団塊世代おじさんの日常生活

夏 日本で二番目に気温が高く、陶器と虎渓山と修道院で知られる多治見市の出身です。

今日もお父さんは、私のそばにいてくれますね。

2018-05-26 05:35:46 | 日記
中日新聞の「くらしの作文」に69歳の女性が「いつもそばにいて」というタイトルで投稿されていました。


 今年もまた、思い出の5月が巡ってきた。
あの日から50年以上の時が流れても、こんなに美しい緑の季節になると思い出してしまう。

 集団就職で15歳で長崎から愛知に来て、小さな町で働いていた私は、
3年ぶりに帰省した。
父と二人、乗り合いバスで、佐世保市街が一望できる小高い丘、弓張岳に登った。
父と二人でとてもうれしかった。

 柔らかな日差し、緑の木々、水色の空。
大きな石に並んで座り、九十九島と美しい海を見た。
空と海と島々は、なぜか泣きたくなるほど美しかった。

 ひとり親で、苦労して私を育ててくれた父とのこの二人旅が、最初で最後の旅になるなんて思いもしなかった。

 涙もろく、世渡りが不器用で、いつも貧しかったけれど、溢れるほどの愛は、子どもの心にもしみていた。
真心とか、誠実とか、父は無言のうちに教えてくれた。

 ふるさと、弓張の丘で父と見た九十九島の海は、今もあの日のままだけれども、
私の横にいた父は間もなく、二度と会えない遠い星になってしまった。

 お父さん、私は今、ふるさとの丘によく似た海辺の小さな町で暮らしていますよ。
今日もお父さんは、私のそばにいてくれますね。

 以上です。


 お嬢さんとお父さんの二人暮らしだったようですね。
早くにお父様は亡くなられたようですが、最後に二人だけの旅行が出来て良かったと思いました。

 「涙もろく、世渡りが不器用で、いつも貧しかったけれど、溢れるほどの愛は、子どもの心にもしみていた。」。
このようなお父様だったから、いつまでもお嬢様はお父様を慕っていらっしゃるのでしょうね。






「大脱走マーチ The Great Escape March」
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする