がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

抗がん剤の大まかな分類

2007年12月31日 | Weblog
2007年12月31日 10時50分記載

抗がん剤には大まかに言って以下のような種類がある。



1.アルキル化剤

2.代謝拮抗剤

3.抗がん性抗生物質

4.白金製剤(プラチナ化合物)

5.微小管阻害剤

6.トポイソメラーゼ阻害剤(5と6を総称して、植物アルカロイドと呼ぶ場合もある)

7.分子標的薬



1.のアルキル化剤とは、アルキル基と呼ばれる原子のかたまりを細胞のDNAに付着させ、二本のDNAを異常な形で結合させて、DNAの複製を阻害し、以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。代表的なものとしては、イフォマイド(イフォスファミド)、シクロフォスマイド(シクロフォスファミド)、ダカルバジンがある。



2.の代謝拮抗剤とは、細胞分裂の際に生成される代謝物に似た分子構造をもつものを紛れ込ませ、細胞分裂を阻害することを以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。いわば偽パーツを細胞内に紛れ込ませるのである。

代表的なものとしては、5-FU(フルオロフラシル)、メソトレキセート(メトトレキサート)、ゲムシタビンがある。



3.の抗がん性抗生物質とは、細胞の細胞膜を破壊したり、DNAまたはRNAの複製・合成を阻害することを以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。代表的なものとしては、アドリアマイシン(塩酸ドキソルビシン)、ブレオマイシン、アクチノマイシンDがある。



4.の白金製剤(プラチナ化合物)とは、アルキル化剤などと同様に、DNAの二重らせん構造に結合してDNAの複製を阻害することを以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。代表的なものとしては、シスプラチン、カルボプラチン(パラプラチン)、オキサリプラチンがある。



5.の微小管阻害剤とは、DNAが複製される際に機能する微小管の働きを阻害し、以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。代表的なものとしては、ビンクリスチン、ドセタキセル(タキソテール)がある。



6.のトポイソメラーゼ阻害剤とは、二重螺旋構造を持つDNAがからまり断裂した際に、当該DNA断裂を修復する働きを持つ酵素の働きを阻害し、以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。代表的なものとしては、イリノテカン、エトポシドがある。



7.の分子標的薬は、がん細胞だけが持つ特徴を分子レベルで捉え、その分子の機能を抑え、以ってがん細胞を撲滅することを企図した抗がん剤である。代表的なものとしては、ハーセプチン、イレッサ、グリベッグがある。



上記1~7の抗がん剤を用いた治療を抗がん剤治療ないしは化学療法と言い、また、抗がん剤治療にホルモン治療を加えて、化学療法と呼ぶ場合もある。

病院では抗がん剤治療と呼ぶことは稀で、化学療法を省略した「化療(カリョウ)」と呼ぶことが多い。

これは、個人的な感想だが、「抗がん剤」という言葉のインパクトが強いため、あまりインパクトのない言葉を使っているのではないかと思う。



がん細胞は狡猾で、姿形を様々に変化させ生き残りを図ろうとするので、上記1~7のうちのいくつかを併用して様々なタイプのがん細胞を撲滅しようとする手段が採られることが多い。このような何種類かの抗がん剤を使用して治療する方法を多剤併用療法(カクテル療法)という。

医師は「いいとこどり」のつもりで多剤併用療法を採用しているという意識が強いように思うが、それは裏を返すと副作用の「悪いとこどり」でもあることを忘れないでいてもらいたい。




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