がん(骨肉腫)闘病記

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原発耐性検査 再稼働への基準と道筋を示せ(7月28日付・読売社説)

2011年07月28日 | Weblog
2011年07月28日 21時15分11秒

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110727-OYT1T01193.htm



「原子力発電所が想定以上の地震や津波に襲われた場合の安全性を確認するストレステスト(耐性検査)と、原発の再稼働の問題を巡り、各地で混乱が広がっている。

 政府は先週末、テストの実施計画を策定し、電力各社に実施を指示した。しかし、新潟県の泉田裕彦知事は「テストは気休め。(再稼働は)あり得ない」、佐賀県の古川康知事も「何のためのテストか」などと批判している。

 テストが複雑なうえ、手間がかかることが、地元の理解を妨げる一因となっているのだろう。

 定期検査で停止中の原発の再稼働の条件として今月初め、テストの実施を言い出した菅首相は、その意義や、今後の道筋を丁寧に説明する必要がある。

 実施計画によると、テストは定期検査を終えた原子炉が対象の1次評価と、全原子炉が対象の2次評価がある。1次評価は重要機器に絞って安全性を確認し、2次評価は原子炉の各部を調べる。

 1次評価だけでも、月単位の時間を要する。2次評価は、年末までかかるとされる。

 しかも、原発の再稼働の可否はこの1次評価に基づき、首相と関係3閣僚が判断するという。ところが、その判断基準は示されていない。基準が明確でなければ、地元にとっては、テストの結果から安全性を確認しようがない。

 経済産業省原子力安全・保安院は、福島第一原発の事故後直ちに全原発に対し、緊急対策を指示した。想定を超える津波で全電源が失われたことから、津波対策や電源確保策の強化などを求め、弱点は補強された。

 これに基づき、保安院は、停止中の原子炉の再稼働に問題はないとの判断をすでに示している。

 今回、全原発で始まったテストは、欧州が先行して実施中だ。

 日本での実施にも確かに一定の意義はある。原発の安全設計の鉄則である二重三重の防護策が確実に働くかどうかを評価できるからだ。保安院の指示による安全向上策の実効性の再確認にもなる。

 だが、設計図や部品の強度データを基に計算し、安全の余裕を見積もる机上のテストなので、欧州では原発の運転と無関係に行われている。本来なら、長期的な安全性向上の参考とすべきだろう。

 それなのに、専門家でもない首相らが再稼働の可否を最終判断する仕組みにしたのは不可解だ。

 盛夏を迎え、電力不足が深刻化している。テストで国民の信頼が損なわれては本末転倒である。(2011年7月28日01時14分 読売新聞)」


新潟県、泉田裕彦知事の「テストは気休め。(再稼働は)あり得ない」との発言や、佐賀県 古川康知事の「何のためのテストか」との批判はもっとも。福島の大惨事を目の当たりにして、地方自治体の責任者として、原発再稼動など認められるわけがない。

それに対して、自治体住民に対して何の責任も負っていない気楽な立場の読売は、相変わらず無邪気に原発再稼動を要求している。新聞記者というのは、かくも無責任な、気楽な商売。

「盛夏を迎え、電力不足が深刻化している」と言うが、不足しているなら我慢するしかない。不足しているからといって、コントロール能力のない政府が再稼動させては、第二、第三の福島が出現してしまう。


我々にも責任の一端はあるが、原発を全くコントロールできない無能な政府を戴いてしまっている以上、少なくとも我が国は原子力発電から撤退するべきである。


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