がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

介護62年…長女刺殺の85歳母に猶予判決

2012年07月22日 | Weblog
2012年07月10日 14時55分24秒

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120707-OYT1T00726.htm



「重い障害のある長女(当時62歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた奈良県生駒市鹿ノ台北、無職西井とし子被告(85)の裁判員裁判の判決が6日、奈良地裁であった。



橋本一裁判長は「結果は重大だが、長年、献身的に長女の介護を続けており、同情の余地がある」として、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。

 ◆ほぼ1人で世話

 判決などによると、西井被告は1998年に夫を亡くして以降、生まれつき、脳性小児まひで重い障害を持つ長女の介護をほぼ一人でしていた。長女の体が不自由になった約8年前からは夜中も2度起き、おむつを交換していた。

 しかし、昨年7月頃、自宅で転倒して右肩を骨折。利き手が不自由になり、自身も、家事を手伝ってもらう訪問介護が必要に。「娘の世話をするのがしんどい」。近所の人に、そう漏らすようになった。

 その後、西井被告は、「これ以上、介護を続けられない」と思い詰め、おむつを替えたあとの1月11日午前3時頃、自宅のベッドで寝ていた長女の首をタオルで絞めて殺害した。

 ◆嘆願

 「62年にわたって長女の介護に尽くし、深い愛情と強い責任感があった」。被告の献身を知る地元の住民は事件後、地裁に寛大な処分を求める嘆願書を提出した。1062人の住民が署名しており、法廷で証言した一人は「娘への深い愛情の結果で、本当にお気の毒だ」と述べた。

 判決は、被告は当時うつ病だったが、弁護側が主張した心神耗弱状態ではなかったとした。橋本裁判長は「娘を失ったことが、あなたに対する刑と言えるかもしれない。冥福を祈ることを忘れずにいてください」と説諭。西井被告は一礼し、ハンカチで目元を押さえた。

 ◆警鐘

 湯原悦子・日本福祉大准教授(司法福祉論)によると、介護が原因で高齢者が被害に遭った殺人事件は増加傾向にあり、昨年は49件と、調査を始めた98年(24件)の2倍に上った。このうち3分の2にあたる32件は加害者、被害者とも60歳以上だった。

 湯原准教授は「介護される人への支援はあっても、介護する家族らを支えるサービスはほとんどない」と指摘。「介護に携わる人たちが事件を教訓に今後、被告のような立場の人たちに何ができるか考え、支援を充実させていかなければ、全国で同じ事件がまた起きる」と警告する。(森安徹)

(2012年7月8日10時39分 読売新聞)」


こんな事件、裁判員裁判にかけられたって、裁ける一般市民なんかいるのかよ。

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