がん(骨肉腫)闘病記

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本日の社説を比較

2009年02月18日 | Weblog
2009年02月18日 20時42分記載

asahi.com配信記事(参照URL http://www.asahi.com/paper/editorial.html )



記事タイトル:財務相辞任―政権の体を成してない



「麻生政権の命脈は尽きつつあるのではないか。そんな感じを抱かせる展開である。

 中川財務・金融相が辞任した。ローマでの主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議で、もうろうとした意識で記者会見したことの責任をとるという。

 薬の飲み過ぎなのか、アルコールのせいなのかは定かでない。しかし、どちらにしても、世界注視の会議でまともに仕事をできたのかどうかが疑われるようでは言語道断だ。

 世界第2の経済大国の財務相の異様な姿は世界に報じられ、懸念とからかいの対象となった。当時の事情や本人の意図はどうあれ、政治は結果責任だ。辞任は当然である。

 それにしても、この決断がなされるまでの右往左往ぶりには、あいた口がふさがらない。

 中川氏はきのう朝「与えられた仕事を一生懸命やる」と表明していたのに、午後には「09年度当初予算案と関連法案が衆院を通過すれば辞表を出したい」。民主党など野党が参院に問責決議案を出すと、結局「辞めた方が国家のため」と首相に辞表を提出した。何とも情けない二転三転だった。

 野党優位の参院で問責決議が可決されるのは確実だった。そうなれば国会審議が空転し、予算案の成立がさらに遅れることは目に見えていた。なのにいったんは予算案の衆院通過後などと辞任の時期に条件をつけた。自らの責任の重さと事態の深刻さを理解できていなかった証しだろう。

 予算案や関連法案の審議では、政府を代表して財務相が答弁する機会が多い。近々辞める閣僚の答弁を誰が正面から受け止めるだろうか。

 麻生首相の責任はあまりにも重い。中川氏を任命した責任はもちろん、一時は続投を指示しながら、最終的には辞表を受け取らざるを得なかった。首相自身の判断の甘さ、緊張感の欠如は隠しようもない。

 政権発足から間もなく5カ月。定額給付金や郵政民営化をめぐる一連の発言を振り返るまでもなく、その発言や政策判断は混乱と迷走を続けてきた。それが、ただでさえ難しい国会運営や政権維持をなおさら危うくしているのに、そのことへの真剣な危機感も感じられない。

 首相は、景気対策が第一の一点張りだ。しかし、何よりも急ぐべき予算案の審議は野党との間で打開を模索するでもなく、ただただ突っ張るのみだ。そこに中川氏の騒動である。

 麻生政権が続くのは何のためなのか、それが見えにくくなっている。自民党によるこれ以上の政権たらい回しは許されない。この未曽有の経済危機に対処するためにも、やはり、早期の解散・総選挙で民意に支えられた政権をつくるしかない。 」




毎日jp配信記事(URL http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090218k0000m070156000c.html )



記事タイトル:中川氏辞任 やはり麻生政権は末期的だ



「中川昭一財務・金融担当相が17日辞任し、後任は与謝野馨経済財政担当相が兼務することになった。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後、ろれつが回らない状態で記者会見する醜態を世界にさらした中川氏の責任は重い。辞任は当然だ。

 ただし、さらに驚かされたのは、この期に及んで中川氏が当初、09年度予算案と関連法案が衆院を通過した後に辞表を提出すると「条件」を付けたことだ。

 いったん辞任表明し、死に体となった担当相が今の深刻な経済危機を乗り切ることができないのは明らかなはずだ。中川氏は一転、夜になって辞表を提出したが、麻生太郎首相も「予算案通過後辞任」でよしと判断していたとすれば、その危機感の乏しさにあきれるほかない。

 中川氏は、もうろうとした状態だったG7後の会見は、飲酒ではなく体調不良が原因だったと改めて説明し、「健康管理の不注意で関係方面に多大な迷惑をおかけしたことをおわびしたい」と謝罪した。「予算案通過後辞任」というのは、自らの進退を引き換えに野党に速やかな予算審議をうながしたいと考えたのかもしれない。

 だが、世界同時不況が刻々と深刻化する中、他国の財務相らが中川氏を信頼して政策協調を持ちかけはしないだろう。一方、野党は17日昼に中川氏が辞任表明した後、問責決議案を参院に提出。今後、審議が滞るのが確実になり、やっと与党からも即時辞任を求める声が強まったのが実情だ。

 それにしてもお粗末だったのは麻生首相の対応だ。16日には「体調管理をしっかりして職務に専念を」と中川氏に続投を指示。17日も自ら動こうとした形跡は見当たらない。国民がどんな思いで今回の醜態を見つめていたか。なぜ深刻さに気付かないのか。

 中川氏の不安定な言動はかねて指摘されていた。それでも盟友だったからか、中川氏を起用した首相の任命責任はもちろんのこと、この間の対応も厳しく問われるのは確実だ。

 自民党執行部の中には「もうろう会見」の直後から「中川氏で乗り切れるか」との声もあったようだが、誰も責任を持って収拾に動かず、結局、辞任劇もしどろもどろとなった。既に指摘している通り、これはやはり政権末期の症状だ。

