという不安から逃げることになるのでそのほうが楽なのである。結局教師も生徒も「考える」という行為から逃げていただかなのだ。

 探究的に「考える」力を育てるためには、生徒は「質問する」ことができることが必要なのであり、「質問する力」を引き出すことが教師の行うべき仕事だということをこの本は主張している。現代の教育において重要なことを教えてくれる。

 ここ数年「探究型」という言葉が独り歩きし、授業がイベント的になってきている。もっと基礎的な部分での形の見える実践例を教師は学ぶべきであり、この本はそのヒントとなると私は感じている。私自身もさっそく実践してみたい。
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