がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

頂いたコメントについて20

2007年11月13日 | Weblog
2007年11月13日 10時24分記載

頂いたコメントについて言及する。頂いたコメントは以下の通り。

「病院に隣接する場所に病院を建て替えるような感じで福祉施設を建てて、病院のベッド削減というのがかなり出てくるのではないでしょうか?既存の建物を改装するとか…。
精神病院では今年から十年で七万人の退院を目標にしてますが、社会的入院のまま老後を病院で迎えた人が隣接地に建てられたケアホームなどに入ってるようです。」



隣接地に福祉施設を建築できたり、既存の建物を改装できる経済的余力がある病院・診療所はそうしたらいいと思うし、現にそうしている病院もいくつかある。しかし、そのように出来る病院・診療所は少ない。



小泉政権発足以来、診療報酬は削減され続けている。診療報酬は2年に1度改定されるが、改定の度に削減され、小泉政権発足時の診療報酬を100とすると現在の水準は90であり、10%もの診療報酬が削減された。目的は言うまでもなく国庫負担削減である。


企業で言えば、10%の売上減少ということである。これは経営する側にとってはとても大きな痛手である。減少した売上に連動させて労働者、即ち医師・看護師の給与を10%以上削減できれば売上減少分をカバーできるが、そうもいかない。なぜなら、勤務医・看護師は元々仕事に見合わない対価しか得ていないからである。そのような状況で医師・看護師の給与を削減すれば医師・看護師がいなくなってしまう。医師・看護師がいなくなれば病院・診療所を維持できない。ただでさえ、医師・看護師が足りない状況で、これ以上医師・看護師が減ってしまっては病院・診療所は潰れてしまう。既に地方の病院を主として続々と病院が潰れていっている。そしてそのような事態は一病院の破綻に止まらず、その地域の医療の崩壊という深刻な問題に直結する。


また、医療用ベット1つで得られる報酬を100とすると、介護用ベットで得られる報酬は70である。この差30を狙って殺人省(=厚生労働省)は姥捨て山政策を推進している。しかし、これでは隣接地に福祉施設を建築したり、既存の建物を改装するという形を取っても採算が合う病院・診療所は少ない。そのため福祉施設を建築したり、既存の建物を改装するという形を取る病院・診療所が少ない。



コメントをくださった方がおっしゃっているように、「社会的入院のまま老後を病院で迎えた人が隣接地に建てられたケアホームなどに入ってる」ということは事実としてある。

しかしそれは非常に希少な恵まれたケースである。なぜそう言えるかというと、昨日の記事でも述べた通り、現時点で34万人の特養への入居待機者がいるという事実があるからである。2011年度末までにそれら34万人を吸収し、さらに、姥捨て山政策によって放り出される23万人をも吸収できるだけのハード(=施設)とソフト(=介護職員)が揃う確率は私は0%であると考えている。なぜなら、そんなことが出来るなら、今の段階で34万人もの入居待機者がいるわけがないからである。



私の予測が全くの的外れで、2011年度末にこの記事を見返した時に、「ああ、俺はなんて馬鹿な記事を書いていたんだろう。」と思えることを願ってやまない。しかし、そう思えることはないような気がする。






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