 危機管理能力の欠如も露呈したことで、国民の間にはますます「この政権で大丈夫か」との不安が募るだろう。与党内で語られている09年度予算案成立後の追加経済対策も国民のためというより、麻生政権の延命のためと映る人が多いだろう。

 今後、政権を立て直す材料は極めて乏しいと思われる。そんな閉塞(へいそく)感を打ち破るためにも早期の衆院解散・総選挙に踏み切り、政治をリセットすべきだ。再度、そう求めておく。」



東京新聞WEB版配信記事(URL http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2009021802000082.html )



記事タイトル:財務相辞任 政権の惨状に目を覆う



「泥酔疑惑で醜態をさらした中川財務相が辞めた。新年度予算案の衆院通過をけじめに、と語って、間もなくだ。続投を指示した麻生首相の迷走ぶりも際立つ。あなたたちに国民の嘆きは聞こえるか。

 わずか五カ月での政権の惨状に率直なところ目を覆う。世界第二の経済大国を自負し、そして深刻さを日々増していく経済危機からの脱出一番手を目標としたはずの政権が、救いようのない泥沼に自損行為ではまりこんだ。

 中川昭一氏は主要国財務相らの重要会議があったローマでの失態をわび、国会で審議中の二〇〇九年度予算案と関連法案の衆院通過をけじめに引責辞任する、と昼の緊急記者会見で述べていた。

 参院は関心の外だったらしい。衆院審議には静養する入院先から通いながら臨むとも言った。辞める大臣相手の国会論戦に多くを期待できるはずがない。その日のうちの辞表提出は当たり前だ。

 衆院さえ通せば参院抜きでも予算は自然成立する、関連法も多数与党の衆院再可決で良しと踏んでいたなら、議会制民主主義下、それだけで閣僚失格だ。一時はそれを了とし、中央突破を決め込んだ麻生太郎首相の見識を疑う。

 野党が激しく反発したのも無理はない。自民や公明の与党にも、事態をこじらせ時間を浪費する無分別を非難して、財務相即刻辞任を求める声が出た。議会人としての良心と受け止めたい。

 思い起こすのは、所信表明の直後に辞意表明して入院、後継選出まで長期の空白をつくった元首相安倍晋三氏である。中川氏も麻生氏も安倍氏も大物政治家の二世、三世だ。国家観で共鳴し合う保守派論客の彼らが、国を強調する傍らで国をおとしめるような迷走を繰り返すのを、一体どう理解すればよいか。基本に欠けている。

 “時間差”辞任の表明で混乱必至とみられた国会は元に戻る。だが、任命した首相は責任を免れまい。後任財務相を兼務する与謝野馨経済財政担当相の器量をもってしても、内外に恥の上塗りと映った政権の体たらくでは、予算と関連法の早期成立は難しかろう。

 中川氏の失態収拾プロセスには「もうろう会見」を報じた海外メディアの好奇の目も注がれたはずだ。危機対応に定見もなく右往左往する首相に猛省を促す。併せて与野党の妥協点を早急に探り、解散・総選挙へ動くよう求める。

 この期に及んでなおメンツ最優先では国の評判をまた落とす。」




NIKKEI NET配信記事(参照URL http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20090217AS1K1700117022009.html )



記事タイトル:経済危機に政治は何をしているのか



「中川昭一財務相が7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後にろれつが回らない状態で記者会見した問題の責任をとって辞任した。野党が多数の参院で問責決議案が提出され、国会の予算審議に大きな影響が出ることが不可避になったためだ。世界的な経済危機のあおりを受け、国内景気が加速度的に悪化する中で、迷走を続ける麻生政権の現状は憂慮に堪えない。

 G7後の会見での失態について中川財務相は「体調が悪く、風邪の薬を飲み過ぎたため」と釈明した。体調が悪かったとしたら同情すべき点もあるかもしれない。財務相は酒好きで有名であり、当人は否定しているが、アルコールが入っていたのではないかとの憶測も消えない。

 日本の財務相として内外メディアの集まる会見で失態を演じ、日本の信用を傷つけた責任は見逃すことはできない。閣僚として緊張感に欠けていたと批判されても仕方がない。

 財務相は当初辞任の時期について「2009年度予算案とその関連法案の衆院通過後」と述べていた。国会日程や外交日程を考慮した結果とみられるが、すっきりしない面は否めなかった。財務相の辞任表明にもかかわらず、野党は参院に問責決議案を提出した。財務相は17日夜になって麻生太郎首相を訪ねて辞表を提出したが、当然のことである。

 中川財務相は首相と政治信条も近い盟友関係にあり、金融担当相も兼務する重要閣僚だ。麻生政権は内閣支持率の低下に歯止めがかからず、苦しい政権運営が続いている。予算審議の最中に中川財務相が辞任に追い込まれたのは大きな打撃である。

 麻生政権は首相の郵政民営化見直しをめぐる発言を小泉元首相が痛烈に批判し、大きく動揺した。この小泉発言をきっかけにいったんは沈静化した与党内の「反麻生」の動きが再び強まる兆しも出ている。政権の立て直しは容易ではない。

