がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

航海士、同行前に直筆メモ…自分の行為自問自答

2010年11月11日 | Weblog
2010年11月11日 23時27分21秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101111-OYT1T00932.htm?from=top  



「読売テレビ(大阪市)は11日のニュース番組で、「(主任航海士の)海上保安官が任意同行を求められる前に、直筆メモを残していた」と報じた。

 番組には、数日前に主任航海士を取材したという記者も出演し、「A4判の表裏にワープロと直筆で書かれたものだった」などと説明した。

 番組によると、メモには「映像流出が犯罪行為であるならば、映像が機密であるとの証明が必要ではないか」と記されていたほか、「これを機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことはすべて機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないだろうか」などとも書かれていたとされる。

 さらに、「今回の件で我が国の国益は損なわれたのだろうか」「誰かの名誉を害したのか」「(中国船衝突事件の)捜査の妨げとなったのか」などともあり、読売テレビは「(主任航海士が)自分の行為を自問自答するような記述」と説明した。(2010年11月11日22時02分 読売新聞)」



読売グループは、犯人と思しき人物から直接接触されたのが嬉しいのか、取り調べを受けている海上保安官の言い分をよく報道している。しかし、他の事件と比較して、被疑者・被告人となるであろう人物の見解を紹介し過ぎであると思う。あまり被疑者・被告人となるであろう人物の見解に寄った報道をするのは控えた方がいいのではないだろうか。



この記事にあるメモに関しても、問題は多く、例えば、「映像流出が犯罪行為であるならば、映像が機密であるとの証明が必要ではないか」との点であるが、これは、裁判になれば当然そうなるが、では、行政官が扱っている文書・映像等全ての情報に予め機密であることの証明が必要で、その証明がないうちは、公開して構わないということになるのか、との反論が可能である。



「これを機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことはすべて機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないだろうか」との点に関しては、政府の持つ情報は一定期間が過ぎたら全て公開されるというような法律を作ればいいのであって、一行政官の正義感だかなんだかわからない感情で判断して良いものではない。民主主義社会においては、時に迂遠とも思える手続が必要になるが、そのことが、一足飛びに独裁制等の悪しき社会へ進むことを阻んでもいるのであって、法の適正な手続きを踏まずに実力行使をすることは許されない。



「今回の件で我が国の国益は損なわれたのだろうか」との点については、何が国益に適うのかを判断するのは一行政官ではない、と言える。この海上保安官は自意識過剰なのではないだろうか。





前の記事でも紹介したが、最高裁が「国家公務員法一〇九条一二号、一〇〇条一項にいう秘密とは、非公知の事実であつて、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいい、その判定は司法判断に服するものである」と言っているように、何が「秘密」であるかの公権的な最終判断は最高裁が行うものであって、一行政官が「これは国家機密」「これは機密扱いは必要ない」などと判断すべきではない。自分の立場を弁えろ、と言いたい。


2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2010-11-12 00:42:57
>一行政官が「これは国家機密」「これは機密扱いは必要ない」などと判断すべきではない。自分の立場を弁えろ、と言いたい

その判断が司法権にあるのなら、その言葉はそっくりそのまま仙谷さん達にも当てはまることになりますね~
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通りすがりさんへ (当ブログ管理人)
2010-11-12 16:57:33
仙石官房長官は、一行政官でないことは自明です。国民からの負託を受けた国会議員であり、内閣官房長官です。

但し、勿論最終的には、司法判断に服することになります。立憲民主政国家にあっては当然のことです。
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