がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

社会的雇用 障害者に自立可能な賃金

2012年01月20日 | Weblog
2012年01月05日 00時48分18秒

http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20111018-OYT8T00879.htm



「障害の有無に関係なく、誰もが対等な立場で働き、最低賃金が保障される「社会的雇用」が注目を集めている。(中舘聡子、写真も)


 障害者本人や支援者らにより自発的に始まったもので、そうした雇用を進める事業所に賃金や運営費の一部を助成する自治体もある。障害者支援のあり方を検討する国の会議でも、制度化に向けた議論が行われている。



月給14万円



 「Tシャツにプリントするなら、この字体が面白いよ」「女性に好まれる色合いを考えてみて」

大阪府箕面市にある「豊能(とよの)障害者労働センター」。スタッフたちが、オリジナルTシャツのデザインについて話し合っていた。会報の発送作業や購入者への礼状書きをする人もいて、室内は活気にあふれている。

 同センターは1982年、「障害者が、地域で当たり前に暮らせる収入が得られる場を」と、障害者2人と健常者4人で起業。給料は生活に必要な額をみんなで分け合う形にし、粉せっけんの袋詰め、販売からスタートした。

 その後、障害者らの能力に合わせて業務を拡大。現在は雇用契約を結んだ障害者37人、健常者23人の計60人がTシャツやカレンダーの製造販売、リサイクル店運営などにあたっている。自立生活を送る人で、月給は14万円程度だ。

 事業収入と並んでセンターの運営を支えているのが、同市が86年から行っている障害者雇用助成制度だ。▽一般就労が困難な重度障害者が従業員の3割以上▽障害者が経営に参加▽労働保険に加入――などの条件を満たす事業所に、障害者の賃金の4分の3などが助成される。現在は同センターを含め、4事業所が対象となっている。

 「人と接するのが苦手だった障害者が、同僚と働くうちに店で接客できるようになった。従業員一人ひとりを大切にすることで、個々の潜在能力を引き出す効果も生まれている」と、同センター副代表の新居(あらい)良さん(48)は言う。似たような助成制度は、滋賀県や札幌市でもそれぞれ2005年、06年から行われている。



多様な働き方



障害者の働き方は、健常者と一緒に企業などで働く「一般就労」と、生きがい作りや訓練的な要素が強い「福祉的就労」に分けられる。福祉的就労の場合、健常者は指導員として給料が保障されるのに対し、障害者の賃金は月平均で1万6894円(09年度、厚生労働省調べ)と極めて低い。また、障害者は「労働者」ではなく作業所などの「利用者」と位置付けられ、利用料が課されることも問題となっている。

 社会的雇用は、この二つの働き方の間を埋める存在として期待されている。内閣府の障がい者制度改革推進会議総合福祉部会は、来年の通常国会に法案提出を予定している「障害者総合福祉法(仮称)」について、社会的雇用など多様な働き方の検証を盛り込んだ提言を行った。

 重度障害者の労働はこれまで、一緒に働く一部の健常者たちの熱意に支えられてきた面が強い。同会議の委員を務める松井亮輔・法政大名誉教授は「社会的雇用は、働きたい障害者にとって選択肢が増えることになり、意義は大きい。今後は、障害者が働いて自立できる環境づくりに向けた社会の理解を深め、こうした雇用創出の試みが全国に広がるような普遍的な仕組みをどう作っていくかが課題になる」と指摘している。

(2011年10月19日 読売新聞)」

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