 国会は08年度第2次補正予算は成立したが、その関連法案はまだ成立していない。09年度予算案とその関連法案はまだ衆院で審議中である。首相の迷走発言や閣僚の失態、与党内のあつれきなどで予算審議が遅れる状況は極めて残念である。

 つるべ落としのような景気の落ち込みはかつてない事態である。政治が景気の足を引っ張るようなことがあってはならない。まず予算を速やかに成立させ、追加景気対策の展望を開くために、麻生首相は小沢民主党代表との会談や話し合い解散も含めて何でもやるという断固たる意志を示すべきである。 」





YOMIURI ONLINE配信記事(参照URL http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090217-OYT1T01062.htm )



記事タイトル:中川財務相辞任 予算成立へ態勢を立て直せ



「「戦後最大の経済危機」に立ち向かうべきこの時に、内閣の中枢にあった中川昭一財務・金融相が辞任した。異常な事態である。

 麻生首相は、与謝野馨経済財政相に、財務・金融相を兼務させた。与謝野氏の政策的な力量を評価したものだろう。2009年度予算案などの早期成立に向け、態勢の立て直しが急務だ。

 中川氏は、先にローマで開かれた先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の閉幕後、ろれつが回らない状態で記者会見した。国内外に批判と混乱を招いた以上、辞任はやむを得まい。

 麻生内閣の閣僚辞任は、中山成彬・前国土交通相に続き、2人目だ。内閣支持率の低迷に苦しむ首相は、一段と厳しい政権運営を迫られる。

 中川氏は17日昼に緊急記者会見し、いったんは、09年度予算案と関連法案の衆院通過を待って辞任する意向を表明した。

 自らの職責を果たすことにこだわったのだろう。

 しかし、民主、共産、社民、国民新など野党各党は、「辞意を表明した閣僚を相手に審議はできない」とし、野党多数の参院に中川氏の問責決議案を提出した。

 問責決議には、法的な効力はない。だが、可決されれば、参院で審議中の08年度第2次補正予算の関連法案を含め、国会審議の混乱は避けられない。

 加えて、自民、公明の与党内からも、中川氏の即時辞任を求める声が出た。

 結局、中川氏は、この日、国会の混乱を避けるため、辞表を提出することになった。麻生政権の危機管理の甘さが露呈した形だ。

 G7での記者会見は、各国の財政金融当局者が市場に明確なメッセージを発信する大切な場だ。今回は、経済危機への日本の対応が注目されていた。

 中川氏のG7後の記者会見での酩酊(めいてい)したかのような表情や、ちぐはぐな受け答えぶりは、テレビやネットで繰り返し流された。

 中川氏は、風邪薬や腰痛の薬を多めに飲んだのが原因と説明したが、自己管理に問題があったのではないか。

 衆院では、09年度予算案の審議が大詰めを迎えている。所得税法改正案など予算関連法案の審議も始まっている。参院では、定額給付金などを盛り込んだ第2次補正予算の関連法案の採決も先送りされたままだ。

 麻生政権は、これらの成立に全力を傾注しなくてはならない。

(2009年2月18日01時34分 読売新聞)」


読売の自民党・麻生政権擁護が際立つ。


新聞社としては、当然解散・総選挙を求める状況である。百歩譲ったとしても総辞職を要求すべき状況である。しかし、読売は、まだまだ麻生政権の継続を望むようである。どういう了見か。


「麻生首相は、与謝野馨経済財政相に、財務・金融相を兼務させた。与謝野氏の政策的な力量を評価したものだろう。」

→消費税率引き上げに異常な執念を見せる与謝野氏が財務・金融相を兼務するということは、読売にとってはとても有難いことなのだろう。
国民の7割が支持しない政策をごり押しする与謝野氏のどこに政策的な力量を伺えるのか、是非ともお聞かせ願いたい。

「中川氏は17日昼に緊急記者会見し、いったんは、09年度予算案と関連法案の衆院通過を待って辞任する意向を表明した。
 自らの職責を果たすことにこだわったのだろう。」



→どれだけ中川氏に優しいのだろう。職責を果たせない状況にしたのは他ならぬ中川氏だというのに。



「しかし、民主、共産、社民、国民新など野党各党は、「辞意を表明した閣僚を相手に審議はできない」とし、野党多数の参院に中川氏の問責決議案を提出した。」



→問責決議を出した野党のせいで、中川氏が職責を果たせなくなったかのような記述の仕方である。野党のせいで中川氏が辞任したとでも言いたいのだろうか。



「問責決議には、法的な効力はない。」



→読売はよくこういう言い方をするのだが、政治家は法的責任は勿論、政治的責任を負っている。そんなことは読売も百も承知のはずなのだが、いつもこう言って自民党政権・自民党政治家をかばい立てする。



「麻生政権は、これらの成立に全力を傾注しなくてはならない。」



→これだけの失態を演じ、支持率も10%を切った政権を存続させたい理由はどこにあるのだろう。大丈夫か、読売?もう新聞社やめた方がいいんじゃないのか?



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