教育改革が混乱している。
以前は教育の改革はゆるやかに行われてきた。それがいいわけではない。そのために旧態依然として教育が平気に行われていたのは事実だ。しかしこの10年教育改革はスピードを急激に増してきた。ここに来てコロナの影響もあってICTの導入が進み、改革のスピードが加速度的に進んでいる。
小学校のプログラミングの導入、英語の教科科、スピーキングテストの導入、高校における「情報」の必修化ならびに共通テストへの導入など、どんどん改革が進んでいる。それぞれの改革の意味は分からなくはない。しかし議論が分かれる部分もあるのは事実である。それでも議論がほとんどないまま(少なくとも表立った議論はないまま)に、政府は改革を断行している。
一番困っているのは現場である。教員を増やすこともなく、改革だけはどんどん推し進められる。何をやっているのかわからないまま推し進められ、混乱する。混乱の中でさまざまな歪が生じている。
教育改革は必要である。しかしあまりにその改革のスピードが速すぎて、現場がついていけてない。
「改革はまったなし」と言うのが最近の政治家の決まり文句だ。しかしおそらくその裏には一部の企業との癒着があるのだろう。本当に改革したいのならば、改革に必要な時間な余裕が必要である。このままでは「経験」という人間の財産を失うことになる。